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TV観戦 天皇杯 第102回JFA全日本サッカー選手権大会ラウンド16 栃木SCvs京都サンガFC

2022-07-14 16:01:49 | サッカー視聴記(2022年その他)

<栃木スタメン> 3-4-2-1
GK 藤田
RCB 三國ケネディエブス CCB 小野寺 LCB 大森
RWB 森 DH 神戸 DH 磯村 LWB 福森
IH 小堀 IH トカチ
FW 宮崎
<京都スタメン> 4-1-2-3
GK マイケル・ウッド
RSB 飯田 CB 井上 CB メンデス LSB 荒木
DH 金子
IH 福岡 IH 松田
RWG 山田 CF 豊川 LWG 宮吉

4回戦まで到達し、ここまで残っているJ2クラブは栃木含め、甲府・長崎・群馬・ヴェルディの5つ。
長崎以外は、昇格争いから一歩退いているぐらいの立ち位置にあり。(群馬は残留争いに近い状況ですが)

近年J2勢で最も結果を残したのは2018年の山形(ベスト4)でしょうが、当時の山形も昇格とは無縁の位置。
何処が下克上を果たすかが不明というよりは、上位とは離れた位置に居るクラブの方が、リーグとはかけ離れての大会において強敵を倒して名を挙げるという渇望感が高い故に起こるのでしょうか。

栃木ホームという有利であろう条件に、京都を迎えた一戦。
J1といえど前年まで11年間J2暮らしを続けていた京都故に、前年まで同じ舞台で戦っていた栃木サイドに「強敵を倒して……」という思いがどれだけあったかはやや不透明。
それでも、監督・時崎悠氏の師弟対決(京都・曺貴裁(チョウキジェ)監督の下でコーチ経験あり)という要素がそれをカバーする事となったでしょうか。

ストライカーのピーター・ウタカをベンチ外とするなど、メンバーを落としはしたものの、サブメンバーが大半を占め一定のレベルは保った風に見えた京都のスタメン。
対する栃木、前節ベンチ外の選手が多数を占めたものの、次節出場停止になっている福森が出場する事で締めているといった格好でしょうか。

その福森が控える左サイドから攻撃する栃木、福森からのクロスが何本も上がる立ち上がり。
しかし右センターバックに入った三國の軽いプレーで危機を招くシーンが見られるなど、ターンオーバーの布陣はディフェンスラインに不安を与え。
そして前半6分の京都の右サイド浅い位置でのフリーキックからの攻撃で、荒木の縦パスをクリアにいった三國でしたが触れられず、エリア内の豊川へ通してしまい。
慌てて戻りチェックにいく栃木ディフェンスでしたが、切り返してシュートを放つ豊川を止められず、シュートがゴールネットに突き刺さり。
メンバーの差が顕れた格好で、早くもスコアが動きました。

この先制点でペースを掴みたい京都でしたが、以降ピッチ上での波乱によりそれは果たせず。
10分には裏に出たボールへ走り込む京都・松田、カバーに入った栃木・神戸との競り合いで、神戸の顔に松田の腕が入ってしまい。
すると激しく流血してしまう事態に苛まれた神戸、そのままピッチ上で治療が施される運びとなってしまいました。
そしてピッチ外に出て治療が続けられ、栃木が10人の間の13分に京都の好機、スルーパスに走り込んだ豊川から低いクロス。
宮吉が頭から跳び込み、合わずに流れた所を松田がシュートしましたがゴール右へと外れ。
数的優位での好機はモノに出来ず終わります。(14分に神戸は復帰)

この間に、ウイングの山田と宮吉の位置を入れ替える策を採っていた京都。
しかし20分辺りで再度入れ替え元に戻すなど、やや迷走感が見られた事もあり、栃木が反撃の機運を高める流れに移り変わります。
福森中心の左サイドアタックに、左CBの大森も盛んに上がって加わり厚くするというリーグ戦さながらの攻撃でペースを握り。
21分には左ワイド→ハーフレーンへと移った大森から細かくパスワークで前進、福森がトカチのヒールパスを受けてエリア内を突きますが、切り返した所を京都・井上に倒されて撃てず。
しかし尚も攻撃を続ける栃木、今度は中央から磯村がトカチのポストプレイを挟んでエリア内を突かんとするも、再び井上に倒されてしまい途切れ。
2シーンとも反則の笛が吹かれずと、齎されたのはそれに対し激高するトカチといったシーンに終わってしまいました。

