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デビュー40周年につき石川ひとみのシングル曲を語る企画 その13(夢番地一丁目)

2019年01月15日 | 石川ひとみ

 石川ひとみさんは昨年デビュー40周年を迎えましたが、デビュー曲の「右向け右」の発売が5月なので私の認識としては今年の5月までが40周年、それ以降が41周年と思っています。ということで、年は変わりましたが40周年でシングル曲を語る企画はまだまだ続けます。

 今回は「夢番地一丁目」。この曲は1981年1月21日発売。「プリンプリン物語」を除くと9枚目のシングルになります。作詞は山上路夫先生ですが、最近発売された「ヒットソングを創った男たち」という本で、この曲のディレクターを努めた長岡和弘さんがその経緯を語っています。それによると、当時大学周辺でフォーク喫茶がブームになっており、そういうところでかかる曲を作ろうと「学生街の喫茶店」の山上先生に詞を依頼したのだとか。

 シングル、アルバムを通じて山上先生が石川さんの曲を手がけるのは初めてだったのですが、そういう経緯があったんですね。ちなみに上記の本は、そういう曲作りの細かい話やレコーディングの裏話もいろいろ出てきますので、昭和歌謡のファンは必読です。

 一方、作曲は芳野藤丸さん。ご存じスーパーギタリストですが、当時は「男達のメロディー」や松田優作さん主演のドラマ「探偵物語」の音楽がヒットしたことで知られる「SHOGUN」で活躍中でした。バンド以外ではアイドルへの楽曲提供も盛んに行っており、岩崎良美さんのデビュー曲「赤と黒」、第二弾「涼風」、第三弾「あなた色のマノン」が藤丸さんの作品でヒットしました。岩崎良美さんには1stアルバムにも数曲提供していますが、石川ひとみさんにもこの「夢番地一丁目」以前にアルバム「Inside Outside」の1曲目「思いがけない序章(プロローグ)」を提供しています。(この次のアルバムにも提供曲はありますが) 私はその「思いがけない序章(プロローグ)」が大好きで、曲といいアレンジといい「こんな歌謡曲は聞いたこと無い」と最初に聴いたときは大変驚きました。

 その藤丸さんですが、西城秀樹さんのバックで「藤丸バンド」のリーダーとして活躍していました。その時と「SHOGUN」の時と、結構芸能ニュースのネタになることが多かったので(詳細は省きます)私はあまり印象が良くなかったのですが、のちにAB'Sでそのギターやヴォーカルを聞いた時には「やっぱり凄い人だ」と認識するに至りました。今では大好きです。

 去年藤丸さんの自伝を読んでびっくりしたのはその作曲法。てっきりギターでコードを弾きながら作るのかと思ったら、楽器は何も使わずいきなり譜面に書き込むのだとか。この人の作る曲は、岩崎良美さんの楽曲にしてもこの「夢番地一丁目」にしても、洋楽のなんかに似てるとかいうのがないので、オリジナリティという点では素晴らしい才能を持った方だと思います。(私が知らないだけで、なんらかの影響はあるのかもしれませんが)

 編曲は渡辺茂樹さんですが、渡辺さんについては前の「秋が燃える」に詳しく書いたのでここでは省略。ただ、渡辺茂樹さんの弟さんの渡辺直樹さんと芳野藤丸さんはAB'Sというバンドをやってたので、いろいろ繋がってるなぁと思う次第。

 それでこの「夢番地一丁目」という曲ですが、アイドルポップスとしては名作だと思います。前半のクールなメロディと歌い方から、中盤に明るく転換しサビでは彼女の伸びやかなヴォーカルを活かしたあたりの構成が素晴らしいです。前半がマイナーのメロディーで始まって中盤に明るく変わるというのは、河合奈保子さんの「ラブレター」なんかもそうですが印象的な曲になりますね。(まぁあちらは大ヒットしましたが…)

 クリス松村氏はこの「夢番地一丁目」が好きだそうで、ヒットの要素はあったと語ってます。石川ひとみさんはこの次のシングルが「まちぶせ」なわけですが、クリス氏によると「その順番が逆だったらこれも大ヒットになってたかも…」などと嬉しいことを、テレビ番組で言ってくれてました。確かに私の高校時代の友人が、私が石川ひとみファンであることを知ってて「夢番地一丁目だけ知ってる」と言ってたことがあったので、ファンではなくとも耳に残るメロディーだったのでしょう。特にサビは。

 ということで、今聞いても名作だと思いますしコンサートでも大変盛り上がる曲です。私としては、当時は諸般の事情で(理由は前回の記事にあります)ちょっとひっちゃんから離れていた時期なので、シングルは買っておらずテレビで数回見た程度。ちゃんとこの曲のノリを楽しめれば良かったんですけどね。ヒットしなかったのが残念という思いと、曲は良くて歌が上手くてもヒットは簡単には出ないなぁ…とつくづく思います。アレンジも歌唱もすごくいいので、いろんな人に聞いて欲しい曲です。


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