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DAZN観戦 2020年J1リーグ第12節 清水エスパルスvs横浜FC

2020-08-25 18:26:30 | サッカー視聴記(2020年以前)

4-3-3の攻撃サッカーという一本芯を通そうとしている今季の清水。
それでも生え抜き選手重視で、補強よりも流出が多いという編成面での積年の悩みがそれを阻む障害となる事が予想される、とは翌年以降の話となるでしょうか。
今季は大幅に選手構成を入れ替えましたが、その結果助っ人が半数近くを占めるスタメンとなる試合もしばしば。

その清水の助っ人という面を見ると、自前で獲得した選手にあまり成功例が見当たらないのが悩みの種。
現在もファンソッコにエウシーニョ、ジュニオール・ドゥトラにティーラシン・デーンダーと日本の他クラブを経験した選手が大部分なのは、失敗への恐れからでしょうか。

三都主アレサンドロことアレックスが居た時代、大体J2が出来た辺りまで遡って見ると、まだこの時はリーグ優勝も狙える立ち位置に留まっていた清水。
ボランチに元鹿島のサントスが構えており、ここから他クラブの選手獲得に舵が切られたのでしょうか。(その他の選手はファビーニョ、オリバ)
その後バロン、トゥット、ファビーニョ(上記とは別人)、ジャメーリと他クラブ経験者を加えていくも、バロンが活躍したぐらいで成果は芳しくなくチームも低迷。
安貞桓(アンジョンファン)やチョジェシンといった韓国人助っ人獲得もあった事から、パイプ的にも迷走していたのでしょう。(両名は十分な活躍)

そして2005年に、マルキーニョス(前マリノス)を獲得して急場を凌ぎ、残留争いを勝ち抜いた事でその流れは固定化されたと思われます。
その後も自前の助っ人は当たらず、チョジェシンが抜けた後は、フェルナンジーニョ(前ガンバ)、ヨンセン(前名古屋)、ボスナー(前千葉)が幅を利かせてきたのが長谷川健太監督時代。
その後はやや改善傾向も、FWだけはその現象が色濃く残る事に。
バレー、ノヴァコビッチ、鄭大世(チョンテセ)、クリスラン、ドウグラスと錚々たる名前が並び現在に至ります。

サッカーに一本芯を通すとともに、そんな助っ人戦略を改善する意味合いもあったでしょうか。
カルリーニョス・ジュニオとヴァウドを獲得し、レギュラーとしてブレずに起用を続けている今季。
戦術理解度に乏しいうちは、この助っ人重視起用で急場を凌ぎつつ、サッカーの落とし込みを図ろうとしている節が窺えます。

前節・マリノス戦はピーター・クラモフスキー監督の古巣であり、その試合で凄まじい撃ち合いを演じる事となった清水。(3-4で敗戦)
この日は同じく横浜が本拠地で、かつ2011年から5年間在籍していた助っ人カルフィン・ヨン・アピンが所属する横浜FCが相手となりました。

立ち上がりから清水はチームコンセプト通りに展開、何度も攻撃機会を作っていきますが、シュートにはあまり結び付かず。
前半12分、左サイドで形を作り、西澤のパスを後藤がスルーして中央へ。
カルリーニョスが拾いにいくもこぼれ、その後もエリア内で中々ボールが収まらない中、後藤の戻しを金井がシュート。(ブロック)
本来は右サイドバックの金井が、このシーンではエリア手前中央という位置に顔を出してのシュート。
彼らしい神出鬼没の一面が早速現れましたが、果たして試合全体ではそれは吉だったのか凶だったのか。

15分辺りから横浜FCにターンが移ります。
最初は裏へのスルーパス重視でシュートまでは繋がらずでしたが、17分には齊藤光毅が個人技で敵陣深く切り込み好機。
追いすがるカルリーニョスを振り切ってエリア内左奥まで進み、そのまま角度の無い所からシュート。(サイドネットに外れる)
18分はヨンアピンのロビングから、クリアされたボールを松浦が拾って右サイド奥に切り込み、彼のクロスを皆川がヘディングシュート。
しかし惜しくもゴールポストに当たり先制ならず。

横浜FCもボールポゼッション主体で前年J2から駆け上がってきただけに、ビルドアップからの多彩な攻撃は一見の価値があり。
ボックス型と丁の字型(主に手塚が降りる)を使い分け、形を作っていきます。

そして25分。
一旦左から攻める姿勢を見せたのち最終ラインの伊野波から縦パスが齊藤光に入り、彼から受けた松浦がヒールで右に流し、齊藤光が受け直すとそのままミドルシュート。
清水・ファンソッコの背中に当たった事もあり、ゴール左へ突き刺さるボールとなり、横浜FCが先制に成功。
齊藤光の個人技も素晴らしかったですが、この1分前には左サイドから形を作り松尾がエリア内左からクロスを上げる攻撃があり、それを意識させて中央で縦パスを通したのが良かったでしょうか。
それとも清水サイドが、右SB・金井の立ち位置を気にしながらの守備で横浜FC左サイドを変に意識しすぎていたからか。

直後に飲水タイムを挟み、明けた後も横浜FCが攻勢。
皆川のポストプレイを交えて攻撃を作っていき、反対に清水は33分にヴァウドが交代で退く(小破か?岡崎が交代で出場)など早くもスクランブルを強いられます。

しかし35分、横浜FCの最後尾でのパスミスを後藤が拾いチャンス、エリア内でシュート。
これはGK南のセーブに阻まれ逃しますが、ここから再びペースを握り直す清水。
40分にはヘナト・アウグストがパスカットを見せる等、前線での守備が巧くハマっての攻勢。

