ホスピス、緩和ケア看護覚書*カナダ編

ホスピス看護をカナダから。2013年大学院を卒業しました。カナダ人の夫とは14年たっても熱愛中。

定期検診

2011年11月22日 | NP大学院
定期的にGPかNPに診察をしてもらっていますか?プライマリーケアーの役割は健康の向上と維持。だから症状がなくても、定期的に診てもらうことが大切です。

妊娠中の定期検診は皆ご存知。妊娠32週までは4週ごと、36週までは2週毎、そしてそれ以降は毎週。

赤ちゃんは?
生後1週以内に一度。1ヶ月、2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月。
それから、18ヶ月、2才、3才、4才、、、と続く。こういう健康な子供の定期検診は"well child's visit"と呼び、身長、体重、BMI、頭囲(乳児期のみ)、血圧(乳児期からの測定を薦められています。) 、脈、呼吸、体温測定。発育、発達状況、カウンセリング、ヘルスプロモーションを行う。こういう受診にかける時間は30分。

成人女性の場合、"well women's visit" と呼び、乳がん検診、女性性器検診、一般検診として、全身チェックとなります。パップスミア(子宮頚癌検診)は昨年、がんセンターが規準を変更した。
検診の開始は21才からかもしくは性行為を始めて3年後となっている。HPVは性器だけではなく、手や口の中にもいるので、性行為の定義はオーラルやデジタル(指)によるものも含む。15才でアクティブになれば、18才からの検診を勧める。その後1年に1度行い、3年連続で陰性であれば2年ごとの検診となる。もちろん性行相手が変われば再び可能性が上がるので、毎年の検査となる。よくある勘違いは、レズビアンはしなくてもよいとか、HPVワクチンをしたらしなくて良い、妊娠中もしなくて良いなどだ。どれも間違い。きちんと検診を受けましょう。69才以上で、3度連続で陰性であれば検診の必要が無くなる。あと特別状況下では規準が変わるが長くなるのでここでは省略。

最近セルフ乳房検診の効果について癌の早期発見への有効性を否定する論文が出たが、医療者による検診を否定したものではなく、以前と同様に一年に一度の医療者による検診を薦められている。検診の開始は子宮頸がん検診と同時期。なので成人女性は一年に一度、乳房検診も含めて全身チェックをすると良い。

成人男性ももちろん定期的に診てもらうことが大切。前立腺は加齢おとともに肥大するし(30歳代から70歳代にかけて)、癌の可能性だってある。定期的にチェックしてもらうことは大切だ。

と人生のどこの部分にいても一年毎の定期健診を薦められる。問診、触診、聴診、打診でわかることはたくさんあるし、必要があれば血液検査や影像検査も処方される。調子が悪くなって受診するときにかける時間はたった15分。健康な時の情報がないと正確な診断に結びつかないもの。体調が崩れたときのためにも定期的な検診は役立つ。

日本のような人間ドックがないからカナダにいるのは不安という声を聞くがこうやってちゃんと健康管理をするシステムはあるのだ。と、言いながらちゃんと検診に来る人は少ない。自分から予約をしなければならず、こういうものだと知っている人が少ないから。

と明日のテストの復習がてらに書いてみました。積極的に定期健診を受けましょう!

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