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DAZN観戦 2021年J1リーグ第19節 ベガルタ仙台vs清水エスパルス

2021-06-26 16:05:13 | サッカー視聴記(2021年J1)

<仙台スタメン> 3-4-2-1
GK ヤクブ・スウォヴィク
RCB 照山 CCB 吉野 LCB 平岡
RWB 真瀬 DH 上原 DH 中原 LWB 蜂須賀
IH 加藤 IH 氣田
FW 西村
<清水スタメン> 4-4-2
GK 権田
RSB 原 CB ヴァウド CB 立田 LSB 片山
RSH 中山 DH 宮本 DH 竹内 LSH カルリーニョス・ジュニオ
FW チアゴ・サンタナ FW 鈴木唯人

ともに勝ち点15同士という、J1残留を占う対戦。

初勝利(12節・柏戦、1-0)以降、コンスタントに勝ち点を稼げるようになってきた仙台。
その要因は堅守速攻スタイルの定着と、残留争いを戦うには不可欠な「ハードワーク・球際の強さ」というチームカラーを前面に押し出す事へと傾倒しているのでしょうか。
その一方でボール支配率の平均はリーグ最下位との事(この日の放送席でも語られていた)で、いかにこの泥臭い戦い方を継続するか。
しかしこの日は清水の術中に嵌ったというべきか、見事なまでにボールを持たされる展開を強いられました。

前節・鹿島戦(1-1)は4-4-2でのスタートでしたが、この日は3-4-2-1でのスタートとなった仙台。
スタメンも6人入れ替えましたが、中2日という事を考慮してか、それともフォーメーション変更を前提としてのメンバー変更なのかは不明。
ただし相手の清水がこの日が中断明け最初の試合と休養十分なため、前者の趣が強かったでしょうか。

一方の清水はオーソドックスの4-4-2ですが、そう映らないのは序盤の3トップの布陣が頭に残っていたからか。
両翼の中山・カルリーニョスが、そのまま両サイドハーフへと入るという、4-3-3から若干アレンジしたかのような布陣に見えたものです。

前半8分、パスを受けようとした清水・カルリーニョスから、反則気味に照山が奪って仙台の攻撃。
真瀬が右サイドからクロスを上げる事2度、その2度目のグラウンダーのボールを加藤ポストプレイ→氣田シュートとフィニッシュに仕上げ。(GK権田キャッチ)
早くも仙台の球際の激しさが表れたシーンでしたが、その傍ら顔を抑え倒れ込んでいたカルリーニョス、どうやら照山の腕が目の付近に入ってしまったとの事。
前回観た時の西村然り、一歩間違えればラフプレーとしか評価されないようなシーンで、観ている側としては何処かで歯止めを掛けてほしいものです。

このシーンのように、主に右サイド重視でパスを繋いで攻め上がる仙台。
しかし12分に清水がカウンター、クリアボールを拾ったサンタナからカルリーニョスへと渡り、左サイドをドリブルで駆け上がってからクロス。
ニアサイドでサンタナが収めてシュート、これをDFとGKスウォヴィクの2人掛かりでブロックするも、こぼれたボールを鈴木唯が詰めてシュート。
無人のゴールへと突き刺さり、早くも先制した清水。

直後の13分の仙台、最後方からのパスワークでここも右サイドから前進し、西村のエリア手前でのポストワークから中原がミドルシュート。(枠外)
リードされた事もあり、ポゼッションへの傾倒の始まりを見せる事となります。

以降清水の攻撃シーンが続くも、19分には清水最終ラインのパスミスにより、エリア内左で拾った西村がシュートという決定機。(GK権田足でセーブ)
尚も清水のミス(宮本→竹内へのパスが強すぎてこぼれる)から、21分にも加藤が拾いペナルティアークからシュートし、GK権田のセーブで防ぐという冷や汗もののシーンが続き。
そしてこれで得た右コーナーキックで、ショートコーナーからの上原のクロスを、ファーで蜂須賀の折り返しを経て吉野がヘディングシュート。
左サイドネットを揺らし、同点に追い付いた仙台。
その後双方攻撃機会を作ったのち、24分に飲水タイムとなります。

仙台の右サイドアタックをもう少し語ると、照山が積極的に前に出てパスワークに加わるのが第一。
ウイングバックの真瀬を前に出すため、加藤がパスを受けに降りて来るというシーンも見られるなど、拘りが顕著に見られるものでした。

