
久々に映画というか長編アニメ作品見ました。WOWOWで録画しまくってるのめちゃあるのですが、見る時間がない!なかなか数時間のFree Timeを確保するのも難しい現状ですが、この2日で見たかった新海誠監督の4作品を見ました。久々のTrip感。
「夏といえばアニメ!」というのが個人的にあります。多分、それは超楽しかった夏休みの思い出とリンクする気が。夏休みは楽しかった。でTVでもよくアニメの特番をしてくれてそれがすごく楽しみだった。今は、気軽にレンタルだ、ネットだで好きな時に好きなだけ見れる時代ですが、おれが小学校の頃とかは、やはりTVが一番身近で最大のエンターテイメントだった気がします。そんな思いが今でも続き夏はアニメなのです。
そして、今回『星を追う子供』はとても良かったです。
WOWOWで紹介してくれてはじめて新海誠作品を見る機会を得ました(遅いっ!)。その紹介文で、「この人の作品、多分好みだわ」って思っていました。
今回、『雲の向こう、約束の場所』(04)、『ほしのこえ』(02)、『秒速5センチメートル』(07)『星を追う子供』(11)の順番で見ました。
「あ~、こういう感覚をアニメで表現できる人がいるんだな~」と思いました。
基本、余韻のある切な系の作品大好きなので。これ10代や20代の多感な時期に見たらもっと心に来たろうなとも思いました。でもまだ共鳴するハートが心の中に眠っていてよかった。
『雲の向こう』『星を追う子供』は、切ない想いの中にもエンターテイメント性も十分あり見ごたえもありました。
『ほしのこえ』『秒速5センチメートル』は、かなりの切な系作品。「意味がわからん」というレビューも見ましたが、この辺は各々の感じるところですからね。共鳴する感性がある人はあるだろうし、ない人はないのでしょう。といっても大なり小なり、人を本気で好きになった時の一連のこの感情は誰しもあるはず。その純粋な気持ちを持ち続ける人もいれば、失っていく人もいる。
BGMも天門という方が手がけています。初めて聞きました。Simpleな余韻のあるピアノの音色がいい。そんな複雑なアレンジではないのだけど、新海ワールドとの相性は抜群のように思います。
この4作品を一気に見たので心が浄化されたというと「どんだけ汚れてんだ」って感じになりますが、そんな感覚になったのは事実。
そういう時って無性にピアノが弾きたくなる。
この4作品の中ですごく楽しめたのが『星を追う子供』です。昨年公開されたんですね、新海作品の最新作のようです。
かなりTrip感ありましたね。すごく好きなtaste。アガルタという地下の世界も壮大で美しく描かれているし。宮崎駿作品の『天空の城のラピュタ』のtasteも感じた。素晴らしいファンタジー作品、だけど大人のビターさもあるという。
これがジブリ作品として公開したら、かなりのヒットになった気がします。
ジブリのブランド力はすごい。おれらは、『ラピュタ』『ナウシカ』世代なのであのファンタジー感をずっと宮崎作品に期待するのですが、最近の宮崎作品というかジブリはそこまでの引き込まれる作品力がない。でもこの『星を追う子供』はそのファンタジー感をもった。キャラの絵柄もなんか似てるし。新海監督のインタビュー記事を見ると「間違いなくすごく影響を受けてる」と言いきっています。
さらにその源流でもある『フランダースの犬』や『母を訪ねて三千里』などの世界名作劇場Tasteに仕上げたというのも見て「わかる、わかる」と思いました。

ハイジのおじいさんみたいなキャラも出てくるし。
ただあくまでもtasteであってパクリではない。完全に消化された形で新海ワールドが展開されていると思います。っていうかさらにエヴァTasteも感じたぞ。そこがおれ的にはさらに好み度が増した。

ただStory上、謎というかすっきりしない点はあります。
物語を動かすきっかけを作ったシュンはなぜ地上に来たのか?アスナの父はなぜ地下王国の宝物を持っていたのか?(これってどうみても父親は地下王国の人だよね)
