パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

すぐに思いついたこと

2024年07月08日 13時46分15秒 | あれこれ考えること

現職は強い現実を改めて実感した東京都知事選
この傾向は我が市の市長選でも見られた

いろんなことのあった今回の都知事選
巷ではいろんな分析、解釈が討論されているが
個人的に一番思ったのは、多分それらとは大きく違う

思いついたことは2つ
一つはイデオロギーよりはアイデンティティという言葉
蓮舫さんは名前からわかるように純粋な日本出身者とは違う
イギリスならインド系のスナク氏
アメリカならアフリカにルーツを持つオバマさんがが当たり前のように
(しかしたいへんな困難を乗り越えたと思われるが)
評価されたが、日本ではどうしてもそれを乗り越えることはできなかったと感じる
実際に二重国籍のネガティブキャンペーンがSNSでは頻繁に見られた
政策、思いなどの本質的な問題よりも、まずはそこで撥ねられてしまったと思う

もう一つは選挙応援のあった共産党のこと
共産党もまた存在自体で割り引かれることの多い団体だ
多分、共産党のどこが悪いというよりは、共産党だから駄目だ
とする思考方法が多いと思われる
そもそも歴史の中で共産党が生まれた経過とかその存在意義を
少しなりとも学んだり読んだことのある人は
その存在にある程度の必然性を感じ取ることができる
それは今でも通用する部分があり、アメリカでも新自由主義者の行き過ぎ対する
アンチとしてブレーキ役にもなっている

ただ日本社会において、これらの直感的に判断する出身とか共産党に対する思いは
想像以上に乗り越えるハードルは高いと思われる

アメリカでもそして多分日本でも、左派的な指向性をもつ連中は
高学歴とか知識人というレッテルを貼られる事が多い
現実生活にたくましさを発揮する人々は、抽象的な理想主義を唱える人々を
嘘っぽく感じてしまう
しかし、そうした理想のない社会などは悲惨な世界になってしまうというのが
理想主義者の言い分で、これを知識による分断と説明した人もいた
(ブルデューの「ディスタンクシオン」では、この社会的属性の違いによって
 思考傾向が違うことを事細かく紹介している)

これは、自分が直接聞いた言葉だが
「頭のいい人たちは難しいことを言って現実的なわかりやすい話をしない
 そしてそれによって我々は片隅に追いやられてしまう」
これはもしかしたらアメリカでも見られる反知性主義の言葉と同じかもしれない

移民とか社会主義とか、そうしたものに真正面から取り組んだことのない
そして今まではそれでやってこれた日本
でもこれからは、そんなことではやっていけないと想像するのだが
アイデンティティと反共産主義はその存在意義を確かめることもなく
NOと判定してしまう世の中と教育

例のポスター掲示板のみっともない出来事から想像できる
日本社会の壊れていく様、、
そして人が人を選ぶというシステムの危うさ

これからどのような道が生まれるのだろうか
こういうときこそ「正気に戻れ!」の言葉を思い出す

コメント
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