2010年11月22日、月曜日。
この日、日本に10発のミサイルが着弾した。
にもかかわらず犠牲者が一人も出なかったこの奇妙な事件を、
人々は「迂闊な月曜日」と呼び、いつしか忘れていった・・・。
こんなプレストーリーから始まった2009年のノイタミナアニメ『東のエデン』。
そしていよいよ、本当の2010年11月22日が到来してしまいました。
そんな記念すべき日を記念して、物語の主要な舞台となったユナイテッドシネマ豊洲にて、
“「東のエデン」2010.11.22 リアル迂闊な月曜日イベント”が開催されました。
この日は劇場に併設されたカフェ&バー「Breathe」にて、一日限りとなる限定メニュー
「滝沢朗の迂闊なジュイス落書き風ロールケーキ」が販売されるということなので、
混む前に入手するべく早めに現地入り。
期間限定エデンカフェのメニュー、HYNEの特製マンゴーラッシーとセットで注文しました。
限定ドリンクを頼むと、劇場公開の時に配布されたコースターがもらえるというオマケつきです。
これが劇場版Ⅱで滝沢がトレーラーに落書きしたジュイスマークを模したという、限定ロールケーキ。
比較用として、こっちは滝沢画伯によるホンモノの落書きです。
まあなんつーか、似てるかといえば微妙ではありますが(^^;。
落書き部分の色でわかるとおり、クリームはほんのりイチゴ味でした。
イベントに参加できない方もケーキを求めに来ていたようで、19時前には完売したとか。
滝沢君の自宅(笑)を出た後は、いよいよ劇場内へ。
熱心なファンで満席となった中には、M-65を着た滝沢君や赤いコート(もしくはオレンジ髪)の
咲ちゃんといった、コスプレ風の人たちを何人も見かけました。
ちなみにスクリーンはここで一番デカイ、そして咲が貸切でコールド・ブルーを見ていた、
あの10番スクリーンです。
定時をやや回ったところで、このイベント用に編集された一夜限りのオープニング映像がスタート。
最終話で滝沢がキメた「BANG!」の姿を中心に、序盤ではTV版のシーンをカットアップした映像と
クラブ調の音楽が重ねられ、中盤からは劇場版の映像にschool food punishmentの「light prayer」と
「future nova」がMIXされるという構成でした。
これをPVっぽいと見るか、MADビデオだと思うかは、見る人の気持ち次第かな?
私は馴染みのsfpが流れて以降、ようやく安心して見ることができましたが。
その後に司会役の石井朋彦プロデューサーが登壇し、「みなさんノブオリです!」と挨拶したものの、
それはシメの挨拶だと思ってる場内のファンはやや困惑状態(笑)。
ミサイル代わりに降った雨と法務大臣の辞任へと触れた石井氏の話に続き、いよいよ今夜の主役である
神山監督が登壇されました。
この日の服装はTVシリーズ後期の滝沢スタイル、M-51風のモッズコートに黒のハイネックTシャツ。
写真はBreatheに展示されていた同型のコートです。
TYPE TAKIZAWA(plot x Kenji Kamiyama)として販売中で、既に70着以上の受注を受けているとか。
なお、コートつながりで神山監督が「咲の着ていた赤いコート、もし販売したら買う?」と問いかけると、
会場の女性から購入希望の声が殺到し、監督もかなり乗り気になった様子。
「もし作るならかわいく見えるよう、もう少し明るい赤で作ろうかな」との言葉もありました。
『東のエデン』などのキャンペーンで、スペインやニュージャージーなど各国を回ってきたの監督の
こぼれ話に続いて、いよいよ本日の目玉のひとつである『東のエデン』英語版の上映が始まりました。
この時は神山監督も観客席に移動し、ファンと席を並べての鑑賞になりました。
あちらの声優さんについては、監督からも説明されたとおり「日本の配役にかなり近い声」になっていて、
特に咲の声はとてもよく似ていました。一方で滝沢の声は、木村良平さんよりちょっと低め。
これはオリジナルに近い声だと、あちらの人にはやや幼く聞こえるための措置だそうです。
上映された英語版は1話と3話で、それぞれ前半部分のみ。
英語なのでニュアンスくらいしかわかりませんが、3話で咲が“Takizawa!”と呼びかけるところは、
ちょっと違和感がありましたね。
これについては神山監督や石井Pからも「Akira!」にしたほうがよかったかな、という声が聞かれました。
あと、ジュイスの声も玉川さんよりも堅いというか、秘書っぽい感じのクールな声に感じました。
ちなみに英語版のオープニング曲は、Oasisではなく日本語。そして歌っているのは早見沙織さん!
