蓬 窓 閑 話

「休みのない海」を改題。初心に帰れで、
10年ほど前、gooブログを始めたときのタイトル。
蓬屋をもじったもの。

しかし、夏は終わる

2017年08月30日 | 映画

『マイ・サマー・オブ・ラブ』

 
 英国アカデミー賞受賞作品。
 少女でもなく、大人の女でもない年ごろ、すなわち少女と大人の女のはざまのころ。
 いつもなにか求めていて、いつも満たされない思いをもっている。
 平凡であることを嫌悪する年ごろ。
 いったい不幸でないティーンズなんてあるのだろうか。
 古今東西の青春名画は、常にそれがテーマ、『青い山脈』でも、『悲しみよ、こんにちは』でも、『乙女の祈り』でも。
 
 主人公の少女も、田舎に住んでいて貧乏で、これといった楽しみもない。
 ホンダのバイクは持っているけれどエンジンがないので、引きずって歩くだけ。
 唯一の肉親である兄は、刑務所から出所して以来、やたら信心深くなり、家には信者がいつも集まって祈りを捧げている。
 妹である主人公は、それについていけない。

 そこへ、同じ年ごろの女と出会う。
 バイクのエンジンを買ってくれるような金持ちで、木立の奥の大きな邸に住んでいる。
 彼女も孤独で、亡くした姉のことをせつせつと訴える。
 ふたりは親しくなり、ひと夏をいつもいっしょに過ごす。
 バイクにふたり乗りして風に吹かれたり、川で泳いだり……ちょっとした冒険と秘密の分かち合い。
 
 しかし、夏は終わる、いつも苦く残酷なかたちで。

  
  以前のブログからの再掲 2012年10月13日
  


ネットより借用

  
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