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日本代表、世相も切る総合エンターテイメント!過去記事はカテゴリー、最新表示は上のタイトルをクリック!

ロシアワールドカップ・アジア最終予選の総括、個人的なMVPは・・・

2017年11月22日 | 日本代表(サッカー)
 2016年9月から始まったロシアワールドカップの出場権をかけた戦いが終わった。見事にグループ1位で、日本は6大会連続の出場となりましたが、なかなかしんどい予選だった。まず結果。



 日本は首位だけど、勝ち点は1ポイント差。日本代表が大陸間プレイオフに行っていた状況もあったかもしれない。
 UAEも脱落してしまったけど、途中まで、日本、サウジ、豪、UAEの4つどもえだった。
 さらにUAEはイラクに負けたのも意外。そのUAEはホームでサウジからも勝利を勝ち取った事で、サウジの独走を防いでくれた。
 タイは勝利できなかったけど、ホームでオーストラリアと引き分けという善戦を見せ、結果的にはオーストラリア的にはかなり痛い引き分け。
 本当に、どこで流れが変わったかわからない最終予選でした。Blog記事から10試合を振り返り、MVPも決めたいと思います。

《 まず2016年9月1日、ホーム(埼玉スタジアム)でのUAE戦。1-2での敗戦 》

 最近の日本代表での敗戦で超悔しい思いをしたのは2015年のアジアカップの決勝トーナメント1回戦での敗退。その相手がUAEでした。
 ほぼ日本がゲームを支配していましたが、1-1の同点でのPK戦での負けとなったけど、アジアカップを失う事となった。その借りも返さないといけない相手でしたが1-2でまたもやの敗退。
 先制弾は、清武のFKに合わせた本田が頭で合わせる。最終予選も本田のゴールから始まり、日本のエースと思わせた。
 その後、スピード対応に遅れたDF吉田麻也がPKを与えてしまい同点にされる。
 後半9分、長谷部らしからぬドリブルミスを相手に高い位置で奪われ一気にペナルティエリア内に。その後の寄せも甘く球がとれない。3人で囲むも大島が足をひっかけてしまいPK献上で逆転ゴール。
 そして後半32分、それまでイマイチな動きだった右の酒井宏からのクロスを本田がおりかえしフリーの浅野が左足で合わせるもキーパーがはじく。機械判定があればゴールっぽいけどゴールの判定はくだらず。アジアカップの時と同様、ポゼッションは日本が握るも攻めきれない。
 ボランチからの組立がダメ。前への推進力が弱すぎ。効果的な鋭い縦パスも入らない。サイドの起点は作れているのにそこからの展開がダメ。
 これまでしてきた速い攻めもできていない。
 代表初デビューの大島をボランチでいきなりの先発起用。ぶっちゃっけこれが最大の敗因要因。ディフェンスも弱く、ビルドアップにも難があった。
 「最終予選初戦に負けたら予選突破確率0%」のデータがその後、日本代表に重くのしかかる。
 今となってはそのデータは打ち消されたわけだけど、この時、ちょっとこの言葉に囚われすぎた感もあったな。
 でももし予選突破できていなかったら、この初戦の敗退が指摘されたと思う。

 《 第2戦、2016年9月6日、アウェー(バンコク)でのタイ戦。2-0での勝利 》

 2戦目にして早くも崖っぷちの試合。このグループでは最弱(実際、グループ最下位)とみられているタイに負けでもしたら終わりでした。
 初戦からの修正として、トップを岡崎から浅野に交代。ボランチに待望の山口蛍。左FWに清武から原口。
 敵地での試合。30度で湿度が80%って相当なコンディション。
 しかし、試合開始から集中している日本代表。パス回しのテンポもいい。
 タイは思ったよりスピードはないけど、テクニックはあった。しかし日本代表と比較するとレベルが違うのは明白。
 開始から、日本はタイゴールへ襲い掛かりゴールをわるのも時間の問題的な空気。
 そして前半18分、右サイドの酒井宏からの速いクロス。本田が囮になる感じで原口が頭でしっかりコースをねらいゴール左へ決める!!
 そして後半。日本以上の高温多湿の環境だと思うけど、日本が主導権を握り続ける。相手のペナルティーエリア周辺で球が動き続ける。
 そんな中、後半26分、相手のカウンター。危険な18番からの絶妙なワンタッチパスがFWに渡り一気に攻め込まれる。GK西川が最後まで踏ん張り、吉田麻也もコースを消してゴールを割らせず。これは危なかった。同点になったらまた展開変わってた。
 日本代表はシュートを打っても決めれない嫌な雰囲気だったけど、30分、相手DFのボール処理に躊躇している所を浅野が見逃さず、一気にギアをあげボールを奪いそのままドリブルで相手ゴールへシュートで決める!!貴重な、待望の2点目。
 終盤にかけて山口蛍のディフェンス効いてる。
 日本代表、シュート21本、コーナーキック7本もあるも2点どまり。
 本田も決定的チャンスを逃すシーンもあり、もう一人のエース、香川はこの2試合、とても日本のエース、10番と呼べる活躍ではなかった。
 この試合のMVPは、原口。かなり追い込まれた中での先制弾は、日本代表に勇気を与えた。GK西川のファインゴールも見逃せない。
 浅野の追加点も大きい。初戦のゴールも認定されていたらすごいぞ浅野。

