お義母さん

私は強運の持ち主だと思っています。
なぜなら、困った時にはいつも絶対に誰かが助けてくれるからです。そう、私は人に恵まれているのです。両親のもとにうまれてきたこと、いくつかの道を示してくれた教師に出会えたこと、支えてくれる友、同僚、心強い上司…。キリがありません。


その一人が、義母です。


初めてあった日、私は義母を好きになりました。夫は長男。地元の進学校から旧帝大へ進んだ、自慢の息子です。その息子が連れてきた、若くはない韓国籍の私に、


「私らは何にも口出ししません。この子はあなたに差し上げます。どうぞお好きなようになさってください」


と、いいました。なんて潔い人なんだろう…と感激しました。
長男に嫁ぐ私を、思いやってくれたのかもしれません。さらに、


「どうぞこの子の人生を、楽しいものにしてやってください」


と言って、頭を下げました。
「幸せな人生」ではなく「楽しい人生」と言われた時、私は義母が大好きになりました。


義母は公約通り、私たちの生活に入ってくるようなことはしません。実際、出産のときも「あなたにとって一番いい日にちを言ってくれれば、私らはその日に赤ん坊に会いに行きます」と、気を使ってくれました。無関心なのかというと、そうではなく、放射能を気にする私のために、西日本の山の幸、海の幸を送ってくれます。また、娘のためにとても素敵なスタイやワンピースを編んでくれます。


私は新しい家族にも、恵まれています。