緩和ケア医の日々所感

*** がんの症状緩和と子育てと ***

乱用予防の合剤;飲めば鎮痛薬、他の方法で使うと効かなくなる薬剤

2018年02月19日 | 教育
ナルデメジンは、末梢性μ受容体遮断薬で、腸管のμ受容体をブロックすることでオピオイドの便秘を改善させます。実は、これよりずっと古い薬剤で、中枢性μ受容体遮断薬のナロキソンという薬剤がありました。いわゆるオピオイドが効きすぎた時、それを打ち消す効果があり、呼吸抑制などを生じた時に投与します。かなり以前のことになりますが、海外で、医療用麻薬の乱用が生じた国で、このナロキソンとオピオイドを合剤にしたもの . . . 本文を読む
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苦悩と苦痛は意味が違います。時に成長させてくれる苦悩とそれをじゃまする苦痛について

2018年02月12日 | つれづれ
緩和ケアは、疾病を持った患者さんやご家族の苦しさに対処してきました。苦しさとは、何なのでしょうか。様々な辛さは、苦痛として存在します。この苦痛を認識し、経験することが苦悩として表現されています。苦悩とは、いのちや生活の質を根底から脅かす、我が身に起こった苦痛として認識される 嫌な体験と定義されています(J Palliat Care 10: 57-70, 1994) こうしたものを読むと、わかって . . . 本文を読む
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4月からの診療報酬改定(2月7日答申が公開されたので更新)

2018年02月07日 | 医療
緩和ケアチームの対象に、末期心不全が入り、管理栄養士による加算が新設、チームの専従要件が緩和されるようです。平成偶数年は、診療報酬が改定されます。H30年の今年は、その年に当たっていて、その改定は、中央社会保険医療協議会で話し合われます。このところ、ほぼ毎週開催されているようです。厚生労働省のページで開催とその資料を閲覧することができます。中央社会保険医療協議会http://www.mhlw.go . . . 本文を読む
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夕陽で淀川が注ぐ瀬戸内が輝いていました-芦屋を訪問して

2018年01月28日 | つれづれ
1月25日は芦屋で仕事でした。はじめて羽田から大阪空港(伊丹)の飛行機に乗り、その時の、空港到着直前の大阪上空から撮った写真です。淀川から瀬戸内に注ぎ、その先には淡路島、四国が見え、夕陽がその瞬間川面も海も黄金色に染め、それは、それは綺麗でした。こんな風に、機上から撮れると知らず、綺麗だなあと思いながらスマホを構えていて、驚きながら撮った一枚・・壇ノ浦の戦いで安徳天皇を抱いた建礼門院が、浪の下にも . . . 本文を読む
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親や家族の一大事を経験する子どもたちと伴走するために

2018年01月21日 | つれづれ
がんと診断されること・・頭は真っ白になって、医師の話は現実感がないまま流れて行くような感じだった・・こんな風にお話しくださることがあります。親ががんになった。親にとっての一大事は、実は、子どもにとっても一大事・・・そんな一大事を経験しようとしている子ども達、経験した子ども達・・・そんな子ども達を支援するためのカフェが月1回板橋区で開催されています。コアラカフェⓒhttps://www.facebo . . . 本文を読む
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死を語る≠終末期医療

2018年01月14日 | 医療
肉腫とがんでは、症状の出方が異なります。肉腫は、浸潤しないで腫大化していくことが多いため、痛みや呼吸困難感などの症状は相当大きくなってから出現する傾向にあります。また、肉腫は宿主がどんどん痩せていくという悪液質も少ない傾向にあります。前者は、病理学的な観点から、後者は、肉腫の免疫応答などから理解できます。ただ、臨床的には、経験の積み重ねがあって、やっと、予測したり、読み取れることができるようになっ . . . 本文を読む
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五十肩の痛みにトラマドール?

2018年01月08日 | つれづれ
何年振りかで、また、五十肩になってしまいました。。きっかけは、ジャケットの脱ぎ着の時、袖を通そうとして、ビリッと来たところが上腕二頭筋の短頭腱のあたり・・上腕二頭筋の長頭腱炎は頻度高いように思うのだけれど、短頭腱かあ・・と、安易に考えながら、100枚のスライド作成していて気づいたら、肩関節にも痛みが波及していて、腕が上がらなくなってしまっていました。最近、結構周りでも五十肩になる人がいて、治療内容 . . . 本文を読む
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呼吸困難、呼吸の辛さは病態にあった対処が大切です(がん緩和ケア)