《 第3戦、2016年10月6日、ホーム(埼玉スタジアム)イラク戦。2-1の勝利 》

 この試合、同点のまま終わると思った。そしてロシアワールドカップ、まじやばいを感じた。それはおれだけではなかったはず。 山口蛍のアディショナルタイムのミドルシュートが、日本代表を、ハリルホジッチを救った。
 この試合、トップはまた岡崎にもどる。そしてトップ下、香川に変わり清武を起用、これは英断だと思った。
 そしてこの試合、日本代表で久々にトップ下で躍動する選手をみた。
 前半26分の先制点も清武の見事な演出だった。清武がドリブルで攻め込み、本田にパス、さらに清武は走り、本田もそれを感じ見事なパス、そして清武が中央へおりかえし原口が見事なヒールでゴールへ。これはすばらしかった。
 後半、日本代表はボールをまわすも、前半のように清武を起点に攻めれない。
 ここで1トップ問題。
 岡崎もどうなのよ。1トップなのに、今日シュート打ったの?ボールコントロールがまったくできていない。逆にチャンスを潰しまくり。今日の試合同点のまま終わったら、岡崎の責任も重大。ワントップ、宇佐美でもいいよ。そんな守備に帰らなくていいから。前線に張ってればいいんだよ。自力で局面を打開できるんだから。
 実は、またまた本田1トップもありかも。ま~アジア最終予選のこの3戦、岡崎は機能していない。
 後半15分、酒井宏の安易なファールでFKを与える。けっこう長い距離だったけど、いいキックをけられ21番のサードのヘディングが決まる。
 サードとせったのは酒井高。前半3分も同じように同じ相手に競り負けてヘディング打たれてるのに、同じパターンでやられる。同じボールへの入り方の酒井高のミスは大きい。最近評価あがっていたのに、今日はサイドの崩しもダメだったしまたダウン。
 右の酒井宏もイエローもらってるし。失点のきっかけとなるファールもするし、もっとクールにPlayしろよ。
 終盤、決め手もなく同点濃厚で、多くの人たちも埼玉スタジアムを後にし始めた時の山口蛍の勝利弾。そりゃ、おれの家の周りからも雄叫びがあがるっちゅうに。
 またホームで同点で終わっていたらかなり危険だった。山口蛍が日本代表を救った。

