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TV観戦 天皇杯 JFA第101回全日本サッカー選手権大会4回戦 ヴェルスパ大分vsジュビロ磐田

2021-08-19 16:02:12 | サッカー視聴記(2021年その他)

<V大分スタメン> 4-4-2
GK 渡辺
RSB 本多 CB 村田 CB 浦島 LSB 西埜植
RSH 薮内 DH 吉田 DH 篠原 LSH 利根
FW 中野 FW 中村真人
<磐田スタメン> 3-4-1-2
GK 杉本
RCB 鈴木海音 CCB 今野 LCB 中川
RWB 藤川 DH 清田 DH 鹿沼 LWB 三木
IH 大森
FW 小川航基 FW ファビアン・ゴンザレス

アマチュア勢で唯一の勝ち残りとなったのが、前年JFLを制覇したヴェルスパ大分。(以下V大分)
にも拘らずJリーグ加入とならなかったのはライセンスが無いからで、HondaFCと同等の立場ですが、Hondaとは違い将来のJリーグ入りを目標としておりその途上との事。
ライセンス取得も目指さなければなりませんが、スタジアムの条件を揃えるのが困難なため既に今季の断念を発表するなど、その道はまだ険しそうです。
一つ前の3回戦では憚らずもアマチュア同士の対戦となり、広島に大勝したのが印象的なおこしやす京都ACを下し、この4回戦へと進出。

対する磐田、3回戦ではHondaと対戦する「静岡ダービー」を制し。
そしてこの日のV大分と、JFLの常連クラブとの連戦となりました。
とはいっても、リーグ戦(J2)で繰り広げる昇格争いの方が大事なのは言うまでも無いようで、完全ターンオーバーを敢行したスタメン。
前節(25節・ヴェルディ戦、2-1)のメンバーからは、途中出場した鹿沼・大森・ゴンザレスのみがスタメンに選ばれました。

V大分ペースで展開する立ち上がりの中で前半4分に磐田の攻撃、右サイドで繋いだのち大森がエリア内にロビングを入れ、後方から走り込んだ清田が落とすもフィニッシュには繋がらず。
レギュラー格に比較的近い位置である大森が攻撃の橋頭堡となりそうな予感がしたものの、その後もV大分の攻勢は止む事無く続きます。

6分には左サイドから、斜めのパス→ポストプレイの連続で中央へ展開し、吉田の縦パスを受けた利根がエリア内左へ進入。
そして切り返しからシュートを放ち、ゴール上を襲ったもののバーを叩いてしまい跳ね返り。
9分には浦島のロングパスをエリア内右で本多が受け、そのままシュートするも枠外に。
13分にはコーナーキック、左からキッカー中野のクロスを、中央で村田が合わせヘディングシュートを放つも磐田・鹿沼のブロックで防がれ。
フィニッシュを連発するも、スコアを動かす事は出来ません。

一方の磐田、その後反撃を試みるも、どうにも2トップが機能不全。
最終ラインでの繋ぎから、ゴンザレスへのロングボールを主体にするも好機は生まれず。
地上でのパスワークでも、ポストプレイ役を務めるゴンザレスのパス出しが乱れるシーンが多発するなど、メンバーを入れ替えた故の連係面の不安を露呈。
その相方の小川航も小川航で、15分には清田から斜めの縦パスが入りますが、スルーを選択した結果奥のゴンザレスが反応出来ずというシーンに。
連係に期待出来ない状態にも拘らず、難しいプレーを選択して流れを失う事となり。

磐田がようやく好機を得たのは22分で、左サイドでの繋ぎが遮断されるも鹿沼→清田→大森入れ替わりと繋がり、エリア内左から大森がシュートするもGK渡辺がセーブ。
23分にも、鹿沼のボール奪取から大森がエリア内左奥へ切り込んでクロス、クリアボールをゴンザレスがバイシクルシュート。(枠外)
フィニッシュシーンを重ねつつ、飲水タイムに。(24分)

双方良い時間が生まれ、ここからせめぎ合いとなりそうでしたが、第2クォーターはほぼV大分の独壇場に。
最終ラインから繋ぐビルドアップや、ハイプレスによるボール奪取を展開し、攻撃権を完全に支配していきます。
磐田サイドを押し込んで攻撃を展開するも、守備を固める磐田の前に、立ち上がりのような決定機は生まれず。
41分に薮内が中央からシュート(ブロックに当たりGK杉本キャッチ)、44分には利根がエリア内左からシュート(ブロック)と、フィニッシュを生む事は生みましたが、手前のブロックに阻まれて終わり。
攻め込む時間が多かったV大分でしたが、結局得点は出来ず前半を終えました。

