ガラパゴス通信リターンズ

3文社会学者の駄文サイト。故あってお引越しです。今後ともよろしく。

医者もいろいろ

2006-02-21 07:34:07 | Weblog
 おしっこの管のことを書きましたが、それは瑣末な話。もっと大事な管があります。骨髄移植の過程では、膨大な輸血が必要です。経口での食事が困難になれば、栄養補給も点滴に頼ることになる。抗がん剤等の各種の薬も然り。大量の各種輸液を患者の体内に送り込むためには、動脈に太いカテーテルをいれなければなりません。まさにライフラインです。

 カテーテルを通す手術は、移植10日前に行われました。私の動脈が予想外に細かったために作業は難航。長い時間がかかりました。手術の傷口をみえないようにするためなのか、布団蒸しのような格好にされるからとても苦しい。思わず手を動かします。すると、医者も苛立っていたのでしょう。「汚い手をうろちょろさせんじゃねえよ!」と怒声が飛んできました。

 なんとかカテーテルを入れることはできました。しかし入ってからが大変。別に痛みも感じませんが、点滴棒につながれる生活です。どこに行くにも点滴棒をゴロゴロと引きずって歩かなければなりません。動きにくいことこの上もない。鎖に繫がれた犬にでもなった気分です。一日も早くこのカテーテルから解放されたいとそればかりを考えていました。

 無菌室を出たのが11月のはじめ。回復は極めて順調。その一週間後にはカテーテルを外すことになりました。ジャニーズがやってきました。「管抜くっすよー。痛くないっすよー」と相変わらず軽薄です。しかし、複雑な処置がしてあったために抜くことができません。ジャニーズの友人の小汚い外科の医者が応援に来ます。しかし、彼もほどなくギブアップ。

 結局、カテーテルを入れた先生に抜いてもらうことになりました。処置室に行くとあの医者がまっていました。いらいらした感じの人です。数分であっけなく管は抜けました。腕はいいのでしょうが、おっかなくてしょうがない。この話をすると血液内科の先生たちは、「外科は荒っぽいから」といいました。お医者さんも専門によって個性があるようです。