この作品は、本来の新海ワールドからはちょっと離れ、それこそ多くの人に見られる(売れる)作品をあえて目指した気もします。ネットで評価をみるとけっこう皆さん辛口なんですね~。世界観や映像がきれいですごくTrip感も持てたんですが。
さて新海ワールドの他の3作品の感想です。この方の作品の根底にあるものに"別れの切なさ"を感じる。
別れは人生についてまわる。最大の別れは死ですが。それは『星を追う子供』でも描かれている。「(愛する人の死の)喪失感を越えて、尚生きろ、それが人に与えられた呪いだ」というセリフは印象的だった。「そしてそれは祝福でもある」と。
これもかなりの切な心満載のStory。こういう感覚をアニメで見たのは初めてです。実際に登場する場所は実在するらしく、その場所がきれいに描かれています。
本当に日常の風景なんだけど、美しい。日常のありきたりの景色が独特のカットと描写でドラマになる。
3編からなる作品です。この監督の感覚なんですかね。遠距離恋愛とかの経験がある人にはたまらない切なさではないでしょうか。切な心だけど、男性視点の切な系。
2話では種子島が舞台となっている。
「なんで種子島?」とも思ったけど、豊かな自然とそして宇宙ロケットを発射する宇宙センターもある。そしてその宇宙船、永遠とも思えるような闇をただひたすら進んでいく宇宙ロケットにも物語のテーマも重ねている。
なんか聞いた事のあるピアノのメロディーが流れてると思っていたら、山崎まさよしの「One more time,One more chance」というのが終盤わかりました。いい歌ですね。
この曲なくして成立しない物語でもある。
この作品は新海誠監督が注目されるきっかけとなった作品らしく、第1回の東京国際アニメフェアで優秀賞も受賞した作品だそうです。
新海監督がほぼ一人で製作したという25分の作品。デジタル時代の産物かもしれませんが、25分とはいえこの作品を一人で製作したというのは驚愕です。あまり人を褒めたのを見た事がない石原慎太郎氏も賞賛したというのもうなずける。
これもやはり切な系作品なのですが、SF作品で、異星生命体とモビルスーツのようなロボットも登場し戦闘シーンも満載。
地球にいる恋人に携帯でメッセージを送り続ける少女の物語、異星人の陣地へ侵攻すべく、地球を離れていくにつれどんどん時間の差もでてくるという。これって庵野秀明作品の『トップをねらえ』でも重要なエッセンスとしてあったウラシマ効果の感じと似てて、そんなに新鮮な感動はなかった。
ただこのクオリティーをほぼ一人で作りあげたというのはすごすぎます。新海氏が一気に注目されるきっかけとなった作品というのは納得です。
新海作品って、基本語りがはいる。あの『北の国』からのような感じ。そして、似てるなと思ったらほんとに主人公の声が吉岡秀隆だった。彼もインタビューで述べていましたが、アニメだけど映画のような空気感のある作品。そしてこの作品も、SF的な要素が満載。だけど基本はLOVE。
そして新海作品、SFだろうとファンタジーであろうと、日常であろうと、季節の描写が生き生きとして美しい。けっこう夏の印象が強い。夕暮れ時の蜩も定番だけど、やはりいい。
舞台は日本なんだけど、ユニオンという国家が北海道を蝦夷という名称で統治していて、日本が分断されている。日米vsユニオンという構図。そして蝦夷に「ユニオンの塔」という物語のKeyとなるハイテクノロジーの謎の塔がある。ちょっと設定をのみこむのに理解がいった。新海監督って時間とか空間という設定軸も好きみたいなのを感じる。
というわけで新海誠作品を満喫しました。最初に紹介した『星を追う子供』がすごく気に入りました。ジブリ信者にはボロクソいわれてるみたいですが・・・そんなに酷評される作品とも思えないのですが。
新海ワールド、超はまった!まではいきませんが、素晴らしいと思いました。天門氏のMusic WORLDもいい。
また新作が登場したら間違いなく見たい。
