’08/05/29の朝刊記事から
ネパール王政240年に幕
連邦共和制移行 制憲議会決議へ 政党対立で混乱も
【カトマンズ28日共同】ネパールの和平と民主化達成に向け新憲法を制定する制憲議会が28日、新たな国家元首となる大統領の権限をめぐる政党間の対立で予定時刻から大幅に遅れた末、首都カトマンズの国際会議場で審議入りした。
立憲君主制の廃止と連邦共和制への移行を決議し、大統領が新設される。
約240年にわたるシャー(グルカ)王朝の幕を引く歴史的な決断。
政情混乱と経済の疲弊にあえいだネパールは、新生国家としての再建を目指す。
ギャネンドラ国王(60)は退位、カトマンズの王宮から退去を求められる。
2006年11月の包括和平協定で武装闘争を放棄し、和平プロセスに参加したネパール共産党毛沢東主義派は今年4月の制憲議会選挙で圧勝し、第1党になった。
しかし、単独過半数には届かず、連立政権に向けた協議をコイララ首相率いる第2党のネパール会議派などと続けるが、毛派の権力集中に対する警戒感は強く、1カ月以上が経過しても新政権は成立・・・・・
ネパール王室
1769年、シャー(グルカ)王朝が国を統一、英国との戦争などを経て1951年に王政復古。
60年、マヘンドラ国王は憲法を停止し専制政治を敷いた。
民主化運動が高まった90年、ビレンドラ国王が主権在民や複数政党制を定めた新憲法を公布、国王は象徴的な存在となった。
2001年、同国王が妻や王族らとともに皇太子に殺害されたため、同国王の弟のギャネンドラ王子が国王に即位。
05年2月に非常事態を宣言し、直接統治を敷いたが、大規模デモなどを受け、06年4月に民生復帰、下院復活を宣言した。 (共同)