前回紹介したようにジョージ・マイケルは、白人でありながらR&Bでも受け入れられたアーティスト。それは彼のボーカルがソウルだったし、事あるごとにソウルへの憧憬を口にし、溢れんばかりのソウルへの思いが楽曲からも感じられるからこそ。彼のR&B志向はその共演アーティストでもわかります。
今回ジョージ・マイケルが共演した女性R&Bアーティストとの4曲を紹介したいと思います。4人とも時代を築いたディーヴァたち。さらにそれらの曲を手がけたProducerも、その時の勢いのあるTopプロデューサーたち。これらの共演がジョージ・マイケルの血となり肉となったのは間違いない。
まずジョージ・マイケルのソロ活動への弾みにもなったクイーンofソウルのアレサ・フランクリンとの共演。「I Knew You Were Waiting(For Me)(邦題:愛のおとずれ)、見事全米1位も獲得(R&B-5位)。
アレサ・フランクリンのゴスペルTasteのパワフルボーカルとジョージ・マイケルの白人でありながらソウルなボーカルの相性はいい。ジョージも憧れのアレサとの共演をこころから喜んでいるのが伝わる。ジョージはレコーディングに参加するべく英国からUSAへ飛んだそう。
そしてProducerは、ナラダ・マイケル・ウォルデンです。87年度のグラミーで最優秀Producer(マイケル&クインシー、U2『ヨシュア・トゥリー』Proのダニエル&イーノを抑えて)を受賞。カントリー畑のTop ソングライター:デニス・モーガンと英国アーティスト:サイモン・クライミーが書いたキャッチャーな曲を、ナラダがこれまた抜群のポップセンスで仕上げる。この曲の実績もグラミーで評価されたにちがいない。(この年は、Whitney2とスターシップの「愛は止まらない」も大ヒット)ジョージ・マイケルはセルフProduceの人で他人からProduceされる事はない。このレコーディングで、ProducerのナラダがOKを出したにも関わらず、物足りずにもっと歌いたいというジョージをナラダが、諭したというか説得したというエピソードも。
次がシングル化されてはいませんが、ジョディー・ワトリーの87年のデビューアルバム『Jody Watley』に「Learn To Say No」に参加しています。
これはジョージの友情出演ではないかと。ジョージ・マイケルが他のアーティストのアルバムにゲスト参加するという事はほとんどない。ジョディー・ワトリーはシャラマーで活躍。シャラマーは80年代前半に良質のDance Musicを生み出した。メンバーChangeを繰り返していますが、このジョディーとハワード・ヒュウェットが共存していた頃が最高でした。ジョディー的にはハワードの陰に隠れている思いが増幅しシャラマーを脱退。本人もファンも待ち望んだソロデビュー作が87年に発表されます。このアルバムからは、ミネアポリスのプリンスの友人アンドレ・シモーンが手がけたNo1シングル「Looking For A New Love」が大ヒット。グラミーの新人賞も受賞してしまいます。(87年度のグラミーの新人賞は、おれ的にはテレンス・トレント・ダービーだろうって。TTDの才能は群を抜いてた。思うにクソ生意気な彼の態度がグラミーの皆様に受け入れられなかったのかな。)
おれ的にしびれるのは、この曲を手がけているのがCHICのバーナード・エドワーズ。ドラムもトニー・トンプソンです。ロバート・パーマーのTasteも感じるサウンドプロダクションです。トニーのドラムも生っぽく、彼のドラムGrooveも満喫できる。ちょっとラフな感じがセッション的でいいし。この頃のジョージ・マイケルのVocalもいい。Funkeyでかっこいい。ジョージのVocal Grooveもいい。
90年代前半は、レコード会社ともめて空白期間をうみますが、次は98年のベスト盤でのメアリー・J・ブライジとの共演、「As」。
ジョージは、相手を自分で決めるのか、ラブコールの相手をうけるのか。ここでもHip HopとR&Bを融合させ、この位置で他者の追随を許さないメアリーとの共演です。
さらにこの曲はスティヴィー・ワンダーのカバー。ジョージがたびたび取り上げるスティーヴィーの70年代の神アルバム『Key of Life』からの曲。さらにProduceをBabyfaceがしています。この頃、Babyfaceが得意としてたアコースティックなアプローチ。音は控えめで二人のVocalを堪能できます。
そして最後に紹介するのが、ホイットニー・ヒューストンとの共演。
この曲聞いて驚いたのが、ホイットニーとジョージの声の区別がけっこう難しい事。これはけっこう驚きです。ジョージのVocalも、Whitneyなみにソウルなのに加えて、けっこう女性的というか中性的なんですよね。『Faith』の時のあらあらしさがない。これはゲイモードが影響してんのか?この2人の共演はすごいエキサイティングです。双方全盛期は過ぎていますが、やっぱすごい出会い。でもこれまでジョージ・マイケルのボーカルはすぐに判別できたけど、この曲ではわかりにくい。おれだけかな?