後半立ち上がりも、流れのままに攻め込まんとするV大分。
中野のポストプレイ(磐田・ゴンザレスのプレーぶりもあり、対照的に巧く見えた)を交えて好機を作るも、ハーフタイムを挟んだ事で磐田が息を吹き返します。
後半3分に清田が敵陣でパスカットに成功し、そのままミドルシュート。
枠を外して終わりますが、リーグ戦で未出場だった清田の奮闘ぶりが契機となったか、以降怒涛の攻撃を開始。

4分鈴木海の右へのミドルパスを大森が受け、中央方面へ流れつつ溜めたのちエリア内へスルーパス、走り込んだゴンザレスがシュートするもGK渡辺が前に出てブロック。
8分には敵陣で藤川がパスカットからクロス、こぼれ球になるも左サイドで三木が拾って中央へ送り、受けた小川航がペナルティアークからシュート。(GK渡辺キャッチ)

対するV大分も7分に、自陣深め右サイドから繋いで前進、中盤で中野のドリブルを経由し左サイドの利根の下へ。
利根はカットインからのシュートを選択しますが、グラウンダーのボールは惜しくもゴール左へと外れてしまい。
10分にも敵陣深めで篠原のボール奪取から、エリア内で藪内シュート(ブロック)→こぼれ球を繋いでエリア内に出たボールに西埜植走り込み(GK杉本ブロック)と際どいシーンを作り、プロクラブの圧力にも屈しない姿勢を見せます。
磐田はこれを受けてか、ウイングバックの2人をポジションチェンジし、藤川が左・三木が右へと移り。
直後に左に移動した藤川がドリブルで魅せる場面を作りますが、V大分の推進力は止められず。

果敢にゴールを狙いにいったのが利根で、14分には左ハーフレーンを持ち上がり、エリア内に進入してシュート。(ブロック)
17分には篠原のパスカットから薮内→中野と繋がり、エリア内右からの中野のクロスを、ファーサイドでボレーシュート。(枠外)
放送席で何度も「ガソリンスタンドに勤務しながらのプレー」という謳い文句が語られていた利根、成り上がりの精神をプロ相手に発揮していたかのようでした。
再度V大分へと主導権が移り、攻撃権を支配したのち、24分に後半の飲水タイムへ。

ブレイク明けに先に動いたのはV大分の方で、吉田→高橋宏季へと交代。(25分)
この日は大分トリニータの本拠地・昭和電工ドームでの試合でしたが、天候の関係で屋根が閉められての開催となり。
おかげで高湿度の中でのプレーで、それによる体力消耗を考慮しての動きだったでしょうか。
しかし1人交代するだけではカバー出来ず、以降パスミスが目立ち始め、攻撃機会が減少していったV大分。

対する磐田、この日余り良い所が見られなかった三木に代え、ユース所属の藤原を投入します。(27分)
その藤原がボランチに入り、清田が空いた右WBへ。
そして28分、大森がV大分・村田に反則を受け、左ハーフレーン・エリアからやや手前という位置での直接フリーキック。
これを蹴ったのは藤原で、直接シュートが壁に当たるも、跳ね返りを拾ってすかさずロビング。
ファーサイドで今野が胸で収めてボレーシュート、先制かと思われた今野の動作でしたが、中途半端な威力のボールがGKのほぼ正面に飛んでしまいGK渡辺がキャッチ。
しかし勝負所でキッカーを任された藤原、先程の清田然り、若者の奮戦を原動力に押し返しを図る磐田。
その後も藤原はボランチの位置でパスを散らしつつ、チャンスの場面ではゴール前で受けにいくなど多方面で活躍を見せ。

そして41分に決定機。
攻め込むも相手守備に跳ね返されたのち、クリアボールを拾った鹿沼がそのまま中央をドリブル。
そして大森とのパス交換でエリア内に入り、ディフェンスに遭ってこぼれたボール走り込んだのは清田。
しかし放たれたシュートは枠を捉えられず終わり、値千金のゴールとはなりませんでした。

