ホスピス、緩和ケア看護覚書*カナダ編

ホスピス看護をカナダから。2013年大学院を卒業しました。カナダ人の夫とは14年たっても熱愛中。

オスキー

2013年07月18日 | NP大学院
卒業、卒業と言っても免許試験に合格しなければNPとして働くことはできず、オスキー試験の合格通知を待つばかり。他の職種と違って合格がはっきりするまでは面接にも呼んでもらえない。何故って合格率が低いからだ。以前にも書いたが3度落ちるとアウトになる(もしくは学校のやり直し)。過去に3度も落ちてしまった卒業生もいる。なので仮免許で働くことを雇用者側は望まないのだ。

NPに入学してからオスキーのことは耳にタコができるほど聞いてきた。オスキー対策は入学してすぐ始まった。合格率が低く合否決定が不透明と悪評が高かった。年々改善され合格率は改善された。しかし、この試験をしなければいけない州はBC州だけで、アメリカでも稀である。医師、歯科医師にはある試験なので医師のオスキー対策本はあってもNP対策本はなし。こういう事が難しさを悪化させる。試験費用も高いし絶対一度で受かりたいと肩に力が入る。

最後の3週間はとにかく練習を重ねた。医師の試験対策本を2冊こなし、お互いに対応に難しい患者を装ったり、難しいシナリオを作り上げた。はじめはこの試験はノンセンスと思っていたが練習を重ねるうちにその意図が見えてきた。系統的で的をついた問診、カウセンリング、治療方針の説明がとてもスムーズに行えるようになった。実習中5分や10分ですべてを終えることができる時はとても少なかった。一人に20ー30分かけていた。5か10分以内ですべてを終えなければならないこの試験のおかげで効率が上がり短時間で且つ効果的な診療技術に磨きがかかった。

ベテラン看護師出身は受からないという神話があった。その理由がわかった気がする。経験があるからこそ経験に頼って系統的に客観的に診察ができない。基本に基づいてしっかり技術を身につけることが大切なのだ。経験は素晴らしいが客観的になれなければ簡単に誤診につながるのだ。早さだけではない。どれだけ患者とエンゲージできているか、マナーや働きかけ方なども評価される。2年間しっかり勉強してその技術を身につけることができて良かったと思う。

試験当日スタミナが持つか心配だった。過去には緊張のあまり嘔吐したり胸痛、めまいを訴える受験生が居たとか。私も胃がキリキリと痛んでいた。しかし、始まってしまえばあっという間の5時間だった。嵐のように駆け抜けた感じだった。

結果は8月中に出る予定だ。どうぞ合格していますように。

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