気になる植物たち

植物歴長いけど、世の中にはまだまだ気になる植物がいっぱい。花屋のQuの植物的ミニエッセイ。ときどき俳句。 ときどき古墳。

イスノキ   柞

2012-06-20 20:00:00 | 季語の植物たち

 イスノキ(ヒョンノキ)   マンサク科イスノキ属

 神社のサカキのような木に、大きな実がついています。アケビのような、キウイのような・・・・・(近眼です)・・・近づくと、大きな実は固く丸でも楕円でもない怪しいふくらみ。これだけでなく、葉にも小さな黒っぽいふくらみがたくさんついています。これは虫こぶ(虫えい)です。こんなにたくさんいろいろな種類の虫こぶがついているということは、この木はイスノキに違いないのです。

 虫こぶというのは、不思議なものだなあと思います。組織はもちろん、イスノキのものなのですが、寄生した虫(アブラムシや蜂らしい)から出る何か、薬かホルモンか?のために、形を変えて、頑丈な虫の育児室になってしまうのですから。一緒にいた夫がかなり力をこめてパリンと割ったら、中から粉っぽいものが飛び散って(きゃーーっ!)、虫はいませんでした。小さな穴が開いているので、虫はもう出たあとのようです。

 この実を吹くと鳩笛のような音がするそうで、「ひょん(瓢)の実」「ひょんの笛」は秋の季語となっています。ひょーんと鳴るのかしらね。その時は虫に口をつけるのは、と躊躇したのが後から悔まれます。虫ではなく、植物体です。持ち帰って、よく洗ってから吹いてみるべきでした。また出会うチャンスがありますように。

 瓢の実に触れて眺めて句座和む    野手信江

 

 


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