2018年01月03日 | 医療
ブログを書き始めて、4300日と1日。随分長く書いてきたものだなあと思います。時勢も変わり、患者さんのことや特定の薬のことを書くことは、以前よりまして、さらに、難しくなってきたように思います。それでも、緩和ケアを必要な方に届けることができ、社会の中で活用してもらえるように、可能な範囲で続けて行こうと思います。どうぞ、今年も、よろしくお願いいたします。最近、情報発信したものから呼吸困難について・・・ . . . 本文を読む
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高齢者の方のフレイル・プレフレイル(老化)とがん治療

2017年12月24日 | 医療
今年10月に、可決された第3期がん対策推進基本計画。「ライフステージに応じた〇〇」ががん診療のトレンドになってきました。小児、AYA世代(思春期と若年成人:この二つは分けてほしいという意見があります)高齢者といった、それぞれの特徴を加味した支援体制を持つことが医療者には求められています。高齢者の支援を考えるときに、加齢、老化・・はとても大切なポイントになります。 高齢者の体が思うように動かせない . . . 本文を読む
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狭き門を通る道は、いのちの道

2017年12月17日 | つれづれ
聖書に、「狭い門から入りなさい」と書かれています。(マタイの福音書7章13-14節)私は、クリスチャンではないのですが、海外にいた時に、外国人の聖書を通して、英語や文化を学ぶグループに入れて頂いていて、聖書を読む機会がありました。広い門は楽だけれど、楽をしようとするのではなく、狭い門に望む気持ちを持つこと大変な思いをしたとしても、その努力が意味をもたらすことなどを教えてもらいました。そのことは、狭 . . . 本文を読む
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年末近くになると思い出す患者さんのこと

2017年12月10日 | 医療
50代女性の消化器癌の患者さんでした。転移で肝機能障害を呈し、すでに、ビリルビンは上昇していました。アンモニアの数値を探すと120以上でした。(解剖学的に両者が平行して動くことがあります)アルブミン1.8、白血球18000程度、その内、リンパ球は3%、CRP20以上、血小板は2万台でした。診察前でしたが、これを見ただけで、急変の可能性が高いことが推測できました。ベッドサイドに行くと、予測したより、 . . . 本文を読む
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街頭イベントにキティ;英国で50年前に始まった市民運動を思い出しつつ

2017年12月03日 | 社会時事
今日は、日本緩和医療学会の普及啓発活動で、阪急西宮ガーデンズ フェスティバルガーデンで開催された 街頭イベントに参加。厚労省委託事業委員会と博報堂さんが企画運営をしてきたイベント。大盛況でした。地元、神戸の医療スタッフのミニレクチャーが続きます。そこに、私も少しだけ参加させて頂いたことは、本当に光栄なことでした。若い人たちの心をつかもう!ということで、キティも登場しました。今、学会の専門医試験のテ . . . 本文を読む
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専門医試験が終わって、今週は実地研修を受け入れて、もう12月・・

2017年11月26日 | 医療
この週末は、専門医試験を受けに大阪に。10年前、日本緩和医療学会の専門医制度の立ち上げに関わっていました。暫定指導医は10年で切れてしまいますので、その前に専門医または今年から始まった認定医を受ける必要があります。私自身は暫定指導医だけとって、精度の立ち上げを行っていましたので、専門医の先生方が2期に増えた時点で、委員会はその先生方にお任せをし、暫定指導医が切れるその1年の猶予を持った前年に専門医 . . . 本文を読む
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無力感の中で

2017年11月19日 | つれづれ
このところ、身近な方のがんのことで、色々考えるところがありました。抗がん治療が身体的な負荷を及ぼすようになってから、緩和ケアを中心とした医療に切り替わるまでの間、どうしてこんなことになってしまうのか・・・と思ってしまうような医療機関、その診療内容、医師とのやり取りは、予想を超えていました。多くの医療機関はそんなことはないだろうと信じていますが、理解ができませんでした。途中からの関わりでしたが・・・ . . . 本文を読む
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チームとは、積み木のジャンガに似ています

2017年11月05日 | 医療
チーム医療って、ジャンガみたいだな・・と良く思います。(写真は、ジャンガ)全体があって、その中に、一本、一本積み木が組み込まれていてそれぞれが、全体のバランスを取るための役割があって、もちろん、一本抜いたからと言って、すぐに崩れてしまうわけではないけれど、脆弱になり、風が吹けば、崩れ落ちてしまうようになってしまう・・   でも、上手くバランスを取ることができれば、こんなことも・・・引 . . . 本文を読む
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