 《 第4戦、2016年10月11日、アウェー(メルボルン)、オーストラリア戦。1-1の同点 》

 敵地での首位・オーストラリアとの戦い。最近、2011年のアジアカップの決勝(李のスーパーボレーシュート)でも死闘を制したし、2014年の親善試合でも勝利してるし、以前ほどオーストラリアコンプレックスは感じていないのですが、ワールドカップ予選だと勝ちきってない。
 だいたい両者のいい所をお互いがつぶして、膠着状態になり、双方打破できないままそのままホイッスルという展開が多い。
 しかし、今日の日本代表は今までの戦い方とガラッと変えてきます。 
 日本が、アジアで対戦相手によくとられる引いて守ってのカウンターねらい。それを日本代表がしちゃいます。
 ここまで守り重視でカウンターを狙う戦い方は見たことがない。最終的なポゼッション率も63対37という見た事ない数字。
 岡崎負傷情報もあり、長友も脳震盪で離脱、酒井宏も出場停止(これで頭を冷やしなさい)。なかなかの駒不足。
 そんな中、本田が1トップ(今回は0トップじゃないよね)に入ります。本田の1トップはありだと思っていたので期待。
 トップ下が、前回見事に司令塔になった清武ではなく香川。左サイドには槙野(長友の負傷がなくとも元々豪戦での先発予定されていた模様)。
 前半5分にいきなりの高い位置から奪っての速攻で原口が見事に先制ゴールを決める!
 その後も日本代表は全員のハードワークで組織的にも1対1でも奮闘して守り抜いた。
 前半は完全に守りながらも日本のペース。
 後半、このままの流れを維持したいところだったけど、後半7分。チェックが遅れマークも甘くなり、原口も必死にもどってチャージした相手FWを倒してしまいPK献上。
 前半から原口はけっこう審判に文句言ってて、これが心象悪くしていた面もあると思う。ハリルもけっこうくってかかってるし。
 最近、たしかに変なジャッジ多いけど、ちょっと審判に敬意を払っていない感じの態度が多い最近の日本代表。いうほど今日の審判変じゃなかっったと思う。
 やっぱ甘くないな~と思いつつ、この後の戦いを見守るけど、オーストラリアも日本の攻撃の形に対応してきて、日本は攻めの形が作れない。
 起点となるべき香川がほんと機能していない。今回はディフェンスも求められる役割だったと思うけど、1対1の仕掛けも全然迫力ないし、前半で機能していない香川は見切って清武を出すべきだったと思うよ。
 後半24分、あのケーヒルも登場。ここからがディフェンダーも力入ったと思うけど、意外と抑えれてる。
 本田も機能しなくなったのを見切って、今度は本田のタメではなく裏へ抜け出す作戦にもっと早く変えていたらもう1点とれたかもしれないのに、ハリルホジッチは踏み出さない。
 後半37分、小林悠の負傷をきっかけに浅野を投入するけど、遅いっちゅうに。
 吉田麻也、森重、槙野のDF陣頑張った。PK以外ではオーストラリアに決定的なチャンスは作らせなかった。
 勝点3とれたかもしれない試合だったけど、引き分けを選んだハリルJAPAN。


 《 第5戦、2016年11月15日、ホーム(埼玉スタジアム)、サウジアラビア戦。2-1勝利 》

 この時点でグループ首位のサウジをホームに迎える。
 これまで代表を牽引してきた本田、香川、岡崎がスタメンを外れ、一気に攻撃陣を変えてきます。
 まずセンターフォワード・大迫が代表にもどってきた。ベルギーで結果を出していた久保も大胆抜擢。

 そして大迫の存在が日本代表の戦い方を変えた。
 とにかく前線の大迫に球が収まる、収まる。
 最近の日本代表、このタメが失われていた。それにより攻撃のリズムがいい。
 さらに右FWに本田がいた場合、本田が自分のリズムに塗り替えるので右サイドのリズムが失われる傾向はあった。もちろん良い形に変わることもあるのだけど。本田に代わって入った久保はシンプルなplayを心がけてた印象。やっぱシュートも放つし身体能力の高さを感じる(まだ日本代表チームになじんていない感じはしたけど)。 
 大迫に球が収まると、攻撃スイッチが日本代表に入る。
 大迫自身、これまで球際のプレイが得意ではなかったと。しかし球際に強くないとドイツでやっていけないと痛感し、この辺を相当鍛えている。
 天才肌の大迫が、ある意味泥臭さも兼ね備えた。フィジカルが強化された。今日も、相手DFを背負ってもシュートをうつ。こういうシュート打てるFWそういない。大迫が球をキープすると、相手DFも激しくいかざるをえない。それでファールをさそうし、FKも増える。この辺の要素もすごく大きい。
 ただ大迫、相当削られるので体が心配ではある。
 日本代表がおしているものの、点が入らず前半終わるかと思ったら、前半43分、清武のシュートが相手DFの手に当たったという判定で日本がPKを得る。
 このPKのプレッシャーはかなりのものだと思うけど。清武冷静に決める。よかった~。
 ただペラルティエリア内のファールでのPKならまだしも、微妙なハンドでのPKは遺恨が残る。
 後半、出だしからジョーカー・本田が登場。本田も期するものがあるでしょう。
 これまでもサウジは、後半、終盤にかけて猛攻をしかけてきてる。後半開始からサウジが主導権を握る。日本代表もプレスをかけるも、サウジのパスandムーブが見事でなかなかボール奪取ができない。ボール試合率も、後半開始から30分位まで7割近く握られている。
 大迫は、守備でも前線からもどってくるし、さらに体の入れ方がうまいので、強いフィジカルも加わりボール奪取もできる。厳しい局面で守備でも救ってる。
 日本は攻め込まれるも奪ってからのカウンター攻撃はできてる。前半攻撃での絡みがうすかった原口も高い位置で奪ってから自分でシュートまでもちこんだり、クロスをあげるもゴールには結びつかず。原口の運動量はすごい。
 後半20分、清武が下がり香川が入る。(清武なんで代えたんだろ?)
 香川も本田と同じく期するものあったと思うけど、気持ちとplayは別モンで、清武のような司令塔的な動きや、自らシュートにもちこむことはできない。
 守備に追われてるけど、ただボールを持ってる相手に後手後手でつめる感じでボールを奪って攻めるという部分は皆無。
 左サイドの長友は、攻守のバランスの良さを感じる。長友も勝負ところがわかってていいタイミングで左サイドをあがる。 
 後半35分、本田が左サイドにポジションを移しているところ、長友があがり二人のワンツーで左サイドを崩し長友が中央へ、香川がヒールで流しそこにいた原口が正確に右足で決める。貴重な追加点!!!これは大きい。 それからサウジもさらにゴールへの圧力を強める。終盤になってもがんがんくるこの攻撃力はこわさを感じた。
 それでも日本代表も全員で守る。  
 しかし、45分、耐え切れず右サイドを崩されフリーで相手にシュートを放たれ、西川がセーブするもこぼれ球を決められる。長友のクリアも一歩及ばず。
 中盤の山口蛍、早めのプレスをガンガンかけていたし、奪いもしてたけど、危ないパスもあったし、このシーンでもかわされてしまった。ちょっとプラマイ0的な活躍。
 必勝のサウジ戦、逃げ切る。終わってみたらよく勝ち切ったという印象。サウジ、攻守に全然強い。

