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波乱万丈の歳月を経て
尚、落ち着けないシニアの日々

パリ日記 25 リッツ・エスコフィエ

2012-02-28 15:17:25 | パリ便り

ボンジュール!

いよいよ今回の渡仏の最大の目的に突入

私がパンを習うのは

5年前にパティシエの資格を得た

ホテル・リッツ内にある料理学校です

リッツはダイアナさんがドディ・アルファイドさんと

事故に会った時にも宿泊していたホテルで

ココ・シャネルが住まいとして使っていたホテルです

そのホテルの地下に学校があるのですが

この夏で閉めてしまうそうなのです

滑り込みセーフでやり残しを習えることになり

ラッキーでした

 

以前住んでいたのは学校の近くで

歩いて通っていました

今回 メトロで行ったら、

案の定 方向音痴の私は

ヴァンドーム広場には辿り着いたものの

学生用出入り口を見つけられず…

ちょっと迷ったけど 構うものかと開き直り

世界にとどろく超一流セレブな

ホテルの正面から入りました…

(あ~~~ 場違いだ…

ピッカピカの靴を履いてバシッと姿勢の良い

いかにもベテランのホテルマンを捕まえて

『今日からここの料理学校でパンを習います。

こちらの入口が学生用ではない事は知っているのですが…』

と きっと困惑顔で言ったところ

最高の笑顔で 『問題ございませんよ』と

ヴェルサイユ宮殿に勝るとも劣らないラウンジに案内されて

こんな椅子には座った事がないという

一日中座っていたくなる椅子で

素晴らしい調度品や生け花を眺めること5分

(もう ”おのぼりさん”そのもの…

これまたピカピカ靴の超イケメン職員が

『マダム F ですか』 と分厚いファイルを抱えてやって来た

もうどぎまぎするほど美しい青年にエスコートされて学校へ…

 

あ~~~ これなんだよ

一流と言うのはこういうことなんだよ

『いかにもセレブ』からはかけ離れた姿であっても

お客様には絶対にみじめな気持にさせない

まるで自分が”姫”のような気持ちにさせてくれる

これが世界的な一流の接客なのだろう…

 

無意味なまでに分厚いファイルにはレシピ

洗剤の良い香りのする真っ白いコックコートに着替えて

教室であるキッチンへ…

懐かしいなぁ…

ここで12週間 まいにち2~3個のお菓子を作っていました

そうそう

まずはティータイムから始まるんだった

2時から始まり、 自己紹介をしたあとは

お隣の部屋に行き

延々 5:30まで セオリーの授業 

小麦粉、 酵母、 温度管理などなどの

パンに関する理論から入ります

私がお菓子を習った頃は こういうセオリーのクラスが

週に一度 やはり2~3時間あったのです

これが結構楽しくて 砂糖と蜂蜜、とか

チョコレートの秘密とかお茶しながら習ったのです

教えてくれたのは この人

シェフ・ディディエであります 

彼はちゃんと私を覚えていてくれて

廊下の向こうから、

『久しぶりだね~、 元気だったかい?』と

温かく迎えてくれました

後ろにいるのが今回の通訳 デイジー(仏ー英通訳)

なのですが…

フランスだからやむを得ないのですが

バリバリのブリティッシュ・イングリッシュで

アメリカで英語を取得した私はこれが苦手なのです…

同じ英語とは思えないほど聞き取りにくい

だから実はセオリーも理解度は60~70%

痒いところに手が届いていないのです…

 

ここで夕食時間となりました

ホテル内の職員用カフェテリア(社員食堂)であります

たっぷりの野菜と

白身魚と煮込み野菜

美味しい事は言うまでもありません…

 

今日は基本となるパンを

次から次へと作っていきます

メモを撮ったり写真を撮ったり

初日はバタバタするばかりで

しかもフランス語に授業に対して

貰ったレシピが英語なので

何を作っているのか見えてこない…

フランス語のレシピを貰うべきだったと深く後悔…

 

基本的なパンの材料は

小麦粉と塩と水とイーストのみ。

『簡単だろ?』とシェフ・ディディエ

材料がシンプルと言う事は

全てが素材と腕と

発酵および焼きの温度管理にかかってくる

小麦粉の感触も香りも日本のものとは異なる

ということは日本で同じ味を再現することは

きっと出来ないのだろう…

それは分かった上で習いに来たのは

私に欠ける要素を知りたかったから。

あまり実用的ではないことは百も承知であります

ただ一つ決定的に言えること

ここに来ると とても気持ちがいいと言うこと

最高の贅沢なのですが

傷ついた心には何よりの薬になるのです

やっぱり戻ってきて良かった…

昨日 成形したパンは今日焼くことになります

焼いている時の香りが想像できるような

本当に香りの良い粉でした

楽しみだな~

 

追記

シェフ・ディディエは知らない

私のわんこに彼の名前をいただいたことを…

毎日のように 『ディディエ』なんて言っていることを 

 



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12 コメント

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Unknown (flower)
2012-02-28 19:06:34
こんばんは!

