constructive monologue

エゴイストの言説遊戯

Aクラスの壁

2007年10月07日 | hrat
オールスター明けの後半戦を31勝29敗と勝ち越して、結果的に67勝75敗2分の4位で3年目のシーズンを終えた楽天。指定席であるはずの最下位を3年目にして早くも抜け出すことに成功して、来季はいよいよAクラス入りが現実的になりそうな雰囲気である。さらに山崎武がHRと打点の2冠に輝き、おそらく(成績的には岸と変わりないが「話題/スター性」という点で)田中も新人王になると予想され、個人成績の面でも喜ばしいことづくめの感が漂う。

とはいえ、チーム防御率4.31および失点676点は断トツの最下位という数字を目の当たりにすると、Aクラス入り達成までの道程は依然として険しい。たしかに岩隈と一場が戦列復帰した後半戦は先発陣がしっかりしていたが、田中とあわせてこの3本柱が一年間ローテーションを守れるかがまず第一の条件だろう。さらに彼らに続く先発陣の育成も急務であり、4番手以降(朝井・永井・ドミンゴなど)において左腕がほぼいない状況を考えると、たとえば創設時の高校ドラフト1位の片山あたりが出てきてもらいところである。またリリーフ陣についても、福盛のFA・メジャー移籍が報道され(「福盛FA行使でメジャー挑戦、楽天から初」『日刊スポーツ』)、吉田豊も引退するなど大幅な再編が予想される。すでに福盛離脱後ストッパーに抜擢された小山や渡辺恒などが十分に機能することを示しているが、磐石のリリーフ陣と呼べるまでに達していないのが実情だろう。

打線でいえば、山崎武に今年のような活躍を期待するのは酷であるとすれば、そして守備の脆いフェルナンデスの存在を考えると、長距離砲の獲得・育成が条件となる。今オフの移籍/FA市場に目を向ければ、広島の新井やヤクルトのラミレスなどがそうした条件に合うわけであるが、あえてマネーゲームに参加するだけの決断をフロント陣が下せるかかどうかにかかっている。

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