バカは鋏が使えない

　入ってもう１年３ヶ月にもなるのに、仕事の段取りをぜんぜん覚えられない、あえて言おう会社にいる２７歳のバカである。仕事柄、「鋏で袋を開く」という作業が多いのだが、ある日このバカは親指用の小さな丸い穴の部分と他の４本の指を入れる長い穴の部分を逆に持っていた。どうして？と聞くと、鋏とはこれまでそういう風に使うものだと信じて疑わなかったらしい。どうやら最初に使った時に間違えていたようだが、その後その使いにくさに気がつかなかったのだろうか？「バカの一つ覚え」である。

　「バカと鋏は使いよう」というが、鋏もまともに持てないバカをどうやって使えばいいか悩んでしまう。ちなみにそのバカは今日は気持ちが悪いといって早退したが、先週の水曜日もズル休みしていてどうもおかしい。ま、頭はおかしいのだが・・。

　社長も少し前までは辞めさせようかと思っていたらしいが、その分給料が格安らしいのでガマンしているのだそう。ただ最近は、そのバカもかわいそうなのだが、社長のストレスの捌け口になってしまっていて、「そんなことでそんなに怒らなくっても・・・」という場面も多い。そのバカもバカで、毎日怒られてばっかりで、時々休むんならさっさと辞めてもらったほうがいい。バカの尻拭いは俺たちがやってるんだ！
　かなりキツイいい方だが、そのほうが双方の幸せのためだ。