瀬戸内寂聴さんはとても柔らかい発想の人で
大学で古文の講師をしている時
源氏物語を勉強するなら「漫画」からスタートするのは
効果的と述べていた(多分 あさきゆめみし)
クールジャパンの筆頭 アニメの元祖
漫画は自分の時代も、いや自分たちの時代こそが
育てたのだと自負したりする
少年マガジンや少年サンデーは一緒に育ったといえるもので
いい加減いい歳をしても「少年マガジン」「少年サンデー」を読んでいた
アクションやスピリッツよりは、いつまでもこれらの雑誌だった
星飛雄馬も矢吹丈もホラ吹きどんどん、デロリマン、アシュラ、
その他にもまだまだ色いろある
この漫画のなかで少し後期(?)になるが好きだったのが
「がんばれ元気」もちろん毎週立ち読みやら喫茶店やら購入したりやらで
読んでいたがある時一気に1から28号まで購入してしまった
小山ゆうはこの作品の前「おれは直角」と言う作品だったと思うが
これもバカバカしくて好きだった
でも「がんばれ元気」はまるでひとつの教養小説の雰囲気
一人の人間の成長の過程をじっくりと描いていく
この全集のなかには涙を抑えることができないシーンが幾つか現れる
しかし読み終わった時は、全肯定的な後味の良さが残る
ホント、この作品好きだ
ところで写真の右側にあるのは上中下の3冊に分かれた
難解な「共犯幻想」
言葉は少ない、イメージを換気する象徴的な描写が多い
学生運動のさなかバリケードを築いて塔に立てこもった若者4人
彼らは主義主張のため立てこもったのではない
一人ひとりにそれぞれ立ってこもるだけの、そして乗り越えるべき問題があった
それを3冊の分量で丁寧に描いていく
今読むと、この作品は古いと感じないことはない
でもこの作品を初めて読んだ時の、その時代は、こういう時代だった
どこかひたむきで、みょうに熱い、、
これは学生運動が盛んだった時によく読まれた高橋和巳に通じるものがある〈?)
そうこれも一種の教養小説の味わいがある
そしてそれは普通の小説以上のモノがある
瀬戸内寂聴さんが漫画でも源氏物語を楽しむことができる
体験できるとしたことと一緒
自分にとっては比較は適切でないかもしれないが
村上春樹の「ノルウェーの森」よりは
ずっと後々の自分の生き方に影響を与えている
ある時自分が映画監督だったらこの作品の監督をやってみたい
と漠然と思ったことがある
そして下に出てくる刑事役は絶対に露口茂がいいと決め込んでいた
しかしこの作品、出版されていない
人に貸してあげたら酔っぱらった彼に上の数ページをむしり取られてしまった
大事な作品だから薦めたのに
結局、よく言われるように「本を貸す馬鹿、返す馬鹿」ということなのか
今回は少し砕けて、お薦めを紹介してみました
(一人ごとだけで、紹介になっていない?)