 1stレグが終わった時点での順位表。



 前半でのMVPは4戦連続弾の原口。山口蛍の勝ち点3を呼び込んだゴールと守備での活躍も大きい。
 後半戦、呼ばれなくなったけど清武の活躍も相当よ、2アシスト、1ゴールよ。司令塔、香川から清武にシフトしたかと思ったらそうでもないという。
 1stレグのGK、西川だし。森重・吉田麻也でよく守った。吉田麻也絡みの失点もあったけど、ディフェンスの軸は吉田麻也。ファールも少ない。

 2ndレグ開始。
 
 《 第6戦、2017年3月23日、敵地(アルアイン)、UAE戦、0-2の勝利 》

 主将・長谷部の怪我による離脱にかなりショックを受けていたハリル。個人的には、脱長谷部派なんだけど、ハリルの長谷部への信頼度ハンパない。っていうかそれってザッケローニ時代から続く話で、あのイタリア代表の伝説マルディーニとならんでそのキャプテンシーを評価されてるという。
 今回のUAE戦、予選突破のかかった大一番だったと思う。同点でも今後に残す心理的影響を考えると微妙。勝利が必要な試合でした。
 この状況下でハリルはこれまでの代表経験値を重視するという選手起用に出ます。
 GKに川島がもどってきた。川島派なのでうれしくはあるけど、西川も前半戦安定していた。流れを相手に渡さないファインセーブもあったし、大きな失敗も思い浮かばない。現在の川島の置かれている状況を考えるとスタメンは博打的な感じもある。久々だけど、こうしてゴールを守る川島を見ると、これまでの空白期間を感じさせない。
 そして、ボランチに長谷部に変わる経験値をもつ選手として今野がいきなりの代表復帰&先発起用。うれしいけど驚いた。さらにポジションもボランチというより前目のハーフ。
 山口蛍が1ボランチ(アンカー)起用。フォーメーションも3-2-1-4となる。
 そしてもうひとりのハーフ起用が香川という。清武ではないのねって感じ。
 前回のホームでのスタメンとも比較すると、前回スタメンは吉田麻也、森重、酒井宏、香川の4人のみ。7人入れ替わってる。特に攻撃陣は総入れ替え的。そこには本田、岡崎の名前もない。 日本代表は、まずはしっかり守備から入っていった印象。コンパクトな守備陣形を整え、プレスも早い。
 UAEの司令塔、アフロの兄ちゃんオマル・アブドゥルラフマンにもきっちり激しいプレス。オマルのいるサイドの、原口、今野、長友が決定的な仕事をさせなかった。
 日本代表は、サイドを起点に速くシンプルな攻撃。
 前半13分、右サイド酒井宏からのパスをDFの裏を抜け出した久保が受け、角度のないところからのシュートをあっさり決める。「まじかっ」って感じ。 酒井宏も本田より久保の方がやりやすそうだし、パスの相性もよさそう。この先制点は大きい。
 その後、山口蛍のミスで逆襲くらって川島との1対1の場面になるけど、川島が見事な神セーブ。これを入れられて同点になったら流れはどうなるかわからなかったと思う。これも今日の試合の流れを引き寄せた。ハリルの起用、これも当たり。
 後半に入り、出だしからUAEはギアを上げ激しい攻撃をしかけてきますが、日本代表踏ん張ります。
 そして後半6分、右サイドの久保からのクロスを、上がった今野がうまくDFをかわし、胸トラップで受け足でおしこむ。驚きの2点目!!
 今野の勝負勘がいきたゴール。なんでそこにいるの!という。数々の修羅場をくぐってきた男の執念のゴール。
 今野はどういう風に指示を受けていたかわからないけど、守備的MFという動きでなかった。勝負ところでは攻めたし、危険な所ではすぐにもどる。攻守にすごい活躍。ポジショニングが絶妙。長谷部がいても、ハリルは今野を起用するつもりだったのか。ザッケローニ時代は、代表ではセンターバック起用。たまにサイドもしていたけど、元々ボランチ。
 以前から代表でのボランチの今野をみたかったけど、こうしてこんな大一番で起用され、そして見事にはまった。
 今野とペアを組む香川は、なんだか中途半端な動き。そこまで守備力が、ボール奪取力があるわけでもなく、ボールが来ても原口みたいな前への推進力もうすい。
 今回のフォーメーション、ハリルもガンバの陣形に刺激を受け、今野の起用も決め、同僚の倉田へも交代。なんていうかすごい今野仕様のフォーメーション。
 終盤、本田が奪ってから相手ゴールにキレあるドリブルで攻め込む。倒されるけど原口がひろいゴールに迫る。「よし!」って感じだけど、原口、目に入ったという岡崎にパスを出すも、岡崎外しちゃう・・・2点あるし、原口自分でいってもよかったんじゃないかと思ったんだけど、多分チームのためのプレイだったんだと思う。
 原口、今日はもっと攻撃したかったと思うけど終始チームのために動いた。
 この試合キャプテンをつとめた吉田麻也、森重のセンターバックも安定していた。
 UAEも組織的で個人技も高いよいチームだけど、日本はさらにその上をいってるのを見せつけた試合。
 今野、ブラジルWCの3戦目、コロンビア戦で痛恨のPK献上ファールがトラウマになっていた時期があったみたいだけど、今日の勝利は今野による所が大きい。
 この勝利でロシアWCの道が大きく開けた。


