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Biting Angle

アニメ・マンガ・ホビーのゆるい話題と、SFとか美術のすこしマジメな感想など。

2013年もありがとうございました

2013年12月31日 | その他の雑記・メモなど
2013年も残すところあとわずかとなりました。
今年もいろいろな本を読み、いろいろな映画や展覧会を見て、いろいろなイベントなに行ってきたけど
なかなかブログに書けませんでした。
Twitterに比重が移ってるせいもあるけど、なにより本人の頑張りが足りないことを反省しております。

SF小説では昨年から引き続いてのラファティ刊行ラッシュに加え、『たんぽぽ娘』の刊行によって
奇想コレクションが無事完結した事、『パラークシの記憶』の邦訳といったうれしい話題続きでしたが、
個人的に一番楽しみ、かつ戸惑わされたのは『夢幻諸島から』ですかね。
いまだに感想が書けないほど考え込む点の多い作品ですが、年明けにはなんとかまとめてみたいものです。

アニメでは劇場公開された『風立ちぬ』や『かぐや姫の物語』に注目が集まりましたが、個人的には
『言の葉の庭』や『劇場版 魔法少女まどかマギカ [新編]叛逆の物語』『空の境界 未来福音』等の
ジブリではない作品の活躍に眼を見張る思いでした。
そうした中でも特に心に残ったのが、NHKで放送されたアニメ版『花は咲く』の映像です。
短編アニメとしての凝縮感の中にありったけの情報を集約して、人生の中にあるつながりやふれあい、
そして人々の生きる場所への思いといったものを描き切った作品であり、原曲を震災ソングという枠から
みんなが口ずさむ普遍的な歌へと解き放った点においても、大きな意義のある作品ではないでしょうか。
この短編のキャラクターデザインを手がけたこうの史代先生のマンガを片渕須直監督が劇場アニメ化する
『この世界の片隅に』の出来ばえについても、期待されるところです。

展覧会で一番よかったのは、五島美術館の光悦展かな。図録が変えなかったのはいまだに悔やまれます。
また、細田守監督を迎えて限定開催された「京都展」観覧企画も、印象に残るものでした。
特に『時をかける少女』に東博が出てきた裏話を、細田監督本人から聞けたのがうれしかったなぁ。

そしてイベントですが、これはなんといっても呉で行われた「このセカ探検隊」に尽きます。
このレポートを書けただけでも、ブログやってた意味があったというもの。
他にも防府でのマイマイ探検隊や広島での片渕監督仕事展、そしてロフトプラスワンでのトークなど
振り返ってみれば今年も片渕監督関連で心に残る出来事がたくさんありました。
ファン仲間にお約束もしたことだし、ロフトでのトークもなんとかまとめなくては…。

それでは最後に、2013年3月をもって閉館してしまったシネパトスの看板写真を挙げておきます。


このシネパトスのように、無くなったもの、消えてしまったものもたくさんあるけれど、
それらが伝えてくれた思い出とか感動といったものは、きっと次の何かに伝わるはず。
そうした気持ちを少しでも伝えられれば…という思いを持って、来年もブログを続けていきます。

それではみなさま、よいお年をお迎えください!
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【イベントレポート】特別ゲストも登場!「この世界の片隅に(このセカ)探検隊」

2013年11月24日 | この世界の片隅に
こうの史代先生が原作マンガを描き、片渕須直監督がアニメ化を進めている『この世界の片隅に』。
その舞台となる呉の街と周辺部を、ロケハンで既に何度も足を運んでいる片渕監督の話を伺いながら
実際に見て回ろうという企画が、「このセカ探検隊」です。

既に防府で実績をあげている「マイマイ探検隊」の手法にならったものですが、呉では初の試み。
防府とは地理条件等も違うので、実現にあたってスタッフがかなり苦労されたんじゃないかというのは
実際に回ってみて感じたところです。詳細についてはあとで触れますが、本当にお疲れさまでした。

さて、当日朝は大和ミュージアムの駐車場に集合です。

片渕監督の背後にそびえるのは、大和も使用していた九一式徹甲弾のダミー。
そういえば防府の国衙跡にも、日露戦争の砲弾(こっちは本物)があったなぁ・・・。
ちなみに監督の影になってる方は呉市の観光課長さんだそうで、後ほど丁寧な御挨拶もいただきました。

まずは呉の港について、昔の写真を見ながらの説明。

ちょうどこの方向から見ると、大和の建造ドックが見えたはず。

その後は観光バス2台に分乗して、灰ヶ峰の展望台を目指します。

こちらは海上自衛隊呉教育隊の正門前。潜水艦実習なども行われます。


上に見える煉瓦づくりの建物が、旧海軍の呉鎮守府庁舎。

現在は海上自衛隊呉地方総監部第一庁舎として使用され、毎週日曜日に一般公開されています。
ここと道路を挟んで斜め向かいには、周作さんが勤めていた軍法会議(軍事裁判所)がありました。

歩道橋の向こうに見える緑色の外壁は、呉の名物「メロンパン」の本社だそうです。

しかしこの「メロンパン」、呉に行くたびにいつも売り切れで、実物は見たことないんですよ・・・。
こっちで言うメロンパンとは見た目も味も全然違うそうなので、いちど食べてみたいんですが。

市街地を抜けて、いよいよ灰ヶ峰を登っていきます。


こちらは灰ヶ峰にある、大正時代に造られた平原浄水場の低区配水池です。

市民の飲み水を供給するために作られた施設なので、すずさんたちもここからの水を飲んでいたはず。
等間隔に出ている突起物は換気塔で、地下が配水池になっているそうです。
地下の様子が気になる方は、こちらに写真がアップされています。

ちなみにここは煉瓦づくりの大きな排気塔が有名ですが、アングルが悪くてほとんど見えませんでした。
上の写真では、木の陰にちらっとそれらしきものが写ってます(^^;。

こっちは緩速ろ過池ですが、平原浄水場が今年3月に廃止されたため、水は抜かれていました。

これもまた、歴史の移り変わりを感じさせるひとコマです。

さらに山道をぐんぐんと登っていくと・・・。


呉の市街を一望できる高台に到着しました!


灰ヶ峰の山頂展望台から見た、呉市の全景。

原作マンガの新装版後編48ページに描かれたものと同じ風景が、目の前に広がっていました。

「見い 九つの嶺に守られとろう ほいで九嶺(くれ)いうんで」
「ほいで真ん中のんが灰ヶ峰 あのすそがわしらの家じゃ」

そう、ここは原作の最後で、周作さんがすずさんと共に見上げた山。
時代こそ違うものの、その山のてっぺんから、私たちは九嶺の街を見下ろしているのです。

なお、山頂と市街地の位置関係を示すと、こんな感じになります。

さすがに遠い・・・車を使わないと、来るのも容易じゃありません。

展望台から右手を見ると、その先には広島市が見えます。

なお、広島市への原爆投下で発生したキノコ雲の高さは、およそ18,000mと見積もられていますが
広島市から灰ヶ峰までの距離はおよそ19km。
なので、すずさんたちが広島市のキノコ雲を見た時は、ほぼ頭上を見上げる形になったのでは・・・
というのが、片渕監督による推論でした。

野球場と陸上競技場が見える一帯は、すずさんたちが花見をした二河公園です。

すずさんとリンさんが登った桜の木は、あの陸上競技場あたりに生えてたのでしょうか。

さて、いったん灰ヶ峰から市街地へ下りてから、今度はすずさんたちの家があったとされる住宅地付近へ。
直行ルートを使わないのは、すずさんが乗ってきたバスの経路を想定して走るためらしい・・・こ、濃いなぁ。

そしてすずさんが下車した辰川に到着すると、ここで特別ゲストが登場しました!

