【2011.08.11 投稿】
アルクK隊 登山報告
穂高・上高地・焼岳
2002年9月21日~24日
メンバー:L:Gabibo氏、村さん、Nakaj、K隊 (5名)
9月20日(前夜)
ついに買ってしまった二つの大きなザック。
今回は涸沢テントサイトをベースに、2日目の一日で北穂/涸沢岳/奥穂
の3000m級を一気に登りサイトに戻る計画。
テントは他のメンバーが担ぐため、K隊の荷物は食事の用意がメイン。
初めてのテント泊、2日目の長&難コース、重いザック。
不安な気持ちのまま、新宿思い出横丁でK隊、前夜祭。
深夜、急行アルプスに乗る。
9月21日(1日目) 上高地→涸沢テントサイト
早朝5時、松本で全員が集合。村さんとK隊二名の3ザックが新品。
NakajのザックにはK隊用のテントが。皆、ザックがはちきれそうだ。
Gabibo氏のザックが一際大きく100リッター。5名用テント、鍋などでパンパン。
感謝感謝である。食事で皆にお返しをすると誓う。
タクシー5人乗りで松本出発。上高地は晴天で穂高が綺麗だ。
6時45分、上高地出発。皆、重たいザックを背に足を進める。3連休であり、
人が多い。明神、徳沢と休憩を挟み順調。
Gabibo氏は明神2263M峰、岩登りの初登頂の記録を持つ。話を聞きながら見上げるが
真直の岩山は凄みあり、人間業とは思えない。見ているだけで手に汗。すごい。
1. 明神岳の絶壁
横尾が遠く感じるザックの重み。休憩時、歩行時とザックを調整するが
ポジションが決まらない。肩と腰が痛い。足にもきだした。
屏風の荒々しい岩肌の眼下で立ち止まり、Gabibo氏のここでの武勇伝を聞く。
混雑する本谷橋で昼食。涸沢までの登りに備え、肩と腰を休める。
正午前、出発。登りの斜度がきつくなり、荷物で足が思う様に上がらない。
30分毎5分の休憩を挟み牛歩。途中、ザックのポジションは決まり、肩・腰は
少し楽になる。が、やはり重い。
2. 重いザック
テントサイトが見えてきて、最後のひと登り。色づき始めたナナカマドが目に
楽しい。結局橋から2時間で到着。さすがGabiboペース。決して遅いタイムでは
ない。上高地出発より合計7時間。
ザックを下ろすと、体が浮く感じがする。さすがに疲れた。
まばらなサイトにテント設営。早速宴会。やっとK隊のパエリアパンの出番。
前菜、網焼き、鉄板焼き、果物。自信の夕食である。この為に来たK隊。
牛肉、シャウエッセン、玉葱、ジャガイモ、エリンギ、トウモロコシ、等等。
様々な食材に舌鼓。酒が進む。皆が喜ぶ。嬉しい。甲斐がある。
3. 盛大に宴会
皆のザックからツマミが。ラッキョウにバナナチップ等など。村さんに感謝。
曇天に時折青空が顔を出す。涸沢が夕焼けに染まる。天気は持ちそうだ。
思ったより寝やすい寝袋とテントに熟睡。Nakajに感謝し、疲れを取る。
9月22日(2日目) サイト→北穂→涸沢岳→奥穂→サイト
α米の朝食をしっかり食べ、サブザックに雨具を詰め出発。足取りは軽い。
曇天なれど景色は良く見える。降雨を心配していた我々には晴天も同様。
気持ちも軽い。
4. 涸沢の朝
まずは北穂。昨年、K隊が上高地から一気に登ったとはいえ涸沢から
3時間半かかった登り。気を入れ歩き出す。
すぐの急登で混雑しているが、八ヶ岳から富士山まで見え始める。
北穂高小屋が見えると、鎖、ガレ。無難にこなし確実に高度を上げる。
2時間でクリア。思ったより早く、気持ちの良い汗。山頂の展望を楽しむ。
眼前の槍。直下の大キレット。晴れ間は無いが、360度の眺望。浅間から白馬。