飲水タイムが明け、清水は好機を作ってもフィニッシュに繋がらずに浪費。
その後仙台のターンとなり、パスを繋いで押し込み、セットプレーを得て矢玉を浴びせにいきます。
34分の左CK、キッカー上原のクロスをGK権田がパンチングでクリアするも、右サイドで拾った加藤から再度クロスを入れ、ファーサイドで平岡がヘディングシュート。(GK権田セーブ)
35分には左サイドのスローインから、上原の低いクロスを加藤が低い姿勢で跳び込んでヘディングシュート。(GK権田キャッチ)
逆に清水は37分にサンタナがドリブルでチャンスエリアに入った所を、仙台・中原のスライディングで倒され止められる(反則無し)など、判定にも恵まれずリズムに乗れないシーンが目立ちます。

押され気味の清水は、終盤を迎えて体制変更。
中山が右WBの位置へと降り、5バックの構えで守備をするスタイルを見せ始め。
これで仙台の攻撃を凌いでペースを剥がすと、43分にはフリーキックからのヴァウドのシュート(ブロック)、44分にはCKから片山のヘディングシュート(ゴール上へ外れる)と攻め立て。
好循環を持って前半を終える事となりました。

共にハーフタイムでの交代は無く。
大きな動きとしては、清水サイドは後半も5バックでの守備を継続。
そして可変による混乱を招かないように、常時3-4-2-1の布陣を取るようになります。
<後半の清水> 3-4-2-1
GK 権田
RCB 原 CCB ヴァウド LCB 立田
RWB 中山 DH 宮本 DH 竹内 LWB 片山
IH 鈴木唯 IH カルリーニョス
FW サンタナ

守備組織を固めたいが、中々そうはいかず結果が出ない日々を送っているミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の苦悩が伺い知れるシフトチェンジ。

大補強を敢行し、名監督も招聘したという事で、開幕前の期待度は高目だったであろう清水。
しかし蓋を開けてみれば、ここ最近の定番と化している残留争いへの参戦を余儀なくされているここまでの戦い。
ロティーナ監督の手腕をもってしても、この渦から脱出させる事は困難を極めるのでしょうか。
かつてサッカー王国と呼ばれた地だけに、クラブを取り巻くしがらみなんかも悪影響を及ぼしているのか。(個人の推測です)
前年のピーター・クラモフスキー氏(現山形監督)の際も思った事ですが、外部の人間とくに外国人の監督は非常にやり辛そうな環境で、中々理想のサッカーを落とし込む事が出来ない。

6年間指揮を執ったOB監督・長谷川健太氏(現FC東京監督)の後を継いだのは、アメリカ人のアフシン・ゴトビ氏。
彼も守備組織を大事にする監督で、徹底した決まり事を落とし込んで相手チームの長所を消すサッカーに特色があり。
折りしも当時の清水は主力選手が大量に流出と、斜陽のクラブで3年間J1を戦い抜いたものの、上記のサッカー故「面白くない」と揶揄される等地元の受けは良くなかった。(若手が多かっただけに「型に嵌める」という批判も多かったようで)
4年目の中盤にかけて負けが込むと、掌を返したかのように解任の憂き目に遭ってしまい。その後OB監督(大榎克己氏)で戦うも降格へのレールが敷かれてしまったのはまた別の話
この辺りから、外国人監督への風当たりが強い土壌が生まれてしまったものと推測します。
それでもフロントが外国人監督の招聘を続けているのは、「外からの人間でなければ改革出来ない」と踏んでいるのだと思いますが、その思考が報われる日は来るのか。

話を戻すと、フォーメーションを変えた効果か、立ち上がりから押し込んでいく清水。
後半1分自陣左サイドでのスローインから、カルリーニョスとサンタナが技も見せてボールを繋いでいき、サンタナの低いクロスがゴール前へ。
中央で鈴木唯が足から跳び込み、合わせたもののゴール右へと逸れて決定機を逃してしまいます。

それでも5分に再び鈴木唯に決定機が訪れ、しかもパスカットしてそのままエリア内でGKと一対一に持ち込むという大チャンス。
スウォヴィクを右へとかわすものの、スウォヴィクが弾いた分遅れ、放たれたシュートは仙台・平岡が胸でブロックで防ぎ。
恥の上塗り……と言っては失礼ですが、再度モノに出来なかった鈴木唯。