こうの史代先生、キター!
このセカ探検隊の初回ということで、今回は特別参加していただけるそうです!

そんなわけで、ここからは片渕監督とこうの先生によるダブル解説つきの探検隊となりました。

なんというぜいたくなイベント!参加者も大興奮!

こちらの家は煉瓦塀と軒下のべんがら塗りから見て、戦前からの建物と思われます。


べんがらには防虫・防腐効果があるため、昔から木材保護用として使用されてきた歴史があります。

なお、原作マンガでも描かれてますが、このへんはせまい坂道が続く市街地です。
ぶっちゃけ、あまり大人数でぞろぞろ歩くところではないんですよね・・・。

さて、今回最大の難所とささやかれていたのが、こちらの階段です。

すでにかなりの坂道を歩き続けた後に、これはちょっとツライところ。
しかしここを越えないことには、遅い昼ご飯にすらありつけません。これが探検隊の掟。

百数十段を黙々と登る参加者。なお、片渕監督とこうの先生は登っている最中にも談笑していたとか!


階段を登った後は、すずさんが周作さんと大和を見た場所のモデルになった場所へ。


港には自衛艦の姿が。たぶん、すずさんもこんな感じで利根や日向をスケッチしたのでしょう。

当時と違って、こうして写真を撮っても憲兵に引っ張られることはありません。
願わくば、これからもそういう時代がずっと続きますように・・・。

原作でもひんぱんに登場する、長ノ木町の旧澤原家住宅にある三ツ蔵です。


持参した新装版前編の158ページを開いてみると、まさにこのとおりの構図が!


こちらでも、こうの先生と片渕監督によるダブル解説を聞かせていただきました。


既に午後二時くらいになってたと思いますが、ここでようやくお昼ご飯。
おやつには呉名物、福住の「フライケーキ」も出ました。

こうの先生とはここでお別れ。探検隊は最後のひと踏ん張りです。

新装版前編の177ページに出てくる火の見櫓は、ここから見たものだとのこと。


なお、この火の見櫓は後編127ページにも登場しています。
ちなみに前日の懇親会で披露されたラフスケッチでは、こんな感じに描かれてました。

当時の呉市街におけるシンボル的な建物として、アニメでも頻繁に登場するのではないでしょうか。

ゴールの大和ミュージアムには「このセカ探検隊first! おつかれさまでした!」の文字が。

片渕監督もスタッフの皆さんも、ホントにお疲れさまでした!

さて、今回の探検隊を体験して感じたこと。
冒頭でも書きましたが、やはり防府と比べると探検隊には厳しい地理だなーと思います。
防府は比較的平坦で道幅もあり、住宅も道からちょっと離れて建ててある感じでした。
それに比べて、呉のコースは坂が圧倒的に多く、しかも道幅が狭くて住宅が密集しています。
行程がきついだけでなく、あそこを大勢で話しながら歩くのは、やはり地元にご迷惑ではないかなーと・・・。

また、住宅周辺がほぼ全て坂道なので、地元の方は車やスクーターを多用されているようです。
そのせいか、路地での交通量は防府よりも全然多いと感じました。
しかも曲がりくねった坂道なので、見通しもよろしくないんですよ。
防府のルートは車が来ても避けるのに十分な余裕がありましたが、呉の一部ではかなりギリギリでした。
今回事故が起きなかったのは、スタッフの配慮と参加者の声かけのおかげだったと思ってます。

次に探検隊をやるなら、現地調整はさらにしっかりと済ませておく必要があるかもしれません。
何かトラブルが起きて、地元でのイメージが悪くなったら元も子もないですからね・・・。
今回の探検隊がとてもよかったぶん、今後もイベントを続けていって欲しいという気持ちから
あえて気になる点を書いてみました。

まあ何はともあれ、防府から呉までの強行軍も無事に終了。
旧知の仲から当日初めての方まで、参加者の皆さんに励まされ元気づけられた3日間でした。

これからもマイマイとこのセカを通じて、もっとたくさんの人と交流したい。
そのためにも、一日でも早く『この世界の片隅に』を劇場で見られる日が来るよう願ってます。
出来上がった作品が、きっと新たな出会いを運んできてくれるはずだから。
コメント (2)
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【イベントレポート】マイマイ探検隊8(その2)&このセカ探検隊前夜祭

2013年10月25日 | マイマイ新子と千年の魔法
さて、マイマイクルージング&防府懇親会から一夜明けて、マイマイ探検隊8の本番当日です。

今日も天候に恵まれ、防府の空は雲ひとつない晴天となりました。

探検隊の出発前には、新子が劇中で食べていたおやつをイメージした蒸しパンが配られました。

この蒸しパン、クルージングでも大活躍だった軍曹さんのお祖母様のお手製です!

あつあつの蒸したてをいただきまーす!


中にはあんこが入っていました。皮にもほんのり甘みがついていて、とてもおいしかった!


蒸しパンの裏には、サルトリイバラの葉っぱがくっついていました。

このサルトリイバラの葉、とてもいい香りがするんですよ!
そのいい香りが蒸しパンにも移って、おいしさをさらに引き立ててくれました。

ちなみに西日本で「かしわ餅」といえば、サルトリイバラの葉でくるまれているのが一般的だとか。
というわけで、サルトリイバラのかしわ餅もいただきました~。

もちろん、これも蒸したてのあっつあつ。

そしてこれまた、あんこがたっぷり入ってました!

朝ごはんは食べてきたけど、まあ甘いものは別腹ってことで(笑)。

腹ごしらえが済んだところで、いよいよマイマイ探検隊8がスタートしました。
まず最初は防府駅前。唐破風を模した庇のデザインが歴史の街を感じさせます。


防府はもともと国府(現在は国衙の石碑がある場所)を中心に栄えた土地ですが、時代の経過によって
国府が衰えると、今度は防府天神から延びる道沿いの門前町へと賑わいが移っていきます。
そして明治時代に鉄道が引かれて三田尻駅(現在の防府駅)が設置されると、今度は三田尻駅の周辺に
新たな街が形づくられ、鉄道開通から4年後には、現在の防府市の基礎になる防府町が誕生しています。

千年の歴史がある土地ですが、その姿は時代ごとの権力や科学技術の発展によってゆるやかに変化し、
現在へと至っているというわけですね。

今回は防府駅前から山陽本線に沿って東へ進み、国衙跡をまわってから防府天神で花神子社参式を見るので、
いわば防府の歴史を辿りなおす行程となります。

防府から萩へと延びる萩往還の道沿いには、かつてを偲ばせる水車がありました。


こちらは前方後円墳を削って作られた、車塚妙見神社。

社殿の左に見える四角い穴は、古墳が崩されて内部の石室がむき出しにされたもの。
社殿を挟んで反対側には丸い形の石室もあり、これを覆う形で「与三郎稲荷社」が建てられています。