すごいすごい、早見さんいきなり全米デビューですかー!
その後はプレゼント抽選会や“神山監督と一緒に2万人ニートとして、滝沢のバックに写る」という
写真撮影など、記念イベントらしい企画で盛り上がりました。
プレゼントの一つが、このシーンをボードにして監督のサインを入れたもの。
これはぜひ女性に・・・と監督が言っていたとおり、見事に女性がお持ち帰りしてました。
最後に神山監督から、事前予告されていた“ギャフン発表”が3つほど。
まずはタチコマナビに続き『東のエデン』のカーナビソフトが発売されるという話です。
これは専用カーナビ版以外に、PSPと携帯のバージョンも発売されます。
玉川紗己子さんによる録りおろしボイスが数百種入るとのことで、会場でのデモのときも
「このまままっすぐ行くと、ごく普通の料金所・・・が、あるといいですね」といった感じの、
人を食ったセリフが聞けました。
続いての発表は、神山監督の旧作『攻殻機動隊 S.A.C. Solid State Society』が、3D立体視化を施され、
2011年3月26日から全国公開されるとのこと。
2Dアニメをどの程度まで3D化するかは不明ですが、どうやら義体による視覚体験を意図した演出らしく、
神山監督は相当な手ごたえを感じている様子でした。
そして3つめは、神山監督がいよいよ新作アニメの製作に着手されたとの話。監督ご本人いわく、
「東のエデンの先にある映像をお見せできると思う。楽しみにしていてください。」
(別に続編ということではなさそうですので、そのへんは誤解なきように。)
そして神山監督と石井Pが退場し、TV版総集編『Air Communication』が上映されました。
総集編を見ながらTV放送当時を思い返すと、やっぱりこの作品は時代のリアルな空気を見事に反映した
貴重な作品だったなぁと感じます。
それがあまりにリアルだったため、劇場版Ⅱでは現実の厚い壁という袋小路に突き当たってしまった感も
ありますが、少なくともノイタミナで見ていたときの熱さは本物だった・・・と再確認しました。
そしてシミュレートがリアルすぎる故の、現実との奇妙なシンクロニシティについて。
今回もイベント翌日に韓国での砲撃事件が発生しましたが、これは未来予測というよりも、
むしろ現在の世界そのものが、常に『東のエデン』的な危機を抱え込んでいるということなのでしょう。
振り返ってみると、尖閣諸島での衝突事件のとき、一部のファンが神山作品との類似についてのやり取りを
していましたが、そんな中で『東のエデン』第11話で咲がつぶやいた後悔のセリフを思い出していた人は、
一体どれくらいいたのでしょう?