この曲はどちらかといえばトラックに注目。Producerは、ロドニー・ジャーキンスです。ロドニーは、00年にマイケル・ジャクソンに起用されたのもわかるようにTop Produceに登りつめる才人。彼が注目されだしたのが96年辺りから。98年、R&B回帰を意識するホイットニーに頭角をあらわしてきたロドニー、ダークチャイルドSOUNDが起用されます。元々はWhtneyのオリジナルの方に収録されていましたが、ベスト盤がデュオになりました。シングルはUSAではカットされず、英国のみ。
ロドニーのサウンドは、R&Bの伝統を踏まえつつ、ピアノやクラッシックも学び、幅広い音楽性を持ち、さらに機械いじりも大好きみたいで、テクノロジーにも長けてるのがわかるトラック作りです。96年のメアリーJBの『Share My World』のWorkは好き。この曲もこの頃のロドニーの味が出てる。バックのシンセの感触はMJの「You Rock My World」ともかぶります。
PVもあります。ホイットニーとジョージ・マイケルの共演はすごい。
けっこう濃厚にからんでいます。80年代の若々しさはありませんが、熟した2人もいいです。
以上、ジョージ・マイケルとのR&Bのディーヴァとの共演曲でした。
今回ジョージ・マイケルが共演した女性R&Bアーティストとの4曲を紹介したいと思います。4人とも時代を築いたディーヴァたち。さらにそれらの曲を手がけたProducerも、その時の勢いのあるTopプロデューサーたち。これらの共演がジョージ・マイケルの血となり肉となったのは間違いない。
まずジョージ・マイケルのソロ活動への弾みにもなったクイーンofソウルのアレサ・フランクリンとの共演。「I Knew You Were Waiting(For Me)(邦題:愛のおとずれ)、見事全米1位も獲得(R&B-5位)。
アレサ・フランクリンのゴスペルTasteのパワフルボーカルとジョージ・マイケルの白人でありながらソウルなボーカルの相性はいい。ジョージも憧れのアレサとの共演をこころから喜んでいるのが伝わる。ジョージはレコーディングに参加するべく英国からUSAへ飛んだそう。
そしてProducerは、ナラダ・マイケル・ウォルデンです。87年度のグラミーで最優秀Producer(マイケル&クインシー、U2『ヨシュア・トゥリー』Proのダニエル&イーノを抑えて)を受賞。カントリー畑のTop ソングライター:デニス・モーガンと英国アーティスト:サイモン・クライミーが書いたキャッチャーな曲を、ナラダがこれまた抜群のポップセンスで仕上げる。この曲の実績もグラミーで評価されたにちがいない。(この年は、Whitney2とスターシップの「愛は止まらない」も大ヒット)ジョージ・マイケルはセルフProduceの人で他人からProduceされる事はない。このレコーディングで、ProducerのナラダがOKを出したにも関わらず、物足りずにもっと歌いたいというジョージをナラダが、諭したというか説得したというエピソードも。
次がシングル化されてはいませんが、ジョディー・ワトリーの87年のデビューアルバム『Jody Watley』に「Learn To Say No」に参加しています。
Jody Watley | |
クリエーター情報なし | |
Mca Special Products |
