ブルックリン横丁

ブルックリン在住17年の音楽ライター/歌詞対訳者=渡辺深雪の駄ブログ。 そろそろきちんと再開しますよ。

084:「Game vs Jay-Z?」

2005-02-17 | ブルックリン横丁
いや別にそんなに煽るつもりはないんだけど、先週あたりネットで回ってきた音源(ゲームがジェイーZ、メンフィス、ビーニーらのロッカフェラ集団やジャ・ルール、アーヴ・ゴッティそしてマーダー・インク改めジ・インクに対しひたすら「suck my dxxk!」と言っているアムステルダムでのライブもの)に対するジェイーZの回答フリースタイルが金曜夜のフレックスのショウでプレミア放送(?)された。今週に入っても得意げに流れまくってるこのフリースタイル、今やデフジャムCEOのジェイですから、それはもう「Take Over」とは違ったソフトでサブリミナルな切り返しっぷり。「I don't play that game」(俺はそんなゲームはプレイしないのだ、って勿論ゲームの名前にもかけたダブル・ミーニング。)「大人をからかうモンじゃない」とか、「スーパーマンはまだ生きてるぜ!」とか。(これはクラーク・ケント役のクリストファー・リーヴスが最近逝去したことにも微妙に言及しているワケですな。)

でも、実際のところはアルバムの発売日の直前にドレーの指南によりゲームはメンフィス・ブリークを始め、ビーフのあった相手に直接電話して謝罪を入れたとのこと。だからこのアムステルダムのライブ音源がいつのものかは怪しいし、本気で「ビーフだビーフだ!」って盛り上がっている、というよりは割とリスナー達も冷めた目で見てるというのが個人的見解(中高生はどうか知らんが)。ジェイにしてもハナっからリラックスしたフリースタイルっぷりだし、「俺がいま機嫌が良くて良かったな」とか言ってるし。それよりも笑えたのが、そのフリースタイルの中でジェイが「俺のヴァースを使うな!」「700%払え!」って繰り返してるトコ。これは勿論T.I.の「Bring Them Out」とかCassidyの「Hustler」(甘甘ハスラー)でのジェイの声ネタサンプリングのこと。古い話で、ファットボーイ・スリムの「The Rockafeller Skank」で「check it out now, the funk soul brother」ってロード・フィネスの声が延々サンプリングされまくっていたというのにフィネスにはビタ一文入らなかった、ってのを思い出しますな。ジェイもそれで苦笑してる感じ?有名税とは言いますが、T.I.はともかくCassidyなんてみんな「甘甘ハスラー」の部分しか聴いてないもんな。あれじゃジェイの曲だって。