「夏といえばアニメ!」というのが個人的にあります。多分、それは超楽しかった夏休みの思い出とリンクする気が。夏休みは楽しかった。でTVでもよくアニメの特番をしてくれてそれがすごく楽しみだった。今は、気軽にレンタルだ、ネットだで好きな時に好きなだけ見れる時代ですが、おれが小学校の頃とかは、やはりTVが一番身近で最大のエンターテイメントだった気がします。そんな思いが今でも続き夏はアニメなのです。
そして、今回『星を追う子供』はとても良かったです。
WOWOWで紹介してくれてはじめて新海誠作品を見る機会を得ました(遅いっ!)。その紹介文で、「この人の作品、多分好みだわ」って思っていました。
今回、『雲の向こう、約束の場所』(04)、『ほしのこえ』(02)、『秒速5センチメートル』(07)『星を追う子供』(11)の順番で見ました。
「あ~、こういう感覚をアニメで表現できる人がいるんだな~」と思いました。
基本、余韻のある切な系の作品大好きなので。これ10代や20代の多感な時期に見たらもっと心に来たろうなとも思いました。でもまだ共鳴するハートが心の中に眠っていてよかった。
『雲の向こう』『星を追う子供』は、切ない想いの中にもエンターテイメント性も十分あり見ごたえもありました。
『ほしのこえ』『秒速5センチメートル』は、かなりの切な系作品。「意味がわからん」というレビューも見ましたが、この辺は各々の感じるところですからね。共鳴する感性がある人はあるだろうし、ない人はないのでしょう。といっても大なり小なり、人を本気で好きになった時の一連のこの感情は誰しもあるはず。その純粋な気持ちを持ち続ける人もいれば、失っていく人もいる。
BGMも天門という方が手がけています。初めて聞きました。Simpleな余韻のあるピアノの音色がいい。そんな複雑なアレンジではないのだけど、新海ワールドとの相性は抜群のように思います。
この4作品を一気に見たので心が浄化されたというと「どんだけ汚れてんだ」って感じになりますが、そんな感覚になったのは事実。
そういう時って無性にピアノが弾きたくなる。
この4作品の中ですごく楽しめたのが『星を追う子供』です。昨年公開されたんですね、新海作品の最新作のようです。
かなりTrip感ありましたね。すごく好きなtaste。アガルタという地下の世界も壮大で美しく描かれているし。宮崎駿作品の『天空の城のラピュタ』のtasteも感じた。素晴らしいファンタジー作品、だけど大人のビターさもあるという。
![]() | 劇場アニメーション『星を追う子ども』 [DVD] |
クリエーター情報なし | |
メディアファクトリー |
これがジブリ作品として公開したら、かなりのヒットになった気がします。
ジブリのブランド力はすごい。おれらは、『ラピュタ』『ナウシカ』世代なのであのファンタジー感をずっと宮崎作品に期待するのですが、最近の宮崎作品というかジブリはそこまでの引き込まれる作品力がない。でもこの『星を追う子供』はそのファンタジー感をもった。キャラの絵柄もなんか似てるし。新海監督のインタビュー記事を見ると「間違いなくすごく影響を受けてる」と言いきっています。
さらにその源流でもある『フランダースの犬』や『母を訪ねて三千里』などの世界名作劇場Tasteに仕上げたというのも見て「わかる、わかる」と思いました。

ハイジのおじいさんみたいなキャラも出てくるし。
ただあくまでもtasteであってパクリではない。完全に消化された形で新海ワールドが展開されていると思います。っていうかさらにエヴァTasteも感じたぞ。そこがおれ的にはさらに好み度が増した。

ただStory上、謎というかすっきりしない点はあります。
物語を動かすきっかけを作ったシュンはなぜ地上に来たのか?アスナの父はなぜ地下王国の宝物を持っていたのか?(これってどうみても父親は地下王国の人だよね)
この作品は、本来の新海ワールドからはちょっと離れ、それこそ多くの人に見られる(売れる)作品をあえて目指した気もします。ネットで評価をみるとけっこう皆さん辛口なんですね~。世界観や映像がきれいですごくTrip感も持てたんですが。
さて新海ワールドの他の3作品の感想です。この方の作品の根底にあるものに"別れの切なさ"を感じる。
