’08/05/27の朝刊記事から
漢民族100万人 チベット移住
ダライ・ラマ「中国政府が計画」
【ロンドン26日高田昌幸】中国政府が北京五輪後、漢民族100万人をチベットへ移住させる計画を進行中ー。
英国を訪問中のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世が、英下院での証言や、英メディアとのインタビューでこう繰り返し、「文化的虐殺を招く」と非難している。
ダライ・ラマの説明によると、100万人移住計画はチベットの大規模な開発が目的で、昨年、中国軍事筋から伝えられた。
2000年の中国の公式統計では、チベット自治区の人口はチベット民族が240万人、漢民族が15万9千人だが、この数字は開拓のための移住者や政府・軍関係者を含んでおらず、中心都市ラサでは既に漢民族が多数を占めているという。
これを踏まえ、ダライ・ラマは「移住が進めば、チベットは漢民族の国となり、チベット民族とその文化は取るに足らない存在になる。（チベット民族による）自治という基本的な概念も無意味になる」と強調。
さらに、過度の移住や過剰開発は豊かな自然を破壊し、チベット地域を源流とする黄河や揚子江、ガンジス川などで深刻な汚染を引き起こすと警告。
中国政府による移住計画に世界が関心を払うよう、訴えている。
