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過労死と労働の意味を考える会―牧内昇平『過労死』を読む

2020-11-03 | 労働問題


【テーマ】牧内昇平『過労死』から考える労働の意味
【ゲスト】牧内昇平さん
【日 時】2020年12月12日(土)15:30〜17:30
【会 場】ペントノート(福島市上町2-20 福島中央ビル2階)
【参加条件】定員15名・参加希望者は必ずメッセージをください
【テキスト】牧内昇平『過労死〜その仕事、命より大切ですか?』(ポプラ社)
   ※当日販売になってしまいますが、著者から直接購入の場合には2割割引になります。
    こちらも事前申し込み制にしますのでメッセージをください。
【参加費】 400円(会場使用料等に充てさせていただきます)
【カフェマスター】あらかわさん
【新型コロナウィルス対策】
●参加者はマスク着用と体温計測をした上での参加をお願いします。
●体温が37.5度以上あった場合には、参加しないようにお願いします。
【開催趣旨】

個人的なことから書かせていただきます。
いまから13年前、僕の尊敬する先輩が職場で働いている最中に突然死しました。
当時、それを「病死」だと思っている同業者が少なくないようでしたが、僕をはじめ、当時の彼の労働環境を知る親しい友人たちは「過労死」であると認識しています。
それが厳密な意味での「過労死」ではなくとも、当時の彼の職場に対する愚痴の一つひとつを想い起してみても、少なくとも僕自身はその職場に彼は殺されたと考えています。
あれからずいぶん時が流れました。
いま、僕はその彼が倒れた職場に勤めています。
少しは彼の死が職場環境を改善させたのかと思いながら異動した先の現実は、彼から聞いていた当時の労働環境とほとんど変わらなものでした。
以前よりはマシになったという声は聞きますが、それでも同僚たちは日々疲弊しています。
その原因は明々白々ですが、そうであるにもかかわらず、そこには誰も触れない。
いったい、何がそのようにして労働を暴走させるのか?
労働とはいったい何なのか?

今回は元朝日新聞記者で福島市在住のジャーナリスト・牧内昇平さんをゲストに招き、そのご著書『過労死~その仕事、命より大切ですか?』を手掛かりに「労働とは何か?」という問題を皆さんで語り合おうと考えて企画しました。
本書の冒頭にある「マー君の夢」は涙なしには読めません。
ぜひ、みんなで語らいましょう!(渡部 純)

事前に牧内さんについてお知りになりたい方は、ぜひ「ウネリウネラ」のブログをお読みになることをお勧めします。
さらに、11月10日(火)14:00から福島テルサで開催される「過労死を防ぐシンポジウム」でお話しされるとのことです。こちらは事前予約が必要ですが、お勧めします。

牧内昇平『過労死~その仕事、命より大事ですか?』の紹介≫(ポプラ社HPからの引用)
「ぼくの夢」
大きくなったら ぼくは博士になりたい 
そしてドラえもんに出てくるような タイムマシーンをつくる
ぼくは タイムマシーンにのって お父さんの死んでしまう 前の日に行く
そして 「仕事に行ったらあかん」 ていうんや

これは、お父さんが「過労自死」してしまった6歳の男の子、マー君の言葉です。
マー君のお父さんが亡くなって20年近く経ちますが、今もなお、過労死遺族の思いを象徴する詩として、大切に読み継がれています。
本書は、そんな遺族たちの「今」を7年間にわたり追ったノンフィクションです。
朝日新聞で掲載された過労死特集「追いつめられて」をもとに追加取材を重ねて一冊にまとめました。
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『過労死を「他人ごと」から「自分ごと」にするために』……牧内昇平
「過労死」という言葉を聞いてどんな印象をもちますか?
“亡くなった人はかわいそうだけど、自分は今のところ健康だから大丈夫”
そんな風に思っていないでしょうか。
実はわたしも、数年前に過労死遺族と出会うまではそう考えていました。
新聞社に勤めているわたしは駆け出しの頃、毎日早朝から深夜まで働いていました。
体力には自信があったので、自分とは無縁の話だと思っていました。
わたしにとって過労死は、「他人ごと」だったのです。
考え方が変わったのは、過労自死で父を亡くした小学1年生のマー君の詩、「ぼくの夢」と出会ったおかげです。
生まれたばかりの息子の顔が、頭をよぎりました。
わたしがいま死んだら、息子は、妻はどうなる?
命より大切な仕事なんてあるのか?
そのとき、わたしの中で過労死は「他人ごと」から「自分ごと」に変わったのだと思います。
積極的に休み、自分の残業時間やメンタルヘルス(心の健康)に気をつかうようになりました。
なにより、妻や子どもと過ごす時間を大切にするようになりました。
過労死を「自分ごと」として考え、日々の働き方、暮らし方をみつめ直してもらう。
それが本書のねらいです。

長時間労働だけでなく、パワハラ、サービス残業、営業ノルマの重圧など、働く人を「過労死」へと追いつめる多くの問題に触れています。
読み進めてもらえば、自分の状況に近い人が見つかることと思います。
家族の働きすぎが心配な人も、ぜひ手に取ってみてください。