日伊文化交流協会

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映画:『ジュリアは夕べに出かけない』

2010年05月13日 12時56分55秒 | おすすめの映画
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一日3本って結構きつくて、ちゃんと書いておかないと忘れちゃいそう
最初に見たのがコチラ↓

 『ジュリアは夕べに出かけない』

■監督/原案/脚本:ジュゼッペ・ピッチョーニ
■原題:Giulia non esce la sera
■出演:ヴァレリオ・マスタンドレア/ヴァレリア・ゴリーノ/ソニア・ベルガマスコ/ドミツィアーナ・カルディナーリ/リディア・ヴィターレ他

《2009年/イタリア/105分》


以下のあらすじはチョイネタバレアリで書いています。(ロードショーと違ってこれから楽しみにしています。って言う方少ないと思うし、このネタバレは結構映画の前半でわかることなので)でも絶対知りたくない方は、今日のブログはスルーしちゃってください。




《あらすじ》
小説家のグイードは、著名な文学賞にノミネートされ、その賞レースを前に、編集者が設定したインタビューの席や、新作に追われ多忙な日々を送っている。
そうした日々の中、妻との関係はギクシャクし、また、娘もスイミングスクールはいやいや通っているのだと洩らす。
遂に妻は別居を決意。娘は水泳教室をやめ、代わりにグイードが通い始める。
スイミングスクールのコーチの名はジュリア。いつも暗い表情を浮かべるジュリアに、惹き付けられるグイード。ほのかな愛情を互いに意識し始めるものの、グイードがいくらジュリアを夕飯に誘っても、彼女は決して応じようとしない。
その理由は、彼女が現在服役中で、刑務所と水泳教室でインストラクターを務める以外の外出が認められていないからだという。彼女の罪は殺人。夫と娘を捨て、愛人と逃避行をしたものの、その愛人に別れを告げられ、逆上して殺してしまったと言う。そしてその罪によって、娘と会うことが出来ないと嘆く。一方でグイードは、新作『傘の男』の創作の飢えと共に、先の見えない愛に飲み込まれていく




こんな感じですけれど、「なし崩しの愛に溺れる中年男の悔恨」って言うテーマはイタリア映画にありがちで、その身勝手さこそが究極の恋愛であるような描き方は、『赤いアモーレ』(原題 Non ti muovere)小説の邦題は『動かないで』と全く同じ。
不倫の話となると男の身勝手さが強調されるのですけれど、まぁこれもそんな感じで、映画の中で、主人公のグイードが描く小説での出来事が絡み合い、どこまでが現実でどこまでがグイードの頭の中のイメージなのか明確な区別もないまま、ゆっくりとストーリが進行していきます。まぁそれがイタリア映画だといえばそうですけれど、なんだろ、主人公に共感できない話って言うのは見ていて退屈・・・

でも、それより何よりこの映画でビックリしたのがイタリアの刑務所の自由さ

この映画の中でジュリアは保護観察と言うことになっていて、既に何年か服役し、更に模範囚だったので、そういう自由(昼間はスイミングスクールのインストラクターとして勤務し、夜は刑務所に戻る)が与えられているとのことらしいですけれど、日本では考えられない・・・

保護観察っていうのは、服役を終えたあと、つまり一般社会に戻ってからのことですよね。それが、刑務所と職場を行き来する生活って・・・

それも映画の中では、何をするにも許可が必要と主人公が嘆くシーンがありますけれど、それでも、かなり自由が与えられているなぁ~って感じです。
また独房が写るのですが、そこにはテレビが・・・
なんだろ、病院みたいでした。

私は日本の刑務所を知ってるわけじゃないけれど、雑誌や新聞もかなり厳しい制限があるというし、テレビも娯楽室で決まった番組(紅白とかそういうの)しか見れないって聞くんですけれど、イタリアって・・・

ってそっちのほうが衝撃的でした。

確かに、ずっと刑務所に閉じ込めておくより、いわゆる出来心って言うか、何かで思い余って人を殺めてしまったとか、軽犯罪だったら、ある程度仕事をさせて自立させるほうが、刑務所を出た後の仕事も安定するしいいのかな。って思ったんですけれど、すごいなぁ~って感じです。

あと、もう一つ驚いたのが、文学賞の発表が、いわゆる公開投票なんです。
もう他の候補者の名前を忘れましたが、面倒なのでパオロと、ルーカだとすると、
グイード、パオロ、パオロ、グイード、ルーカ、パオロ、グイード、グイード、ルーカ、と名前を読み上げる。
もし負けた場合もその場に座ってなくちゃいけない。まぁオスカーとかも発表の席にはノミネートされた人も座ってますからね。でも日本の文学賞の場合は、それぞれが自宅とか、バーとかホテルとか、そういうところで編集者と共に座って待つ。らしいですからずいぶん違うなと。

