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DAZN観戦 2023年J2リーグ第35節 ベガルタ仙台vs水戸ホーリーホック

2023-09-18 16:01:08 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の仙台の記事はこちら(28節・藤枝戦、1-1)
※前回の水戸の記事はこちら(27節・大宮戦、0-0)

<仙台スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 元名古屋の齋藤がオーストラリア・ニューカッスル ユナイテッド ジェッツFCから完全移籍で加入し、29節(磐田戦、1-4)から登録されて即途中出場、次節からスタメンに。
  • 長澤が名古屋から完全移籍で加入し、(以下同文)
  • 負傷離脱していた松下が今節復帰し、10試合ぶりにベンチ入り。
  • 遠藤の負傷が発表され、8/24に手術実施して全治8週間との事。

<水戸スタメン>

  • ブワニカ啓太が千葉からレンタルで加入し、31節(秋田戦、1-1)から登録されて即途中出場、前節(金沢戦、3-0)からスタメンに。
  • 唐山が期間途中でレンタル終了・ガンバへ帰還となり、29節(熊本戦、0-0)をもって登録抹消。
  • 柳町の負傷が発表され、7/23に発生して全治は未定との事。
  • 30節(長崎戦、3-3)で負傷交代した梅田の詳細が発表されるも、全治は未定との事。
  • 来季加入が内定している碇(大津高)が特別指定となり30節から登録されるも、8/29付で抹消される。
  • 来季加入が内定している久保(法政大)が特別指定となり、33節(山口戦、2-1)から登録される。

トップハーフとボトムハーフの断層がハッキリしているという、今季のJ2リーグ。

トップハーフの11チーム全てが昇格争いに参加している現状で、必然的に立場が曖昧となるのがボトムハーフの頂上に居るクラブ。
残留争いの危機からはとりあえず安心ながらも、今から昇格を目指すには全てが遅すぎるという立ち位置。(この日の放放送席は盛んに「昇格争いに加われるか」というコンセプトで語っていましたが)
つまりは「消化試合」というワードがチラつく現状で、モチベーションの喪失が危ぶまれるなか、それを振り払う勝ち点3が欲しい所でしょうか。

さて、連続未勝利を11試合で何とか止め(31節・大宮戦、1-0)、残留争いにどっぷりと浸かってしまう事は避けられそうな仙台。
途中就任した堀孝史監督は、ヴェルディ時代とは違い自分の理想を強く表しているというのが表面上の印象であり。
浦和監督時代(2011・2017~2018)の基本であり、かつオーソドックスさとはかけ離れている4-1-4-1のフォーメーションがその一例。
浦和時代に抜擢した長澤を獲得する等、それを補強する手立ても惜しまずと、チームの建て直しに必死さを見せています。
ほぼ同等の順位に居るクラブ相手に、その成果を発揮できるかというホーム(ユアテックスタジアム仙台)での一戦。

しかし試合開始から、水戸のサイドアタックが冴え渡る展開となり。
前半5分、左サイドを小原がドリブルで推進する所、その前方で安藤が(鎌田と交錯し?)倒れた事で反則となり。
これでゴールに近い位置(ただし左ワイド)でのフリーキックを与えるというのがその幕開け。(ここからはフィニッシュに繋がらず)
水戸はここから左サイドで圧力を掛けると思いきや、8分には鵜木の推進力を軸としてのパスワークで、その鵜木のカットインが郷家に倒されて反則。
再びワイドでゴールから近い位置でのFK(その二次攻撃で、大崎のクロスがこぼれた所を安藤が拾いシュート、ブワニカに当たって跳ね返る)を得ると、その後は一転して逆の右サイドから攻めるシーンを目立たせます。

水戸は仙台のどのサイドに弱点があるかを探りながら、という立ち回りに徹していたでしょうか。
やや特異な4-1-4-1の布陣の仙台、そのインサイドハーフは右の鎌田がボランチに近い役割で、左の郷家はFWに近い役割を取るというのが基本であり。
ホヨンジュンがポストワークを務め、盛んに動き回るのをカバーするように最前線に位置する事が多くなる郷家。
守備でも前からいく際は2トップの片割れという役割になるので、それ故に左サイドを守る際はどうしても人員不足のカバーをしなければならない。
17分敵陣右サイドでボール奪取した水戸に対し、すかさず仙台は即時奪回にいきましたが、パスワークでそれをかわす水戸。
その間に鵜木が裏でフリーになっており、武田の縦パスが通って好機を作る(その後鵜木がカットインからクロスを入れるも合わず)という具合に、数的優位を活かした好機が目立ちました。

