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ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 十二人の手紙 」 井上 ひさし

2020-06-18 21:52:15 | 
        「 十二人の手紙 」  井上 ひさし

            

新聞広告に、 並んだ「 手紙 」が語りだす、12の人生ドラマ。「 続々重版! 」「 ベストセラー 第1位 」の文字が。 
うたい文句( 今はキャッチ・コピーというのかな )に釣られ、これは面白そうと、さっそくリクエスト。  
紙が茶色に変色した古びた本が届きました。裏を見ると昭和53年に出版されていました。
没後10年を記念して再版され話題になってるみたいです。 現在の本は下記の表紙です。

            

井上さんの本は初めてです。お顔は何度もテレビ・雑誌で拝見していて、脚本家で遅筆は有名で知っていました。
~~~~~~ネタバレあり
12人のそれぞれの手紙形式の短編集。
まず「 悪魔 」を読んで、書かれたのが40年以上前なので文体が古いなと感じました。 無垢な小娘が都会に就職して社長と関係ができて騙される。
これ自体は、今も昔も同じで、男の「 妻と上手くいっていない。 いずれ別れるつもりだ。」は、常套句。
それでも恋の為、判断がつかなくなっている女は、ころりと騙されて罪を犯すものなんですね。 「 知らんけど! 」 これは、ハイヒール・リンゴちゃんがよく言う、大阪人の常套句。

「 葬送歌 」は、女子大生の厚かましさにイラっとして、「 赤い手 」では、役所の届け出書類だけで人の一生を見事に描き出しているのに感心しました。
なんと不幸な女性の一生なのか、読んでいて暗くて気持ちが沈みました。
好みが合わず止めようかと思いましたが、せっかく借りたので残りも読みましたが、意外な展開があり、まずまず面白く読めました。

「 桃 」は、善意と信じている愚かな女子大生の行動に、村長さんはじめ村人の落胆を思うと憎しみさえ覚えました。 
良かれと思って行うことが、知らぬとはいえ犯す間違い。 多少にかかわらず誰もが経験することかも。 気を付けなくては。

「 里親 」も、「 泥と雪 」も、自業自得ですが、なんともやり切れない結末でした。
 エピローグ「 人質 」ですべてが思わぬ繋がりで、最後にどんでん返し。なるほど。

読者に絶賛されて、これだけ名前が売れている方ですが、好みの問題なので、私は、これでもう、納得も得心もしました。


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       ありがとうございます。

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