裏銀座、白山。日本中の山が見えた思い。小屋で軽食。涸沢岳に向けて休憩。
5. 北穂山頂から、大キレットと槍
9時過ぎに出発。早速の難所。梯子、鎖に取り付く。全てが高度のある中での
行動。スリルを越え危険を感じる箇所も幾度かこなす。このコースを下りに
使い、逆を歩いていた山慣れた若者も”こわっ”と小さく叫んでいた。
ひと安心。彼でも怖いのだ。
キレ落ちた稜線歩き、高度感のあるトラバースは特に要注意。
6. 涸沢岳へ
思ったほどすれ違いは無く、このコースの難易度を知る。ほぼ2時間を使い
涸沢岳山頂。万歳!万歳!アルピニストになった思い。全員無事で良かった。
苦労した分景色も一際映える。これから登る奥穂に大勢の人が見える。
壮観と感慨の山頂を後にし正午前、穂高岳山荘で昼食。
山荘のカレーは美味かった。出発直前、見上げる奥穂の最初の梯子付近で
落石が発生。山荘の皆で”ラク!”と叫ぶ。
その梯子も涸沢岳までのことを思えば簡単に感じるほど。30分で奥穂山頂。
相変わらず360度の展望。素晴らしい!3000m級を一日で三山制覇。
素直に嬉しい。
山頂そのものには殆どスペース無く写真の順番待ち。観光地状態で人も多い。
しかし、右手のジャンダルムを眺めると観光気分も吹っ飛ぶ。これは無理。
常人の通れるコースでは無い。唯一L:Gabibo氏が行きたそうな雰囲気。
尊敬。
7. 奥穂からジャンダルムを覗く
霧が出始め周囲の山が見えなくなってきた。下山開始。最後の梯子で大渋滞。
落石しないよう気を付け順番を待つ。
山荘を抜け、ザイテングラートに挑戦。慎重に下る。霧で何も見えない。
テントサイトでも見えれば目標になるのだが、文字通り五里霧中。紅葉した
ナナカマドだけが出迎えてくれた。あと30分もかかるかと思った矢先、涸沢
小屋が見えた。早速ソフトクリームで下界気分を味わい、ビールを購入。
総行程9時間に渡る無事を祝いテントサイトで乾杯!
缶詰が旨い。Nakajに感謝。今日はGabibo氏の大鍋でラーメンライス。
ちょっと味は薄いが気分は最高。
雲間に時折穂高が見える。明日の雨は大丈夫か?
酒が足りず、ワインを買出し。疲れもあり、早めに就寝。夜半、小雨。
9月23日(三日目) 涸沢テントサイト→上高地
幸い雨は無いが雲が重い。早々にテントを片付け朝食。天候の悪化無く
余裕を出し8時前までコーヒーで寛ぎゆっくり出発。
荷物が軽くなった分、疲れでザックが重い。それでも順調に本谷橋で休憩後、
横尾着。ほっとする。心も緩む。あとは平坦路だけだ。
明神池の嘉門次小屋で岩魚に舌鼓。私はおでん。やっぱ熱燗とばかり
とっくりを傾ける。至福の一時。山も酒も最高である。穂高の見えぬ曇天の
上高地でゆっくり過ごす。午後2時、西糸屋山荘別館で本当にザックを下ろす。
明日の焼岳が大丈夫かと思うくらいの満足感と疲労。風呂で垢を落とし、
ビールで英気を養う。食べ切れなかったツマミが山とある。
日本酒、大雪渓20カップを全員で飲み干す。宿のご主人は笑っていた。
旨い夕食を頂き布団で就寝。明日の晴天に期待が大きい。
9月24日(四日目) 上高地→焼岳→中ノ湯
早朝、窓から青空が見える。弁当の握り飯で朝食を済ませ出発、6時。
富士山、乗鞍では初冠雪との冷え込み。霜が降りている。その代り、一点の
曇りも無い快晴。河原へ出て穂高を見るが絶景の一言。焼岳も噴煙とともに
雄大に聳える。正に秋晴れ。6時40分、焼岳登山口。空身で上高地ピストン
も考えたが、予定通りザックを身に付け中ノ湯へ下るコースを選んだ。
