ブルックリン横丁

ブルックリン在住17年の音楽ライター/歌詞対訳者=渡辺深雪の駄ブログ。 そろそろきちんと再開しますよ。

085:「マライア完全復活!」

2005-02-19 | ブルックリン横丁
出ますよ出ますよ、マライアの新作!昨日はアイランド/デフジャムのオフィスにてインターナショナル・プレス向けのこぢんまりとしたリスニング・セッションが開催、日本やフランス等のジャーナリストが空港から直行で続々参上。今回のアルバムでマライアと共にトータル・プロデュースを務めているというLAリードが直々にアルバムの紹介をしてくれる予定だったのだが、急遽出張でシカゴに飛んでしまったためにアイランドの社長=スティーヴ・バーテル氏が代行。各参加者を握手で迎え、いちいち名刺を渡すところがいかにもビジネスマンですな。キャンドルを灯し、暗めの照明というセッティングの中(でも場所はあくまでもオフィスの会議室なんだけど)、新作『ジ・エマンシペイション・オブ・ミミ』から計7曲を聴くことが出来た。

結論から言うと…『マライア完全復活』!!!!

言うまでもなく、ここ数年はその奇行(?)と言うか、方向性を見失っている、というか、いや、向かおうとしている方向性はわかるんだけどなんか空回り風と言うか、まぁ「全然万全じゃない感」がありましたよね、マライア。歌声にしてもフェイクに頼ったウィスパー唱法というか、掠れ声というか、往年の「7オクターブ」(だっけ?)伝説を聴いて感動した世代にはイマイチ物足りない気がしていたモノです。

それがそれが。既にNYでもガンガンに流れているジャーメイン・デュプリ作の「It's Like That」みたいな、相変わらずアーバン・シーンを意識した(というかそれが今はメイン・ストリームだからな。こういう言い方はもう語弊があるよな。)フロア路線の曲も沢山ありつつ、ジェイムス・ポイザーやジャム&ルイス(Flyte Tyme)作の秀逸でタイムレスなバラッドでは、もうホント、久々に声を思い切り張り上げて歌い上げてます。素直に嬉しかった。こんなマライアは久しぶりだわー。ここしばらく何が彼女を支配していたのかは知らないが、呪縛はきれいさっぱり解けましたね。祝・完全復活。

聴くことの出来た7曲中ではジャーメイン・デュプリのトラックが多かったのですが、他にもネプチューンズ作(feat.スヌープ)とか、ネリーをフィーチャーした曲とか、あとは聴けなかったけどカニエ作のもあるそうよ。

個人的にハマってしまったのは、デニース・ウィリアムスの未来永劫クラシック『Free』を思わせるトラックを下敷きにした、「これぞマライア!」的な迫力の歌声を余すところなく見せつけるアルバム最後のトラック、「Fly Like A Bird」。アルバム・タイトル通り「エマンシペーション(解放)」を体現したような壮大なバラード。思わず聴いていて激しく頷いてしまいました。こういう万人に分かりやすいメッセージを込めたプロダクションって好き。ヒネりが無い、とか意地悪な聴き方はせずに素直に身をゆだねたくなるような有無を言わせない迫力がありました。

そんでもって今日、明日はいよいよマライア本人を拝んできます。日本から来ているジャーナリストの通訳と、インターナショナル向けのTV素材撮りのインタビュアーをすることになってしまったのだ。楽しみ~。その結果はまたここでご報告いたしやす。