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2019-04-05 | 宇江佐真理(お江戸物語)




宇江佐真理
『月は誰のもの-髪結い伊三次捕物余話』★★★★


つかの間のブランク
手に入らなかった『月は誰のもの』こちら番外編
(って読み始めるまで分からなかった;)
一気に10年が経過した、そのぽっかり空いた火事後の物語

お文と実父との出逢いに今までにないせつなさと、
その二人の想いに心が温かくなって、こういう書下ろしもよいなと。
お文が主人公の話に惹かれる傾向にあるみたい。

そして、龍之進達八丁堀純情派が追っていた本所無頼派
そのリーダー格との出逢い(それも妻が例の芸者だったという(ネタバレ!))
お酒を酌み交わしての会話にも心温かくなった。

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「へへえ、龍之進はおれに小者をさせるつもりか」
「お望みなら十手と鑑札を与えてもいいぞ」
そう言うと、次郎衛はさらに感激した態になった。
「竃河岸の親分と呼ばれるのも悪くないな」
「悪くない」
「しかし、おれのような男が本当に小者になれるものかの」
「蛇の道はへびという諺もある。昔は悪と呼ばれていたからこそ、わかることも
ある」
「はっきり言うのう。おれは悪か」
「立派に悪だった」
そう言うと、次郎衛は弾けるような笑い声を立てた。
そうして酒を酌み交わしながら、花時の夜は朧ろに更けて行った。月もない夜だっ
た。



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このシリーズの中でもダントツ^^
ホントよい本に出逢えた。
そう出逢い本です。


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天網恢々疎(てんもうかいかいそ)
にして漏らさず
その諺は「魏書」という書物の中にあって、万物に巡らされている天の網はあま
りに大きく、その目の粗いようであっても、決して網の外に漏らすことはない。
悪事を働けば必ず天罰が下るというたとえだと教えてくれた。



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大体のお江戸言葉に通じるようになったけど、
毎度の◆お江戸?なぞワード◆


世迷言
訳の分からないこと、馬鹿馬鹿しい言葉、などの意味の表現。


痞えという病(つかえと読)
胸がふさがったような感じになるの意




緋毛氈(ひもうせん)
緋色の毛氈(フェルト布)のこと。





ももんじ屋
江戸時代の江戸近郊農村において、農民が鉄砲などで捕獲した農害獣の猪や鹿を利根川を利用して江戸へ運び、
その他、犬や狼に狐、猿、鶏、牛、馬など牛肉、馬肉等を肉食させたり、売っていた店のこと。
表向きは肉食忌避があったから、これらを「薬喰い」と呼んだ。
猪肉を山鯨(やまくじら)、鶏肉を柏(かしわ)、鹿肉を紅葉などと称した。
猪肉を「牡丹」、鹿肉を「紅葉」と称するのは、花札の絵柄に由来する隠語の説もあるが、
赤身と脂身の色から牡丹と言ったり、牡丹を模して盛り付けるからとも言われている。
江戸時代では、猪をブタ、野猪をイノシシと読み混合していた。
江戸では両国広小路、あるいは麹町にあった店が有名であった。
獣肉を鍋物にしたり、鉄板で焼いたりし食べていたようで、近代のすき焼きや桜鍋の源流と言える。
幕末には豚肉(猪肉)食が流行し、これを好んだ15代将軍・徳川慶喜は「豚将軍」「豚一殿」とあだ名された。
また、新撰組でも豚肉を常食していた記録が残っている。これら肉食文化は明治初期の牛鍋の人気につながっていった。
百獣屋の字をあてて「ももんじや」としているが、一方で関東地方で妖怪を意味する児童語のモモンジイに由来しており、
江戸時代には尾のある獣や毛深い獣が嫌われてモモンジイと呼ばれたことから、それらの肉を扱う店も「ももんじ屋」と呼ばれるようになったという説がある。


饗応
酒や食事などを出してもてなすこと。きょうよう。


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