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第13回エチカ福島・まとめ

2019-11-24 | 〈3.11〉系


第13回エチカ福島は、佐藤弥右衛門 (会津電力社長)× 山内明美(宮城教育大学)という夢のコラボレーションを会津盆地を見渡す「雄国大学」にて実現した。
テーマは「〈電力〉から考えるもう一つの生き方」。
地理的に集うのが難しい場所であるにもかかわらず、15名もの参加者に恵まれた。


弥右衛門さんが〈3.11〉を契機に始めた会津電力は、雄国発電所から300世帯の電力を供給している。
眼下に広がる太陽光パネルのその下にはワイン醸造用の葡萄畑も育ち始めている。



その実践の背景にどんな思想が備わっているのか。
以下は渡部の解釈をメモ書きしたものです。


まずは弥右衛門さんのお話。

会津盆地に流れ込む雪解け水は地面を3m掘れば湧いて出るほどに豊かだという。
その水をもとに米、麦、大豆が育ち、他所から何ももってこなくても十分なのが会津盆地。
むしろ余剰さえある。
それをもとに酒、味噌、醤油が醸造された。
地物を利用すれば十分すぎるほど間に合っていた。
しかし唯一欠けていたものが電力だった。
原発事故で考え方を変えざるを得ないことに直面する。
なぜ原発に依存してきたのか。
気づけば、会津の水源は只見川も猪苗代湖の水も尾瀬も東電に奪われていた。
猪苗代湖の水が山手線を回したといわれた時期もあった。
東京は水も人も奪っていく。
「カネがあれば」ではなく、「自分たちの資源を取り返せば」という思考へ切り替えれば10割自治は可能になる。
しかし、福島県は「自分たちでやるのだ」という意見をもって動かなかったことがいかに情けなかったことか。
国がやってくれるといつまでも自分たちで動こうとしない。
大事なことは決定すること。それが政治。
もはや国はどうでもいい。会津が独立し、会津が国連へ加盟しよう!
戦争に負けた日本がアメリカに米や麦、大豆、木材を買わされ、自給率が3割台に落ち込んでいる。
「循環」という発想がない。
なぜJAに再生化や循環といった百姓の発想が出てこないのか。
金融機関は原発事故後預金額が増加しているが、そのカネはどこへ行った?
「誰のために」という発想はあるのか?
もはや、誰かが革命を起こさなければいけないのじゃないか。

会津の独立、革命への機運。
珈琲を飲みながら穏やかに語るその姿とは裏腹に、独立、革命といった言葉の端々に弥右衛門さんの情熱が迸る。


その熱を山内さんの話が加速させる。
「3人いれば独立国家ができる」という井上ひさしの言葉を皮切りに、福島県の水源簒奪の歴史が説かれた。
地域自治に必要な3要素、すなわちそれは食料・エネルギー・自治力。
しかし、それらはいずれも地域から衰退していった。
山内さんが卒業された小学校は、かつて地元産の材料と地域住民の力で建設された。
豊かな物質のみならず人々の共同性、しかしそれらはわずか100年で失われた。
福島県も例外ではない。
明治国家初の国営事業だった安積疎水は士族授産の国内移民として開始されたがそこには水源の豊富な福島県へ眼をつけた明治政府の野心が備わる。
阿賀野川、只見川の有望な電力開発の背景には、1930年のルーズベルトのニューディール政策の一環であるTVAの思想がある。
TVA思想とは何か。
自民党の公共事業政策は雇用と経済を盛り上げるものとして土木事業が展開沙され、血流のようにカネが流される。
ダム建設の意義は地元へは水害対策と説明される一方、国にとっては経済政策であった。
しかし、土砂がたまってもそれをどうするかは放置されている。
使い捨ての公共事業ダム。
当のTVAは1990年代にそれが原因で洪水が起きるも、被害当事者たちの自己責任に帰せられる始末。
これが日本でも起きないといえるか?
田子倉ダムの土砂が限界に達し、ダムを解体した後のことをどこまで想像できているだろうか?
1953年の家電元年から「核の平和利用」は一続きだ。
とめどもない電力生活への欲望は今まで開発されなかった辺境の地を開拓する。
1952年には福島県が東電の水利権取り消しを求める行政訴訟が起こすも、敗訴。
2011年以後、日本は国土強靭化政策を宣言。
日本は今でもニューディール政策を継続している。
台風19号の被害の際には「八ッ場ダムは成功した」という発言さえ出る始末。
この公共事業推進は止まらない。
三陸の防潮堤建設に対して地元住民が建設反対するにもかかわらず、まったく行政は意見を聞き入れない。
カネの計算に基づく行政プログラムは、もはや人間の意見をくみ取ることを不可能にするまでに「発達」した。
大熊町の視察に行った。
2700台のダンプが汚染廃棄物を運び込む。
30年間の貯蔵といっているが、けっきょくこのまま最終処分場にされるのでは…
この無力感。あきらめ。
私たちは1953年以来のエネルギー全体主義によって何を奪われたのか?
地域自治の衰退。
どんなに声を上げても通じない国の行政。
東北はもっと怒らないといけない。
福島の皆さんはこのままでいいのか?!
土地を奪われ、自治力も奪われ、これでいいのですか!?