《 第7戦、2017年3月28日 ホーム(埼玉スタジアム)タイ戦 4-0 》

 以前から危惧してたけど、1トップで体を張りまくり、削られまくる大迫が負傷で欠場。今回がタイ戦だったからまだよかった。大迫もUAE戦の勝利に間違いなく貢献した。
 さらに前回、攻守にわたる活躍で日本代表を勝利に導いた今野も負傷。大迫に代わり、岡崎が1トップ。右は本田ではなく久保。
 そして注目のボランチが、山口蛍と酒井高。
 事前に酒井高がボランチに入る情報ははいっていたけど、ほんとにボランチだった。所属のハンブルクではしてるそうだけど。
 そして、今日の試合の内容の悪さは、攻守の舵取り、引渡しのボランチにあったと思う。
 山口と酒井高の連携も今ひとつ、ボランチからのビルドアップもばたついていて終始試合が落ち着かない感じ。
 この前までボランチのポジション、けっこういい選手がたくさんでてきた印象あるけど、サブも倉田と遠藤航くらいじゃん。
 タイは、ホームの日本代表に臆することなく攻めてきます。出だしからちょっと押され気味。
 グループ最下位のタイに引き分けでも危ない状況になる。
 そんな中、前半8分、DF森重からのロングパスを右サイドの久保が受け、中央へ。岡崎が流し香川がうけ、ステップフェイントで詰め寄る相手DFを華麗にかわして、シュートでゴールを決める! これは香川らしい切れのあるプレイ。
 さらに前半19分、久保からの早いアーリークロスを岡崎がヘッドでドンピシャ。2点目を決める。
 日本代表、2点入れるもボランチからトップ下の香川へスムーズにボールが供給できないから、香川も司令塔としての組立もできず。
 岡崎も、大迫のようなポストプレイができないから前線での起点もできない。
 前半で2点入れるも全然日本のリズムではない。
 後半も開始からタイに攻め込まれる。前半からのシュート数もタイの方が上回ってる。
 UAE戦のような守備の連動性がなく後手にまわってる感じ。がタイのシュートを川島がきっちり防ぐ。川島、所属チームでスタメンではないなんてうそのような活躍。
 しかしその流れも、後半12分、スローインからの球を、久保がドリブルして切り込み左足のミドル。コンパクトなフリなのに見事にゴールに突き刺さる。3点目。
 久保裕也すごい!起点にもなるし、フィニッシュも決めれる。すごいストライカーがでてきた。
 後半29分、香川に代わって清武。清武の方がが司令塔がいいと思うんだけどな~。時間は短いながらも、前線にパスを供給してる。後半38分、コーナーキックで吉田麻也の4点目のゴールも演出。
 終盤、またまたチェックが遅れPKを与えてしまうけど、川島がとめちゃう。このシーンが今日一番声をあげたかも。得失点差も考えると1点防いだのは大きいし、川島の存在感をまた見せつけた。
 内容は今ひとつでしたが結果は4-0。

