ガラパゴス通信リターンズ

3文社会学者の駄文サイト。故あってお引越しです。今後ともよろしく。

15歳のハローワーク

2007-12-10 06:10:14 | Weblog
 骨子の中学校の「総合的学習」の発表会というのに行ってきました。この前やった、「職業体験」の発表です。各クラスの代表が出てきて話すのですが、いやどれも堂々たる出来栄えで驚きました。骨子は新聞社の某全国紙の横浜総局というところに行った時の話をしました。仲良しのリコちゃんが行ったのは東京大学工学部!「大学教授の一日」と名づけた発表は秀逸でした。

 「D教授は朝の7時には研究室に入ります。夕方の6時に家に帰ります。教授のなかには昼頃出勤して、深夜に帰る人もいるそうです。出勤時間は自由にきめることができます。教授は朝早く来て、自分の論文を書いて、その後は大学の仕事をするとおっしゃっていました。

 この研究室で一年にどれぐらいの研究費が使われていると思いますか。1億2千万円!教授はいまは実験をしないそうです。研究費を請求する書類を書くことに毎日追われているそうです。最低でも10ページにびっしり字がうまった書類をつくらなければならない。これは大変なプレッシャーだと言っておられました。

 研究はすべて英語で発表するそうです。『英語が書いたり話したりできない奴はダメだ』と教授はくりかえしおっしゃっていました。私も、英語を頑張りたいなあと思いました。これで終わります」。

 リコちゃん、すごいことを聞き出してきましたね。理科系の場合、教授になると研究(実験)はしないみたいです。英語を自在に操れるのはたしかにかっこいい。しかし1億ちょっとの売り上げ(?)で、日々金策に追われている。これってなんだか、あまりうまくいってない小さな会社の社長さんみたいではありませんか。大学教授とは、夢のある仕事だとリコちゃんは思ったのでしょうか。心配になります。

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
産学なんとか (てんてん)
2007-12-11 21:31:12
お久しぶりです。
今回のお話、ちょっと思い出すことがありまして。

私の夫は半導体開発研究の仕事をしております。
実際はマネージメントで、現場からは離れてしまったんですが。で、同期入社の人はどんどん大学に再就職してまして、助教授、教授もたくさん。
そういう人たちが主人に会うと「共同研究しましょう」っていうらしいです。
産学なんとか、って聞きました。
主人いわく「教授といっても企業からお金を取ってく
るのが仕事になってるんだよ」だそうです。
返信する
「売り上げ」がすべて (加齢御飯)
2007-12-12 11:21:28
 「主人いわく「教授といっても企業からお金を取ってくるのが仕事になってるんだよ」だそうです」。

 企業から大学に移る人は、たぶん給料も下がるでしょうから、自分の好きな研究ができるということにメリットを感じてそうされるのだと思います。それが大学に行ってもやっていることが資金集めというのでは転職の意味がありませんよね。いま大学の世界では外部資金をどれだけとってくるかが、教授の評価の大きな軸になっています。外部資金の何パーセントかは大学の懐に入りますから、財政的な貢献をするということにもなります。「売り上げ」に結びつかない基礎的な学問は大学から淘汰される趨勢にあります。なんともはや。

返信する