まぁ映画で描かれることが本当とは限りませんけれどね。

映画の感想としては、うぅーーーーーん

って感じですけれど、中年のオッサンの不倫っていうのは、たぶんがっちゃんの好みに合わないんだな。

この映画で唯一気に入ったのは、娘のボーイフレンド。ハリポタみたいな眼鏡をかけて、こまっしゃくれたことを言うのが可愛かったです。
そうそう、娘があまり可愛くないのもよかったなぁ~。リアルな感じがして。

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ぷー)
2010-05-12 03:07:08
これ、見たいな~と思いつつ行かないまま、映画館からなくなっていた映画です。
といいつつ…メンドクサイ愛を描いたものってあんまり好きじゃないので(ひ、ヒドい言い草。失礼!)、「ま、いっか~」と思ってたのも事実~。あー、ヒドいです!
内容に関係ありませんが、ヴァレリア・ゴリーノの眉毛が八の字なのが、どうしても気になってしまいます(放っといたげ~よ)。綺麗とは思うけど…。
あ、刑務所は随分居心地良さそうですよ。
最近逮捕された10犯ほどの前科者が「自供したら刑期が短くなる」って言われてるのに、頑として自供せず。もしや、刑務所にいたいからでは?なんて思っちゃいました(くま情報)。
返信する
Unknown (gellius)
2010-05-12 05:36:55
やっぱりイタリアの刑務所って自由なんだぁ~。なんかね数年前にテレビで刑務所の中を映したリアリティー番組みたいなのがあったんだけど、それが本当の刑務所なのか、それともそういう設定なのかがイマイチちゃんと見てなかったからわからなかったんだけど、その後本当だったと知って、あれが刑務所???ってびっくりするくらい自由だったんだよねぇ。

しかし、ヴァレリア・ゴリーノってこういう影のある役がぴったりだねぇ~。
実際もちょっと変った人だったよ。
返信する
Unknown (HIROMI)
2010-05-12 20:18:03
拙ブログへのコメント、ありがとうございました。
服役中の自由とか、文学賞発表までの活動とか、発表当日の様子とか、日本とは全然違う文化に驚きました。こういうのを知れるのも、映画の面白さですよね。
でも、それ以上に、物語の展開の暗さが衝撃的で、救いのなさが、かなり辛い映画でしたね。
グイードは、恋愛はなかなか進展できなかったのに、おせっかいは直行でやってのけ、平凡さが、何だかいそうな人物に思いました。
やっぱり、フィリッポ君が一番よかったですね。
返信する
お返事(その1) (がっちゃん)
2010-05-12 22:16:49
☆ぷーさまへ☆
>ヴァレリア・ゴリーノの眉毛が八の字なの
>が、どうしても気になってしまいます(放っ
>といたげ~よ)。綺麗とは思うけど…。

わかるよわかるぅ~
タダでさえ、眉間にシワを寄せたら、ケンのある顔なのに、それにあの眉毛・・・
なんかとんでもない形になるんだよねぇ~。
私も眉毛濃いーーーー人間だから、眉毛はちょっと気を抜くと、形が悪くなってこまっちゃうんだけれど、彼女は、マユをしかめる表情が多いだけに、私も気になったわ。

>あ、刑務所は随分居心地良さそうですよ。
>近逮捕された10犯ほどの前科者が「自供した
>ら刑期が短くなる」って言われてるのに、頑
>として自供せず。もしや、刑務所にいたいか
>らでは?なんて思っちゃいました(くま情
>報)。

昔イタリア語の先生が、そういってて、いわゆる家、食事つきだから、出たがらないみたいなことを聞いたんだけれど、くまさんからのリアルな情報を聞くとやっぱりかーーーー
って思ってしまいます。
囚人の中には、プレステまで持ち込んでるってうわさも聞いたんだけれどホント?
あとは、就職訓練と称して、コンピュータープログラマーの資格取るとか、いわゆる学校みたいなのも無料で通えるんだってね。
少なくとも、テレビやCDラジカセとかは全然OKらしいね。

今日本でも刑務所の収容人数が、定員を大幅に超えていて、刑務所ってさ、いわば私たちの税金で養ってるわけでしょう?
一人当たり年間160万ぐらいかかるらしい・・・
そう考えると、こうやって働いてくれたほうがいいきもするねぇ~。
だいたい人間働かないからだめになるんだと思うし。
なかなか単純作業とかをさせるの難しいんだろうけれど(木工とかそういうのだけだもんねぇ~)
なんか日本も方法を考えるべきだねぇ。
返信する
お返事(その2) (がっちゃん)
2010-05-12 22:21:55
☆gelliusさまへ☆

>やっぱりイタリアの刑務所って自由なんだぁ
>~。

ウワサでは、マフィアなどは携帯電話まで持ち込んでるらしいけど・・・

>なんかね数年前にテレビで刑務所の中を映し
>たリアリティー番組みたいなのがあったんだ
>けど、あれが刑務所???ってびっくりする
>くらい自由だったんだよねぇ。

