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ハワイウェディングの会場の選び方ポイント~ウェディングレポート(カワイアハオ教会+ハウテラスランチ)

2016-08-06 21:38:19 | Featured Weddings
2カ月強の夏休みがようやく終わり、子供たちの学校が始まります(やっと。。。)。

ウェディングそのものは7月後半からしばらくオフになっていたのですが秋以降のウェディングや来年の問い合わせに対応するために時間を多く割いていました・

ウェディングをフルサービスでプランニングとコーディネーションをするための最初の大事な関門はそれぞれのウェディング、それぞれのお客様にとってベストな会場を選ぶアシストをすることです。これが超・超・大事です!

何もわからないお客様にハワイのウェディングの会場としてどのような選択肢があるのか(逆に言えばどれほど選択肢が限られるのか)というハワイ事情を知っていただくことから始まります。本当に悲しいほどに会場の選択肢は少ないんです~~~~~~。特に難しいのが「海が見える会場」(海が見えない方が良いというお客様はまずほとんどいません)とdestination weddingとして平均的な15~50名様くらいの人数とのバランスです。要は海が見えて少人数でも利用できる大きさの会場の選択肢はどれだけあるんでしょうか、ということです。

挙式会場が教会の場合は100%挙式会場とレセプション会場は別々になります。教会の場合はゲストの人数が10名様未満でも50名様以上でも利用可能です。各教会には挙式を取り仕切るためのスタッフがいますし、祭壇やピューの装花(生花または造花)などが含まれているために別途フローリストが装飾する必要がありません。

教会以外の挙式会場(ホテルのガーデンやテラス、その他ホテル以外の私有施設のガーデンなど)の場合は教会挙式に比べてセッティングのレイバーと人の数がより多く必要になる(会場からスタッフやお花の提供がないため)ことからレセプションも同施設内で行うことをお勧めしています。挙式会場とレセプション会場はそれぞれ気に入ったところをMix & Matchで選択できるかと言うとそうではなく、全体の流れとロジスティクス面を考慮してセットで選ぶことが必要となります。

レセプションの会場や内容がウェディング全体のコストを大きく左右します。レセプション会場のタイプは以下のように大きく分かれます

①レストランの一般ダイニング:レストランの一部を使う会食中心のレセプションで一般的には30名様未満のグループに適しています。レストランによって承れる最多人数は変わります。周囲には一般にお食事するお客様がいらっしゃるので乾杯やケーキカットを除く独自のプログラム(エンターテイメント、ブーケトス、ダンス、上映、余興、スピーチなど)や音楽を流すことは認められません。会食中心のレセプションとしてのみ利用いただけます。テーブルリネンや椅子を持ち込んだりウェルカムボードなどを設置することは通常不可能ですが卓上にお花を飾ったりペーパーアイテムやギフトでテーブルセッティングをすることは可能です。お食事とお飲み物代以外の費用がほとんどかからないことから最もリーズナブルなチョイスとなります。お食事代とお飲み物代には18~20%のgratuity (チップ)が自動的に加算されチャージされます。”セミプライベート”という言葉で表現される場所もありますが、これは他のお客様からは隔離されていてちょっとプライベート感がある、という意味でありプライベートなイベントになるわけではありませんので条件は一般ダイニングとほとんど同じとなります。

②レストランのプライベートルーム(個室):レストランの一部にはプライベートルームを有しているところが数少ないですがあります。海が見えるプライベートルームはミッシェルズ、ハウツリーラナイやサレントスなど。10~40名様ほどのサイズに薦められます。ミニマム(最低消費しなくてはならない売上高)の設定がありますので少人数で利用される場合はメニュー内容を豪華にしなくてはミニマムに達することが難しくなります。テーブルリネンを持ち込むことは可能ですが、外部の椅子やテーブルは持ち込めないことが一般的。レストランの場合は会場の既存のものを使わなくてはなりません(一時的に除去したものの倉庫スペースがないため)。着席前のカクテルタイム用に分かれたスペースの提供は通常ありません。エンターテイナーを雇ったりiPodで好きな音楽を流したりダンスしたり(スペースがあれば)上映したり余興したりと一通りプログラムは可能です。食べ物と飲み物は100%レストランからのオーダーが大原則です。

③レストランの全体または一部を買い取って(バイアウト)貸切る:高額なミニマムが課せられますので人数が100名以上など多くなくては現実的な選択肢とはならないことが多いです。貸切っている場合でも既存の椅子やテーブルを使うこと、食べ物と飲み物は100%レストランからのオーダーというポリシーは同じです。


