野球がオフになって6時から9時までテレビに張り付いていなくてもよくなって時間ができました。
溜まっている本を読まないと。 文学フリマで買ってきた本から読み始めました。
「 孤独な恋人 」 大坪命樹
あらすじ
成人式のパーティーで大学入学当初から好きだった佃美穂に告白して付き合いだした森田望一。愛が深まる中、望一には美穂には言えない、自らも知らない出生の謎を抱えていた。
出生は望一を育てた祖父母が隠していたことだったが、成人を機に、祖父はその謎を打ち明けるのだが、、、。
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プロローグ・平成27年の森田望一の話から、平成6年佐藤護の話まで読んで、護の生い立ちの可哀想さに心が痛みました。
その後一気に読み進め、とことん悪い運命の人はいるんだなと心が沈みました。護の母親には憎悪。
望一を育てた祖父母も辛かっただろうなと同情しました。望一と美穂の幸せを祈りました。 ひどい出生の秘密でした。
「 幻視回想奇譚 飴屋 」 孫野ウラ
あらすじ
ありふれた街並みの、薄汚れた雑居ビル。細い階段を降りた地下にその店はある。訪れた人々は、死者の記憶を追体験させる不思議な「 飴 」を手に入れる。
それは、世界にただ一つ、あなただけのための特別な飴玉。短編連作奇譚集。
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ショートショートが好きな私は、今までも似た話は何作か読みました。どこか知らない場所で奇妙な体験をして、二度とその店は見つからないとか。
時々読んでいる漫画「 Bar 白色天 」 森田智 も、あらゆる空間と結びつく事のできるシガーバーのお話。そこでは、葉巻を吸うと、お客さんの望みをかなえてくれます。
結果は良くも悪くも。 そんなバーがあれば、私なら何を叶えてもらおうかと読んでいます。話はそれました。
この店は、小学生の三つ編みをして赤い服を来た女の子が店番をしています。
棚には試験管に入った目玉の形をした飴玉が入っています。めだま→いえ、あめだま です。 それぞれ本物と見間違うほど精巧ですべて違う形の。
お客は、たくさん並んでいる中で目が合った飴玉を買い、口に入れると、視界が暗転して、知った人の死の間際の記憶を追体験する。
〈 自分を捨てた母親 〉〈 病弱な弟 〉〈 浮気性の恋人 〉〈 溺れ死んだ幼なじみ 〉 彼らが最後に見たものとは?
読みやすく面白かった。死因が分からない身内の死に際が分かるなら、みんな飴玉を買うだろうだけれど、向こうから選ばれないと、その店にはたどり着けないだろう。
「 紙の花 」はおまけで入っていました。痣の鏡試読冊子。これも面白かったです。
後、数冊書かれているので、来年文学フリマに行けたら、名前を覚えておいて買って来たいです。
「 婆婆 」ショートアンソロジーホラー 編・川渡 六文銭
「 老婆 」をテーマにした7話のホラーアンソロジー。 姥捨山の麓にある旅館の御主人が収集した怪談集。 魔女・山姥・鬼婆ー老いた女はなぜ怖い?
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田舎の山の中、静かで暗くて迷路のような大きな屋敷。トイレも古い。都会から何年ぶりかで帰省した家族。老婆が待っている。孫たちは怖い。
禍々しい話もあり、訳の分からないのもありましたが、最後の、嘉藤千代さんの「 送迎バス 」が、ほっこりしました。
今の女性たちは若くて元気で、この本の中の老婆にはめったにお会いしませんね。私も、20歳過ぎた孫がいますが、元気なおばあちゃんで、婆婆じゃありませんよ。
しかし、最近、膝、股関節、腰が痛い! 身体は確実におばあちゃんになってきています。
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