なお、「車塚」は前方後円墳を、「妙見」は北極星を意味します。
北極星を妙見菩薩に見立てたものが妙見信仰ですが、この信仰は朝鮮半島から渡ってきた人々と、
彼らによって我が国に持ち込まれたとも言われる製鉄技術と深い関係があるとか。

なお、この妙見信仰をもたらしたとされる琳聖太子(百済国の第三王子)の墓所とされているのが、
ここよりも北にあるさらに大きな前方後円墳「大日古墳」だそうです。
(ちょっと遠いので、マイマイ探検隊では行きませんけどねー。)

道路からちょっと逸れて、昔の山陽本線跡を歩きます。

この先へ行くと、第6回の探検隊で歩いた鐘紡工場までの引込み線につながるはず。

現在の山陽本線は高架になっています。

二つの線路を隔てるこの短い距離にも、数十年の歴史の隔たりが横たわっているのです。

石碑から左に折れて、探検隊名物の藪こぎを敢行。


藪のとなりを流れる水路には、大きなサワガニの姿もありました。

このほかにもぞろぞろとカニの姿が。10月中旬とは思えぬ陽気に、つい誘われたのでしょうか?

勝間神社跡に到着・・・おっと、諾子ちゃんのお出迎えが!


そして劇中のシーンをバックに、参加者が持参した新子ちゃんドールの撮影会が緊急開催されました(^^;

ドールに向かって一斉にシャッターを切る参加者たち。
それを右隅から見つめる諾子ちゃんの視線に、微妙な何かを感じるような・・・(笑)。
こ、これが千年後のお人形さん遊びなんですよっ!(ちょっと違う)

勝間神社から再び藪こぎ。うしろ姿がちょっと行軍っぽい感じです。

そんな様子を見ながら、つい「雪の進軍」を歌ってみたりして。
しかし天気のほうは正反対に、どんどん暑くなるばかりですが・・・。

諾子ちゃん宅の跡地と思われる場所に到着。

今回は金色の稲穂が見事に実っていました。
片渕館長と一緒に説明されているのは、防府市文化財郷土資料館の吉瀬館長。
劇中でこの場所からの発掘品を新子たちに説明してくれた研究者は、この方がモデルですね。

探検隊のシンボルともいえる水門。

一方、この先にあった昔ながらのお店のほうは、つい最近取り壊されてしまったとのこと。

変わっていくもの、そして変わらないもの。その両方を見届けるのも、この探検隊の意義だと思います。

さらに進んで、国衙跡に到着しました。

おや、既に諾子ちゃんが先回りしています(笑)。

今回もしっかりと「ひづるのお墓」が用意されてました。

ドロップの缶も年季が入ってきて、いい感じに古びてきてます。

じゃんけんもってすっちゃんほい、の佐波神社。

今年は伊勢神宮の遷宮年なので、それを記念したのぼりが立ってました。

ここは周防国の総社として、地域の祭神を合祀した由緒ある神社です。
さっき見てきた勝間神社も、現在はここに合併されているとか。
総社は国府の近くに置かれるのが通例らしいので、この神社も国衙ならではの場所と言えるでしょう。

佐波神社の前の道から見下ろすと、花畑の先の水路に見覚えのあるシルエットが・・・。


おおっ、あれはやっぱり藤蔓のハンモック!

去年の探検隊の時に軍曹さんが作ったものが、まだ残っているそうです。

ちなみに、この「ペットの神様 三宝荒神宮」ってすごく気になったんだけど・・・。

なんでも江戸時代に、家畜の流行病を鎮めるために建立したのが始まりだそうです。

堂々たる仁王門の周防国分寺に到着。

そしてここにも、諾子ちゃんが先回りしてお出迎え。

金堂(本堂)も風格のある佇まいです。

金堂自体は江戸中期のものですが、平安時代と同じ場所に建てられています。

今回は金堂の内部を拝観させていただいたのですが、これがすばらしかった!
建物自体も重要文化財ですが、本尊の薬師如来像をはじめ、両脇に持する日光・月光菩薩像、
四天王像といった仏像群も重要文化財に指定されており、実に荘厳です。

焼失前の薬師如来は現在の2倍の大きさだったとか、手に持つ薬壺の中には本物の薬や穀物が
納められていて、これは全国でも他に類を見ないものであるとのこと。
拝観料500円はかかりますが、防府に行くなら絶対に見ておくべき!

国分寺を出てさらに進み、新子たちの通っていた松崎小学校へ。


校門横の掲示板には、マイマイ新子とあの有名キャラによる競演が実現してました(笑)。

ちなみに島耕作の出身地は原作者と同じく「山口県岩国市」ということになってます。

今はモダンなコンクリートの校舎ですが、これはこれで結構好きなデザインですね。


天神商店街まで来ると、あの金田伊功氏も通ったという模型店が・・・。

なんと、DAICONⅢとⅣのポスターが飾られているではありませんか!
これに興奮したおっさん探検隊員が、ポスターに群がるように記念撮影(^^;。

ゼネラルプロダクツのロゴ!何もかもみな懐かしい!

この後はいったんスタート地点に戻り、探検隊は早めのお開き。
続いて駅前から始まる花神子行列を見るため、マイマイ弁当でお昼にします。

ここでしか食べられない、ここならではの味。
コンビニ弁当やファストフードとは違う、この土地の心がこもったお弁当です。

お昼を食べたら駅前に移動して、花神子さんの集合写真を撮影。

主役は手前に並んだお子さんたちですが、後ろに並んだご家族にもただならぬ本気が漂ってます。

輿や車に乗った花神子さんが、防府天満宮へ出発します。


このへんは平安時代の雰囲気そのまま。まさに諾子ちゃんの姿をほうふつとさせます。



一方、馬に乗った侍の姿は明らかに江戸時代のもの。

こういう折衷感も、平安から江戸期以降まで連綿と続く防府の歴史を象徴するものかなーと思います。

お子さんの乗った馬は明らかに乗馬用でしたが、宮司さんの馬は昔ながらの農耕馬を思わせる重量級。

このどっしりとした安定感!これぞ生活に密着した実用馬の姿!と一人で盛り上がってました。

道中では「どくふるまい」と称して、甘酒もふるまわれました。


さっき抜けてきた天神商店街を逆戻りして、防府天満宮へ。

この赤じゅうたん、じゃなくて緋毛氈を登って、花神子さんたちが天神様へと参ります。

やがて到着した花神子さんたちが、続々と石段を登ってきました。

衣装が重くて大変だけど、がんばれー!

そしてみんなが天神様のお社へと上がり、社参式は終了。


天神前のうめてらすで買った瀬戸内みかんドリンク。これはおいしかった!

あと、夏みかんマーマレードもおいしいですよ!

さて、この後は息つくヒマもなく呉へと移動します!

・・・といいつつも、こんなのを見かけるとつい写真を撮ってしまったり。

山口銀行宮市支店の前にあった「かすみん定期」のポスター。
名前は聞いてたけど、ポスターを見るのはさすがに初めてです。

山口県内で『劇場版 薄桜鬼』が見られるのは、イオンシネマ防府だけ!
(10/25で上映終了ですが・・・。)


寄り道はこのくらいにして、いよいよ電車に乗って呉へと出発!