④ホテルのバンケット(またはファンクションとも言います)ルーム:日本語で言う宴会場のことでプライベートなイベントスペースです。ウェディングだけではなくビジネスミーティングやコンファレンス、卒業パーティーなど様々なイベントに使われます。ストランとはメニュー、ポリシー、料金体系、シェフなど全く違います例えばカハラで言えばPlumeria Beach Houseはレストランですがカハラオケカイはバンケットルームです。バンケットルームは室内のお部屋である場合が圧倒的に多いですが、野外のテラスやガーデンなどの場合もあります。大きなバンケットルームはボールルームと呼ばれます。どのホテルにもイベント用のスペースはあるのですが、海が見える場所となるとそのうちのほんのわずかとなります。バンケットルームの大多数は三辺が壁に囲われたビューのないお部屋なのです。利用するための料金体系は会場によりますが多くが室料とミニマムをそれぞれ定めています。ハレクラニなどミニマムにさえ達していれば室料をチャージしないとというところもありますがそれは稀な方です。ミニマムも食べ物だけを対象にする場合と食べ物と飲み物をあわせた金額で設定する場合とあります。食べ物飲み物はホテルからのオーダーが大原則で、20~23%のサービスチャージ(主にチップ)が自動的に加算されます。100%プライベートなイベントとなりますので会場がコントラクト内で定めるルール以内であればプログラムや装飾面で最も自由がありますしカクテルタイムも含めて利用できる時間も長くなります。コントラクトで定められる諸規則は厳守しなくてはなりません。日本のカルチャーにあるような「そこを何とか」とルールを無視する例外を認めてもらうようなネゴや値切りにはまず対応してもらえないと思う方が良いです。No means Noということなのです。もしもコントラクトの内容に合意できない場合は残念でもその会場をあきらめるかプランを変更する方が後のストレスが回避されます。

⑤ホテル以外のバンケット施設:Koolau BallroomsやWaialae Country Clubなどゴルフ場のカントリークラブなどのイベント用バンケット施設です。日本人の利用はとても少ないのですがローカルのウェディングではとても人気があります。ホテルのバンケットとよく似たシステムですが全体的にホテルよりも価格設定がリーズナブルです。

⑥邸宅:住人が住んでいる普通の住居で一般の住宅街に位置しています。定員数以内であれば人数を問わず一定の金額を邸宅使用料としてチャージして貸し出します。そのため少人数の方が割高となります。可能な人数は10~50名様ほど。イベントに必要な設備一式を外部レンタル会社からレンタルし、日没をまたぐ場合は夜間照明も含めてそのイベントのためだけに設営しますので(会場使用料には含まれません)その費用がまとまってかかります。食事はケータリング会社を手配します。飲み物のポリシーは邸宅やケータリング会社により変わります。プログラムや装飾の自由はありますが、住宅地に位置している一般住居のため騒音やパーキングの問題で近所迷惑(最も回避したいのは警察沙汰)にならないことを重々理解してコントラクトに合意しなくてはなりません。DJやバンドでボリュームを気にすることなく盛り上がりたいという方には適さないんですね。そしてまた住宅街に位置していることから終了時刻も早めとなります。

⑦ラニクホヌアやクアロアなど商用施設(野外):邸宅に似ていますが大きく違うのは商用施設なので音量などの縛りがなく夜遅くまで使用できること、邸宅に比べて収容人数がはるかに多いこと(ラニクホヌアは1000人以上OK)、大きなテントが張れること、多くの会場にはハウスがないので花嫁様が着替えたりヘアチェンジしたり休憩するようなお部屋はないこと、ホノルルから離れた場所にあるため挙式も同会場で行う必要があること、などでしょうか。ケータリングの仮設キッチンも含めて設営する必要があるため設営の費用は邸宅イベント以上に多くかかります。最もコストのかかるイベントが野外イベントなんです。

大事なことはそれぞれの会場の諸規則、長短所、コストのかかり方を理解した上で自分たちの目指しているイベント、ゲストに負担をかけすぎずにやりたいことをかなえるためには現実的に可能な選択肢の中からどの会場がベストかを見極めることだと思います。

とーっても前置きが長くなってしまいましたが今日は教会の朝の挙式とホテルのバンケットルームでのランチレセプションという組み合わせでの素敵なお式をご紹介します!ハワイにもお仕事で何度もいらしているハワイ通ののお二人でしたので私にお問い合わせをいただいたときにはすでに会場を絞ってくださっていました。数々のご案内の時間やメールが省略されるのでとっても助かりました!カワイアハオ教会の通常のお式の枠は1時間なのですがゲストの人数が35名様を超えると1時間半の長い枠で予約することを定めています。約40名様いらっしゃったので1時間半枠でブッキングしました。


