いつも通る道沿いにあるお宅の垣根にヤマブキの花が咲いていました。
今年はお花がたくさん咲いたなあと立ち止まって眺めていました。
お庭に人の気配を感じて顔を上げると、そのお宅のご主人が立っていらっしゃいました。
時々、道路の掃き掃除をなさっていて、会釈を交わす程度の顔見知りです。
「今年は、ヤマブキの花が見事ですね〜」と、声を掛けました。
「家内が植えたんですよ、そこのバラも…」
「いつも、見せて頂いています、きれいなバラですよね」
奥さまは、以前、親方と同じリハビリディに通っていらっしゃいましたが、ここ数年、お姿をお見かけしなくなりました。
暮れからは、雨戸が閉まっていることも多く、なんとなく気になっていました。
先日、ご主人の姿をバス停でお見かけしたので、奥さまは入院でもされているのかしらと、勝手に想像してました。
「2月に家内が亡くなりまして…」と、ご主人。
「……」 私、掛ける言葉が出て来ません。
ご主人、涙ぐんでいらっしゃいます…
私も、ウルウル…
「実は、奥さま、うちの夫と同じリハビリディに通っていらっしゃいました、このところ、お見かけしないので気になっていました…」
「そうでしたか…、奥さん、身体を大事にしてください、1人は淋しいですよ…」
「お辛いですね、私も娘に先立たれて辛かったです…、ご主人さま、お身体を大事になさって下さいね」
まだ70代とお見受けするご主人、ご健康そうに見えますが憔悴されたお顔をなさっておいででした…
自分に重ねて、心が重くなりました。
四月は娘が黄泉の国に旅立った月です…
娘がプレゼントしてくれたカランコエが今年も咲きました