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DAZN観戦 2023年J2リーグ第14節 大分トリニータvsツエーゲン金沢

2023-05-11 16:00:31 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の大分の記事はこちら(11節・水戸戦、0-1)
※前回の金沢の記事はこちら(11節・磐田戦、1-2)

<大分スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • ペレイラ・香川の2名が出場停止から復帰、ペレイラはベンチ入りも香川はベンチ外。

<金沢スタメン>

  • 前節(栃木戦、0-4)は庄司以外完全ターンオーバー、今節で本来のレギュラーへと戻す。
  • しかしフォーメーションは弄る。ボランチを3人置くダイヤモンド型4-4-2(4-3-1-2)に近い形に。(yahooスポーツナビでは、林1トップの4-3-2-1)

連戦の際は中日に完全ターンオーバーを敷くのが恒例となっている、今季の金沢。
しかし2度目となった前節は、その負の影響は避けられず手酷い敗戦を強いられました。

一方の大分は、12節(仙台戦、0-1)に2人も退場者を出す、荒れた試合を演じてしまい。(ペレイラは試合終了後、2度目の警告によるものですが)
おかげで前節は出場停止を強いられての戦いとなっただけで無く、公式サイトでもその余波によるリリースが出される事となりました。
こうした公式が意思表明しなければならない事件が多数見られ(沼津のホームの棚崩壊事故とか)、何処と無く殺伐度が上がっているようなJリーグの近況。
来季から降格枠が広がるという事態か、あるいは未だ否定意見を払拭させぬまま取り入れようとしている秋春制の影響か。
生き残りに必死になるあまり、荒々しさが増してしまっているのでしょうか。

話を試合に戻すと、金沢は前節の大敗により、ただメンバーをレギュラーに戻すだけでは物足りないと柳下正明監督は考えたか。
フォーメーションを弄り、ボランチを3人置く変則型で上位の大分に挑みました。
これにより加藤をトップ下としつつ、杉浦が流動的に動く、疑似的な1トップ2シャドーという前線で大分のビルドアップに対抗した節があり。

しかしいきなりの前半1分に伊佐にエリア内からシュートを浴びる(GK白井キャッチ)という具合に、入りは大分の攻勢を受け。
5分にはミドルパスを高畑にカットされ、ショートカウンターかと思いきやこぼれ球を拾った野村がハンドを取られ事無きを得ます。

攻守両面で厳しい状況に陥っていた金沢。
しかし6分、クリアボールを収めた杉浦が右へ開いて溜めを作り、上がってきた石原を経由してエリア内へラストパスが送られ。
そして走り込んだ林が左からシュートするもGK高木がセーブと、特異な布陣を活かしてのフィニッシュが生まれます。
こうした形で流れを作り、互角の勝負に持ち込みたい所。

しかしその前に試合を動かされ。
10分に大分は右→左へのサイドチェンジから、高畑→野村と連続スルーパスを送って左ポケットを突き。(最初にパスした高畑が走り込み)
この攻めで左コーナーキックを得ると、クロスが跳ね返されての攻め直しを、上がっていたセンターバックが戻る中で敢行。
これで金沢サイドに隙が生まれたでしょうか、野村のスルーパスをブロックしたこぼれ球が誰もいない所に転がり。
その場がペナルティアークだった事で絶好のシュートチャンスが生まれ、反応した中川のダイレクトシュートがゴール右へと突き刺さります。
攻勢の流れを切らさなかった大分が、その通りに先制点に辿り着き。

早い段階で追いかける立場となってしまった金沢。
しかし冷静に大分の布陣を分析していたでしょうか、攻撃時に左センターバックのデルランが前目の位置を取る隙を突くように、以降右からの攻めを膨らませ。
前述のように、開いた杉浦に受けさせて溜めを作り、後方からの上がりを呼ぶ攻撃でリズムを作ります。
17分にはプレッシングの末に敵陣深め右サイドで杉浦が奪い、エリア内中央で林が持つという絶好機に。
しかし一旦戻して左へ展開と、ショートカウンターはならなかったものの、左から上がった藤村のクロスに梶浦が合わせヘディングシュート。(枠外)