その後も安藤が加わりながら右サイドで押し込み、そこからコーナーキックも数多得て攻め立てる水戸。(キッカーは基本武田で、たまに鵜木を混ぜる)
20分の右CK、ニアサイドへのクロスに安藤が合わせにいき、足下にこぼれた所をすかさずシュートするもブロックに阻まれ。
22~23分にはじっくりとボールポゼッションを高めたのち、再び鵜木が右からカットインする絵図に持っていき、一旦防がれるも再度前進ののち武田から上がったクロス。
これを安藤がヘディングシュートに持っていくも、GK林のファインセーブに阻まれて先制ならず。
着実に優勢を保ったまま飲水タイムに突入(24分)します。

一方押され気味の仙台は、前述の通りのシステム故に、IHの鎌田にかかる負担が大きいという印象。
ビルドアップでは長澤の脇で受けて前進を援ける一方で、上がっては右サイドからの攻めに加わり、守備でも水戸の右サイドアタックで全体が左へズレる際のバランスを取り。
特にビルドアップで、水戸のプレッシングを前に鎌田がフリーにならなければ運べないといった状況となるのは深刻であり。
そのためホヨンジュンへのロングボールの割合が増え、ターゲット・裏抜けどちらもこなすホヨンジュン。
その度に水戸ディフェンスの激しいチャージを受けて苛立つホヨンジュンの姿を見て、そのシステムは人に依存してのものという印象を一層強くします。
38分に内田裕の左→右へのサイドチェンジからの攻めで、スルーパスで奥を取った蜂須賀からのクロスに郷家が合わせヘディングシュート(ゴール上へと外れ)と、一定数好機は作ったものの不完全燃焼といった前半の仙台。

終盤には再び水戸ペースとなり、何度も右サイドでドリブルを仕掛ける鵜木と、そんな展開を象徴するシーンが描かれ。
そしてスコアレスのまま前半終了となります。

後半に向けて交代は無かったものの、仙台は問題点の一つを修正に掛かります。
それはビルドアップの局面で、鎌田が降りてパスを受ける事が減り、2センターバック+アンカーの布陣を保ったままパスを繋ぐ体勢を取り始め。
水戸の2トップがハイプレスに出ても、若狭・福森・長澤のトライアングルでのパスワークでそれをいなし、そこから運ぶ事で流れを生み出します。

そして後半10分、GK林からそのトライアングルでの繋ぎを経て、ホヨンジュンとのワンツーで前進した氣田がエリア内へスルーパス。
受けた松崎によるGKと一対一を綺麗に作り上げたものの、放たれたシュートはGK山口がセーブ。
すかさず追撃した鎌田のシュートも山口が横っ飛びでセーブと、2連続のビッグセーブに阻まれてしまいます。
しかし着実に流れは変わりつつあり、それを固定させんとベンチも12分に動き。
氣田・松崎→齋藤・加藤へ2枚替えと、サイドハーフを揃って入れ替えます。

GKと一対一という脅威を味わった水戸サイドも、14分にそれを作らんとして右サイドで繋ぐなか武田が一気に裏へミドルパス。
エリア内中央にブワニカが走り込んだものの、GK林が好判断で前に出て防ぎ、決定機とはなりません。

そしてそうした多少強引な運びの意識が仙台のカウンターを招き、15分に郷家のボール奪取から一気に前進する仙台。
蜂須賀のクロスが跳ね返されてから遅攻に入ると、左サイドから内田裕がカットインし、ハーフレーンを突いたのちエリア内中央へ縦パス。
そして自身もパス&ゴーでポケットを突き、ホヨンジュンのポストプレイで受け直す所を、鵜木のスライディングで倒されて反則の笛が鳴り響きます。
願っても無い先制チャンスを得た仙台、キッカーはホヨンジュンが務め。
しかし先程のセーブ然り、大当たりしていたGK山口を前に、PKを蹴るのは今季初という状況が敵になってしまったでしょうか。
ゴール左へシュートを放ちましたが、威力は申し分なかったもののコースが実に甘くなり、横っ飛びした山口にガッチリキャッチされてしまい。

