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DAZN観戦 2021年J2リーグ第25節(順延) 栃木SCvsザスパクサツ群馬

2021-08-27 16:36:59 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の栃木の記事はこちら(17節・京都戦、0-0)
※前回の群馬の記事はこちら(23節・岡山戦、1-0)
※夏の移籍情報についてはこちら

北関東ダービーも後半へ。
前半戦1勝1分という好成績で折り返した群馬、水戸の連覇を止めるには願っても無いシーズンとなりました。
この試合も勝てば、水戸との直接対決(33節)には引き分け以上で初の戴冠となる重要な試合。

一方栃木は、暫定ながら前節で降格圏に転落と、そんなダービーの展望を考える余裕はあるのかどうかという状況。
前年在籍していたGKオビ・パウエル・オビンナに、黒﨑・溝渕を再移籍させ、文字通り「前年のサッカーをもう一度」という補強策。
3人ともレンタルな所が、買い取る程の財力の無さを示していますが、逆にその一方で鳥栖から完全移籍で大ベテラン・豊田を獲得と強気な補強。
残留への切り札的存在とする意図なのは明白で、メンバーを揃えて挑む後半戦は果たしてどうなるか。

ともに好機を作れない時間が長く続く入りを経て、ロングボール攻勢を貫く栃木へと傾きかける流れ。
前半5分に森の推進力が生きて敵陣右サイドでスローインとなり、黒﨑のロングスローからニアサイドで畑がフリック、クリアされた所を西谷がミドルシュート。(ブロック)
豊田が加わっても、やる事は変わらないという栃木のスタイル。

しかしその後は逆に群馬がお株を奪い。
10分に左サイド奥からスローインを得た群馬、岩上はロングスローと見せかけて後ろに送り、高橋から受け直してクロス。
中央で北川のヘディングシュートが炸裂するも、GKオビンナのセーブに阻まれ。
電撃作戦は実らずも、これで栃木サイドは色を失った感がありました。

そして13分の群馬の攻撃。
右から吉永クロス→流れて拾った高橋が左からクロスという右往左往を経て、エリア内で拾った内田がシュートし、ブロックされた跳ね返りを栃木・矢野が落とすもこれを内田が拾って攻撃継続。
再度の内田のシュートもブロックされるも、青木が拾ったのち左から高橋がクロスを上げると、群馬・三國ケネディエブスに当たってこぼれた所を北川がシュート。
今度はGKオビンナも止められず、栃木にとってはアバウトさが仇となったような失点となり。
群馬が先制に成功し、優位に立ちました。
その後は反則が散見する栃木に対し、岩上がフリーキックをエリア内に送るシーンを目立たせつつ、前半の飲水タイムへ。(23分)

ブレイク明け、反撃したい栃木は25分にプレスを嵌めてボール奪取からショートカウンターの形を作り。(シュートには繋がらず)
直後の26分、スローインからの攻撃で西谷のクロスが右から上がり、クリアされた所をエリア内右で豊田がボレーシュート。(ブロック)

これで栃木ペースになるかと思われましたが、やはりアバウトな放り込みが基本のスタイル故、攻撃権を得ても繋がるのは時の運といった感じ。
ペースが途切れた所に群馬が攻撃、最終ラインでの繋ぎを交えつつ、サイド奥へとスルーパスを送ってからクロスを入れるという一本の狙いを感じさせる攻め。
しかしこちらもフィニッシュまでは辿り着けずと、お互い不発の時間が続きます。

終盤を迎え、39分に溝渕が反則を受けてFKを得、ここから攻勢に入った栃木。
そのFK、中盤から放り込んだのちの二次攻撃、溝渕の右からのクロスをファーサイドで畑が収めるもクリアされて撃てず。
そこから敵陣でのスローインを続けるなどセットプレーで押し込みを見せます。
44分には左コーナーキック、キッカー黒﨑はエリア手前へのクロスを送ると、ファーサイドで受けた畑が中央へ流れたのちミドルシュート。(枠外)
アディショナルタイムには黒﨑のロングスローから、クリアされたのち再度黒﨑が右からクロス、中央で豊田が合わせヘディングシュート。(枠外)
何度か矢玉を浴びせるも、後は精度といった流れを作りつつ前半を終えます。

ハーフタイムで共に選手交代を敢行。
栃木は西谷→松本へ、群馬は進→久保田へ交代と、1人ずつ代えて後半を迎えました。

後半2分、栃木が相手クリアを跳ね返し、拾った豊田の後ろ向きでのヒールパスを矢野が受け、エリア内からシュート。(ブロック)
少ないタッチ数でのフィニッシュから、その後CK攻勢に入る栃木らしい攻めを見せた入り。

