カフェロゴ Café de Logos

カフェロゴは文系、理系を問わず、言葉で語れるものなら何でも気楽にお喋りできる言論カフェ活動です。

「〈語れること〉と〈語れないこと〉を語る会・アンケート結果

2018-02-09 | 〈3.11〉系


〈語れること〉から〈語れないこと〉までを語る会」のアンケート結果について、匿名・実名でアップしてもよいという承諾を得たものについて掲載させていただきます。
なお、これからアンケートを記入してお出しいただいてもかまいません。
むしろ、その方がありがたいです。
ぜひ、多様なご感想をお寄せください。
なお、ブログでご感想をまとめておられる方もいらっしゃいます。
Café de Logos 「語れることから語れないことまでを語る会」
①身体……Café de Logos 「語れることから語れないことまでを語る会」のこと
もちろん、こんなカタチもありです。(ワタナベ)

カフェロゴ×郡山対話の会アンケート集計


質問1.参加動機をお聞かせください。

・担当した書籍が取り上げられていたから。哲学カフェ、会話するカフェなどに関心があったから。

・とりあえず行ってみよう!と。(出逢いは1度きりだったりするので)

・3.11後の言葉を渉猟しています。おおきなスローガンや主張、ステレオタイプの言葉、記号でしかない科学の言葉に回収されない、「自分の言葉」を拾い集めたいと思っています。それは「さっ」と一瞬で掠め去るようなものだと思います。おそらく発した本人も、自分で意識的に発しようとしたり、発した後もなおその意味を自覚できないほど儚いものだだと思います。それは、いつ、どこで、何をきっかけに到来するかわかりませんが、それがふと現れる可能性がこの場にはある気がしているのでいつも参加しています。それが自分の何かを揺り動かすことを求めてのことです。

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質問2.あなたにとって、どんな体験でしたか

・他の方の話を、先入観や関係性の維持などにとらわれずに、ただただじっくり聞く、という経験があまりに不足していると思いました。新鮮な経験でした。

・7年経って色々な立場や考えの方の率直な気持ちを聴けて、白か黒かじゃなくてその間のグラデーションの部分に思いやりをもてる一人でいたいなと思いました。二極化の生きにくさを感じました。

・郡山対話の会では、参加者は男性が多いのですが、若い女性の声を聞くことができました。それも、今まで聞いたことのない発言内容で、とっても新鮮でした。郡山は5人ほどの同じメンバーでの対話も少なくない中で、多様な意見を耳にすることができたことは大きな収穫でした。人数が多くなれば、それだけ、多様さは増しますが、逆に議論による深まりは求められなくなる。これは仕方のないことです。
深い対話の面が薄れるけれども、多様な意見の交流会、といったところでした。

・他の感想にもあったように人数が多かったせいか、発言をかなり抑制しました。その意味で「聞く」ことに徹したことは、それなりに意味があったと思います。ただ、時間の割には「対話」というより、皆さん自分語りの場面が多く、その言葉を沈思黙考しながら思いを深めた気はしますが、それは対話によって何かが深まったという感じとは別の経験でした。
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質問3.発見したこと、気づいたことはなんでしょうか。

・自分の想いや考えを人に伝わる言葉にするのは難しいということ、またお互いが自分の言いた いことを言えたとして、その先(より深く考えるヒントを見つけあったり、別の視点を獲得し たり、より細かいレベルでニュートラルに議論したりすること)までいくには、(私には)時 間がかかるとわかったこと。

・一人一人が小さな旗を立てて、そこから始めていい、という話になった時、素敵だなと思った けれど、“え、私はどこに立ってるの…⁉”自分がどこに立っているのかもわからない人が増え てきている世の中だから(私自身もその一人)語れない、自分の言葉を持てない状況が蔓延し ているのかなと思いました。

・私が理系だから、ということでもないのかもしれませんが、
ブログで中村さんの詩を読んだとき、ピンときませんでしたが、
みんなで音読し合うことで、すごく実感が持てました。
小説や詩を楽しむ機会がなく、評論やエッセイを読むことが多かったので、
大きな発見でした。

・「自分の旗を立てる」という発言をされた方の変化が印象的でした。誰かの言葉を聴きつつ、自分の中で何かが変わるという経験が、思いがけず立ち現れるのが、こうした対話の場の意味なのだと再確認できました。常にそれが可能になるわけではありませんが、その可能性に開かれているのは自分の経験を他者の言葉が媒介する条件があってのことなのだなぁとつくづく感心させられました。
内と外の議論もおもしろかった。それが単なる対立で終わらず、いつどこで自分の中で腑に落ちるのか。興味がわきます。

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質問4.日常生活、仕事、暮らしに何か活かせるコトはみつかりましたか?