やっぱりそうなんだねぇ~
まぁ塀の中に押し込めてしまうだけだと、再犯率が高くなるし、その人がきちんと社会復帰出来ることが大切だけれど、逆に被害者の立場になって考えたら(例えば自分の身内を殺された人とか)刑務所は、厳罰であって欲しいものねぇ~。

>しかし、ヴァレリア・ゴリーノってこういう
>影のある役がぴったりだねぇ~。
>実際もちょっと変った人だったよ。

昔gelliusしゃんがブティックでばったり出くわしたって人が、ヴァレリア・ゴリーノだっけ?
この人ってさ、名前売れてるよねぇ~。
「湖のほとりで」を見たときにもクレジットの上の方に名前が載ってて、でも何の役だったかな?って思うような役だったんだよ。

いわゆる日本で言うところの、有名女優の「友情出演」みたいな扱いだったんだけれどね。

個人的にはあまり好きなタイプの顔じゃないけどさ、この役にはピッタリだったかも。って思いますです。
返信する
お返事(その3) (がっちゃん)
2010-05-12 22:28:55
☆HIROMIさまへ☆
ご訪問ありがとうございます。

>服役中の自由とか、文学賞発表までの活動と
>か、発表当日の様子とか、日本とは全然違う
>文化に驚きました。こういうのを知れるの
>も、映画の面白さですよね。

ですよねーーー。
映画のパンフレットには、「彼女には夜、出かけられない理由があったのだ・・・」みたいにもったいぶって書いてあったので、ネタバレになるかしら?って思いましたが、わりと前半に解りますものね。
おっしゃる通り、いわゆる習慣の違いを見れることって映画の楽しみの一つですよね。
特に刑務所などは、いくらイタリアに行ったりまたはイタリア在住者であっても、実際目にすることってないですし(もちろん映画もセットでしょうけれど)それでも、へぇ~って思いますものね。

>でも、それ以上に、物語の展開の暗さが衝撃
>的で、救いのなさが、かなり辛い映画でした
>ね。

それも結構急でしたよねぇ~。
結局のところ、「藪をつついて蛇を出す」みたいなことになっちゃった気が・・・
私はあのジュリあの娘の立場がないなぁ~って思いましたよ。一生罪の意識をを背負って生きていかなくちゃいけないですから。その意味で最後まで身勝手な女でしたねぇ~。

>やっぱり、フィリッポ君が一番よかったです
>ね。

映画の一服の清涼剤っていうか。すごくあの男の子って唐突な感じだけれど、いい味でしたねぇ~。娘もよかったですね。
返信する
Unknown (ACCO)
2010-05-13 20:08:35
TBありがとうございました。
この映画の見所は子供たちのシュールでしたね♪
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お返事(その4) (がっちゃん)
2010-05-15 14:03:19
☆ACCOさまへ☆
コメントありがとうございます。
ホント、子供たちがよかったですね。
でも、子供達の演技に評価が高いのって映画的にはどうなのかな?って思います。
イタリア映画は、「ニュー・シネマ・パラダイス」に代表されるように、「ぼくは怖くない」「ミルコの光」「2人のトスカーナ」「題名のない子守唄」など、もう子役の演技が信じられないほど上手だと評判になる作品が多数ありますが、子供が主役でもない話で子供にばかり眼が行くと言うのは、ストーリー的にイマイチだからなのかも。と思うことが・・・
返信する
Unknown (さばぇ)
2010-05-21 17:36:13
今更のコメントですみません。。
ここのあらすじ見て、あ、これ見たわ と気づきました。^^;
去年の11月か、今年の2月にアリタリア乗ったときに飛行機の中でみました。
で、私もこの映画自体よりも、殺人という罪を犯しているにも拘らずこんなに自由なの?と驚きました。。
きっと、所内のお食事も美味しいんだろうな~。。(ぼそ)
返信する
お返事(その5) (がっちゃん)
2010-05-22 14:08:11
☆さばぇさまへ☆

>で、私もこの映画自体よりも、殺人という罪
>を犯しているにも拘らずこんなに自由なの?
>と驚きました。。

ですよねぇ~
このあたり、日本人の感覚とずいぶん違うっていうか、イタリアのみならず、ヨーロッパでは普通の感覚なのかしら・・・
もしスペインの刑務所事情とか何かで見ることあったら教えて下さいませぇ~

しっかしこの映画、もし飛行機の中で見たら寝ちゃいそう・・・
私は、主人公の夢が現実と交じり合う映画手法が苦手です。
見ている観客をフィクションの世界に巻き込むためのものなんでしょうけれど、なんだかなぁ~。主人公の深層心理を映像化するのは、意味のない気がします。
正直言うと、面白くない映画でした。ハハハ
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