日伊文化交流協会

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福岡旅行(その1)

2010年05月07日 14時06分59秒 | 日本国内旅行
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最近イタリアよりも国内が続く・・・
それに、今年に入って既に3回目の旅行。出張なんかも入れたら、ほぼ毎月どこかへ行ってる計算。
さて、今回の行き先は、福岡県。
ゴールデンウィークのピークとも言える5月2日に車で出発。

出発時間は、朝3時

まぁこのおかげで中国道のすさまじい渋滞にもかからず、関門海峡を越えたのですが、九州自動車道に入った直後から30kmの渋滞。

  


ただ幸いなことに、事故渋滞ではなく自然渋滞だったのでノロノロ運転とは言え、一応動いていました。

その日向かったのは、志賀島。
漢字でそのまま書くと、それってどこ?って感じですが、「しかのしま」と聞くと、あぁ~あそこか。と思う方も。
そうです、中学校の教科書に出てきた、

漢委奴国王印
(かんのわのなのこくおうのいん)

つまり、『金印』が発掘された場所です。
発掘と言うよりも、お百姓さんが田植えの最中に田んぼの中から掘り出した。って習いましたよね。

私はそれを教科書で読んだとき、よくもまぁ猫ババせず、この人って偉いなぁ~って思ったものです。(そういう私はアクドイのかしら・・・)

で、その志賀島は、海の中道海浜公園がある半島を通っていくのですが、そちらには、大きな水族館や遊園地があるため、家族連れやデートらしき若者の車で大混雑・・・

正直、今更金印発掘場所に行ったからと言って、石碑しかないこと(実物は福岡市博物館に収蔵)は解っていたのですが、教科書に載っていたその場所を、どうしてもこの目で見たかったので、これまたノロノロ運転のまま行きました。

こちらがその記念公園。




せっかく来たからと島をぐるりとドライブ。
ビーチサンダルを持ってきてたので、ちょっと海にも入ったりなんかして・・・





で、この志賀島は、先ほどの海の中道海浜公園がある半島と、ほそーーーい道で繫がっているんですね。

そう、その姿まるで


モンサンミッシェル





砂が堆積して繫がったみたいなんですが、それを見下ろす展望台を見つけることができて大満足。


で、その日の宿は、飯塚市。

福岡の人ならご存知でしょうけれど、県外それも、関西圏から行くにしてはかなりマイナーな場所

ごめんね。福岡の人。
でもたぶん福岡の人からみたら、東大阪市なんて知らないでしょうし、そういうこと。

何故そういうことになったかというと、ゴールデンウィークギリギリにホテルを決めたので、福岡、小倉、北九州、あとは佐賀県とか、長崎県も視野に入れて色々調べましたが、軒並み満室。
または一泊一人5万以上の宿しか空いてなくて・・・。
で唯一検索に引っかかったのが、その飯塚のホテルだったのです。

でもね、行ってみたらそう悪くないところでした。

すごく良い場所と紹介するには、食べるところが少なすぎるし、その町での観光もあまり期待できない。
かといって温泉町とかそういう風情のある場所ではないし、日本の地方都市が抱える疲弊みたいなものも感じましたけれど、結果的に私はこの町に来れたことはとてもよかったと思います。

それは・・・

ボタ山が見れたこと。

五木寛之の小説のファンの方なら、繰り返し登場するそのボタ山について様々なイメージをお持ちのことだと思います。

まずボタ山とは何かというと、ウィキペディア(Wikipedia)からそのまま転載したものがこちら↓

ボタ山(ぼたやま)とは石炭や亜炭の採掘に伴い発生する捨石(ボタ)の集積場である。ぼた山と平仮名表記をすることもある。漢字では硬山と書く。ズリ山の一種で、主に石炭産業が栄えた北海道、常磐、九州北部等で見ることができる。過去の産業遺産ともいえる。


つまりは、鉱山で採掘された鉱石のうち、資源として使えず廃棄する岩石などを廃棄したものが積み重なって山になったもので、いわゆる土砂の集積場のようなもの。
五木寛之の小説の中には、本来は立ち入りが制限されているその場所で、貧しい家庭の子供達が、廃棄物とは言え、その中からまだ使えそうな石炭を拾い集めて、家の煮焚き物に使うとの描写や、また自然発火するその山からは、いつもうっすらと煙が立ち上っているとの記述があって、
つまりボタ山とは、真っ黒なものだと思ってたんです。

