ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 キャンセルされた街の案内 」 吉田 修一

2016-01-28 16:42:17 | 
   「 キャンセルされた街の案内 」  吉田 修一

         

先日読んだ吉田修一さんの短編集を見つけ、短編ではどんな作品を書かれるのかと、借りてきました。
表紙が凝っていて、切り抜かれた窓から地図が見えます。SHUICHI YOSHIDAとSHINCHOSHAのAIR MAILのスタンプが押してあります。

「 日々の春 」から表題作の「 キャンセルされた街の案内 」まで10編の短編で構成されています。
最初の「 日々の春 」がいい感じな作品で、新入社員の立野君のことが、なんとなく気になる先輩女子社員の今井さんのお話。
ほんの10数ページで、なんということのない日常ですが、ほんわかと彼女の気持ちがわかる気がします。
後の作品の何編かは、唐突に終わって、『 それでどうなるの? この後は? 』って感じです。 これが吉田作品でしょうか。

「 キャンセルされた街の案内 」は、漠然と都会の街の案内板みたいのを想像していたら、軍艦島のことでした。なるほどキャンセルされた街か!
少年時代に軍艦島のガイドのバイトをしていた主人公が大人になり、自分の生い立ちや家族、付き合った女の子とその母親のことを小説に書いています。
あんなに賑やかだった軍艦島が廃墟と化しているのが、仕方のないことですが時代を感じます。
実家にいたころから働かず、家出してなつせのアパートに転がり込む兄や、妻子のある男性を追いかけているきっこや軽いみゆきちゃん達にも共感できず、
なんとなくサバサバとした感じだったきっこの母親が、万引きの常習犯で離婚していたなんて、、それでも止められなくがっかりです。
みんな訳ありで、先がどうなるのか、なんだかやりきれない気持ちになる作品でした。

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