疲労によるダメージも色濃く表れ、42分には磐田・鈴木海が足を攣らせて続行不可能に。
鈴木雄斗が同ポジションに投入されます。
一方のV大分も、度々足を伸ばす仕草をしていた利根が45分に退く事に。(藤本と交代)
既に中野→前田へと交代カードを切っており(34分)、3回の機会を使い切る事となりました。

アディショナルタイムに突入し、最後の力を振り絞って攻勢を掛けるV大分。
何度もクロスを入れ、プロでも実績ある前田を軸にフィニッシュを務めさせんという攻撃を繰り広げるも、シュートは放てず。
結局スコアレスから動かぬまま、後半終了を告げる笛が鳴り延長戦に突入となりました。

その開始前に、磐田は小川航→松本へと交代。
FWを一人削る事で3-4-2-1へとシフトし、松本が本職の左WBに入った事で以下のような布陣に。
<延長の磐田> 3-4-2-1
GK 杉本
RCB 鈴木雄斗 CCB 今野 LCB 中川
RWB 清田 DH 藤原 DH 鹿沼 LWB 松本
IH 大森 IH 藤川
FW ゴンザレス

入りは磐田が攻撃機会を掴み、ゴンザレスのロングボールの収めから、CKを得る所まで攻撃。
対するV大分も反撃しますが、以前のようなソリッドな攻撃は影を潜めてしまい、疲労の影響が隠せないようでした。
パス数の少ない攻撃に終始し、また自陣でもバックパスの連係ミスで相手にCKを与えるなど精彩を欠き。
そして延長前半7分に本多までも足を攣らせて続行不能となり、延長で追加された交代機会を使わざるを得なくなりました。(西村と交代、同時に薮内→山﨑へと交代)

直後に中村真が、右サイドからGKの位置を見たロングシュートを狙うシーン(9分)もありましたが、結果的にこれが最後っ屁のようになってしまったか。
直ぐに磐田へと主導権が移り10分、右サイドから清田→鹿沼ヒールパス→ゴンザレス斜めの縦パスと繋がり、中央の松本が受けてシュート。
これは枠外に終わりますが、続く11分でした。
最終ラインから右サイドへと渡り、パスワークを経て藤川が中央へ向かって持ち上がったのち左へ展開。
受けた松本がカットインからエリア内へパスを送ると、ファーサイドで受けた藤原からグラウンダーでクロス。
このGKとディフェンスの間を突いたボールを、ゴンザレスが合わせた結果、待望の先制ゴールを奪った磐田。
投入されてから再三攻撃に顔を出した藤原と、一試合通しては疑問が残る働きながら勝負所で仕留めたゴンザレスが融合しての得点でした。

善戦しながらも、とうとうビハインドを背負ってしまったV大分。
その後も磐田に後塵を拝す展開を強いられますが、ATに好機が。
右サイドから西村が斜めに縦パスを送り、これを中村真がフリックでエリア内へ送った所に前田が抜け出し。
GK杉本の前進を受けつつもループシュートを放ちますが、枠を大きく外してしまい同点ならず。

そして延長前半が終わり後半へ突入。
当然1点が欲しいV大分、ボールを握って崩さんとしますが、疲労困憊な中ではやはり苦しくフィニッシュまでは遠い状況。
対する磐田、カウンター気味に好機を作り、エリア内へと迫ってプレッシャーを掛ける攻撃。
延長後半6分にはV大分が攻撃を遮断するも、拾いにいった篠原が村田と激突してしまいボールロスト、拾った大森から縦パスを受けた藤川がシュート。(ブロック)

それでも万が一にも事故らせるわけにはいかない磐田。
8分にはGK渡辺のキックを妨害しようとしたゴンザレスが、9分には高橋祐をアフターで倒してしまった藤原が警告を受ける等、なりふり構わないといった守備体制を見せます。

磐田サイドも必死といった展開の中、とうとうV大分にチャンスが訪れたのが11分。
右サイドから高橋祐のロビングが上がると、中央ペナルティアークでの中村真の落としを、エリア内左で前田がボレーシュート。
渾身のフィニッシュだったものの、GK杉本のセーブに阻まれて万事休す。

その後迎えたAT、両チームともに裏狙いのパスを送るオープンな展開となりましたが、結局そのままタイムアップを迎え。
磐田が逃げ切りに成功し、準々決勝にコマを進めると共に、主力選手の大部分を休ませるミッションも果たす事が出来ました。

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