「麦畑」カンスタブル F8号
2011(平成23)年10月の完成です。
お世辞にも上手な模写とは言えませんが、私にとって思い出深く重要な一枚。というのもこの模写を通してある重要なことを学んだからです。
原画は非常に油絵らしく重厚に描かれていますが、実際の風景はこんなに重たくないはずです。ではなぜこんなに重たいのか。それはこの油絵が暗い地に明るい色で描く方法でしか描かれていないからです。ですから実際の風景とは違い、意図的に暗くした個所がかなりあるのがわかります。
もちろん絵は作るものですから、意図的に変えても一向に構わないのですが、暗い地に明るい色で描く方法だけだと、こんな感じになってしまうという。それがカンスタブルの油絵の特徴になっているのですが。
模写は原画に似ている似ていないは本当にどうでもいいのです。模写を通して何を学んだかが重要でそれが全てです。だから下手な模写で一向に構わない。模写とは巨匠との対話であり、何かを学ぼうとする者には必ず応えてくれる、強い味方なのです。
付)今回の模写と同時期にロイスダールの「急流のある山林の風景」という作品の模写もしているんですが、なぜか写真が見つかりませんでした(撮り忘れたのもしれません)。なので紹介できませんでした、スミマセン。
注)ようやくこれで油彩模写の紹介は終了です。来週からいよいよ水彩模写と石膏デッサンの紹介が始まります。