それが行ってみると、青々と草木が生い茂り、本当の山みたい・・・




高さは尋常じゃないと言うか、私は20mぐらいのものを想像したいたんですが、優に100mは超えるもので、人工の山とは思えない姿。

たまたま近くにいた地元の方に話を伺うと、その方が子供の頃、30年ぐらい前はやっぱり真っ黒だったんだそうです。で、煙も出ていたし、自然発火することもあったと。
それがここ10年ぐらい前から突然草が生え始め、植樹したわけでもないのに、この写真のような青々と茂る山になったのだとか・・・


北海道の、夕張炭鉱の閉鎖に伴って、過疎化を通り越して、破産にまで至った自治体もありますし、産業廃棄物であるため、「負の遺産」との意見もありますから、物見遊山で見るものではないものだとは承知しているのですけれど、それでも、私は本当に見たかった。
何十年も、ボタ山とはどんなものなのかと思い続けていただけに、見れたことは、心に強い印象刻み付けました。

北海道や福岡に数多く残るボタ山。
産業遺産の一つとして、残そうという動きもあるようですが、維持管理の難しさからそのまま放置されているのが現状だそうです。

私がみた飯塚市のものは、既にもうボタ山ではなく、山として自然に還ったように見えますが、このようにこれが石炭なのか・・・と思われるようなものが一杯ありました。




一時期栄えた町が、ある時期を境に急激に過疎化していく様は、バブルの崩壊後のような侘しさが漂いますが、そういう中でも、また新たな再生の息吹がこの山から溢れてくるようで、今回、本当に偶然この場所に泊まることになったけれど、私にとってその偶然が何よりもうれしいものとなりました。

と言うことで、この地でその息吹を最も感じたステキな晩御飯のお店はこの旅行記終了後に書きますね。


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
緑のボタ山! (Quattordici)
2010-05-08 23:01:14
旅行なんて行きたくないわ!という割にはかなり頻繁にいっているんですね!
それにしても私もボタ山とは黒いもんだとばっかり思っていましたのでかなり驚きました!!
生命力の強い植物ってあるんですね~
またひとつ、お勉強になりました!
ありがとー
返信する
http://blog.goo.ne.jp/batanosuke- (batanosuke-)
2010-05-09 07:53:14
海がきれいですね。
福岡出身の友人が多くて魚が美味しいとは聞いていましたがこれ見て納得です!

ボタ山って以前何かのエッセイで読んだのですが、それが福岡にあることすら知っていませんでした。
こうして見ると集積場ではなく「山」ですね。

五木寛之、読んでみます。
教えてくださってありがとうございます!
返信する
お返事(その1) (がっちゃん)
2010-05-10 13:05:58
☆Quattordiciさまへ☆
>それにしても私もボタ山とは黒いもんだとば
>っかり思っていましたのでかなり驚きました!!

ですよねぇ~
五木寛之の小説を読んでいる人ならみんなそう思いますよね。
実際北海道の炭鉱などは、九州よりも自然環境が厳しいからか、やっぱり真っ黒みたいですよ。
九州は暖かいから、植物も生えやすいのかも・・・
それにしても石炭のかけらみたいな場所って、保水力ないし、痩せた土でしょうに、これだけ植物が青々と茂るのはすごいなぁ~って思います。
返信する
お返事(その2) (がっちゃん)
2010-05-10 13:12:21
☆batanosuke-さまへ☆
>海がきれいですね。
>福岡出身の友人が多くて魚が美味しいとは聞
>いていましたがこれ見て納得です!