・知り合いや友人と、いつもは話さない話題を投げかけてみるのもよいかなと思いました。新しい発見、新しい関係性が生まれるかもしれないと思いました。勝手に「この人はこういう考えだから」「こういう人だから」「結局かわらないから」と思い込んでいる可能性もあるかもしれないと思えました。気負わず、でも普段から自分を開いていけるように思えました。  

・自分がどうしたいかより、人からどう思われるか、を優先するように刷り込まれ生きてきたけ れど、本当はそれって自分にとって都合のいい言い訳でしかないのかなと思いました。語り合 うことを諦め、相手に甘えぶら下がった状態なのかなと、自分自身を振り返す必要があるなと …反省

・大きな声で発言する人、理路整然と話す人に焦点が当たりがちですが、「声なき声を聴く」とはどういうことか、が分かったような気がします。

・質問3で見つけたことは、教育活動に生かせるものだし、本来の民主主義というのはこうした過程を大事にするところに成り立つものだと思っています。現実の職場はますますこうした風潮を切り崩していっていますが、できるだけその信頼を自分自身が維持できる側に立てればいいのかなと思っています。ただ、自分としては「何かに役立つ」から対話の場に集うわけではないですね。
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質問5.ファシリテーターに提案やリクエストはありますか?

・ファシリテーター、すばらしかったです。テクニックと経験とセンスと人柄が必要だなと思い ました。

・言葉にするのが苦手なので、周りにうまく伝わっていないなという時やテーマから脱線しかけた時はいったん止めて、突っ込んでいただけるとありがたいです。

・いつもと変わらずイナバ物置並みの信頼と安心にゆだねて参加できました。
あえて、自分のファシリテーション経験との違いから、いくつか感じた点を述べますと、いつも参加者の自己紹介を大切にし、参加者がその場になじむことをすごく大事にするなぁという点が一番の印象です。
それから、一人ひとりの発言の長さを待ちすぎるくらい許容する点も印象的です。
これはテーマの「ものごと」以上に、語る「ひとごと」を大切にする姿勢なのだと思いました。
しかし、同時に今回のように参加者が多い場合には、長い時間をかけた割には対話を重ねた実感があまりないという点は否めず、話す楽しみも少なかったというのが正直なところです。
じっさい、発言を抑制したという感想をちょこちょこ聞きました(まぁ、おしゃべりの人が多かったの事実ですがね)。
自分の言葉を大切にする以上、それが冗長なものになることは否めませんが、一つ一つの発言を丁寧にするがゆえにテーマの核心になかなかいきつかないもどかしさが感じられました。
そのあたりを発言のルールではないけれど、仕方でも示唆してもらえれば、皆さん要領を得られたかもしれません。
これは個々人によっての感じ方の問題なので、逆にその丁寧さが話しやすさにつながる人がいることも事実だし、どっちがいいという問題ではないですが。
加えていうと、5時間という対話時間は、経験したことがないくらいの長時間ですし、フル参加は難しいというのが参加者としての実感です。
実際、午後から参加者が増えましたが、そのたびごとに話を再確認していくことも上記の冗長さと無関係ではないかなと思います。思い切ってランチを挟まず2-3時間と区切った方が参加者は参加しやすいのかもしれません。
対話に効率性を求めているわけではありませんし、そんなものを求めたら対話そのものを壊すことになることは重々承知のうえですが、何を重視するのかによってそのあたりの匙加減も必要なのかなと思いました。

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質問6.対話をするテーマへ、注文や提案はありますか。

・続けていることに空しさをおぼえるときがある、というようなことをおっしゃっていて、そう いうときもあるのかもしれませんが、私には貴重な経験でした。受けた教育の成果を生徒がい つ気づくか、活かせるかわからないように(20年経って、ある先生の言葉に震撼することも ありますよね、きっと)、カフェロゴの経験も、いつかどこかでその人の人生を豊かにしてい ると思います。
そんなロマンチックな次元ではなく、人の話をゆっくり聴く、自分の考えをまとめて話す、信 頼できる場所で、思ったままなんとなく話してみる、といった経験を繰り返せることは重要だとも思いました。習慣までいかなくとも、そういう感覚、振る舞い、雰囲気を身に つけた人が増えることは、社会にとって大きなことのような気がしました。

・今回みんなで朗読と車座になって話すのはとても新鮮でした。

・「心の復興とは何か」
自治体の復興とか、産業の復興とかは目に見える形で進んでいきます。
避難先から戻ってきた人、帰郷したくてもできない人、避難したくてもできなかった人など、差別、分断が進む中で、3.11前に心が戻ることは困難です。
しかし、「心の復興」を求めて、ていねいな対話がますます重要だと思います。


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