うわ~。
かっこいい!
社員食堂、と言ってもさすがはフランスですね。
おしゃれですね。

ティータイム、なんて素敵な響き!

本場フランスの焼き立てパン!
楽しみです。

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Unknown (flowerさま)
2012-02-28 20:32:50
こんにちは!
朝型の私にとって 14時~22時はきつかった…

5年前に私が習った後 すぐにカリキュラムが大幅変更になり
正直な感想は今の生徒さんたちが気の毒(-_-;)
以前はもっとおおらかに楽しめた気がします。
良くなった点は無料の食事がついたこと。
以前は半日クラスだったのでカフェテリアで食べるには
11ユーロ(当時は1ユーロ165円前後でした)もかかったので
3回位しか利用しませんでした。

今日は食べきれない量のパンがお土産になるはず。
最終日の翌日を帰国日にすれば 持ち帰りも可能だったかも…
お世話になった友達にあげることにします。
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Unknown (湖の麓より)
2012-02-28 21:19:19
今日から始まったのですか?

日程がよくわかっていなかったので

もう帰国なのかと思っていました

頑張ってくださいね
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Unknown (yoko)
2012-02-28 21:35:17
メインイベントがいよいよ始まりましたね。
今日、焼くのかな?
良い香りが届きそうな、写真楽しみにしています。


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懐かしいなぁ♪ (美妃)
2012-02-28 22:08:15
5年前と同じシェフに教えてもらい、しかも沢山生徒いるのに覚えてもらってて幸せですね!!
シェフ全然変わらないですね。写真UPありがとうございます♪見れて嬉しい

レシピは日本語もあると思いますが…私は事務の人に頼みに行きましたよ。早めに事務所に行って頼んでみては?せっかくの授業が勿体ないですよ。(レシピもらうのに日にちかかるから早めに頼んだ方がいいと思います)

授業、時間帯遅くなったんですね… けど食事付うらやましい!!無料なんですか、あの美味しいご飯が毎日食べれるんですね~、いいなぁ♪
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Unknown (茶々丸ママ)
2012-02-28 22:27:16
最後の写真のシェフ ディディエさんを拝見
して、ディディエ君を想像してしまいました。
そしてな~ンとなく納得してしまったりして・・・
フランスらしくとってもお洒落なお食事!
これが社員用の食堂の食事ってさすがです!


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Unknown (aduadu)
2012-02-29 07:13:15
ちょっと自分のブログ更新を放置していた先週の間にともちんさんのパリ日記が25まで更新
されてて必死で読んでます(笑)
いよいよパンのお勉強が始まったんですね。
頑張ってくださいね~
そしてそして、さすがおフランス、社員食堂も
オシャレですね。
シェフの名前、ん?どこかで聞いた事がある名前と思ってたらそうそうディディエ君だった~
シェフの名前をいただいてたんですね^m^

それからパリからのお手紙、ありがとうございます。病院チケット使わせていただきますね。
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Unknown (湖の麓さま)
2012-02-29 07:18:22
ボンソワール!

歳のせいか14:00~22:00の授業がとても辛く感じられたのですが

若い人が座り込んでいたから誰にでもキツイのでしょう…

まだ出張中ですか?

頑張って下さいね。
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Unknown (yokoさま)
2012-02-29 07:22:35
ボンソワール!
こんなに詰め込み型のクラスになっていたとは…
正直 これでは消化しきれませんよ…
今やっている事はいつも自分がやっていることの延長線上なので
難しくはないのですが体力的に8時間はキツイですね。
5年前に製菓とより難しいヴィエノワズリー(クロワッサン系)を
習っておいて良かったと実感しています。
私は明日で終わります。
スタージュ(研修)ややめて最後の数日は
友達と過ごしたりのんびりしたいところです…
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Unknown (美妃ちゃんへ)
2012-02-29 07:32:08
こんばんは~
疲れ果てて帰宅したところです
リッツはカリキュラムの大幅変更をしたことは知っていましたが
私たち 2007年に習っておいて良かったですよ!

あそこのレシピは前回まではフランス語プラス英語か日本語を選べたのですが
日本語訳とフランス語の内容がビミョーに異なり
リッツではフランス語のを貰うのが一番正解です。
今は日本語バージョンがなくなったのか、英語かフランス語のチョイスでした。
色んな意味で頼りにしていたミツコさんはホテルに移動していました。


シェフディディエは変わってませんでしたね~
あの目力で「リガルデ!」(見なさい)は
変わってないし、時々変な日本語を使うのも
相変わらずです(笑)
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