『ロード・オブ・ザ・リング』、大好きな映画です。生涯忘れる事の出来ない心の中に刻まれた作品です。原作は、J・R・R・トールキン(英国人:1892-1973)のファンタジーの最高傑作『指輪物語』。1954年の発刊です。私がえらそうに言うまでもなく、この『指輪物語』は、ファンタジー作品の原点といわれており、この作品に直接的or間接的に影響を受けていない作品はないのではないかといわれているほど。トールキンの物語の世界観の構築の綿密さが絶賛されています。その精密さはフィクションを超えていると監督のピーター・ジャクソンも述べています。トールキン自身は、自分の言語学や文学的な研究の成果を物語としてまとめたかったといいます。ですからこの物語は、外に向けたものではなく内に向けたものだったようです。『指輪物語』は売るための本ではなかったのです。しかし、その世界観、物語は人々を魅了します。
そして映像技術の発達により、この『指輪物語』を映画化するプロジェクトを開始したのが、ピーター・ジャクソンでした。映画ですが壮大なプロジェクトです。CGなしで『指輪物語』の世界を映像化するのは不可能ですが、さらに『指輪物語』の舞台となる中つ国を、母国のニュージーランド(NZ)に求めるのです。そして監督のこの選択はBestでした。『ロード・オブ・ザ・リング』は三部作ですが、一作一作撮ったのではなく、99年末から15ヶ月をかけて3作すべてを撮影します。スタッフ2000人、エキストラ26000人、総制作費340億円。この物語のスケールの大きさに比べて予算が抑えれたのは、3作分を一度に撮影した製作者の段取りの素晴らしさと、NZをロケ地に選んだことによるのではないでしょうか。
この三部作にはDVDでSPECIAL EXTENDED EDITIONがあります。現在も普通に(それも中古なら安価で)入手できると思いますが、私の宝物です。本編に収録されていなかった追加シーンもあります。特に『王の帰還』では、劇場版では泣く泣く削られた50分の追加シーンが収録され、4時間10分の濃厚な物語となっています。そして、スペシャルエディションの特典として、撮影場所であるNZのロケ地、撮影風景、裏方の人たちの活躍、監督、キャストのインタビューが収録されています。この作品に関わったスタッフの、本編とは違う物語が見れます。このドキュメントを見るとまたちがった視点で本編を見ることができます。本編に魅了された方は、このスペシャル版を見ることをおすすめします。
本当にすごいプロジェクトだったのを感じます。それぞれの分野のスペシャリストが集結した作品です。この長い撮影期間で、出演者同士、スタッフに熱い友情、絆が芽生えていった事がわかります。『指輪物語』を愛する才能が集結し、チームとしてまとまっていたからこれだけの作品になったのがわかります。そして『王の帰還』はアカデミー賞で史上最多の11部門を受賞するいう最高の結果を残します。ただ俳優陣のノミネートは、1作目でのイアン・マッケラン(ガンダルフ役)のみ。俳優陣の演技も素晴らしいのに。
3部作を同時に撮影しているので、第一部のシーンをとった翌日が第三部のシーンだったりという事もあったそうです。本当に、効率よく秩序をもって撮影していくのは大変だったろうなと感じます。それでも彼らはやり遂げました。 打ち上げの際、ドラキュラで有名なベテラン名優・クリストファー・リー(サルマン役)をして、自分のキャリアでこれほど素晴らしいクルーは知らないと最大級の賛辞を送っていました。他の俳優陣も、涙を流してみんなに感謝の言葉を述べていた光景は感動的です。編集、美術、すべての人が口をそろえて最高のチームワークだったと。
規模が大きくなれば、それだけいろいろなリスクを負い、処理する作業も莫大になっていく。しかし、時間のリミットもある。本当にギリギリの状況の中で編集作業も進んでいったのがわかります。
監督のピーター・ジャクソンは、この作品で歴史に名を刻みました。この作品ほど監督の偉業を感じた作品はありません。ジャクソン監督は、素晴らしい統率力と明確な言葉ですべてのスタッフを導いたのがわかります。