やっぱり瀬戸内海よりも玄界灘とか、潮の流れが激しいところの方が透明度が高いように思います。
関門海峡辺りはまだ潮の流れがありますけれど、大阪に近くなるとねぇ~どうもあまり・・・

でも和歌山の海もきれいだし、なんだかんだ言って日本もきれいな海多いですよ。
イタリアに比べると砂浜が極端に少ないので、どうしてもイタリアの海の方がキレイというか、人が集まってもそう多く見えないですけれどね。
砂浜のところより岩場の海岸はどこもだいたいきれいです。(泳げないけれど・・・)

>ボタ山って以前何かのエッセイで読んだので
>すが、それが福岡にあることすら知っていま
>せんでした。

福岡っていうか、炭鉱町にはどこでもありますね。
ボタ山っていうのは方言かと思っていましたが、ウィキで調べたら、北海道の炭鉱でもそう呼ぶみたいです。
九州の場合は、筑豊が有名ですが、長崎もあるようですよ。

>五木寛之、読んでみます。
>教えてくださってありがとうございます!

五木寛之の作品には数多く登場しますが、その中では、「野火子」がオススメかな。
返信する
はじめまして! (はつ)
2010-05-11 06:40:56
ブログランキングから来ました。
福岡・・・という文字に惹かれて・・・。
実家が福岡の、がっちゃんさんが通られた半島部分です。
志賀島がモンサンミッシェル!!!
展望台や金印公園も、ひさびさに見れて嬉しかったです。

福岡(九州)のお醤油って、甘いんですね。
それしか知らなかったので、実家から送られてきた醤油で料理を作ったら、
イタリア人の同僚に「これは醤油じゃない」って言われて、びっくりでした。

他の記事も今から読みますね♪
これからもちょくちょくお邪魔します!
返信する
お返事(その3) (がっちゃん)
2010-05-11 23:32:39
☆はつさまへ☆

ようこそのお運びありがとうございます。
ブログランキングは以前はベスト10の常連だったんですけれど、このところ放置している間に、もうどうしようもない順位に落ちてしまって、辞めてしまおうかとも思ってたところなんですけれど、こうして訪問してくださる方がいらっしゃると、やっぱり続けようかなと思います。

>福岡・・・という文字に惹かれて・・・。
>実家が福岡の、がっちゃんさんが通られた半
>島部分です。

おぉ~。まさに私はご実家の周辺を通ったわけですね。
すごく海がきれいですね。あれだけ都会に近いのに・・・
やっぱり玄界灘は潮の流れが速いのでしょうか。

>志賀島がモンサンミッシェル!!!

ふふふ。
何かにたとえて、東洋のナイアガラとか、北陸の小京都とか、そういうのって、その町に失礼かと思ったのですけれど、なんかあの砂で繫がったホソーーーイ道路を見ていると、ついそういう気分になってしまって。
ちょっとロマンチックですしね。
きっと、地元のカップルのデートスポットなんだろうなぁ~って思いました。

>福岡(九州)のお醤油って、甘いんですね。
>それしか知らなかったので、実家から送られ
>てきた醤油で料理を作ったら、
>イタリア人の同僚に「これは醤油じゃない」
>って言われて、びっくりでした。

イタリア人に言われるとは・・・
お醤油も色々種類がありますけれど、平均して甘いと思います。
でもあの甘さが、特にかまぼことかを食べるとき絶品なんですよねぇ~。
ただ、お漬物とかなんだろ、あわないものもあるような気がします。

私もあとで、はつさんのブログ遊びに伺いますねぇーーー。
返信する
Unknown (emi)
2010-05-13 01:45:52
お久しぶりでございます 
がっちゃんさんはGWは福岡にいってらしたのですねー
福岡県の飯塚市とは初めて聞きました。
因みに東大阪市は前から知っておりましたよ~
ぼた山福岡には多いんですね。名前からすると確かにがっちゃんさんの想像されてたように、黒っぽい山が連想できますよね。でも意外と写真を見た感じ普通の山と同じ感じですね~
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お返事(その4) (がっちゃん)
2010-05-15 13:41:43
☆emiさまへ☆

本来はやはり真っ黒なものなんだそうですよ。
ウィキでみたほかの写真もそうですし。
ただ、既に石炭が使用されなくなってから、何十年もたちますし、炭鉱自体が閉鎖されていますから、放置されたボタ山が自然に還ったという感じじゃないかと思います。
そうかんがえると、自然の生命力ってすごいですね。
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