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2020年J2リーグ・開幕前の編成の雑感~2

2020-02-01 18:36:24 | 雑記

その1

移籍情報についてはこちらを参照

・ジェフユナイテッド千葉

前年のルヴァンカップMVP男・GK新井を獲得し順風だと思われた補強戦線だが、全体的には出入りは少なく。新監督・尹晶煥(ユンジョンファン)氏の手腕を信じきり、既存選手の底上げを重視といった所か。
それにしては30歳代の選手が多く、世代交代の難しさとともに、尹氏の激しいトレーニングについていけるのかなど不安は尽きない。
レンタルから完全移籍へ移したのが5人と最多。いずれも前年場数を踏んでいる選手だけに(J2内では)資本力豊かなクラブだけあって当然なのだろうが、GK鈴木は新井の加入で立場が厳しくなり、増嶋・米倉はベテラン、クレーベは運動量が少なく尹氏のサッカーについていけるかという懸念と、今季全幅の信頼を寄せるには疑問符が付く選手が多い。
磐田を退団した田口と川又が加入。田口は攻撃力はJ1レベルのボランチだが、今の千葉にはアンカータイプの方が必要なはず。川又も点取り屋はクレーベ・船山と揃っているうえ、FWの高齢化を加速させる恐れがあり、チームの強度を上げる補強になるかは疑問。逆にまだ若い山下は攻撃力もさる事ながら、前線で走り回れ守備も出来る存在で尹サッカーに理想的な補強。
いずれにせよ、今季の昇格争いには尹氏の成功が絶対条件となる事は間違いなさそうだ。

・東京ヴェルディ

磐田を退団となった大久保の加入が注目された……のだが、正直必要な選手なのか?ポイントゲッターにレアンドロ・小池・林(レンタルから復帰)とベテラン選手が多い編成だから……。まあレアンドロのフル稼働が難しいので、彼の代役としては機能しそう。FWなのに頻繁に降りて来る所とか
2年間正GKとして君臨した上福元が移籍。元からGKの編成に苦難しているクラブであり、1番を背負う柴崎は晩年という年齢(37歳)なので、新戦力は必須という状況。そして採った策はブラジル人助っ人の獲得(マテウス)であり、ここにきてヴェルディも近年の助っ人GK躍進の流れに乗っかる事となったか。
シーズン中、ビルドアップの精度に不満気な様相であった永井秀樹監督(ハーフタイムで大胆な選手交代を幾度も行っていた辺り)、やはりDF陣にメスを入れた。4人退団に対して高橋・福村(J3鳥取でレギュラー)を獲得、ユースから昇格の馬場(前年は2種登録)に、2021年加入内定済みの大卒・深澤と整えつつある。
山形から獲得した井出は4-1-2-3の何処に当て嵌められるだろうか。ウイングかサイドハーフか、といった所だが、山形とは全く違うヴェルディのサッカーに順応し飛躍する姿が見たい。

・FC町田ゼルビア

再任後6年間に渡ってチームを率いた相馬直樹監督が退任、新たな監督はというと、これまた再任となるランコ・ポポヴィッチ氏。セルビア国籍である彼に連れられたのか、セルビア人助っ人2人(ステファン・スチェポビッチ、アレン・マソビッチ)の加入も決定した。
正GK増田が広島にレンタルバックされ、その穴は湘南から秋元をすかさずレンタルで獲って埋める。センターバックも小林・藤井と2枚が抜けた穴に、レンタルで水本を獲得(余談だが30台半ばという年齢なのに連続でレンタル移籍を経験する水本、広島での立ち位置はどうなっているのだろう)。それでもDF陣は層が薄い(MF登録の奥山・佐野を含めて8人)という印象で、既存戦力の大谷・深津・下坂・酒井の奮起に期待。
守備陣に比べ、ロメロ・フランクと富樫が抜けたぐらいと動きは少なかった攻撃陣。助っ人2人の他、J1クラブからレンタルの吉尾や高江がどうチームに変化を与えていくか。
それにしても、GK廣末を除く国内移籍選手は皆レンタルでの獲得(5人)。大手スポンサー(サイバーエージェント)が付いても、安定して完全移籍で獲得する力を付けるのは未だ時間がかかりそうである。