富海あたりから三田尻の海を眺めます。

きのう海中へと消えていった軍曹さんの帽子も、いつか富海の浜へと流れ着くのでしょうか・・・(謎)。

そしてしばし記憶が飛んだ後、ハッと気づくと徳山駅。
ここから新幹線に乗り換えて広島駅へ、さらに呉線へ乗り換えてようやく呉に到着。

さすがに真っ暗です・・・。

懇親会場は地ビールが自慢の「海軍さんの麦酒館」。

種類限定ですが、なんと地ビール飲み放題つき!

もー上から順番に飲んじゃうぞー!


きりっとした苦味と軽快な飲み口の「ピルスナー」


ピルスナーよりも苦味の柔らかな「ケルシュ」


花のような香りで個性が際立つ「ヴァイツェン」


見るからにしっかりした味わいを思わせる濃い口タイプの「アルト」

どれもうまかったけど、一番インパクトがあったのは「ヴァイツェン」かな。

片渕監督の音頭で「かんぱーい!」


そして防府に続き、呉でも監督ご自身によるレクチャーが行われました。

『マイマイ新子と千年の魔法』という作品と、そこから生まれた防府での探検隊の話。
そしてこうの史代先生の『この世界の片隅に』をアニメ化するにあたって、防府での経験を生かして
呉でも「このセカ探検隊」を実施することになったこと。

こうしたいきさつを、製作中の作品に関する素材なども見せながら説明していきます。

こちらは原作中にシンボル的な形で登場する火の見櫓のラフスケッチ。
この形や位置関係も、現地調査と資料によって既に把握済みとのこと。

バーンと貼られているのは、昭和20年ごろの呉の写真です。


そして、最新の「このセカ」テストショットも公開。


こうしたお話も貴重なものでしたが、もうひとつすばらしい経験だったのは、懇親会に来られていた
地元の映画ファンサークルの方々とお話しできたことです。

このサークル、地元の上映会だけでなく、東京などで行われる全国的なイベントにも足を運んだりと、
非常に活発な活動をされているとのお話でした。
最近では若い人の希望でアニメも見てみようと『サマーウォーズ』の上映会をやってみたそうですが、
ご年配のファンにはやはり違和感があったそうなので、そういう方にぜひ見ていただきたいアニメが
『マイマイ新子と千年の魔法』です!と推薦させていただきました。
映画を見慣れた人にこそ、『マイマイ』の丹念なつくりとドラマ性がより伝わると思うんですよね・・・。

そこから片渕監督と細田監督の両方をプロデュースする丸山正雄さんの話をしたり、実写映画において
役者が監督の意図や脚本を超える芝居をするの相当するのが、アニメにおける作画の力なんですよ!と
柄にもなく力説してしまったり。
酔っぱらってムチャクチャ言ってた気もするけど、おおむね好印象で受け止めてもらえた感じなのは
ホントありがたかったです。

さて、防府から呉まで強行軍で押しまくった一日もようやく終了。
さて宿へ帰って明日に備えよう・・・と思ったら、旧知の探検隊仲間から二次会のお誘いが。
かくして呉の夜はまだまだ終わらないのでした・・・。

ようやく宿へ戻ったのは深夜1時を過ぎたあたり。
そして「このセカ探検隊」へと続きます・・・。
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【イベントレポート】マイマイ探検隊8(その1)マイマイクルージング&懇親会

2013年10月15日 | マイマイ新子と千年の魔法
アニメ映画『マイマイ新子と千年の魔法』の舞台になった防府市で、片渕須直監督の案内により
作品にゆかりのある場所や地元の史跡をめぐる名物イベント『マイマイ新子と千年の魔法』探検隊。

8回目を迎えた今年は、いよいよ本格的に製作が始まった片渕監督の次回作『この世界の片隅に』を
盛り上げるためのプレイベントである『この世界(セカ)探検隊』との連日開催になりました。
しかも『このセカ』のほうは高低差の大きい、かなりハードなコースとの事前情報が・・・。
はたしてカラダが持つのか?という不安もありつつ、2年ぶりの探検隊に行ってまいりました。

防府入りしたのは探検隊前日の10月12日。
実はこの日、「海から防府入りした諾子のルートを辿りつつ、戦艦大和の姿が最後に撮影された
三田尻沖を目指す」という、有志によるクルージング企画が行われたのです。

まずは三田尻港から船で出発し、湾内を抜けて周防灘の外海へと向かいました。

正面に見えるのはタヌキ生息地としても知られる向島。
その左側の開けた部分を抜けて、諾子たちの乗る船が防府へとやってきたのですね。
さらに左側から突き出しているのは、江泊山の先端にあたる竜ヶ崎です。

外海へ出る手前で、高速フェリーとすれちがいました。

フェリーの後ろに見えるのが、外海との境界にあたる防波堤です。
実は4月にも同じ企画が組まれていたのですが、この時は爆弾低気圧が到来したため
防波堤の手前で引き返してます。
今回は天気もよく、無事に防波堤を越えて外海へと出ることができました。

そのままずんずん行くと、目の前に周南市の大津島が見えてきます。


さらに近づくと、コンクリート製の四角い建物の姿が。

これは第二次世界大戦中に大津島に設置された、特攻兵器「回天」の訓練基地跡だそうです。
この時は満潮で見えませんでしたが、水面下には回天の射出口が開いているとのこと。

回天基地の背後には、酸素魚雷の保管されていたトンネル跡がありました。

現在は観光客や釣り人が訪れる、平和な場所になっています。

大津島を左へ回り込んでいくと、右手に防府市の野島が見えてきます。

野島の南東には、獅子頭のような奇岩があります。
このへんは磯釣りに絶好のポイントだとか。

さらに進んで、周南市粭島から約3,000m地点。

左に見えるのは上関町祝島。さらに進むと豊後水道へと至ります。
そしてこの写真を撮った場所が、最後に戦艦大和が停泊している写真が撮影された地点になります。

なお、クルージングにも参加された片渕監督によると、『この世界の片隅に』の「20年4月」の章で、
すずさんが見上げる飛行機雲は、4月6日に大和を撮影したB29が残したものだろうとのことでした。
そして三田尻沖を一望できる江泊山には、大和を含む特攻艦隊の留魂碑が設置されています。

つまり、すずさんと新子の住む場所は「戦艦大和」を介して、1本のひこうき雲で繋がっていた・・・。
ファンによる思い込みではありますが、これにはなんだか運命的なものを感じてしまいました。

大津島を回りこんで徳山湾へ。

波飛沫がつくる虹の背後には、かつて東洋一と讃えられた煉瓦の煙突が見えます。
今では風化が進んで、近くに行くと煉瓦が落ちてきて危ないとか。

白い建物は岩島灯台。手前の四角い建物は、旧日本海軍の監視所跡と思われます。


黒髪島の採石場では、良質の花崗岩が採れます。

ここで採られた石は、国会議事堂にも使われているそうです。
ちなみに議事堂の外装に使われている桜御影は、呉市倉橋島の特産品ということで、こんな所にも
『この世界の片隅に』との奇妙な縁を感じてしまったりして・・・。

徳山湾から海岸に沿って、三田尻港まで戻ってきました。

行きとは逆で、右側が江泊山、左側が向島になります。
山の形や港の位置は、諾子が防府に来た千年前とほとんど変わっていないはず。

そして三田尻港に入ると、貴伊子の父が勤めていた鐘紡の煙突が眼に入ります。

諾子の見た光景と貴伊子の住んだ場所が重なり合って、なんだか時間旅行をしている気分になりました。

三田尻港内の防波堤と灯台を見てると、つい『あまちゃん』を思い出します(笑)。


今回お世話になった船長さん。操船も解説も超一流でした!