《 第8戦、2017年6月13日 アウェー(テヘラン) 1-1 》

中東でのイラク戦。アウェーでの戦いに、常に危機感をもっている発言をしていたハリルホジッチ。
メンタル面、フィジカル面も含め、要は日本代表はアウェーに弱いという認識をもっている。選手がそこまでアウェーに苦手意識をもっているかはわからないけど。
そしてやはり、いつもの日本代表のサッカーができなかった、させてもらえなかったというのが今日の試合の印象。
この前の親善試合から負傷者続出も影響している。主力の香川、山口蛍が負傷してしまうという。そして香川に代わりと思っていた清武がそもそも招集されていないという。
これまで吉田麻也と組んでいたCBの森重も召集されず。この間まで代表の正GKの西川も呼ばれていないという。
さらに日本で彼以上のテクニシャンはいないと思う宇佐美も、今回のイラク戦には同行していないし。
ハリル曰く「より良い選手が代表に入る資格がある。どの選手にも門は開いている。ただ、パフォーマンスが良くない時に自分のポジションがあると思ったら、それは間違いだ。今までの監督とは違うかもしれないが、これが私のやり方」。
しかし、今日の結果を見ると、今回の選手起用に疑問符だわ。
WC予選のガチ試合で初スタメンの昌二と吉田のセンターバック。ボランチは、今野はおらず、若手の井手口と遠藤航。
前半から、イラクが主導権をにぎる。基本、ハリルはアウェーでは、高い位置からプレスにいかず、ブロックで守る。っていうか気温38度では前半からガンガン行くのは無理。
敵がハーフウェーラインを超えてからプレスに行く感じ。日本は我慢の時間帯が続く。
そんな中、前半8分、パスを受けた大迫がPA内にドリブルで切り込み、相手DFが奪いに来るも粘る。そのこぼれ球を原口がひろいすぐにシュートで相手GKがはじいてコーナーキック。その本田が蹴ったCKを大迫がバックヘッドで決める!!押されていた中での、かなりいい時間帯での先制ゴール。
後半、日本代表、もう少しギアUpしてくるかと思ったけど、全然よくならない。
期待の久保はいつもの動きとは程遠い。直前の親善試合のシリア戦でキレキレだった乾を起用しないのも不思議ちゃん。
プレスが後手後手でボールがとれない。セカンドボールもとれない。
ただ吉田、昌二のセンターバックは高さでも負けず跳ね返したり、ラインをあげてオフサイドもとれていた。
後半15分以降、選手の動きはさらにおち、各選手の体が悲鳴を上げる。
後半17分、まず脳震盪を起こした井手口が退き今野と交代。井手口は初出場、初先発とは思えない動きだった。
それから後半25分、原口も退き、倉田がIN。
 原口、トップ下だろうと前半からアグレッシブに攻守に動いた。パサータイプではないけど、新しいトップ下の動きをみた。香川と違ってディフェンス力があるから、この位置で奪って、さらに自分で切り込みシュートまで打てる能力がある。ただパスの精度は清武の方が上だと思う。
 普通なら清武が入るべきと思うのに、まだ世界レベルではない(と思ってる)倉田が入る。
 さらにこの原口の交代は最初から想定していたのか。原口、こんな中東の猛暑でもいつものように攻守に動き回った。さすがに90分持たないよな~。
 2枚目のカードをこの時点で切ったため、さらにこの後の展開が厳しくなる。(この後、酒井宏も負傷交代)
 後半27分、体だけでなく脳も疲労困憊しているのか、これまでどれだけ連携を深めているのかと思う、GK川島と吉田麻也のボール渡しがうなくいかず、こぼれたボールを相手に押し込まれ同点。この時間帯での同点はきつい。
 最後の最後に本田の所にいい感じにボールがきて、本田も渾身のシュートを放つもキーパー正面。
 1-1の同点で試合が終わる・・・敵地で勝ち点1をとり、勝ち点も積み上げ単独首位にたつけど、勝てる試合だっただけに後味が悪い。

