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命のカウントダウン2(健康余命517日)

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ウルトラ高価な薬の話

2023-11-09 08:27:55 | 医療
3年前に書いた記事の焼き直しです。
猛烈に高価な薬の話です。


上の写真の薬、1カプセルの値段、いくらでしょうか?


今週(当時)から新たに在宅医療で担当することになった患者さんが、1日に4カプセル服用されています。

紹介状を読んでいたら、ビンダケル(4C)分1朝食後???
ビンダケル・・・聞いたことない薬でした。
使ったことの無い薬でも、ほとんどの薬は名前を聞けば大体どんな薬か想像できることが多いのですが、全く類推することが出来ない名前でした。

一体何の薬だろうか?
ネットで調べて・・・・薬価の欄で目がテンになりました!!


43672.8円/カプセル
1日4カプセルだから、1日17万4691円!!1ヵ月30日間では524万円超!!1年で6千万円超!!!

患者さんの病名は、野生型トランスサイレチン型心アミロイドーシス。
この薬は病気の原因となっている沈着したアミロイドの新たな沈着を防ぐ作用があるようです。作用からして、毎日飲み続ける必要があります。

認可された7年前はもっと高くて1カプセル5万円以上でした。

年間6千万円以上かかるこの薬なのですが、病気の原因となっている沈着したアミロイドを取り去ることは出来ず、新たな沈着を防ぐ効果はあるとのことで、薬を飲み始めて30か月経過すると、生存率に30%ほどの差が出てくるのが売り文句です。30か月で1億5千万超!!それで生存率に30%の差って・・・大きいのか小さいのか??????疑問符が一杯湧いてきます。
指定難病なので、本人負担は殆どありませんが・・・・一時的には支払いが生じますので・・・高い薬だという事は十分にわかっておられます。そのうえで、

飲んでいおられるご本人も、奥様も、揃って・・・・
「効いている気がしない」と、言われています。


それは、症状を改善する薬ではなく、悪化を遅らせるだけの薬なのですから・・・効いている気はしないでしょうねぇ

昨日も他の患者さんにザイボックス(7358.6円/錠  1日2錠使用)という高価な薬をやむを得ず処方してしまいました。こちらの薬は抗菌薬なので、一定期間服用するだけですが、それでも、普通の薬に比べると高いです(10日間で15万円)!!


免疫チェックポイント薬オブジーボの値段に目を丸くしていた頃が懐かしい?
https://www.ganchiryohi.com/treatment/512
キムリア(B細胞性急性リンパが急性白血病の薬)の薬価は、患者一人あたり3349万3407円
脊髄損傷に対する肝細胞治療薬ステミラック注の薬価は、1回1495万7755円

上には上があって・・・・


米国では2億円を超え、世界一高い薬と言われる「ゾルゲンスマ」(一般名:オナセムノゲン アベパルボベク)が、日本でも2020年5月20日から保険適用されました。


日本での価格は1億6707万7222円で、現時点で国内最高額の薬だそうです。
ゾルゲンスマは、指定難病の一つである「脊髄性筋委縮症」の治療薬です。
2020年度の対象患者は25人が想定され、販売額としては42億円が見込まれているそうです

余りに高価で、縁遠い様に思われますが、抗がん剤は結構身近な存在です。
抗コロナ薬もこれほどではありませんが、重症化因子を持っている方に処方されるパキロビッドパック、ラゲブリオの薬価はは10万円前後ですし、重症化因子を持たない12歳以上の方に投与可能なゾコーバの薬価も5万円程度です。2024年3月までは5千円の負担で使うことが出来ますが、4月からは3割負担なら3万円または1万5千円程度の自己負担が生じる薬になります。



高価薬、超高価薬、あまり関係のない薬だと思っていましたが、少しづつ身近なものになって来てしまいました。
私は、こんな薬の方が好きなのですが・・・・

カロナール500㎎ 1錠8.8円 10錠1シートで88円、3割負担で30円以下です!
でも、この薬、ただいま全国的に品不足です。坂根医院では現在欠品しており困っております。その他、咳止めや、痰切りの薬、総合感冒薬など1錠10円前後の薬が全く足りていません。薬屋さーん、安い薬も頑張って作ってくださいねー!!!!!!



薬不足

2023-10-19 01:04:15 | 医療

薬が不足しています。いろいろな薬が不足していて、本年5月時点で「限定出荷」 と 「供給停止」 の品目は全体の22.5%であり、後発品では33.0%であった。10月になって寒くなってきたからでしょう、5月時点よりも風邪症状に対する咳止めや痰切れに対する薬の不足が一層目立ちます。

http://www.fpmaj.gr.jp/StableProcurement/documents/2023/202306overview.pdf

昨日10月18日、厚労省は、これまでに主要な製薬会社8社に対し、これらの不足している薬の増産に向けた対応をするよう要請しました。その結果、年内は別の薬の製造ラインを融通することなどにより、9月末時点より1割以上供給量が増える見通しがついたということです。

とはいえ、薬の生産ラインというのは、その薬専用のラインで同じ薬をずっと作り続けているのはごく少数で、ほとんどは、同じラインでいろいろな薬を切り替えながら作っているのです。ですから、風邪関連の薬の増産を図れば、異なる種類の薬の減産に繋がり、今度は他の薬の不足が目立つようになる可能性が高いです。

それにしても、20年末に後発医薬品(ジェネリック)メーカーの小林化工(福井県あわら市)の不適切な製造や品質管理の不正が発覚したことがきっかけになって起こった今回の薬不足騒動ですが、3年経っても騒動が収束する目途は立っておらず、あと数年は余波が続きそうに思われます。

これには、薬価を下げすぎて、薬品会社に安い薬(咳止めなどは1錠10円以下の薬がほとんどです)を作る気を失くさせたことも原因の一つに挙げられています。(抗新型コロナ薬のラゲブリオは1カプセル2357.8円、1日8カプセル5日間服用します。)

不足している咳止め薬ですが、咳によっては飲み薬の咳止めよりも吸入薬のほうが効果的な場合も多いです。そしてこちらはまだ不足になっていません。夜間早朝に咳が多く出て、いったん咳が出だすと立て続けに出るような場合、吸入薬が効果的な場合が多いです。また、見分けにくいですが、逆流性食道炎が原因となって慢性の咳が続く場合もあって、その場合にはPPIと呼ばれる胃酸を抑える薬が効果的です。兎に角、2週間以上咳が続いていて、治療抵抗性の場合(薬が効きにくいとき)は、呼吸器内科を受診してみてください。

 

糖尿病関連薬でも、手に入らなくなって困っている薬があります。それは、GLP1関連薬という注射薬の一群です。この薬は発売されて間もないため、まだジェネリックの注射薬は出回っていませんそのため、計画通り作られているようですが、需要が供給を大幅に上回っているため、市場で不足が続いているのだそうです。

試しに「GLP1ダイエット」と、ネット検索してみてください。わんさか情報が入ってくるでしょう!このダイエット法が大ヒットしているようで、元来GLP1関連薬は糖尿病の薬ですから、体重減少目的の使用に対しては保険がききません。全額自費です。それでも大人気で薬が奪い合い状態です。
GLP1関連薬には飲み薬もあるのですが、そちらは何とか供給が間に合っているようです。こちらでもダイエット効果はあるのですが、注射薬のほうが効果は確かなのです。病気でもない、元来健康な痩せたい人のために、貴重な糖尿病の特効薬が使えなくなっています。これには代替策があまりなくて、本当に困っています。