別れは人生についてまわる。最大の別れは死ですが。それは『星を追う子供』でも描かれている。「(愛する人の死の)喪失感を越えて、尚生きろ、それが人に与えられた呪いだ」というセリフは印象的だった。「そしてそれは祝福でもある」と。
![]() | 秒速5センチメートル 特別限定生産版 DVD-BOX |
クリエーター情報なし | |
コミックス・ウェーブ・フィルム |
これもかなりの切な心満載のStory。こういう感覚をアニメで見たのは初めてです。実際に登場する場所は実在するらしく、その場所がきれいに描かれています。
本当に日常の風景なんだけど、美しい。日常のありきたりの景色が独特のカットと描写でドラマになる。
3編からなる作品です。この監督の感覚なんですかね。遠距離恋愛とかの経験がある人にはたまらない切なさではないでしょうか。切な心だけど、男性視点の切な系。
2話では種子島が舞台となっている。
「なんで種子島?」とも思ったけど、豊かな自然とそして宇宙ロケットを発射する宇宙センターもある。そしてその宇宙船、永遠とも思えるような闇をただひたすら進んでいく宇宙ロケットにも物語のテーマも重ねている。
なんか聞いた事のあるピアノのメロディーが流れてると思っていたら、山崎まさよしの「One more time,One more chance」というのが終盤わかりました。いい歌ですね。
この曲なくして成立しない物語でもある。
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コミックス・ウェーブ・フィルム |
この作品は新海誠監督が注目されるきっかけとなった作品らしく、第1回の東京国際アニメフェアで優秀賞も受賞した作品だそうです。
新海監督がほぼ一人で製作したという25分の作品。デジタル時代の産物かもしれませんが、25分とはいえこの作品を一人で製作したというのは驚愕です。あまり人を褒めたのを見た事がない石原慎太郎氏も賞賛したというのもうなずける。
これもやはり切な系作品なのですが、SF作品で、異星生命体とモビルスーツのようなロボットも登場し戦闘シーンも満載。
地球にいる恋人に携帯でメッセージを送り続ける少女の物語、異星人の陣地へ侵攻すべく、地球を離れていくにつれどんどん時間の差もでてくるという。これって庵野秀明作品の『トップをねらえ』でも重要なエッセンスとしてあったウラシマ効果の感じと似てて、そんなに新鮮な感動はなかった。
ただこのクオリティーをほぼ一人で作りあげたというのはすごすぎます。新海氏が一気に注目されるきっかけとなった作品というのは納得です。
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新海作品って、基本語りがはいる。あの『北の国』からのような感じ。そして、似てるなと思ったらほんとに主人公の声が吉岡秀隆だった。彼もインタビューで述べていましたが、アニメだけど映画のような空気感のある作品。そしてこの作品も、SF的な要素が満載。だけど基本はLOVE。
そして新海作品、SFだろうとファンタジーであろうと、日常であろうと、季節の描写が生き生きとして美しい。けっこう夏の印象が強い。夕暮れ時の蜩も定番だけど、やはりいい。
舞台は日本なんだけど、ユニオンという国家が北海道を蝦夷という名称で統治していて、日本が分断されている。日米vsユニオンという構図。そして蝦夷に「ユニオンの塔」という物語のKeyとなるハイテクノロジーの謎の塔がある。ちょっと設定をのみこむのに理解がいった。新海監督って時間とか空間という設定軸も好きみたいなのを感じる。
というわけで新海誠作品を満喫しました。最初に紹介した『星を追う子供』がすごく気に入りました。ジブリ信者にはボロクソいわれてるみたいですが・・・そんなに酷評される作品とも思えないのですが。
新海ワールド、超はまった!まではいきませんが、素晴らしいと思いました。天門氏のMusic WORLDもいい。
また新作が登場したら間違いなく見たい。