痛い決定機逸となった仙台。
その後は投入されて左SHに入った齋藤へ、サイドチェンジのパスを送り届ける攻撃を続けて何とかペースを保ち。
19分にはそこからの攻撃で、スルーパスで奥を取った齋藤からのクロス。
跳ね返りを尚も繋ぎ、PKゲットのシーン宜しく内田裕が再びカットインを仕掛け、今度は自らミドルシュートを放ちましたがGK山口がまたもファインセーブ。

一方前半とは打って変わって劣勢を強いられた水戸。
有効打となっていた右サイドアタックを諦めたか、20分に鵜木・成瀬を揃って交代させます。(永長・黒石を投入)
それにより逆の左サイドに活路を見出したか、24分には小原が左からカットインシュートを放ちましたが枠を捉えられず。

後半の飲水タイムは取られずと、ようやく秋を実感させる(しかし昼間はまだ暑い)試合となり。
25分に両ベンチが2度目の交代を敢行し、仙台は長澤・ホヨンジュン→松下・山田寛人、水戸は安藤→新里へとそれぞれ交代します。

仙台は以降も齋藤が攻守に奮戦する一方、それ以外では今一つ。
思えば浦和監督時代も、長澤の燃料切れ(による交代)以降チームが機能不全となり敗着、という試合が目立っていたのである意味当然ともいえる失速ぶり。

そんな相手の状態を突きたい水戸は、鵜木の交代で組み直さなければならなくなった右サイドアタック。
それでもトップ下に近い役割の新里や、ブワニカのポストワークを交える事で人数を掛けるパスワークを保ちます。
37分には右サイドでの繋ぎを経て、武田が後方から一気に左ポケットへロングパスを送り、走り込んだ大崎が受けるも収められず。
フィニッシュには繋がらずも、後は精度といったワンシーン。

そして38分、逆の左サイドからの攻撃で、左ポケットでパスを受けた武田がカットインからシュートを放つもGK林にセーブされてCKに。
ここからの二次攻撃で、右サイドからの前線を経て新里が右ポケットへのスルーパスに走り込み。
これも防がれますが、直ぐに右スローインからリスタートしてついに打ち破ります。
上がった永長のクロスで、ブワニカがヘディングシュートを放ってゴールネットに突き刺し。
移籍後初ゴールは均衡を破る胸すくものとなったブワニカにより、土壇場で水戸がリードを奪います。

一方残り少ない時間でゴールが必要になった仙台。
最後方からのパスワークによる反撃体制は変わらず、41分にはそこから縦パスを受けた郷家が松田に倒されて反則。
中央からながらかなり遠目という位置でのFK、キッカー鎌田は右へと放り込み、若狭が折り返したもののGK山口が抑えてシュートは撃てず。

これを見てかベンチが動き、内田裕→菅田へと交代し、菅田をFWで起用するというのが最後のカードとなり。(44分)
菅田を頂点とした3-4-2-1へと布陣を変更し、パワープレイに望みを繋ぐ事となります。
一方の水戸も同時に、小原・ブワニカ→得能・内田優へと2枚替え。

そして突入したアディショナルタイム、ひたすら後方からの放り込みに賭ける仙台。
セカンドボールを拾い続けたのち右から蜂須賀のクロスが上がり、菅田が合わせにいき、こぼれた所を松下がミドルシュート。
しかしこれもエリア内で松田のブロックに阻まれるなど、守備を固めた水戸(得能が左ウイングバックを務める3-4-2-1の布陣)を破るには時間が足りず。

仙台の攻撃を防ぎ続ける水戸。
そのクリアボールが左サイドの得能に渡ると、すかさず奪い返そうとした加藤のスライディングが彼を襲います。
たまらず倒れてしまうと、そこが水戸ベンチの真ん前だったために一斉にヒートアップする水戸スタッフ。
有望な特別指定選手(得能)故に、万が一傷物になってしまえば責任問題に……といった感情が露わになってしまった一幕でしょうか。
幸い無事に得能は起き上がり、加藤に警告が出された事で何とか収まり。

そして試合終了の時を迎え、0-1で勝ち点3を積み上げた水戸。
ボトムハーフの最上位(12位)を確保し、ここから残り試合で覇を唱える事が出来るでしょうか。

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