「でも、私も言っちゃったもん。
ミサイルが落ちたとき、“もっとすごいことが起きればいいのに”って。」
『Air Communication』でこのセリフを聞きながら、この世界のリアルと向き合うために
自分自身はどう考えるべきかを、改めて問いかけられたような気がしました。
この日、この場所で、このタイミングに『東のエデン』を見られたこと。
それ自体にも、きっとなにかの意味があるような気がします。
そして神山監督、次回もまた『東のエデン』のように私たちを楽しませ、
そして大いに考え込ませる作品を作ってください。
いまアニメでそれができる力を持った作り手は、とても貴重な存在なのですから。
この日、日本に10発のミサイルが着弾した。
にもかかわらず犠牲者が一人も出なかったこの奇妙な事件を、
人々は「迂闊な月曜日」と呼び、いつしか忘れていった・・・。
こんなプレストーリーから始まった2009年のノイタミナアニメ『東のエデン』。
そしていよいよ、本当の2010年11月22日が到来してしまいました。
そんな記念すべき日を記念して、物語の主要な舞台となったユナイテッドシネマ豊洲にて、
“「東のエデン」2010.11.22 リアル迂闊な月曜日イベント”が開催されました。
この日は劇場に併設されたカフェ&バー「Breathe」にて、一日限りとなる限定メニュー
「滝沢朗の迂闊なジュイス落書き風ロールケーキ」が販売されるということなので、
混む前に入手するべく早めに現地入り。
期間限定エデンカフェのメニュー、HYNEの特製マンゴーラッシーとセットで注文しました。
限定ドリンクを頼むと、劇場公開の時に配布されたコースターがもらえるというオマケつきです。
これが劇場版Ⅱで滝沢がトレーラーに落書きしたジュイスマークを模したという、限定ロールケーキ。
比較用として、こっちは滝沢画伯によるホンモノの落書きです。
まあなんつーか、似てるかといえば微妙ではありますが(^^;。
落書き部分の色でわかるとおり、クリームはほんのりイチゴ味でした。
イベントに参加できない方もケーキを求めに来ていたようで、19時前には完売したとか。
滝沢君の自宅(笑)を出た後は、いよいよ劇場内へ。
熱心なファンで満席となった中には、M-65を着た滝沢君や赤いコート(もしくはオレンジ髪)の
咲ちゃんといった、コスプレ風の人たちを何人も見かけました。
ちなみにスクリーンはここで一番デカイ、そして咲が貸切でコールド・ブルーを見ていた、
あの10番スクリーンです。
定時をやや回ったところで、このイベント用に編集された一夜限りのオープニング映像がスタート。
最終話で滝沢がキメた「BANG!」の姿を中心に、序盤ではTV版のシーンをカットアップした映像と
クラブ調の音楽が重ねられ、中盤からは劇場版の映像にschool food punishmentの「light prayer」と
「future nova」がMIXされるという構成でした。
これをPVっぽいと見るか、MADビデオだと思うかは、見る人の気持ち次第かな?
私は馴染みのsfpが流れて以降、ようやく安心して見ることができましたが。
その後に司会役の石井朋彦プロデューサーが登壇し、「みなさんノブオリです!」と挨拶したものの、
それはシメの挨拶だと思ってる場内のファンはやや困惑状態(笑)。
ミサイル代わりに降った雨と法務大臣の辞任へと触れた石井氏の話に続き、いよいよ今夜の主役である
神山監督が登壇されました。
この日の服装はTVシリーズ後期の滝沢スタイル、M-51風のモッズコートに黒のハイネックTシャツ。
写真はBreatheに展示されていた同型のコートです。
TYPE TAKIZAWA(plot x Kenji Kamiyama)として販売中で、既に70着以上の受注を受けているとか。
なお、コートつながりで神山監督が「咲の着ていた赤いコート、もし販売したら買う?」と問いかけると、
会場の女性から購入希望の声が殺到し、監督もかなり乗り気になった様子。
「もし作るならかわいく見えるよう、もう少し明るい赤で作ろうかな」との言葉もありました。
『東のエデン』などのキャンペーンで、スペインやニュージャージーなど各国を回ってきたの監督の
こぼれ話に続いて、いよいよ本日の目玉のひとつである『東のエデン』英語版の上映が始まりました。
この時は神山監督も観客席に移動し、ファンと席を並べての鑑賞になりました。
あちらの声優さんについては、監督からも説明されたとおり「日本の配役にかなり近い声」になっていて、
特に咲の声はとてもよく似ていました。一方で滝沢の声は、木村良平さんよりちょっと低め。
これはオリジナルに近い声だと、あちらの人にはやや幼く聞こえるための措置だそうです。
上映された英語版は1話と3話で、それぞれ前半部分のみ。
英語なのでニュアンスくらいしかわかりませんが、3話で咲が“Takizawa!”と呼びかけるところは、
ちょっと違和感がありましたね。
これについては神山監督や石井Pからも「Akira!」にしたほうがよかったかな、という声が聞かれました。
あと、ジュイスの声も玉川さんよりも堅いというか、秘書っぽい感じのクールな声に感じました。
ちなみに英語版のオープニング曲は、Oasisではなく日本語。そして歌っているのは早見沙織さん!