他にもいま大ブームの「艦これ」ネタとか、参加者のKさんによる一人タイタニックなどの
おもしろい話がありましたが、キリがないので省略(笑)。
おかげさまで天候にも恵まれ、船酔いもせずに楽しい時間を過ごせました。
クルージングを企画してくれた軍曹さん(通称)、本当にありがとうございます!

ようやくホテル入りしたのは、日も暮れかけた頃でした。

明日もいい天気になると知らせてくれるような、きれいな夕焼け空。

この後は片渕監督と探検隊参加者、そして地元の方による懇親会が行われました。

手づくりのドリンクチケットと、講演の準備に余念のない片渕監督。

日本酒でつくるオリジナルカクテル「ほうふハイボール」には、参加者の列ができました。


梅干しの入った日本酒版のソルティドッグという感じですね。

ちなみに下に敷いてるのは私物の『BLACK LAGOON』ハンドタオルです(笑)。

懇親会では片渕監督より、クルージングの報告や『この世界の片隅に』の製作状況についての説明、
そして9月に比治山大学で上映したテストショット等の上映がありました。
会場限定の話も多くてこれ以上は書けませんが、次回作はかなりスゴイことになりそう!
完成はまだ先だけど、今のうちから『この世界の片隅に』の情報には注目しておいたほうがいいですよ~。

さて翌日はいよいよマイマイ探検隊8。ということで次回に続きます!
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宇宙戦艦ヤマト2199 第七章「そして艦は行く」

2013年08月24日 | アニメ
宇宙戦艦ヤマト2199の最終第七章「そして艦は行く」、上映初日の初回を観てきました!

いやー、すばらしかったですよ!
第6章までの伏線を回収しつつ、オリジナルからあっと驚く改変も加えながら
見事に結末へと導いてくれました。
見たことがある場面も新鮮で、知っているエピソードにも新たな意味が与えられている。
その発想と物語の運び方、見せ方のうまさには舌を巻きました。うまい、うますぎる!

そして第七章まで観たからこそ、断言できること。
25話の内容が少し切られてるとか、劇場限定ソフトの販売が遅れたなんてのは些細な話。
一刻も早く劇場に駆けつけて、この屈指の力作が迎えた大団円を眼に焼き付けるべきです。
それだけの価値が、この作品にはあると思います。

あと、初代『トップをねらえ!』のファンに業務連絡。
もしもヤマト2199を観ていないのなら、TVでもレンタルでもいいので大至急22話まで観てから
劇場に足を運ぶべし。その理由は・・・観ればわかるはずです!(笑)


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主役はロボットではなく、母親とロシア軍・・・異色の戦争映画『オーガストウォーズ』

2013年08月19日 | 映画
巨大ロボットの映像が登場する異色の戦争映画、と一部で話題になっているロシア映画
オーガストウォーズ』を見てきました。

まず最初に断っておくと、本作は架空の世界や未来の戦争を描いたSF作品ではなく、
2008年にロシアとグルジアが実際に戦った「南オセチア紛争」を題材にしています。
(この紛争の別名が「8月戦争」と呼ばれているのが、タイトルの由来です。)

劇中では戦車や軍用車両がロボットに変形する場面が出てきますが、これは戦争に巻き込まれた少年が、
現実の脅威を架空の怪物と混同することによって起きる想像力の産物で、実在するものではありません。
この部分については、SFよりもむしろファンタジーの文脈で考えたほうがしっくりくるんじゃないかな。
だから本物のロボットが戦場で戦ってるわけではないのですが、少年の視点で受け止めるならば、
これぞ「現実」ということになるわけで、そうした現実認識をSFXで巧みに映像化したところが、
この作品のおもしろさのひとつだと思います。

ただし残念なのは、この少年の視点を物語上で終始徹底できなかったことですね。
空想上の戦いと現実の戦争が、少年の目から見て分かちがたく混在するように描写できれば、
スペイン内戦を扱ったデル・トロ監督の『パンズ・ラビリンス』に近い秀作になったと思いますが、
こちらの作品だと「少年の空想」は現実の前では無力なものに留まっていて、ある部分より先には
「越えがたい一線」がはっきりと引かれているように見えました。

だから戦争が始まると、少年のほうは「物語の世界に引きこもることで、世界の暴力に耐え続ける」
弱々しい姿が目に付くようになり、逆に交際相手との関係に逃避しがちだったシングルマザーの母親は
戦地へと少年を迎えに行き、「現実と向き合う」ことで、徐々に逞しさを増していきます。
この変化に伴って少年と母親の立場が逆転していき、視点人物も少年から母親へと徐々に移行。
そして進退窮まった母親は、進攻してきたロシア軍の男気あふれる隊長さんの助力を受けることに・・・。
これ以降、物語の主役は完全に母親及びロシア軍ということになってしまいます。
結局のところ、これって少年の成長よりもダメ母の成長をメインに据えた物語だったわけですねー。

そもそも本作が「少年による少年のための物語」であれば、想像力によって現実と対決し、
怪物を倒す役目を担うのは、あくまで少年であるべきだと思うんですよ。
しかし物語の山場で敵の大軍が変身した巨大ロボットを打ち倒し、少年の窮地を救うのは
母を救った隊長からの情報でロシア軍が投入した爆撃機による、対地ミサイル攻撃でした。

これでは「想像力が現実の力に打ち負かされる」という一番残念なオチにも見えてしまうし、
繰り返し見せてきた少年の心象風景も、結局は単なる「幼さ」にすぎなかったという思いを
観客に抱かせてしまうと思います。
少年の幻想が世界を変える力になるのでは・・・と期待した私にとっては、かなり残念でした。

さらに厳しい言い方をすれば、こどもの空想をダシにしてグルジア軍を怪物的存在に仕立て上げ、
敵を巨大ロボットに見立てることで爆撃シーンをエンターテインメント化しつつ、ロシア軍による
空爆の正当化を図ったようにも見えなくはない・・・。
そういう方便にこどもの想像力を持ち出したのであれば、ちょっと許しがたいと思います。

まあ救いがあるとすれば、最後にグルジア兵の人間性が少し描かれるところでしょうか。
もし戦車だけでなく兵士さえも非人間的なロボットに見せる演出があったら、さすがに
製作者の人間性を疑ったかもしれません。

実は個人的にロボットよりも意外に思えたのが、このあからさまなプロパガンダ性だったりします。
旧ソ連の時代をふりかえると、この国におけるSF作品には「体制への皮肉や批判を込めた作品を、
検閲にひっかからないように発表する手段」という側面もあったので、この『オーガストウォーズ』も
政府のやり方に批判的な作品なのかと思ってましたが、蓋を開けてみたらほとんどロシア万歳な内容。
これもまた民主化による変化なのか、それとも軍の協力を得るための苦肉の作なのか・・・。

