「東京新聞｝2017年11月4日 夕刊より
９条があったから 横浜の中川さん、憲法ポスター金賞
日弁連の「憲法ポスター展」で金賞を受賞した中川浩之さんの作品＝日弁連のＨＰより
「子どもの頃の夢が、叶（かな）わなくて、よかった」。日本国憲法施行七十年を記念し、日本弁護士連合会が企画した「憲法ポスター展」の金賞受賞作品のキャッチコピーだ。文言はこう続く。「この憲法があったから」。ポスターには、作者の中川浩之さん（８０）＝横浜市青葉区＝の平和と憲法への切実な思いが込められていた。日弁連は四日午後、中川さんら入賞者を表彰する。 （清水祐樹）
ポスターに写るのは、一枚の古びた写真を掲げる現在の中川さん自身。昔の写真では、四歳の中川さんが鉄かぶとをかぶり、おもちゃの軍刀を手にしてにっこりほほ笑んでいる。
「好戦的な時代の空気の中、当時の男の子としては当然のように、兵隊になりたかったのでしょう」。「終活」のアルバム整理で写真を見つけた中川さん。一九四一年の正月に浜松市にあった自宅の玄関前で写真好きだった父が撮影したものだが、記憶はない。
裏面には父の筆跡で「鴨江派遣軍、中川部隊長」と書いてある。中川さん自身も軍人になる夢があり、父も息子が中国などへ派遣される軍隊の部隊長になることを期待していたのだろうと推測する。
写真が撮られた四一年の十二月、太平洋戦争が始まった。浜松も数度の空襲で大きな被害を受け、終戦間際の四五年六月十八日の大空襲では約千七百人が死亡し、実家も焼失。「火の海の中、父に担がれて防空壕（ごう）を転々と逃げ回った。朝には黒焦げの焼死体がトラックに乗せられていたのが忘れられない」
日本大芸術学部で写真を学び、広告制作に携わってきた。知人からポスター展を紹介されたが「難しそうなテーマだと感じ」、すぐには応募する気になれなかった。しかし、この写真を見つけたことで「時代の流れを伝えられないか」と着想を得た。
「戦争と平和を伝承していきたい」と話す中川浩之さん＝横浜市青葉区で「本当は夢がかなうことが幸せなのに、この時代の子どもたちは夢がかなわなかったことが幸せだった」。逆転の発想のコピーが生まれ、その根幹が平和憲法にあったことにも気付いた。
「戦後七十二年、日本が平和だったのは憲法九条のおかげだと思う」
憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認や安全保障関連法の成立といった最近の政治状況には危機感を覚える。「戦争を直接経験した政治家がいなくなった。怖さを知らずに議論しているのではないか」。十月の衆院選で改憲を掲げた自民党が大勝したが「どんな改憲でも、平和を崩すアリの一穴（いっけつ）になるのではないか。戦争を知る最後の世代として、戦争と平和を伝承していきたい」。
「東京新聞」記事終
そして、このような写真（毎日新聞社）
昭和９年ごろの軍国調七五三詣で、とあるから、
中川さんの写真をさかのぼること約７年。
長靴など履いているから、かなり裕福な家の子たちだろう。
この子たちの夢も軍人だったのだろうか。
ぎりぎり、かなわなくてすんだのだろうか。
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韓国の人が言っていたそうです
日本の人は徴兵制がないことがどのくらい幸せなことかわかっていないと
選挙の度に若い人たちはわかっているのかと心配です
スッキリ逆説的に持っていくあたり、ポイント高いです。
声高に言うより、こんな持って行き方が、人の心にすっと入るような気がします。
七五三の晴れ着でしたか、、、、言われなければ理解できませんでした。
これだけ科学も文化も、いいえ、文明も進んだ時代、きっと何かより良い解決法あるはずです。
安保法制という法律で日本は戦争できる国になりました。
その上、９条を改悪したらどうなる？
北と米国は現在、言葉の応酬で相手を威嚇していますが、
もし戦争になったら日本は巻き込まれます。
そのとき日本は先の戦争のように焦土になるでしょう。
９条が議会で通っても国民投票でNO。
９条改悪を望んでいる国民はどのくらいいるか分かりませんが、
平和憲法を変えようとする考えの国民より、
守ろうという国民より少ないと思いたいですね。
戦争の歴史を思い起こさせる
ポスターですね
今の平和に感謝したいものです。
賛成の人たちは、戦争が起きたら、闘うのは自衛隊もしくは国防軍だけだと思っているようです。
いったん起きたら、自分も、家族も、友人も、みんなが巻き込まれるのだ、ということが分かってないのです。
上に立って決める人も、自分は闘わない。
稲田元防衛大臣が、日本にも徴兵制をなんて赤い気炎をあげている動画を見ましたが、自分の息子が行くことは考えてないのでしょうね。
今の状況に弁護士さんたちも、危機感をもっている、
ということでしょう。
マスコミももっと取り上げてほしかったと思います。
以前、見たときに「七五三」という記述があったと思い、
確かめるのが、大変でした。
昭和９年で７歳なら、終戦のときは２０歳前後。
彼らは、どう生きたのでしょうね。
北とアメリカが戦争し始めたら、
関係ないはずの日本も大被害を受けるのは、目に見えています。
先の戦争と同じように、大義すらない戦争です。
正直言って、憲法９条は私の信仰にすらなっています。９条信徒が大勢いることも、twitterでよくわかり、
頼もしくも思います。
が、それに対して、なんの根拠ももたない若い人たちが、嫌韓、嫌中というヘイトの口汚さには、辟易しています。アイヌさえ、その対象になっていて。
マスコミも屈服。
かなり暗い気持ちになる日々です。
今後の日本を憂うポスターなのでは。
こんなにヤバイと、いろんな人が言っているのに、
いまが平和だとは、思えません、私には。
戦前だって、いい事を主張してきた人はいっぱいいました。今でもいっぱいいっます。それが、少しずつ淘汰されていっていることが、感じられるので。
おはようございます。
日弁連の「憲法ポスター展」で金賞を受賞した作品、とても感銘を受けました。
キャッチコピーも素敵です。
北朝鮮問題でも、武力行使しか方法がないような風潮が不気味に感じます。安倍総理の危機のあおり方にも危機を感じます。
憲法９条が日本の平和を守ってきたと強く思っています。
ポスター、見てくださって、ありがとうございます。
日弁連の金賞であれば、世間にもっと喧伝されていいはずですが、ほとんど無視なのが悲しく思います。
Jアラートを鳴らしてみたり、世界じゅうにお金をばらまいたわりには、歯牙にもかけられず、役に立つかどうか分からない高い兵器を買い、年金や医療費負担を上げる、もうやめます、とめどなくなりますから。
今まで戦死者がいなかつたのは、やはり９条があったから。