弥右衛門さんの「独立、「革命」。
山内さんが声を震わせた「これでいいのか、福島人!」という呼びかけ。
私たちはいつまでも〈考え続ける〉だけでは、これに十分応えたということはできなくなってきたのではないか。
懇親会で明治・大正期の「革命歌」をCDで持参して下さった阿部さんは、この結末を予期していたかのようだった。


なにより、今回の雄国大学での開催は阿部さんに多大なご尽力を得て実現したものです。
阿部さんには感謝してもしきれません。
懇親会ではさらに革命への機運が酩酊とともに高まりつつ夜が更けていったのでした。

弥右衛門さん、山内さんほんとうに貴重なお話、ありがとうございました<(_ _)>(文:渡部 純)

第13回エチカ福島「〈電力〉から考えるもう一つの生き方」

2019-11-10 | 〈3.11〉系


【テーマ】第13回エチカ福島「〈電力〉から考えるもう一つの生き方」
【ゲスト講師】
佐藤彌右衛門さん(会津電力)
山内明美さん(宮城教育大学)
【日 時】11月23日(土)14:00〜17:00    
【会 場】雄国大学(喜多方市熊倉町新合字休石地内) 
    
【申 込】 自由参加ですが、できればメッセージに参加の旨お知らせいただければ幸いです。
【参加費】無料(参加者の見学料1,000円はエチカ福島が負担します)
【開催趣旨】

 「エチカ福島」は、これまで震災・原発事故以降の私たちの倫理(エチカ)を問うてきたが、大きく二つの系列に分けられる。一つは、震災・原発事故の被害にあったフクシマに生きる者として、私たちはそれをどうとらえ、その状況の中でどう生きて行けばいいのかを問うという系列である。もう一つは、私たちのこれまでの生き方の選択こそが結果として原発事故を引き起こしたと考え、その生き方を問うという系列である。特に、奥只見は原発前史として電源開発が行われ、奇しくも原発事故の年の夏にダムの林立する只見川で洪水が発生し大きな被害を出した。その只見川流域の地域、特に過疎が深刻化する奥会津の現状を知りその未来を考えることで、私たちのこれからの生き方について考えようとするものである。
 奥会津は、水や森林震源をはじめとする自然資源はもちろんのこと、歴史的にも豊かで奥深い地域である。そこに巨大なダムが建設され、それが作り出す電気は日本の高度経済成長を支え続けた。奥只見は当初ダム建設とダム関連予算によって栄えたが、やがて電源開発はダム発電から原発にシフトすることでそれは終焉をむかえる。奥会津に林立するダムは今でも稼働を続けるが、豊かな自然と引きかえにして得た経済的恩恵は先細りし、人々は奥只見を離れ過疎化は深刻な局面をむかえている。このことは奥只見に限った話ではない。このまま市場主義を貫徹すれば、奥只見をはじめとする日本の多くの地方を根こそぎにしてしまうだろう。
 奥只見の過去を問うことは、実は私たちの今までの生き方を問うことである。奥只見の未来を問うことは私たちのこれからの生き方を問うことである。私たちはこれまで何を選び何を捨ててきたのか。私たちはこれから何をたいせつなものとして守らなければならないのだろうか。
 今回の「エチカ福島」は、佐藤弥右衛門氏と山内明美氏をお招きし、それぞれ「電力の自立と地方の自立」「地域自治と福島の発電史」と題したお話をうかがう。

第3回政治的に口の悪い人限定飲み会

2019-11-01 | 開催予定


【テーマ】 政治的に口の悪い人限定の飲み会
【開催日時】 11月9日(土)17:30~        
【開催場所】 焼き鳥達ちゃん
【申し込み】 要申込 ※先着6名程度
満員御礼(╹◡╹)申込受付を終了させていただきます
【参加費】  飲み代を割り勘
【マスター】 タケちゃんマン
【開催趣旨】

怒れ、教育関係者よ。
文科省解体!って言うより自分の失言を入試制度の不備にすりかえる世紀の詐欺大臣に鉄槌を!
真面目に日本の教育を語ろう!(タケちゃんマン)

政治にこんなバカなことが立て続けに起きてよいのでしょうか。
大臣が連日不祥事で辞任したかと思えば、今度はなんと大学入試改革の目玉と称されていた英語民間検定試験導入の突然の延期。
しかも、それが文科相の失言がなければ強行されていたという皮肉。
洪水被災を前に無神経な「雨男」発言。
グレタ・トゥンべリの圧倒的な国連演説と比べものにならないくらい卑小な「気候変動問題はセクシーに」発言。
バカヤロウ。
こんなときに黙ってられません。
政治的に口の悪い人たち、集合だ!(わたなべじゅん)