実際は20年くらい前のハリウッドだって、こんな映画ばっかりポコポコ作ってたわけですが、
いまではちょっとマトモな映画だったら、現実の戦争をここまで自国本位には描かないと思う。
そう考えると、『オーガストウォーズ』って根本的なセンスが古臭い気もするんですよね。
まあロシアの観客向けに作った作品だから、ロシアの論理優先なのは当たり前なんだけど、
日本人がこれを見てなんにも気にならなかったとすれば、それもいかがなものかと・・・。

逆にこの作品をファンタジー視点ではなく戦争モノと割り切って見るなら、相当にリアルと言えます。
戦場の緊迫感、特に日常風景が突如として戦場へと変わり、周囲を銃弾と砲弾が飛び交うようになる
恐ろしさについては、さすが実際の戦争を題材にしているだけのことはあると思わせます。
特にすごいと思ったのは、山道でバスが突如ロケット攻撃を受けたあとの一連のシーン。
まるで本物のバス事故を見ているようで、思わず眼を覆いたくなるような迫力でした。
あとは市街地へバンバンと着弾してくるシーンとか。あれは怖い、ホントに怖い。

そういえばこれって、母親が少年を迎えに行ってから物語が終わるまで、ほぼ1日の話なんですよね。
尺が長いせいもあって、若い母親を待つ苦難の連続と、そのたびに手助けが現れるご都合主義については
ちょっと食傷気味でしたが、立て続けに起きる事件を時系列順に追っていく手法については、例えるなら
『24』のロシア版と呼べるかも。
まあ戦場の緊迫感はモロに『ブラックホーク・ダウン』なわけですが・・・。

ファンタジー映画としては不満が残るし、その他も気になる問題点は山ほどありますが、
そこを差し引いても意欲作ですし、「戦争スペクタクル」としては一級品だと思います。
私はミリタリー方面にさほど詳しくないのでよくわからなかったけど、車両や装備品も
かなり本格的らしいので、そっちのマニアにとってはたまらないんじゃないでしょうか。

空想をぶち壊すほどに生々しいロシアの現実を強く印象付ける『オーガストウォーズ』。
好みはさておき、現代ロシアの様々な実情を垣間見る上でも、見て損はないと思います。
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日本よ、これが海外オタクの底力だ!巨大ロボットvs怪獣映画『パシフィック・リム』

2013年08月11日 | 映画
『ヘルボーイ』や『パンズ・ラビリンス』といったホラー系ファンタジーで知られる
ギレルモ・デル・トロ監督が、その趣味嗜好を大爆発させた怪獣ロボット活劇映画
『パシフィック・リム』を観てきました。



さすがは生粋のオタクであるデル・トロ監督、この手の映画が好きなファンの気持ちを
恐ろしいほどよくわかってらっしゃる!と脱帽する内容に、もうお腹一杯です~。

派手な映像に個性的なロボ、生々しい怪獣の描写など、見どころはいろいろありますが
個人的にグッときたのは、目の前に巨大なものがある!という感覚を満喫させてくれる
ケレン味たっぷりの演出ですねー。

とにかく大きなバケモノが地面を踏みしだき、ビルをぶっ壊し、それを迎え撃つ巨大ロボが
敵を殴り、蹴り、締め上げ、そして切り裂く!
そうした巨大な存在同士による肉弾戦が、かつてないなめらかな動きと重量感を両立した形で
これでもかとばかりに描かれるわけですから、怪獣や巨大ロボットと共に育ってきた世代には
感無量というか、なんともいえない気持ちよさがありました。

自動型やAI制御ではなく「あくまで人が乗って操縦する」というところも、極めて重要。
やはり巨大ロボットは人間が乗って動かすことに、最大のロマンがあるわけですよ!
操縦方法がパイロットの動きをトレースする古風な仕組みだったり、攻撃を繰り出すときに
パイロットが絶叫する「お約束」も、きちんと抑えてあります。
(『トップをねらえ!』を溺愛する私にとっては、最高に燃えるシチュエーションでした。)
こういうのって、観る側にも操縦感覚や気分の高揚を伝える上でも重要な演出なんですよね。
そこを外さずに盛り込んでくれるのが、プロのオタクであるこの監督らしいところです(笑)。

リアルな映像は3Dによる効果が大きいのですが、それだけでなく、パーツのアップとか
アオリによるパースのつけ方など、日本のアニメを参考にしたと思われるレイアウトや
カメラワークが随所に見られ、新鮮な映像の中に懐かしい感じもあったりして。

しかし、アニメで見たままの映像がリアルな3Dで、眼前にドーンと出現する時代が来るとは・・・。
これは日本アニメもうかうかしてられないかもしれません。

劇中曲についても、日本の特撮で流れるような重厚な曲調のものが多く使われており、
3D映像の持つ巨大感をさらに引き立ててくれます。
ある意味、日本の特撮映像に慣れている人も「安心して」観られる作品だと思います。

さて、こんな映画を作ったデル・トロ監督に影響を与えた作品について、イギリスの映画雑誌への
監督自身の寄稿文を要約したまとめ記事「日本文化の影響を語るギレルモ・デル・トロ監督」が
実に要領よく紹介しています。

これを読むと、日本の特撮やアニメ以外にも、サンダーバードやメキシカンプロレス(ルチャ・リブレ)など、
子供時代に触れた様々なエンターテインメントから影響を受けてますが、これって日本での同世代にあたる
60年代前半の特撮映画やアニメ関係者と、かなり似通った経験なんですよね。
いわば、太平洋を挟んでほとんど同時期に「純粋培養された第1世代のオタク」が誕生していたわけで、
いわゆる「クール・ジャパン」と評される文化の担い手は、決して日本だけにいるのではないんですな。

そんなデル・トロ監督、当初は日本のメカデザイナーを招いて共同作業をしたいと考えていたようですが、
震災後の混乱や動揺を心配して今回は断念した・・・とのコメントが、先に触れた寄稿文にありました。
イェーガーのデザインについては、もっと洗練されたものを希望するファンの声もあるようですので、
今後も同様の巨大ロボ作品を作る機会があるとすれば、次こそ日本のスタッフを招いて欲しいものです。

日本の特撮ファンが大好きな細かい設定に触れないのはいかにも海外作品っぽいし、シナリオ面では
説明不足かつ荒っぽさも目立ちます。
また、なにかと自己犠牲を尊ぶ姿勢にも疑問を感じるところはありますが、多少のアラには目をつぶって、
ついに実現したハリウッド製巨大ロボ特撮の迫力を、ぜひ体験して欲しいと思います。

特に映画ファンと特撮ファンは、タイトルロールの最後まで必ず見届けること。
あの愛にあふれた献辞を目にしたら、少しくらいの不満なんて水に流せると思いますよ。
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7月7日は『トップをねらえ!』の日、そして2013年は帝国宇宙軍の年

2013年07月07日 | トップをねらえ!
トップをねらえ!ファンの皆様へ。

今年もカルネアデス計画最終ステージが成功した7月7日がやってきました。
現実世界では、いまから24年前に初代トップのOVA最終巻が発売された日です。
幸いにも天気が良さそうなので、今年は天の川が見えそうですねー。