すごいすごい、早見さんいきなり全米デビューですかー!
その後はプレゼント抽選会や“神山監督と一緒に2万人ニートとして、滝沢のバックに写る」という
写真撮影など、記念イベントらしい企画で盛り上がりました。
プレゼントの一つが、このシーンをボードにして監督のサインを入れたもの。
これはぜひ女性に・・・と監督が言っていたとおり、見事に女性がお持ち帰りしてました。
最後に神山監督から、事前予告されていた“ギャフン発表”が3つほど。
まずはタチコマナビに続き『東のエデン』のカーナビソフトが発売されるという話です。
これは専用カーナビ版以外に、PSPと携帯のバージョンも発売されます。
玉川紗己子さんによる録りおろしボイスが数百種入るとのことで、会場でのデモのときも
「このまままっすぐ行くと、ごく普通の料金所・・・が、あるといいですね」といった感じの、
人を食ったセリフが聞けました。
続いての発表は、神山監督の旧作『攻殻機動隊 S.A.C. Solid State Society』が、3D立体視化を施され、
2011年3月26日から全国公開されるとのこと。
2Dアニメをどの程度まで3D化するかは不明ですが、どうやら義体による視覚体験を意図した演出らしく、
神山監督は相当な手ごたえを感じている様子でした。
そして3つめは、神山監督がいよいよ新作アニメの製作に着手されたとの話。監督ご本人いわく、
「東のエデンの先にある映像をお見せできると思う。楽しみにしていてください。」
(別に続編ということではなさそうですので、そのへんは誤解なきように。)
そして神山監督と石井Pが退場し、TV版総集編『Air Communication』が上映されました。
総集編を見ながらTV放送当時を思い返すと、やっぱりこの作品は時代のリアルな空気を見事に反映した
貴重な作品だったなぁと感じます。
それがあまりにリアルだったため、劇場版Ⅱでは現実の厚い壁という袋小路に突き当たってしまった感も
ありますが、少なくともノイタミナで見ていたときの熱さは本物だった・・・と再確認しました。
そしてシミュレートがリアルすぎる故の、現実との奇妙なシンクロニシティについて。
今回もイベント翌日に韓国での砲撃事件が発生しましたが、これは未来予測というよりも、
むしろ現在の世界そのものが、常に『東のエデン』的な危機を抱え込んでいるということなのでしょう。
振り返ってみると、尖閣諸島での衝突事件のとき、一部のファンが神山作品との類似についてのやり取りを
していましたが、そんな中で『東のエデン』第11話で咲がつぶやいた後悔のセリフを思い出していた人は、
一体どれくらいいたのでしょう?
「でも、私も言っちゃったもん。
ミサイルが落ちたとき、“もっとすごいことが起きればいいのに”って。」
『Air Communication』でこのセリフを聞きながら、この世界のリアルと向き合うために
自分自身はどう考えるべきかを、改めて問いかけられたような気がしました。
この日、この場所で、このタイミングに『東のエデン』を見られたこと。
それ自体にも、きっとなにかの意味があるような気がします。
そして神山監督、次回もまた『東のエデン』のように私たちを楽しませ、
そして大いに考え込ませる作品を作ってください。
いまアニメでそれができる力を持った作り手は、とても貴重な存在なのですから。