智徳の轍 wisdom and mercy

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◎認識離解脱

2006-01-04 | ☆【経典や聖者の言葉】


【質問】
 非神秘力を細分することである認識離解脱を語ってください。

【回答】
 種々の愛欲の衝動と種々の落胆との両方の捨断を、そして、頑固の排除、種々の後悔の防止を、無頓着と記憶修習による罪のないこととを、先に起こった正しい論法を、非神秘力を細分することである認識離解脱と、わたしは語る。

【解説】
 これは、認識離解脱とは何でしょうかという質問に対するサキャ神賢の答えである。
 第一と第二は種々の愛欲の衝動と落胆の捨断。第三は頑固の排除。四番目は種々の後悔の防止。第五に無頓着と記憶修習による罪のないことを挙げていらっしゃるのである。
 「先に起こった正しい論法」について説明しておこう。これは、頑固の排除とか落胆の排除とか後悔の排除とかを実践させるための、それらを支えている論法があるわけである。それを認識離解脱といってるのである。

◎死の軍勢を破る方法

2006-01-04 | ☆【経典や聖者の言葉】


【質問】
 住宅を捨てて、渇愛を断ち切り、欲望や性欲がなく、喜悦を捨てて、氾濫を渡り、離解脱し、期間を捨てている大変頭の良い方に問います。あなたの話題を要望しながら、様々な人々が種々の地方から会合しています。どうか、あなたは彼らに明らかにしてください。全く同様に、あなたはこの法則を知っているからです。

【回答】
 渇愛を持つことをすべて除去しなさい。というのは、上に、下に、横に、そして同一に、真ん中という世界において、とらわれるどんなものでも、まさにそれによって破滅天は、生命あるものに取り入るからである。この理由ゆえに、認識し理解しながらとらわれないようにしなさい。この死の神の領域にしっかりつかまれた弟子は「(破滅天に)帰属の生命体たち」であると凝視しながら、向煩悩滅尽多学男は、すべての世界において道徳的汚点を記憶修習する。

【解説】
 この項目では、渇愛の除去こそが死の軍勢を破るただ一つの方法であるということを言っていらっしゃる。ここでの「道徳的汚点を記憶修習する」というのは、道徳的汚点に注意して、それを破らないような形の記憶修習をするということである。

◎安穏の条件

2006-01-04 | ☆【経典や聖者の言葉】


【質問】
 安穏の手段を明言してください。

【回答】
 種々の感覚の喜びの対象において、意地汚い欲望を除去しなさい。解放を安らぎと見て、道徳的汚点である、獲得されたものや真我でないものをあなたに存在させてはならない。以前のものは枯らしなさい。後に道徳的汚点をあなたに存在させてはならない。存在の現存状態でとらわれないならば、あなたは寂静に臨んで動き回って生活するだろう。

【解説】
 ここでのポイントは、安穏、安らぎの条件について質問され、それに対してサキャ神賢は答えているのである。
 まず第一番目は、感覚の喜びの対象に対する意地汚い欲望を除去する。
 第二は、真我以外のいかなるもの、つまり道徳的汚点に対応するいかなるものも存在させてはならない。
 第三は、以前から所有している内側の欲望、あるいはデータについて、それを止滅しなさいということ。
 第四は、その後に道徳的汚点を生起させてはならないということを言っていらっしゃるのである。