その後も攻勢を続ける栃木、24分・26分には立て続けに小堀がシュートを放つもモノに出来ず。(前者はGKウッドがセーブ、後者はブロック)
しかし先程のシーンや流血などでやや主審へのフラストレーションも溜まっていたようで、28分に京都・福岡を引っ張って倒した神戸が反則を取られると、「何で俺たちだけ」といった態度を示すトカチ。(このフリーキックを宮吉が直接シュートするも、大きく枠外)

サッカー以外の所でこの攻勢の流れを失う事無く、追い付きたいという状況。
迎えた36分GK藤田のロングフィードから左サイドを攻め、磯村のスルーパスを受けた小堀が奥を突いてカットインでエリア内を抉り。
これはクリアされるも、続くスローインから福森のボールキープからのクロスが上がると、ファーサイドで宮崎が合わせヘディングシュート。
ゴール左を捉え、無事に同点に追い付く事に成功した栃木。

尚も続く37分にスルーパスを受けたトカチがドリブルでエリア内を突いてシュート。
ブロックされてコーナーキックを得て、そこでの攻撃が途切れた際に京都GKウッドが頭部から出血してしまい。(このCKでの競り合いなのか、ゴールシーンで味方DFと交錯した影響なのかは不明)
ウッドもピッチ上で治療を受けたのち以降もプレーを続け、これでお互い様……という結末では終わらなかったのがこの日。

アディショナルタイムに突入し、当然その時間も長くなり。
そして栃木のロングボールから、落ちるボールを頭で受けにいった宮崎の顔面に京都・井上の脚が入るという事態が発生してしまい。
倒れ込む宮崎は頭部からの出血おびただしく、これで3人目と流血の多い試合になってしまいました。
宮崎を欠いたまま、なんとか残り時間をやり過ごした栃木、1-1で前半を終える事となりました。

その宮崎を交代する事を強いられたハーフタイムの栃木。
山本を投入、と同時に森→鈴木へ交代と計2枚替え。
これで小堀の1トップとなり、鈴木が右CBに入る事で三國が左CB・大森が左WB・福森が右WBへシフトと、玉突き的に激しく動きます。
一方の京都も動き、飯田→白井へと交代。

ポジションを移した三國、前半の京都が右サイド(栃木から見て左サイド)をターゲットとしていたため、それを防ぐべくの配置転換と見られ。
しかし後半2分にスルーパスに走り込んだ白井を倒してしまい、反則・警告を受ける事となります。
CBとしてのポテンシャルは申し分無いながらも、前半の失点シーン然り一瞬の反応・判断の遅れが目立ち、それがレンタル中の身ながらレギュラーを奪えない現状に甘んじている風の三國。
福岡時代に現監督・長谷部茂利氏によりFWとして起用されるシーンが目立っていたのを思い出しますが、果たしてその起用によりDFとしての能力を磨けずにいるのか、あるいは能力の乏しさ故にFWで起用されたのかなどと考えてしまい。

そんな危惧を傍らで抱いていたものの、その後は警告により引き締め直したのか、見違えるようなプレーを見せた三國。
京都がカウンター気味に攻撃を展開するシーンでも、素早いカバーリングでスルーパスを防ぐなど、破綻させずに試合を進める事に貢献していきます。
また攻撃でも、9分に自身で持ち上がったのちスルーパスをトカチへ通し。(その後トカチのスルーパスを受けた大森が左からマイナスのクロスも撃てず)
10分には再びドリブルを敢行、今度は自らエリア内左を抉ってクロスに持ち込むなど積極性を見せていきました。

一方、前半からディフェンスで後手に回るのが続いている京都。
目線を正すため、12分に山田→麻田へと交代し、3バックへとシフトします。
<後半12分以降の京都> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK ウッド
RCB 井上 CCB 麻田 LCB メンデス
RWB 白井 DH 金子 LWB 荒木
IH 福岡 IH 松田
FW 宮吉 FW 豊川
定番となっている3バックへの転換で、マークを合わせて上位カテゴリ故のマンパワーで優位に立つという思惑だったでしょうか。