徐々に変則フォーメーションの効果が見え始めると、続く18分でした。
左からのスローインで一旦最終ラインに戻し、後方から小島縦パス→梶浦ポストプレイを経て、受けた杉浦がスペースを利用して右ハーフレーンから果敢にミドルシュート。
ワンバウンドでGK高木を抜いてゴール左へと突き刺さり、早い段階で同点とした金沢。

これで好循環を得た金沢、以降はこれまでの「サイドでの前進を経て、大外からクロス」というお決まりかつ流動性に乏しい攻撃パターンを払拭。
積極的に両ポケットを狙うのを第一とする、以前の金沢からは考えられないような攻めを続けます。
またプレッシングも、前線3人で規制を掛けたうえで、サイドに開かせた末に果敢に前に出てくるサイドバック。
これもボランチが3人居る事により、突破されてもまだ人数が残っているという余裕の下での立ち回りだったでしょうか。

25分に、野嶽のシュートを顔面でブロックした梶浦が出血のため一時試合が止まり。
これによりリズムを崩したのは大分の方で、GK白井のロングフィードで再開すると、跳ね返せずバウンドしたボールを繋いで杉浦がシュート体勢に。(ディフェンスで撃てず)
以降攻勢に入る金沢、31分には敵陣で藤村のボールカットから攻撃、左サイドで杉浦が奪われるもすぐさま奪い返し。
そしてエリア内でラストパスを受けた加藤がシュート(ブロック)と、即時奪回で流れを切らさずフィニッシュに持ち込みます。

すると32分、野嶽が転倒してボールロストしてしまうミスから金沢は素早い攻撃、藤村縦パス→林ポストプレイ→加藤スルーパスで右ポケットを突き。
そして走り込んだ杉浦が低いクロスを入れると、中央で林が綺麗に合わせゴールゲット。
前半のうちに逆転と、4試合ぶりの勝利に向けて光明が開けたかのような金沢。

しかしその感情に浸るには早すぎたか。
その後お互い好機を生み出せない時間が長く続き、38分に最初に辿り着いたのは大分。
最終ラインから右→左とサイドを振りつつ前進し、デルラン縦パス→伊佐ポストプレイ→高畑エリア内へ浮き球パスという流れるような繋ぎの末に、左ポケットを取った野嶽に渡り。
そしてトラップで奥へ切り込んでシュートした野嶽、前に出て防がんとしたGK白井と交錯しながらもゴールネットを揺らします。
ファーストチャンスをモノにした大分、これでまたも試合は同点に。

キャプテンの白井に負傷が疑われる(無事にプレー続行)なか意気消沈気味となる金沢を尻目に、40分には左サイドで野村がヒールでスルーパスという技ありで奥を突き、左CKを獲得した大分。
するとキッカー高畑のクロスを、GK白井が跳び出すも目測を誤り、触れられずにファーサイドの安藤のヘディングシュートに繋がってしまい。
綺麗にゴールに突き刺さり、金沢の被害甚大といわんばかりに悔しがる白井を尻目に逆転を果たします。

しかし落ち着きを取り戻し(あくまでヒューマンエラーによる被害と開き直れたか)、残り時間で尚もポケットを突く攻めを貫く金沢。
44分には右サイドでキープする加藤が、石原へスルーパスを送るとともにパス&ゴーで右ポケットへ、リターンを受けてシュートするもサイドネット外。
点の取り合いとなったスコアと共に、まだ解らないという余韻を残して前半を終えました。

共に交代無く迎えた後半開始。
最初の好機は金沢で、後半3分にミドルパスを林が足でフリックし、受けた加藤がスルーパス。
走り込んだ石原はディフェンスに遭い受けられずも、梶浦が拾ってそのまま抜け出すと、後ろからデルランに倒されて反則の笛が鳴り。
決定機阻止に近い状況でしたが、デルランに出されたカードは黄色止まりとなり、金沢サイドが異議を飛ばす事態となります。
一方またも退場者か……という一歩手前で命拾いしたのは大分。
この中央からの直接フリーキック、キッカー・バイーアのシュートは壁を直撃して不発に終わり。