ともかくミラーゲームとなった事で、個の力が生き始めて来たのか。
押し込んでいく清水ですが、ゴールを割れないまま16分に選手交代、カルリーニョスを退かせる決断(前半の仙台のチャージの影響か)を敢行します。
代わって入ったのはディサロ燦シルヴァーノ。(鈴木唯と左右を交換)

上下動を繰り返していた影響か、右サイドの中山が試合から消えていた感じであった後半。
それをカバーするかのように、右サイドでクロッサーとしての活躍をし始めるディサロ。

押され気味の仙台も19分に動き、一挙3枚替え。
蜂須賀・中原・氣田→石原・松下・関口へと交代し、全て同ポジションでの交代。
以降膠着状態となり、23分に飲水タイムが挿入されました。

最初の攻撃は清水で25分、仙台・平岡がディサロにチャージして反則・警告となり、そこからセットプレー攻勢に。
鈴木唯が蹴ったFKがクリアされて左CKへと移り変わり、次の鈴木唯のキックもクリアされるも、竹内がダイレクトでエリア内へとロビング。
この後ろからのボールを、ディサロが直接ヘディングシュートに持っていき、見事ゴールゲット。
ようやく今季初ゴールと、前年J2で見せたストライカーの嗅覚をお披露目しました。

再びのビハインドとなった仙台、再度ボールを握っての攻撃を展開する姿勢に。
相手が守備固めに入る以上持たされている格好なのは仕方無く、ここからどう打開していくか。
前半は右サイドでの組み立てが多かったものの、石原・関口の実績ある選手が入った事で、左サイドでもパスを繋いで前進するシーンが目立ち始めます。
33分には左ハーフレーンから松下がロビングを入れ、逆サイドで真瀬が折り返した所を西村が足で跳び込むも撃てず。(クリアされる)
そして攻め手を増やすべく、36分に吉野→皆川へと交代し、4-4-2の形へとシフト。
<後半36分からの仙台> 4-4-2
GK スウォヴィク
RSB 真瀬 CB 照山 CB 平岡 LSB 石原
RSH 加藤 DH 上原 DH 松下 LSH 関口
FW 西村 FW 皆川

そんなベンチの采配に応えたのが38分。
左CKに持ち込むと、上原のクロスがクリアされたボールを松下が拾い、中央からミドルシュート。
これが清水・竹内のブロックで方向が変わり、GK権田がダイブで手に当てるもゴールイン。
2度追い付いた仙台、逆転への気勢が高まります。

しかし直後の、清水最初の攻撃。
宮本から右サイドへと展開され、原のライナーのパスを受けたディサロが中央へパス。
これを後ろ向きでしっかりと収めたサンタナ、エリア内に進入して前を向くと、左への切り返しでブロックをかわしてシュート。
強烈なグラウンダーのボールがゴール左を破り、技術の高さを見せたゴール。
すかさず突き放し、仙台に夢を与えず。

諦めない仙台、直後に加藤→エマヌエル・オッティへと交代。
一方の清水も逃げ切りのカードを切る体勢に入るも、仙台がセットプレー攻勢に入った事もあり、一度用意していた交代(西澤が準備)を躊躇。
もう一人付け加えられた末、結局44分の事となりました。(中山・サンタナ→西澤・指宿)

残り時間、仙台がパワープレイの体勢を取り始めますが、それでも清水の攻撃を何度か許し。
その度にGKスウォヴィクが抑えて止める形となりますが、清水も清水で、仙台のロングボール攻勢をやり過ごす事が出来ず。
GK権田のファンブルから繋がれ、右サイドからのクロスを許し、関口の惜しいシュート(ゴール左へ外れる)に持っていかれたり。
下位同士の戦い、という緩さが露呈していたアディショナルタイム。

それでも結局ゴールを割る事が出来なかった仙台、2-3で清水が勝利を挙げ、貴重な勝ち点3をプラス。
結果が出たのは何よりの事ですが、ほうほうの体という逃げ切り方で、今後も苦労が予想されるであろう清水。
今後ロティーナ氏はこの緩さを締め上げたうえ、清水を覆う殻をぶち破る事が出来るでしょうか。


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