そして44分、ここもGK南の縦パスをカットした所から始まります。
奪ったヘナトが後藤とのパスを挟んだのちエリア内へスルーパス、走り込んで受けた金子がシュート、GK南の股を抜くゴール。
見事に出足の良い守備を結果に結び付けました。

これで清水が同点に追い付きましたが、それも束の間。
前半もアディショナルタイムに突入という所で、横浜FCが長いパスワークからのチャンス。
一旦伊野波の縦パスが跳ね返されるも、そのボールを伊野波が右へヘッドで展開し、パスワークののちマギーニョがクロス。
ニアサイドに上がったボールに飛び込んだ皆川がヘディングシュートでネットを揺らし、前半のうちに再び勝ち越す事に成功した横浜FC。

そのまま前半を終え後半を迎えるに辺り、横浜FCはヨンアピン→武田に交代。(袴田が左SB→CBへシフト)
古巣対決となったヨンアピン、CBなのに45分で交代となりましたが、過密日程故の配慮かあるいは故障だったのか。

後半立ち上がり、追い付きたい清水は攻め込むも、精度を欠いてシュートまでは行けず。
すると後半5分に横浜FCがカウンター、それも金井がクロスを上げた後の左サイドを使っての攻撃。
佐藤からの浮き球を皆川が左へポストプレイし、受けた松尾が中盤から一気にドリブル。
そのままエリア内に進入し、左からのシュートがGK梅田を抜き、追加点となるゴールをゲット。
スピードあるドリブルを披露した松尾、アタッカーの一矢としてこの日も存在感を見せ付けました。

その後は清水の反撃をいなした後、横浜FCがポゼッション力を見せ付けボールキープ。
サイドから奥に進入しても、一旦戻して作り直しという行程を何度も行う攻撃で、点差を縮めに掛かりたい清水に焦りを与えていきます。

14分、カルリーニョスのミドルシュートをGK南がセーブして防いだ後、交代カードを切っていく清水。
西澤・後藤→ドゥトラ・鈴木へと交代、早速その鈴木が敵陣深めでのパスカットの後シュートを放ちます。(GK南キャッチ)
反撃の狼煙を上げたかに見えましたが、その後は横浜FCが攻勢に。
19分、皆川のポストプレイを受けた松尾がシュートするもGK梅田がセーブ。
続く20分にも齊藤光がエリア手前でキープした後左へ展開、松尾のエリア内へのスルーパスに齊藤光が走り込み、合わせるもこれもGK梅田がセーブと際どいシーンの連続。

流れが変わらぬまま飲水タイムに突入し、明けたと同時に再び2枚替えを敢行する清水。(カルリーニョス・ヘナト→ティーラシン・中村慶太)
同時に横浜FCも、この日温存していた一美を投入します。(皆川と交代)

その後は乱戦模様ながら、出足の良い守備が復活した清水が押し気味に。
25分に立て続けに相手のビルドアップを遮断すると、28分にはカウンター。(コーナーキックから一美が擦らすヘディングシュートをGK梅田セーブ、と危ない場面ではあったが)
クリアから金子がドリブルで単騎突撃、そのままエリア内に進入してシュートするも横浜FC・武田のブロックに阻まれます。
得点の匂いを感じさせるも、後一歩でモノに出来ない清水。

その後も押し込み続けるも、次に立ちはだかったのがGK南。
31分、ドゥトラのシュートがブロックされた後の攻めで、中村慶が鈴木とのパス交換してからのトラップでエリア内へ切り込み。
これで抜け出す事に成功しシュートしますが、GK南のセーブに阻まれます。
この流れに追い打ちをかけたのが横浜FCのアクシデントで、34分には武田が足を痛めてインアウトとなり(川崎と交代(※注)、同時に松浦→杉本に交代)、38分にはGK南と味方同士で交錯したマギーニョが担架で運ばれる事態に。(瀬古と交代)

43分、竹内の右サイド手前からのクロスをドゥトラが落とし、ティーラシンのポストプレイを経てシュートしますがこれもGK南がセーブ。
その直後は自陣から、左サイドで中村慶カット→ドゥトラ縦パス→ティーラシンポストプレイ→竹内裏へスルーパスという流れる攻撃でドゥトラが抜け出し、エリア手前左からシュートを放つも再度GK南のセーブに阻まれます。
どうしても南の壁を破れない展開に、横浜FCは清水からレンタルの六反が出れない試合だったのが、逆に干天の慈雨となった格好に。

そのままATに突入し、3分経過という所でようやく清水が得点。
それも完全に崩していた今までとは違い、CKからのこぼれ球を竹内が拾ってミドルシュート、という毛色の違う攻撃。
これがグラウンダーでゴール左へと突き刺さり、1点差に詰め寄ります。
尚も直後の攻撃、右サイドから金子のクロスにドゥトラがヘディングシュートという場面を作り(GK南キャッチ)、同点への匂いは感じられたものの如何せん時間が足りず。
直接フリーキックのラストチャンスを得たものの、ドゥトラがシュートを壁にぶち当て、そのまま試合終了。
前節同様、攻撃面では意地を見せた惜敗という結果となりました。

逆に横浜FCはこれで3連勝、これで2007年時でのシーズン4勝に早くも並んだとの事。
それ以前は5連敗を喫するなど汚泥にまみれる結果にも負けず、這い上がりを見せています。
やはり根底に自分達のサッカーが定着したチームは、実力相応ないしはそれ以上のものを発揮できる。
発展途上の清水に対し、それを証明出来た試合となりました。

※注-これがこの日J1初出場となった川崎だが、後日J3・富山へとレンタル移籍が決定


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