午前中のお式の時はスタートがとても朝早くなります。ハレクラニのお部屋から見える空は朝焼け色。

Vera Wangのドレスにスリムな身体をまとい、優しく淡いピンクと白の芍薬、バラ、アネモネ、アスチルベでデザインされたブーケを手にしたbrideのYuiさんは本当に素適でした!黒いタキシードで正装したGroomのAtsushiさんの左胸にさしてあるのはブーケにマッチしたお花で作られたブートニア。

オアフ最古のプロテスタント教会であるカワイアハオ教会の外壁が珊瑚でできていることは良く知られています。ホノルル市庁舎の真向かい、ホノルルの官庁街のど真ん中に位置するヒストリックな教会。最近またじわじわと人気が高まっているように思います。美しい外観、真っ赤なカーペットと4本立っているハワイ王朝のカヒリ、下げられているハワイの旗などハワイアンの歴史を最も感じることのできる教会だからなんだと思います。

厳粛で感動的なお式の後は階段を降りながらフラワーシャワーで祝福されました。教会の横には噴水のあるお庭があり、写真撮影やレイの贈呈などをお式後に行うことができます。

レセプション会場となったハレクラニのハウテラス。到着された皆様をまず迎えたのは木の板にシンプルにデザインされたウェルカムボードとその周りを囲んだ手作りのエスコートカードたち。ゲスト一人一人自分の名前を探し、後に座るテーブルの番号をエスコートカードから確認します。ハレクラニのブルーがすごく好きなんですとBrideに言われて私はすぐにどんなブルーか思い浮かべることができました。少しグリーンがかっていていて渋みのあるブルー。全く同じではないけれど近いシェードでテーブルクロスの色を選ぶことができました。このクロスを決めるにあたっても二転三転した経緯があり懐かしい思い出です。5つあった円卓のうち3つは背の高いカスミソウだけのアレンジメント、2つはカスミソウとバラやアジサイなど複数の白いお花でデザインされた低いアレンジメントがセンターピースとなっています。

椅子はアンティークなゴールドのChivari chairs、メニューカードやプレースカードには淡いピンクが使われています。Favorsはカイルアの老舗パンケーキレストランで日本にも進出したCinammon'sの人気コーヒー。

ハウテラスに皆さんが到着されたのは午前11時半ごろ。太陽が燦々とさして海も空も真っ青です。これぞワイキキというダイヤモンドと海を見ながらゲストの皆さんはカクテルなどを召し上がり自由に歓談を楽しんでいただきました。ハウテラスの最大の魅力は野外の雰囲気と素晴らしい景色を楽しむことができて、なおかつお食事は冷房のきいた室内で快適に行うことができるという点です。特にランチの場合は日差しが強いために外にいられる時間というのは限られています。30分~1時間弱のカクテルタイムでちょうど良いくらいですね。

お二人のこだわりの一つはケーキカットをラナイで行うということ。ケーキはハレクラニのシグニチャーココナッツケーキです!ピンクの生花とケーキトッパーでシンプルに飾られたエレガントなケーキをケーキカット直前にラナイに出しました。お二人の望み通り太陽の光の下でケーキに入刀していただき、ゲストの皆様と写真撮影を行う時間をとりました。せっかくラナイが素晴らしいのでカクテルタイムだけではなくこのようにしてレセプション途中で使うというのもgood ideaでした。もう一つのこだわりはゲストによるウクレレの「お嫁においでよ」弾き語りコンサート。ミュージシャンとの競演でとっても盛り上がるハイライトになりました。ハレクラニにはとても厳しいエンターテイメントポリシーがあり、アンプされた音楽の演奏およびマイクを通して歌うことは厳重に禁止されています。生演奏は全てアコースティックでのみ認められます。

いろいろ守らなくてはならないルールは多いですが、それでも私はホテル(特にハレクラニ)のレセプションは大好きです!!!!サービスのクオリティの高さは素晴らしいのに価格が良心的な点も好感が持てます。そしてウェディングという大切な一日を過ごす場所として大事な要素となるのは安心感ですね。それを与えてくれる会場だと思っています。

YuiさんAtsushiさん 素敵なウェディングをコーディネートさせていただきありがとうございました!


Photography by Erin Paris
Flowers by Flowergirls