・ヴァンフォーレ甲府

水戸とともに、「退団選手だけで前年のレギュラーが組める」クラブとなってしまった感がある今オフ(GK以外)。プレーオフ進出目前の状況で、早めに未だ働ける退団選手を発表(小椋・田中・佐藤洸など)した事が仇となったのだろうか。個人昇格の小出・佐藤和以外は他のJ2クラブへの移籍と、選手個々の気持ちかクラブの意図(若返りか?)かは不明だが、再編を余儀なくされる事となったオフ。
元大宮のFWラファエルを獲得したが、既に36歳の大ベテランで活躍できるかは不透明。ジュニオール・バホスをレンタルバックし、唯一残ったドゥドゥとともに今季も前線は助っ人3人を揃える事には成功したが、それでも伊藤彰監督は今季4バックを取り入れる事を示唆するなど、前年と同じ戦いは難しそうだ。
完全移籍の選手も、藤田・松田と既に元クラブを退団した選手のプールからの獲得が目立つ。ただ松田は前年も福岡でバリバリ働けていたので、これは拾い物。攻守に渡るハードワークが健在ならばレギュラー定着は現実的。

・松本山雅FC

前年ホームグロウン制度の違反という編成上の問題が発生したが、J2降格したためその影響は無くなった(今季もJ1の場合、A契約選手の登録枠が2つ減らされる予定だった)。
そんな「J1定着を焦って土台作りを怠る」ような編成の雰囲気が醸し出される松本(まあ原因は下部組織が脆弱な点だろうが)。選手の成長はレンタルで他クラブに任せる……という大雑把な手法が目立ち、今季の段階でレンタル中の選手は9人(このうちレアンドロ・ペレイラは明らかに育成目的では無いだろうが)。加入選手のうち3人がレンタルバック(塚川・山本龍・榎本)。育成以外でも他クラブからレンタルでの獲得が3人、レンタルから完全移籍させたのが1人という具合にレンタル制度をフル活用。
そんなつぎはぎぶりが目立つチーム編成のなか、GKには守田移籍の穴を埋めるべく圍を完全移籍で獲得。前年はセレッソの控えだったがJ2ではレギュラークラスであり、正GKの座を期待されての獲得なのは明白。
監督も交代し(反町康晴→布啓一郎)、どんな布陣・戦術で挑むのかは不明。3人加えた助っ人を軸にするのだろうか。新加入では無いが、前年9月に加入しながら殆ど出番は無かった(3試合)イズマとともに、チーム力を上げる存在になれるか。

・アルビレックス新潟

てっきり10番を背負うのは秋山だと思っていたが、本間が10番となった。
それはともかくとして、得点王のレオナルドが移籍となっても泰然自若という雰囲気で、新たな助っ人を加える事4人(復帰のロメロ・フランクは日本国籍持ち、念のため)。その中でもインド・Iリーグという聴き慣れない場から獲得したペドロ・マンジーが目を引くが、インド以前はスペインリーグ3部で活躍してきた選手。
しかし外国人枠の関係か、カウエとフランシスは一旦は契約更新したもののチームを離れる結末に。特に前年途中からキャプテンに就任したカウエ、これで6人連続キャプテンの移籍となってしまった。それでも契約解除前に新キャプテンが決まった(堀米・シルビーニョの2人体制らしい)のがまだしもの事か。
契約満了で退団となっていた田中が再契約、福岡でレンタル終了した加藤は再びレンタルで移籍と、腑に落ちない要素の方が若干強かったというオフ。地味にセンターラインの大武・戸嶋の移籍も痛そうだが、このマイナスの穴埋めは前年から引き継ぐ若手の成長と、新監督の手腕次第か。

その3その4へ続く

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