これはジョージの友情出演ではないかと。ジョージ・マイケルが他のアーティストのアルバムにゲスト参加するという事はほとんどない。ジョディー・ワトリーはシャラマーで活躍。シャラマーは80年代前半に良質のDance Musicを生み出した。メンバーChangeを繰り返していますが、このジョディーとハワード・ヒュウェットが共存していた頃が最高でした。ジョディー的にはハワードの陰に隠れている思いが増幅しシャラマーを脱退。本人もファンも待ち望んだソロデビュー作が87年に発表されます。このアルバムからは、ミネアポリスのプリンスの友人アンドレ・シモーンが手がけたNo1シングル「Looking For A New Love」が大ヒット。グラミーの新人賞も受賞してしまいます。(87年度のグラミーの新人賞は、おれ的にはテレンス・トレント・ダービーだろうって。TTDの才能は群を抜いてた。思うにクソ生意気な彼の態度がグラミーの皆様に受け入れられなかったのかな。)
おれ的にしびれるのは、この曲を手がけているのがCHICのバーナード・エドワーズ。ドラムもトニー・トンプソンです。ロバート・パーマーのTasteも感じるサウンドプロダクションです。トニーのドラムも生っぽく、彼のドラムGrooveも満喫できる。ちょっとラフな感じがセッション的でいいし。この頃のジョージ・マイケルのVocalもいい。Funkeyでかっこいい。ジョージのVocal Grooveもいい。
90年代前半は、レコード会社ともめて空白期間をうみますが、次は98年のベスト盤でのメアリー・J・ブライジとの共演、「As」。
As | |
クリエーター情報なし | |
Msi/Emd |
ジョージは、相手を自分で決めるのか、ラブコールの相手をうけるのか。ここでもHip HopとR&Bを融合させ、この位置で他者の追随を許さないメアリーとの共演です。
さらにこの曲はスティヴィー・ワンダーのカバー。ジョージがたびたび取り上げるスティーヴィーの70年代の神アルバム『Key of Life』からの曲。さらにProduceをBabyfaceがしています。この頃、Babyfaceが得意としてたアコースティックなアプローチ。音は控えめで二人のVocalを堪能できます。
そして最後に紹介するのが、ホイットニー・ヒューストンとの共演。
If I Told You That | |
クリエーター情報なし | |
Bmg Int'l |
この曲聞いて驚いたのが、ホイットニーとジョージの声の区別がけっこう難しい事。これはけっこう驚きです。ジョージのVocalも、Whitneyなみにソウルなのに加えて、けっこう女性的というか中性的なんですよね。『Faith』の時のあらあらしさがない。これはゲイモードが影響してんのか?この2人の共演はすごいエキサイティングです。双方全盛期は過ぎていますが、やっぱすごい出会い。でもこれまでジョージ・マイケルのボーカルはすぐに判別できたけど、この曲ではわかりにくい。おれだけかな?
この曲はどちらかといえばトラックに注目。Producerは、ロドニー・ジャーキンスです。ロドニーは、00年にマイケル・ジャクソンに起用されたのもわかるようにTop Produceに登りつめる才人。彼が注目されだしたのが96年辺りから。98年、R&B回帰を意識するホイットニーに頭角をあらわしてきたロドニー、ダークチャイルドSOUNDが起用されます。元々はWhtneyのオリジナルの方に収録されていましたが、ベスト盤がデュオになりました。シングルはUSAではカットされず、英国のみ。
ロドニーのサウンドは、R&Bの伝統を踏まえつつ、ピアノやクラッシックも学び、幅広い音楽性を持ち、さらに機械いじりも大好きみたいで、テクノロジーにも長けてるのがわかるトラック作りです。96年のメアリーJBの『Share My World』のWorkは好き。この曲もこの頃のロドニーの味が出てる。バックのシンセの感触はMJの「You Rock My World」ともかぶります。
PVもあります。ホイットニーとジョージ・マイケルの共演はすごい。
けっこう濃厚にからんでいます。80年代の若々しさはありませんが、熟した2人もいいです。
以上、ジョージ・マイケルとのR&Bのディーヴァとの共演曲でした。