ちなみに2013年は、トップの歴史年表上だと「地球帝国」及び「帝国宇宙軍」が
設立された年にあたります。
また、およそ1ヵ月後の8月23日には、いよいよ人類初の超光速宇宙船であり、
タカヤ・ノリコの父であるタカヤ・ユウゾウ提督が指揮する「るくしおん」が
進宙式を迎えることになってますねー。
まあ、12月には初の地球外生物との接触によって大破してしまうわけですが・・・。

というわけで、今年は帝国宇宙軍の歴史が始まった記念すべき年にあたるわけです!
(まあ特にイベント等も予定されてないのは、ちょっと残念ですが)

そんな記念すべき年の7月7日に、トップが大きな影響を受けた作品のリメイクであり、
逆にトップからの強い影響が見られる新作SFアニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』を
TV番組として観られるのは、ちょっとした奇跡と言えるかも。

特に2199の第11話で出てくる日本艦隊がらみの各シーンと、子供時代の島と父の回想、
そして雪と玲の大浴場シーンについては、絶対に初代トップからの引用だと思ってます。
第12話の古代と島が罰当番で波動砲をモップがけするシーンも、初代トップの第3話で
ノリコたちがレーザーレンズのデッキブラシがけを命じられたエピソードを思い出しますし。

そういえばトップのアンドロメダ焼きに対して、ヤマト2199ではマゼランパフェという
艦内スイーツが出てきました。(22話なので、TV放映ではまだ先の話になりますが)
和風と洋風の違いは、やはりトップを意識してるんじゃないかなーという気もします(笑)。
もちろんパクリとかではなく、先行作品をふまえてのオマージュと解釈してますけどね。
いわば元ネタを知ってるとさらに楽しめる、一種のお楽しみ要素といったところでしょうか。

今日も2199の第14話を見ながら、きっとトップのあれこれを思い出しちゃうんだろうな・・・。
約四半世紀を経て今も影響を与え続けてると思えば、それもまたうれしいことですけどね。
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R・A・ラファティ『第四の館』

2013年07月02日 | SF・FT
私が最も偏愛する作家のひとりが、奇想SFの書き手として一部ファンから熱狂的な支持を集める
R・A・ラファティなんですが、このヒトは短編を書かせたら名手と呼ばれる一方で、長編になると
ナニが書いてあるんだかわからない!とも言われるヒトであります。

そんなラファティ先生が2002年に亡くなってから(私は死んでないと思ってますが)10年を経て、
なんと未訳の長編が2本、さらに単行本未収録の短編を集めた傑作集が1冊出るという怪事件が発生。
短編集の『昔には帰れない』は既に紹介したので、今度は連続刊行のトリを飾ったラファティ初期の傑作、
国書刊行会〈未来の文学〉から刊行された『第四の館』をご紹介します。



アメリカの片田舎に、すごく目がいいけどちょっとオツムの足りないフレディという青年新聞記者がいました。
このフレディが、ひょんなことから政府要人カーモディの秘密を探り始めたのがすべてのはじまり。
この男、どう見ても500年前にイスラム世界で生きていたカー・イブン・モッドという人物に瓜二つ、
いやまるで本人そのものに見えるじゃないか?

それを探った記者は必ず消されるぞ!という上司のアドバイスにも耳を貸さず、フレディ青年は
カーモディのネタを嗅ぎまわり、やがて町の事情通であるファウンテン老人や変人のバグリーから
世界の秘密の泉を守る「守護者」や、歴史の中で蘇りを繰り返す「再帰人」の存在を聞きだします。

そんな考えをフレディのアタマの中に吹き込んだのは、再帰人たちと対抗する七人組にして、
フレディの恋人ベデリア・ベンチャーもその1人である「収穫者」と名乗る精神感応者たちでした。
七人組は編み上げた脳波網でフレディに接触し、彼を操ってカーモディを探ろうと企んでいたのです。
しかしこの網に触れられた者は、網とつながった他人の考えにも接触できるという反作用がありました。
フレディは脳波の網を逆に利用して、同じく網に絡めとられたメキシコ人革命家のミゲルと接触し、
彼と意識を共有しながら再帰人のカーモディへと迫っていきます。

命の危険を顧みずテレパシー実験を繰り返す「収穫者」、別人と入れ替わりながら復活する「再帰者」、
人知れず世界の秩序を保とうと奮闘する「守護者」、そして世界を転覆させようと立ち上がった「革命家」。
それぞれに聖なる四つの生物を象徴する四つの勢力と接触し、世界の広さと深さを知ったフレディですが、
ついに再帰者のワナにかかって精神異常と診断され、あわれ収容所送りに。
一方、再帰者たちは密かに大規模な世界絶滅計画を練り上げ、まさにこれを実行に移そうとしていました。

この絶体絶命の状況を覆す手段はあるのか?収容所に閉じ込められたフレディの運命は?
そして四つの勢力が目指す神の領域への入口「第四の館」には、いかにして辿り着けるのか?

テーマそのものはズバリ「人間はいかにして神になるのか?」という進化SFであり、また一方では
世界そのものを新たにやりなおそうとする破滅SFでもあります。
しかしそれを企む連中がなんとも珍妙で、収穫者はテレパシー接続中にいきなりアタマをカチ割り始めるし、
再帰者は塩水入りの水槽にアタマを突っ込み、守護者は泉に潜む触手怪獣をぶん殴り、革命家は辺境の町で
みみっちい小競り合いを繰り返しては退却を繰り返すというしまりのなさ。
こんなろくでもない秘密結社が繰り広げる争いの顛末については、実際に読んで確かめてみてください。

話のムチャクチャさ加減と暴力性、そして言語によって紡がれるサイケデリックなビジュアルについては、
あのベスターの怪作『ゴーレム100』を思わせるところもありますが、話の筋はあれよりしっかりしてて、
アクション性はゴーレムよりも少なめ。あとさすがにタイポグラフィは出てきません(笑)。

では『第四の館』ならではの魅力は何かと言えば、海外の諷刺コメディ番組っぽい会話の面白さとか
言葉にするだけでもへんちくりんなしぐさ、そして予想を越えるヘンな展開といったところかなぁ。
ノリとして一番近いのはやっぱり「モンティ・パイソン」ですかね・・・まあラファティは敬虔なる
カトリック信者なので、ネタの下品さだけは負けますけど(笑)。

タイトルになっている『第四の館』にちなむ宗教小説としては、書きぶりこそなかなかマジメだけど
こんなやり方でちゃんと神様に近づけるんだろうか・・・と半信半疑なところもあります。
ただし、そのうさんくささ満載の中に「ひょっとしてこれホントの話?」と思わせるような
奇妙なリアリズムもちらちらと垣間見せるのが、ラファティ作品のおもしろくも怖いところ。
そういう時に絶大な効果を発揮するのが、彼の得意とした言語と歴史についてのうんちくです。
随所に盛られたこれらのうんちくと時おり語られるもっともらしい解説が、ウソとホントの境界線を
知らず知らずにぼやけさせ、気がつけば見たこともない場所までつれて来られてしまっているのです。
この快感は慣れてくると病み付きになりますが、中毒性が高いのでご用心(笑)。

