蓬 窓 閑 話

「休みのない海」を改題。初心に帰れで、
10年ほど前、gooブログを始めたときのタイトル。
蓬屋をもじったもの。

満洲娘

2021年05月06日 | 満洲

 見出し写真は、誕生日祝いの花籠の蔦がいつまでも生きているので、活けかえてみた。

 緑色が浮き出した鉄製の花瓶に入れ、春慶塗の花台に載せた。母からの贈物。昔美人の私的美遊空間。

 この蔦、いつまでもつかしら。

 

 それから、やはりブロ友さんの写真に「満州娘」という看板があった。

 この歌、覚えている。

 ~♪わたし十六、満洲娘(クーニャン) 

   春よ三月雪どけに

   迎春花(インチュンホワ)が咲いたなら、

   お嫁に行きます隣り村

   王(ワン)さん、待っててちょうだいね~♪

 

滿洲娘/服部富子

滿洲娘 歌唱:服部富子 作詞:石松 秋二 作曲:鈴木 哲夫 昭和十三年十二月發賣

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   ムスメのところを、クーニャンと覚えている。

 インチュンホワとは、一番先に咲く花のこと。黄梅のことらしい。ホワが花。

 それで思い出した、また過去のこと。

 

 隣りに住む中国人の家で猫を飼っていて、「ホワ」という名であった。

 夕暮れになると、隣りの小母さんが、二階から甲高い声で猫を呼ぶのである。

 「ホワ、ホワ、ホワ~」と近所中に聞こえる声で。

 どんな猫だったか覚えはないが、小母さんの声と抑揚は今でも耳に残っている。

 終戦時の暴動のときは、わが家族は匿ってもらったり、引揚げのときは、集合場所まで見送ってくれたりしたという。

 昨年、21歳の黒猫が死んだ。娘はまた猫を飼いたがっている。ホワと名付けようか。