しかし6分に群馬が右からスローイン、これがエリア内を突くスルーパスのようになり、吉永が走り込むというシーンが。(シュートには繋がらず)
以降両チームともスローインを量産する、言わば漸進戦術のような攻撃が続き。
お互いぶつかった結果、上記のような巧さを最初に見せた群馬が流れを掴みます。
スローイン(岩上のロングスローも含む)からの攻撃→クリアされてCKに、という流れを続け、栃木陣内でプレーする時間が膨らんでいき。

その群馬の攻勢が途切れたのち、今度は栃木がスローインを交えて好機、左サイドからクロスを入れ続ける攻撃。
ロングスローを多用するチーム同士の対戦らしく、スローインからの攻撃が肝となるかのような展開に。
しかし共にフィニッシュに辿り着けない時間が長く、ややもするとアグレッシブさに欠けるようでもありました。

そんな展開のなか、珍妙なシーンを生んだのもやはりスローインでの一幕でした。
25分に栃木の攻撃を切り、自陣からスローインとなった群馬。
高橋が投げ込まんとする所、目の前に立つ栃木選手を気にして中々投げ入れられず。
するといざスローしようとした所で笛が鳴り、選手交代が敢行されます。
群馬が吉永→高木へと交代(青木がFW→右サイドハーフへシフト)した後にさらに笛が鳴り、そのまま飲水タイムに突入というコンボに繋がり。
何ともハッキリとしない流れとなりました。
ちなみに栃木も、明ける際に豊田→谷内田へと交代。(畑が右SH→FWへシフト)

以降栃木は谷内田が入った右サイドから攻勢を掛けるも、実らずシュートまでいけないシーンが続き。
それでも押し込まれがちとなった群馬、31分に再度動き、高橋→金城ジャスティン俊樹へと交代。(小島が右サイドバック→左SBへシフト)

35分に群馬がゴールキックからショートパスを繋ぐビルドアップを経て、右サイドでジャスティンがロングパス。
北川が落とすもクリアされ、拾った岩上から受けた北川がドリブルで持ち上がり、エリア手前右からシュートを放つもGKオビンナがキャッチ。
長らくフィニッシュが生まれず(16分、群馬がCKからクロスを内田が合わせたシーン以降か)という、不作な試合展開に終止符が打たれました。

反撃体制に移りたい栃木、直後に右CKを得て、佐藤→有馬に交代。(谷内田がボランチにシフト、畑が右SHへ戻る)
そのCK、キッカー松本のクロスが流れたのち、逆サイドから森のクロスがエリア内中央へ。
矢野が合わせにいった所、GK松原が飛び出して交錯するという際どいシーンが生まれてしまいます。
このプレーも燃料にしつつ、終盤に向けボルテージを上げていく両チーム。
以降は群馬が果敢にプレッシングを掛け、栃木が最終ラインで繋いでそれをかわすという、あべこべと思わざるを得ないシーンも見られました。

それでも「いつものやり方」に頼らざるを得ない栃木。
41分にはCKから、こぼれ球をエリア内右で拾った有馬からクロスが入ると、中央で三國がヘディングシュートを放つもGK松原がセーブ。
44分には左サイドで森・溝渕・谷内田が繋いだのち、森が手前からクロスを入れ、矢野がヘディングシュートを放ちますがこれもGK松原が防ぎます。

43分に北川→光永へと交代し、3-4-2-1へとシフトした群馬に対し、AT突入後も圧を掛ける栃木。
しかし最後までゴールを割る事は出来ず。
逆に群馬のカウンターで、右サイド奥へ抜け出したジャスティンに対し松本が反則、警告を受けてしまうと共に群馬に時間を与えてしまい万事休す。
このFKからのキープが途切れたと同時に、タイムアップを告げる笛が。
群馬が0-1のまま逃げ切り、ダービー制覇に王手を掛けました。

これで監督交代してから3勝2分と、好調を継続している群馬。
2度目の監督業となった久藤清一氏、天皇杯も交わっての過密日程も考慮しての難しい舵取りを強いられながらも、結果を出す事に成功しています。

サッカー的に見ると、以前の群馬の繋ぐサッカーを大事にしつつという、長所を消さずに残しているのが目立ち。
思えば前回監督時(福岡・2019年)も途中就任で、あの時は主体的が全く感じられないサッカーとなっていました。
前任(ファビオ・ペッキア氏)がイレギュラーな退任となり、しかも未だサッカーが浸透していない早期での交代という状況で、そのため局地的な凌ぎを余儀なくされ。
そんな事を思い返すと、チームに残ったものを活かすという手腕は今回初めて発揮出来る状況であり、苦境ながらもやり甲斐のある指揮となっているのかもしれません。

コメント
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