私も小さい頃から、ファンタジー系の物語が好きでした。ですから映像化は不可能といわれていた『指輪物語』を映像化したといううたい文句でこの作品にひかれていました。何かを見たときの予告編の映像の迫力にも圧倒された。しばらく映画館から離れていた私でしたが、必ず映画館に行こうと思いました。
そして、02年、1作品目『旅の仲間たち』が公開されます。1作品目もちろん素晴らしい出来でしたが、序章という印象も強かった。しかし、03年、第2部『二つの塔』」はさらに素晴らしい物語性と映像が展開されます。ヘルム峡谷の戦闘シーンのスペクタル感は圧倒された。そして04年、第3部『王の帰還』、さらにスケールUP した作品となります。この作品は、全編通じて能天気で明るい雰囲気はない。けっこう重い。ダークな雰囲気も漂う。登場人物たちには、いつも苦難がのしかかる。主人公のフロドなんてすごい無力。剣術にたけてるわけでもなく、腕力があるわけでもない。それでも、決して諦めない。絶望しかけても希望を捨てない。そういう力強いメッセージもすごく感じます。1作目を見たとき、3作目の『王の帰還』がここまでのスケール感をもっているとは思いませんでした。
1作品目から、作品の世界にも没入しましたが、さらに惹かれたのがバックの風景です。実際の撮影地とCGを絶妙に融合させてこの作品の世界観を作り上げています。はるか向こうにそびえる山脈や広大な景色は現実に存在するものでした。さらになんの加工もせず、実際の景色をバックのそのまま撮影したシーンも数多くある事も知ります。そしてその起伏に富んだロケ地がニュージーランドと知るのです。いつかいってみたいと、この時強く思いました。
出演者も、NZに長期滞在し撮影に臨みます。まさに中つ国がこの地にある感覚も彼らももったのではないでしょうか。ロケ地は、物語のビジョンが明確にあるジャクソン監督が、NZ全土を訪れシーンにあう場所を選定していきますが、NZの自然豊かな風景が拡がるのは主に南島で、クイーンズタウンはその中心地でした。そして05年1月、その憧れのクイーンズタウンを本当に訪れることができました。『指輪物語』は最強の魔力を持つ指輪を滅びの山の火口に葬る物語でしたが、私は指輪を交換するためにクイーンズタウンに旅だったのです。 -つづく-
余談ですが、P・ジャクソン監督の元、再び『ROTR』のスタッフが集結し、『指輪物語』の前のお話『ホビットの冒険』の撮影が開始されたそうです。2部作で、12年、13年公開予定。楽しみです。
そして映像技術の発達により、この『指輪物語』を映画化するプロジェクトを開始したのが、ピーター・ジャクソンでした。映画ですが壮大なプロジェクトです。CGなしで『指輪物語』の世界を映像化するのは不可能ですが、さらに『指輪物語』の舞台となる中つ国を、母国のニュージーランド(NZ)に求めるのです。そして監督のこの選択はBestでした。『ロード・オブ・ザ・リング』は三部作ですが、一作一作撮ったのではなく、99年末から15ヶ月をかけて3作すべてを撮影します。スタッフ2000人、エキストラ26000人、総制作費340億円。この物語のスケールの大きさに比べて予算が抑えれたのは、3作分を一度に撮影した製作者の段取りの素晴らしさと、NZをロケ地に選んだことによるのではないでしょうか。
この三部作にはDVDでSPECIAL EXTENDED EDITIONがあります。現在も普通に(それも中古なら安価で)入手できると思いますが、私の宝物です。本編に収録されていなかった追加シーンもあります。特に『王の帰還』では、劇場版では泣く泣く削られた50分の追加シーンが収録され、4時間10分の濃厚な物語となっています。そして、スペシャルエディションの特典として、撮影場所であるNZのロケ地、撮影風景、裏方の人たちの活躍、監督、キャストのインタビューが収録されています。この作品に関わったスタッフの、本編とは違う物語が見れます。このドキュメントを見るとまたちがった視点で本編を見ることができます。本編に魅了された方は、このスペシャル版を見ることをおすすめします。