しかし3-4-2-1と3-3-2-2故、完全なミラーマッチとはならない事が影響したか、その後も栃木の攻勢は続きます。
おまけに3バックへのシフトが、皮肉にも栃木の1トップ2シャドーとマッチする結果となり、プレッシングに苦戦する事にも繋がり。
14分には神戸の縦パスを受けた山本がエリア内左を突き、シュートを放つもGKウッドがセーブ。
16分にはプレスを嵌めて左サイドでボールカットし、トカチからのクロスはクリアされるも尚も繋ぎ、右サイドで鈴木縦パス→山本ポストプレイを経て神戸がカットインからシュートしましたがゴール左へと外れ。

劣勢を挽回したい京都、20分に豊川→イスマイラへと交代。
その後はフォーメーションのシフトから時間も経った事で馴染んだか、麻田が前に出てのボールカットを見せるなど相手に攻撃機会を渡さずに試合を進めていきます。
一方の栃木は25分にトカチを諦める(植田と交代)など、運動量が要求されるサッカー故の尻すぼみを強いられ。

迎えた28分右サイドで井上のボールカットから、拾った宮吉のスルーパスにイスマイラが走り込むと、跳び出してきたGK藤田をかわした事でゴールが空になる決定機に。
イスマイラは右サイド奥を抉ってカットイン、エリア内右からマイナスのクロスをライナーで入れるも、合わせにいった福岡の前でクリアされ勝ち越しならず。
冷や汗を掻いた栃木でしたが、続く京都のCKでも、そこからの二次攻撃で荒木が左サイドからカットインを経てマイナスのクロスを入れる好機を作り。
しかし合わせた麻田のシュートはミートせずに不発。

京都サイドへと針が傾いた試合展開を受け、35分に最後の交代を敢行する栃木。
西谷・佐藤を投入(神戸・磯村と交代)と、レギュラーのボランチ2人を揃って入れる事で挽回を図りました。

そして38分の攻防、京都の攻撃は右サイド奥からのスローインで、バックパスを受けた金子がエリア内右を突いてシュート。
しかしGK藤田がキャッチして右サイドから素早く反撃する栃木、鈴木縦パス→西谷ポストプレイを経て山本がドリブルで疾走。
エリア内に進入して中央へ横パスを出しましたが、走り込んだ植田は追走した京都・井上との競り合いを強いられてしまい撃てず。
激しい攻守の入れ替わりを描き、白熱ぶりも増す中で終盤戦へ突入します。(京都は41分に宮吉・松田→中野・田中へと交代)

44分の栃木、敵陣で西谷のボール奪取を切欠に、その西谷が京都・メンデスに反則を受けての直接FKに。
中央やや右寄りからの位置で、やや距離はあったもののキッカー植田が直接狙いましたが壁を直撃、拾い直した植田がエリア内へパスを送るも合わず。
このセットプレーを凌いだ京都が、AT突入後攻勢に移ります。

京都のサイドからの仕掛けを栃木ディフェンスも必死に防ぎ、迎えた京都の右CK。
キッカーは中野で、そのニアサイドへの低いクロスはあっさりカットされるも、自ら奪い返して二次攻撃に持ち込み再度クロス。
これがクリアされ、今度は逆の左から荒木がグラウンダーでクロスを入れるも、中央のイスマイラには僅かに合わずこぼれ。
しかし尚も福岡が拾ってエリア内右へとドリブルで切り込み、再度グラウンダーでクロスを入れると、今度はイスマイラが合わせシュート。
ゴールネットを揺らし、何度もクロスに持ち込んだ執念が形となっての勝ち越し点となりました。
その後は栃木のパワープレイを凌ぎ、無事に試合終了に辿り着いた京都、準々決勝へとコマを進めました。

栃木は惜しくも敗れてしまったものの、同日行われた試合では甲府が鳥栖を破り(3-1)、ベスト8へ進出。(ヴェルディは順延で行われず、残りは敗退)
J2クラブの意地は継続される運びとなりましたが、ここからは他クラブがリーグ戦に専念するなか、独自に突き進まなければならないという孤立無援の戦いにも映り。
果たしてその行方はどうなるでしょうか。


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