'08/08/31の朝刊記事から
韓国で逮捕 北朝鮮の女スパイ
工作活動 恋に揺らぐ 指示守らず大尉と半同居
【ソウル30日共同】北朝鮮脱出住民(脱北者)を装った北朝鮮の女スパイが、韓国軍将校らから機密を入手したとされる事件。
国家保安法違反罪で起訴された元正花被告(34)が大胆な活動の末に工作対象の大尉と恋に落ち、共に逮捕されるという映画のようないきさつが徐々に明らかになっている。
検察発表や韓国紙の報道によると、被告は北朝鮮北東部・清津生まれ。
生後間もなく工作員の父は韓国に潜入して射殺され、継父(63)や弟、妹も工作機関に所属する。
15歳の時から銃や毒針での殺人術を含む工作員教育を受け、1999年から3年間、中国東北部で脱北者の摘発に従事。
韓国当局が把握していない韓国人の拉致も供述した。
韓国に亡命した黄長燁・元朝鮮労働党書記らに関する情報収集の指令を受け2001年、中国の朝鮮族と偽り韓国に入国。
実は脱北者だと「自首」し審査を通過した。
自分の父は北朝鮮の対外連絡部幹部だと吹聴し、軍や情報機関の要員が「父」の情報を求め次々と接触。
軍部隊で北朝鮮の内実を講義する講師に抜擢され、複数の将校らと関係を持ち情報引き出したとされる。
中でも今回共犯として逮捕された陸軍大尉(26)とは公安当局も「本当に恋に落ちた」と見ている。
北朝鮮の上司は被告に韓国情報機関要員の殺害を指示したが実行せず、最近は処罰を恐れ自宅に鍵を4つ掛けるなどおびえていた。
大尉は被告がスパイと知りながらも半同居生活をおくり、自首を勧めていたという。
被告は昨年から3回にわたり仙台を訪問。
重要情報を持って脱北し日本に住む女性の所在地把握を命じられたが、最後の訪日ではあっせん業者を通じ見合いを3回した。
被告は、日本の永住権を得た後、大尉を呼んで在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に加入させ、北朝鮮に連れて行きたかったと話したという。