《 第9戦、2017年8月31日 ホーム(埼玉スタジアム) 2-0 》

 ホームに宿敵・オーストラリアの迎えてのロシアWC最終予選。一応、日本代表はグループ首位ではあるけど、残りの2試合がWCの切符をかけた直接の相手、オーストラリアとサウジアラビア。決して楽な状況ではないのです。
 ハリルホジッチは、“奇術師”というニックネームをつけられている。その戦術もカメレオン戦術とも呼ばれる。
 相手を分析し、そして自チームの選手のコンディションも見極め、ベストの選手とベストの戦術を組む。
 まさに今日の、オーストラリア戦は、そのハリルホジッチの真価を問われる試合だったと思う。
 
 この試合、走力のある選手を選んだ感じ。90分間休むことなく走れる選手。
 ケガから復帰の長谷部(お帰り)も迷いなくスタメンに選んだ。そして長谷部を1ボランチにし、インサイドハーフに、井手口と山口蛍。解説でも言っていたけど3ボランチっていう印象。ゲームメイクというより、ボールを奪える選手を置いた感じ。そして90分間走り続けれる井手口と山口蛍。
 そして、前線に大迫と、乾、浅野。乾の先発も意外だったけど、スペインで調子いいんだね。
 今日の豪戦前に、グループ首位を争うサウジアラビアがUAEに敗れるという事態が起きている。
 キックオフ。日本代表は、走力のある選手たちにより動きがいい。そして、それがさらに効果的なのも大迫という1トップがいるから。
 つないでくる豪のスタイルにあわせて、守備力と走力のある山口蛍、井手口、長谷部という中盤の3人を選んだ感じ。
 そしてそれがはまった。オーストラリアは、日本の速いプレスに対応できていなかった。
 ちょっとオーストラリアペースになった時間帯もあったけど、とにかく日本代表の走力が落ちない。特に井手口!
 先制点は、前半41分。左サイドの長友からのクロスを、見事なタイミングで抜け出たジャガー浅野が決める!すばらしいクロスからのゴール!
 これを見たかったんだよ。これまで日本代表のクロスの精度の低いこと。サイドに起点が出きていても、そこからクロスを上げてもゴールを割る匂いがしなかった。
 そしてこのクロスからの得点ができないと世界と戦えないという。
 後半も、メンバーは変わらず。そして、後半も日本代表、井手口、蛍、乾、浅野、大迫も走りまくる。
 めちゃ負担の大きいアンカーは、長谷部より蛍の方がよかったかも。長谷部、何回かけっこうやばいミスがあったけど、これまた他の選手が走ってカバー。
 後半25分、天敵ケーヒル・37歳が投入され、会場もざわつくけど、吉田麻也、昌子のCBは冷静。
 1点リードだと、後半追いつかれる展開が多いので、もう1点欲しいところで、後半37分、左サイドから井手口がドリブルで中央に切り込み相手DFを交わしてのミドルが見事にゴールに突き刺さる!!この時間帯でしっかり足が踏ん張りシュートを枠に打てる凄さ。まさかの今日の勝ちを決定づける追加点!!!因縁のオーストラリアの息の根を止める。
 走力で圧倒した日本代表が宿敵オーストラリアを破り、見事にグループ首位でロシアWCの切符を手にする。

 《 そして最終第10戦、2017年9月5日 アウェー(ジッタ) 0-1 》

 消化試合的な日本代表と、ワールドカップがかかっているサウジアラビア。6万人を越えるサウジサポーターと、またまた高温と多湿の過酷な環境で、いつものように足も動かず。
 日本代表にも何回かゴールチャンスはあったけど、サウジ19番、ムラワドのスピードと身体能力にもやられた。神はサウジに微笑んだ。

 というわけで最終予選。グループBの10試合を振り返りました。
 10試合目は消化試合的になったので、実際は9試合までの所での選手評価になると思う。
 出ていたデータを見てみます。

  《出場試合数・出場時間》
 
 1 吉田麻也 DF  9試合 (810分) 全試合フルタイム出場
 2 原口元気 MF  9試合 (617分)
 3 酒井宏  DF  8試合 (706分)
 4 本田   MF  8試合 (508分)
 5 森重   DF  7試合 (630分)

 吉田麻也が全試合出場、イエロー1枚もらいましたが、その後は激しいい守備の中でももらわずDFの要として全試合フル出場は、あらためてすごい。
 吉田とCBを組んでいた森重は、今や代表に呼ばれないという。30歳という年齢もロシアに向けて問題ないと思うんだけど。Jリーグではトップクラスのディフェンダーだと思う。アギーレの時はボランチもこなし、前線へのロングフィード能力も高かった。ブラジルWCから組んでいる吉田麻也との連携も良いと思う。
 素人的にはよくわからない落選。
 ネットで調べると、森重は身体能力的には高いパフォーマンスがあるも、時折集中力を欠く所があり危険な場面を生むような事があったと。
 今や、24歳の昌子が麻也と組んでいる。でももし吉田麻也が離脱したときは、森重が再招集かかると思うんだけどな。
 森重も麻也みたいに海外に出れていたらもっと屈強なDFとしてさらなる進化をとげれたのか。いや、でもあだロシアWCあきらめていないと思うのだけど。
 データをみて、右SBの酒井宏が3位なんだなと。累積イエローで出場停止になってるけど、それがなければ吉田麻也につづく全試合出場。
 フィジカルの強さと高さはすごい。けっこう厳しい目で見てしまうのだけどこの予選での成長も著しい。本田は右FWから外れてからなんか勢い増してる気がする。