あとはひとつだけ、大切なご注意を。
『第四の館』を読み終えた後に、もしやラファティは堕落した人類にわずかなチャンスを与えようと、
わかる者だけにわかる形で秘密の叡智を書き記したのでは・・・などと間違っても口走らないこと。
アナタもおかしくなったと思われて、いきなり収容所へ送られてしまうかもしれません(^^;
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SFセミナー2013に行ってきました(合宿企画編)

2013年05月07日 | SF・FT
SFセミナー2013、合宿企画編。
本会が終了していよいよ合宿会場へ移動するわけですが、その前に寄らなければいけないのが秋葉原。
ただいまSF関係者の注目を集めつつある施川ユウキの『バーナード嬢曰く。』を入手するためですが、
秋葉原にあるCOMIC ZINで買うと、描きおろしカードがついてくるのです。

店内に入り1階の奥へ進むと、特設コーナーにずらっと並んだ『バーナード嬢曰く。』を発見!
ネット書店では品切れだし、近所のリアル書店でも見かけたことがなかった本がこれだけ置いてあると、
なんか不思議な気もしますね。
とにかく喜んで購入したあと、チェックイン開始に間に合うよう合宿会場へ移動。

今回は本会に引き続き、ジョー・ホールドマン夫妻も合宿企画に参加してくれました。
最初は諸注意と企画案内、そして関係者の紹介ですが、例年の事とはいえこれが結構長い。
40分ほどかかったあとに、ようやくホールドマンさんの挨拶になったのですが・・・。

ホールドマンさんからの言葉は「まず最初に挨拶があると思ったら40分近く待たされまして、
皆さんも疲れたでしょうから、私の知っている日本語で簡単に挨拶をします・・・(そして沈黙)」

日本語知りません、というオチに場内は拍手喝采でしたが、ご本人の心中はどうだったやら。
まあギャグと考えれば気にすることもないんでしょうけど、今回は遠くからわざわざ来てくれた
特別なお客さんだし、何はさておき真っ先に挨拶してもらうべきだったのではないでしょうか。

さて、合宿企画1コマめ。
翻訳SFファンとして選んだのはやっぱり「中村融の部屋」でしたが、ここでは中村さんと旧知の仲である
東京創元社の名編集者・小浜徹也さんの独壇場。
本会企画ではあまり触れられなかった大学時代近辺の同人活動を中心に「天才SF青年・中村融」の肖像を
名調子で語り尽くしました。
中大SF研当時に刊行した会誌「Bagatelle」の戦慄すべき内容は翻訳・評論も含めてほぼ中村さんの仕事で、
SF研の後輩を指揮して全編手書き(当時はガリ版刷り)の誌面を作成。
イラストは実弟である中村亮さんと、ローラリアスで知り合った末弥純さんが担当したという裏話などは、
若くして才能をバリバリ発揮していた当時の雄姿が眼に浮かぶようでした。
思い入れのあるケイン・サーガの邦訳が当たらなかった苦い思い出など、うまくいかなかった逸話も含めて
「SF・ファンタジー界における一時代」の表裏を垣間見た気がします。

2コマ目に選んだのはアンナ・カヴァン『アサイラム・ピース』読書会。
評論家の岡和田晃さんの司会進行により、先日刊行されたカヴァンの『アサイラム・ピース』について
感想を述べ合おうというものです。
出演者と参加者にネットでお世話になっている方々がいらっしゃると聞き、無謀にも課題図書も読まずに
参加してしまったのですが、案の定ろくな感想も言えずじまい。

ただし会の内容は未読の私にも大変参考になるもので、カヴァンの無機質な表現や圧倒的な閉塞感、
人工物と自然の対比、あるいはその美しい自然が逆に人工的にも見えるとの指摘が次々と提出され、
ひとつの解釈に留まらない多彩な『アサイラム・ピース』像が描き出される過程は、実に刺激的でした。
何よりもイベントに参加してるというヒリヒリした緊張感であったり、作品を介して他の参加者と
直接向き合う感触は、本会も含めた企画の中で一番手ごたえがありました。

読書会の終了後は、部屋に集まっていたネット仲間の皆さんにご挨拶。
その後はちょっとしたオフ会のノリで、企画終盤までご一緒させていただきました。

3コマ目は「これでアナタもSFスキャナー」。
SFマガジンの名物である海外SF紹介コーナー「SFスキャナー」を長年にわたり執筆されている
「ミラクルボイス」東茅子さんに、SFスキャナーになるまでの道のりを聞く・・・というもの。
しかしてその真実は、御母堂から『渚にて』と『ジャッカルの日』をプレゼントされたいたいけない少女が
ビジョルドを目当てにアナログを読み始め、やがてお茶大SF研の先輩に導かれてSFレビュアーの道に入り、
最後は気恥ずかしくて手に取れなかったハーレクイン・ロマンスを読むに至る・・・という成長物語(?)でした。

とか言いつつも、情報誌「ローカス」をどう活用するかや作品の目星をつけるために購読している雑誌など、
実用的な情報もしっかり盛り込まれ、スキャナーになりたい人にもちゃんと役立つ内容だったのはさすがです。
なお、東さんはアナログを読んでレビューしてくれる後継者を募集中だそうですので、我こそはと思う強者は
名乗りを上げてみては?

さて、最後の企画部屋は「セミナーオークション・ダークリー」。
筒井康隆が私家版として作ったNULL2号、たんぽぽ娘が本邦初訳された宇宙塵などなど・・・。
SF界屈指のコレクターが名品・珍品を持ち寄って出品するとあって、見るだけでも楽しめる
資料性の高い(笑)オークションとなりました。
でも正直なところ、一部の出品には価値がさっぱりわからないものもちらほらと。
『現代ソビエト短編集 りんご漬』なんて聞いたこともないよ!うーん、やはり古本道は奥が深い。
しかし出品者であるコレクター同士ではその価値も一目瞭然らしく、参加者の食指が動かないと見るや
「これは珍しいよ!」「オレも持ってないなぁ・・・この版は」と煽ったあげく、そのうち出品者同士が
互いに入札を始めるという驚愕の展開に。しかも既に持ってるはずの本をガチで競りあってるし!
私もいくつか買わせてもらいましたが、あの領域には到底踏み込めません(^^;

夜2時過ぎに寝たあと、翌朝8時ごろに大広間へと起き出して来たら、タカアキラさんとU-kiさんが
『翠星のガルガンティア』について熱く語りあう部屋と化しており、「あれは逆転世界の逆転版だ」
「それじゃ転世界でしょ!」といった楽しい会話を聞かせてもらいました。
やがて話題が『花の詩女 ゴティックメード』に差し掛かったころ、ネット仲間の皆さんも大広間に合流。
ここでゴティックメードの説明をしているうちに閉会式が始まり、各企画の関係者から報告がありました。
行けなかった企画も盛り上がっていたようでちょっぴりもったいない気持ちもありましたが、個人的には
ちょっとしたオフ会もできたし本も買えたしと、大いに堪能させていただきました。

そして閉会後は参加者同士で来年のラファティ生誕百周年への期待などを語りつつ、帰路に着いたのでした。
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