それでもこれにより後半も流れを得た金沢、6分には加藤が左ポケットからシュート(枠外)、9分には林が右ポケットからシュート(サイドネット外)と前半同様ポケットを突く攻撃。
その直後に、大分のロングパスを石原がブロックして防ぎ、敵陣深めからの攻撃をスタート。
こぼれ球を拾った林がそのままエリア内中央からシュートするも、GK高木が前に出てセーブ、拾った杉浦がミドルシュート(安藤ブロック)と攻め立てます。
尚も右CKへ移行すると(キッカーは藤村)、クロスの跳ね返りを拾って再度藤村に渡してクロス。
そして杉浦の掠るようなフリックで絶妙に大分ディフェンスのクリアを掻い潜り、ファーサイドに流れた所を加藤が足で合わせ。
ゴールネットが揺れ、三度同点となるスコア。

金沢は今度こそ試合を落ち着けたい所でしたが、そうはならないのが流れという呪縛か。
12分にGK白井の縦パスを高畑がカットし、伊佐のエリア内への落としを野村が拾う、これぞショートカウンターという絵図に。
そして左ポケットからの野村のグラウンダーでのクロス、走り込んだ高畑のスルーを挟み、中川が合わせシュート。
すかさず突き放すゴールとなり、4点目を挙げた大分。

後半の早い段階で1点ずつ取り合った事で、更なる追加点が予想される展開に。
しかし流石に大分は守備を修正したか、以降金沢にポケットを取らせない事、仮に取られてもタイトに寄せてチャンスにさせない事を重視します。
19分に金沢は加藤のボールカットから攻め、藤村の縦パスで左ポケットを突きましたが、受けた石原は戻しを選択せざるを得ず。(その後バイーアがクロスも合わず)
21分に梶浦の反則気味のボール奪取から、林がキープで溜めてヒールパスでエリア内へ送りましたがカットされて実らず。(直後の22分に金沢は石原→奥田に交代)

次第にお互いフィニッシュが減っていく中、25分の金沢の好機で、右サイド手前からの井上のクロスを林が胸で落とし。
そして加藤が拾うもディフェンスに遭い撃てず、GK高木が抑えた所に勢い余って交錯。
これにより高木も痛んでしまい、さらに顔から出血も発生。
お互いGKが痛むうえ、一人ずつ出血者も出してしまう試合となりました。
この治療の間に、大分は中川・野嶽→町田・弓場へと交代。

停滞気味となり、流れを変えたい金沢は31分に2枚替え。
2トップ(林・杉浦)をそっくり代え、大谷とバイアーノを投入します。
直後の32分にスローインの攻めから、藤村のスルーパスで右ポケットを突いたものの大谷のクロスはクリアされ。

相手に対策されてしまった以上、攻め方を変えるか、ないしは僅かな隙を突くかといった所。(34分に大分は茂・伊佐→ペレイラ・長沢に交代、上夷が右ウイングバックへ)
36分には中盤で反則を受けると、素早くリスタートしてスルーパスを右サイドで大谷が受け。
そしてマイナスのカットインからシュート(ゴール右へ外れる)と、その後大分サイドのリスタートを認めた事への異議が生まれる程の攻めも実りません。

以降、やはりワイドからのクロスという単調な攻めへの傾倒を強いられる金沢。
バイアーノのポストワークも、強度を高めた大分ディフェンスの前では有効打とはならず。
41分にはそのバイアーノがデルランへの反則で警告を受ける等、焦る金沢を尻目に着実に時間を使いにいく大分。(45分に野村→宇津元に交代)
45分にはスローインからその体勢に持ち込むも、左コーナーでのキープから高畑が抜け出しカットインを経て低いクロス。
金沢の「約束が違う」という叫びが聞こえるような攻撃でしたが、合わせた町田のシュートは右へと逸れてしまい追加点はなりませんでした。

アディショナルタイム、何とか好機を作らんとする金沢ですが、やはりバイーアにボールを集めてのクロス攻勢が関の山。
一瞬の隙を突き、後方からエリア内へのロングパスに大谷が走り込むというシーンが生まれましたが、ヘディングにいき首を振るも空振りしてしまった大谷。
結局シュートを放つ事が出来ず、最後は井上のハンドにより大分にFKを与えてしまい万事休す。

最後は尻すぼみしたものの、スコア的には壮絶な撃ち合いといった試合を制した大分。
前年のこのカードも、金沢がいずれも3得点で1勝1分(3-1・3-3)という結果に終わっており。
この日もそれに倣ったものの、大分がそれ以上取って覆すという、エンターテイメント的には最高の展開となりました。

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