本当にすごいプロジェクトだったのを感じます。それぞれの分野のスペシャリストが集結した作品です。この長い撮影期間で、出演者同士、スタッフに熱い友情、絆が芽生えていった事がわかります。『指輪物語』を愛する才能が集結し、チームとしてまとまっていたからこれだけの作品になったのがわかります。そして『王の帰還』はアカデミー賞で史上最多の11部門を受賞するいう最高の結果を残します。ただ俳優陣のノミネートは、1作目でのイアン・マッケラン(ガンダルフ役)のみ。俳優陣の演技も素晴らしいのに。
3部作を同時に撮影しているので、第一部のシーンをとった翌日が第三部のシーンだったりという事もあったそうです。本当に、効率よく秩序をもって撮影していくのは大変だったろうなと感じます。それでも彼らはやり遂げました。 打ち上げの際、ドラキュラで有名なベテラン名優・クリストファー・リー(サルマン役)をして、自分のキャリアでこれほど素晴らしいクルーは知らないと最大級の賛辞を送っていました。他の俳優陣も、涙を流してみんなに感謝の言葉を述べていた光景は感動的です。編集、美術、すべての人が口をそろえて最高のチームワークだったと。
規模が大きくなれば、それだけいろいろなリスクを負い、処理する作業も莫大になっていく。しかし、時間のリミットもある。本当にギリギリの状況の中で編集作業も進んでいったのがわかります。
監督のピーター・ジャクソンは、この作品で歴史に名を刻みました。この作品ほど監督の偉業を感じた作品はありません。ジャクソン監督は、素晴らしい統率力と明確な言葉ですべてのスタッフを導いたのがわかります。
私も小さい頃から、ファンタジー系の物語が好きでした。ですから映像化は不可能といわれていた『指輪物語』を映像化したといううたい文句でこの作品にひかれていました。何かを見たときの予告編の映像の迫力にも圧倒された。しばらく映画館から離れていた私でしたが、必ず映画館に行こうと思いました。
そして、02年、1作品目『旅の仲間たち』が公開されます。1作品目もちろん素晴らしい出来でしたが、序章という印象も強かった。しかし、03年、第2部『二つの塔』」はさらに素晴らしい物語性と映像が展開されます。ヘルム峡谷の戦闘シーンのスペクタル感は圧倒された。そして04年、第3部『王の帰還』、さらにスケールUP した作品となります。この作品は、全編通じて能天気で明るい雰囲気はない。けっこう重い。ダークな雰囲気も漂う。登場人物たちには、いつも苦難がのしかかる。主人公のフロドなんてすごい無力。剣術にたけてるわけでもなく、腕力があるわけでもない。それでも、決して諦めない。絶望しかけても希望を捨てない。そういう力強いメッセージもすごく感じます。1作目を見たとき、3作目の『王の帰還』がここまでのスケール感をもっているとは思いませんでした。
1作品目から、作品の世界にも没入しましたが、さらに惹かれたのがバックの風景です。実際の撮影地とCGを絶妙に融合させてこの作品の世界観を作り上げています。はるか向こうにそびえる山脈や広大な景色は現実に存在するものでした。さらになんの加工もせず、実際の景色をバックのそのまま撮影したシーンも数多くある事も知ります。そしてその起伏に富んだロケ地がニュージーランドと知るのです。いつかいってみたいと、この時強く思いました。
出演者も、NZに長期滞在し撮影に臨みます。まさに中つ国がこの地にある感覚も彼らももったのではないでしょうか。ロケ地は、物語のビジョンが明確にあるジャクソン監督が、NZ全土を訪れシーンにあう場所を選定していきますが、NZの自然豊かな風景が拡がるのは主に南島で、クイーンズタウンはその中心地でした。そして05年1月、その憧れのクイーンズタウンを本当に訪れることができました。『指輪物語』は最強の魔力を持つ指輪を滅びの山の火口に葬る物語でしたが、私は指輪を交換するためにクイーンズタウンに旅だったのです。 -つづく-
余談ですが、P・ジャクソン監督の元、再び『ROTR』のスタッフが集結し、『指輪物語』の前のお話『ホビットの冒険』の撮影が開始されたそうです。2部作で、12年、13年公開予定。楽しみです。
ロード・オブ・ザ・リング スペシャル・エクステンデッド・エディション トリロジーBOX セット [DVD] | |
クリエーター情報なし | |
ポニーキャニオン |