  《得点・シュート数》

 1 原口 (MF) 4点(シュート数16本) 8試合(先発7)
 2 浅野 (FW)  2点(シュート数8本) 5試合(先発2)
  久保 (FW) 2点(シュート数6本) 4試合(先発4)
3 本田 (MF) 1点(シュート数22本) 8試合(先発5)
  大迫 (FW) 1点(シュート数12本) 4試合(先発4)
香川  (MF) 1点(シュート数10本) 5試合(先発5)
清武  (MF) 1点(シュート数7本) 5試合(先発3)
岡崎  (FW) 1点(シュート数6本) 6試合(先発3)
  井手口(MF) 1点(シュート数2本) 2試合(先発2)
吉田  (DF) 1点(シュート数6本) 9試合(先発9)
山口 (MF) 1点(シュート数3本) 7試合(先発6)
今野 (MF) 1点(シュート数1本) 2試合(先発1)

 最終予選では17得点の日本代表。原口の4戦連続ゴールで日本代表は勝利の軌道にのった。原口、自分で決めれそうなゴールも他者に譲ったりもした。
 インパクトでは、山口蛍のイラク戦での勝利ミドル弾。あれは大きかった。
 浅野も、UAE戦の幻のゴールが認定されていたら3点だし、他にも惜しいシュートあった。
 久保も、2ndレグから登場だけど2点ゴール。
 データを見ると本田のシュート数22本は突出。入ってもおかしくないシュートも多かった。キーパー正面とかになっちゃうんだな。ゴールという結果を出し続けていたら本田も最後まで先発して起用されていたのかも。
 それまでのFWの軸だった岡崎がシュート6本で1ゴールは残念すぎる。
 大迫は、2ndレグからセンターフォワードとして前線の軸となった。ゴールが1点なのはちょっと物足りないけど、体を張って前線での起点になりまくってる。

 《アシスト数》

  3 清武
  2 本田(MF)/久保(FW)/酒井宏(DF)
  1 香川(MF)/岡崎(FW)/長谷部(MF)長友(DF)

 アシストトップは清武。香川に代わって代表の司令塔となった。でも今は選ばれていないという・・・清武も「ハリル、なんでやねん」って思ってないか。
 久保も2ndレグからの出場だけど、2ゴール、2アシスト。
 酒井宏の2アシストも見逃せない。この予選で一番進化したのが酒井宏かもしれない。
 左の長友がアシスト0というのも意外。

 以上まとめてみて私的MVPは原口。次点、吉田麻也。
 ワンポイント的な起用だったけど、それ以上の結果を出した今野。
 本田も求められるものが大きいから厳しい目で見られるけど、1トップでの起用もあったり、要所要所で活躍した。
 前半の守備は、西川、森重が軸だった。
 奇術師、ハリルホジッチのビジョンにあった選手を起用できたという所で、日本代表の選手層の厚さも感じる。
 清武、森重、西川等ロシアWCの切符に貢献した選手が、最後には選ばれていないというのもどんな心境なんだろう。
 こんなに過酷な競争化に置かれた日本代表はかつていないかもしれない。

 先日の、ブラジル、ベルギー戦でハリルホジッチのワールドカップでの戦い方のビジョンと使いたい選手が見えた気がする。
 いやすでにオーストラリア戦辺りから、今の日本代表の戦い方を固めてきた気がしてきた。
 これまで代表がしてきた細かいパスワークや、司令塔という概念もうすれてきた。たしかに細かいパスワークは華麗だけど、まわすだけで相手への攻撃的脅威は強くない面もあった。攻め込んでくる相手に罠をかけて、素早くボールを奪取してからの攻め込む意識の強さがドンドン日本代表に浸透してきている。
 その戦術ビジョンに、香川や清武、宇佐美のようなデュエル(競り合いでの球際の強さ)の強くないタイプを求めないように感じてきた。
 ここにきて井手口なんかはハリルのビジョンにすごくはまった気がする。

 いったいロシアWCのピッチに立つのは誰なのか!?


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