最初の樹林帯を抜けるといきなり梯子の連続。最後の梯子は垂直で20mはある。
慎重に登る。その後もジグザグの急登。景色は最高。眼下に上高地、大正池、
帝国ホテル。9時、焼岳小屋。小屋の青年は気持ちの良いクライマー。
ここで二回目の朝食。椅子に氷が張っている。寒い。9時半頃出発。
ここからの登りは最高の景色。この世のものとは思えぬ、噴煙絶えぬ岩肌の
焼岳。これから通る登山道。穂高から裏銀座の大パノラマ。雲ひとつ無い
笠岳が見事だ。途中の展望台で景色に見とれ、思わず一服。
その後は滑りやすいザレの急登。足元が不安定。
8. 焼岳を登る
滑り易い難路を踏みしめゆっくり登る。息が上がってきた11時、やっと
山頂分岐点到着。硫黄臭が強く、一面から煙。ザックをデポし身軽になり
山頂を目指す。はやる心を抑え20分後に山頂。皆で万歳三唱!上高地入山
から4日目。最後の山頂だ。
出迎えてくれた景色が見事の一言。休暇を取って来た甲斐がある。登りでは
見えなかった白山、乗鞍がさらに身近に見える。北アルプス総図で
周囲の山を確認。素晴らしい!笠岳山頂に雲がかかってきた頃、山頂を後に
する。分岐でザックを背負い、本当に最後の下り。
焼岳の中ノ湯側の姿も美しい。ガレの荒々しい上高地側と違い、青々とした
雄大な斜面が広がる。軽快に高度を下げ小一時間後、新旧中ノ湯分岐に至る。
軽食。
ここからは樹林帯で倒木を幾度もくぐる。バイクの音が聞こえ始め
下界の近さを知る。中ノ湯温泉の屋根が見えてからもうひと歩き。心は温泉と
ビールにあり、知らずと歩調が早くなる。午後2時、中ノ湯温泉到着。
9. 中の湯側からの焼岳と紅葉
長くて短い4日間であった。素晴らしい4日間であった。よく歩いた4日間
であった。真新しい旅館の風呂で汗を流し、ビールで乾杯。感無量。
往路でお世話になったタクシーで松本へ向かう。駅前の美味しい蕎麦屋を
教えていただき、電車までの2時間で祝杯。蕎麦焼酎がすすむ。蕎麦が旨い。
車中でも道中の思い出話で話が尽きない。名残惜しい気持ちを残し、
メンバーと別れる。
少し、山が分った気になった山行でした。
教訓:ガスのボンベは5個も要らなかったです。
<相棒の山行記録>
9/21
上高地 06:45- 07:25明神 07:35- 08:20徳沢 08:35- 09:35横尾 09:55-
11:10本谷橋 11:45- 13:45涸沢テントサイト
9/22
サイト 06:15- 涸沢小屋 06:25- 08:30北穂山頂 09:10- 11:20涸沢岳山頂 11:30-
11:45穂高岳山荘 12:20- 12:50奥穂高岳山頂 13:20- 13:50穂高岳山荘
15:30涸沢小屋 - テントサイト
9/23
サイト 07:45- 08:50本谷橋 09:00- 09:45横尾 10:00- 10:50徳沢 11:05-
11:55明神池 - 上高地 - 14:00西糸屋山荘別館
9/24
山荘 06:00- 河原 06:10- 焼岳登山口 06:40- 09:00焼岳小屋 09:25-
11:00焼岳山頂 11:20- 北峰南峰分岐 11:30-
12:20新旧中ノ湯分岐 12:30- 14:00中ノ湯温泉(旅館)
アルクK隊 登山報告
穂高・上高地・焼岳
2002年9月21日~24日
メンバー:L:Gabibo氏、村さん、Nakaj、K隊 (5名)
9月20日(前夜)
ついに買ってしまった二つの大きなザック。
今回は涸沢テントサイトをベースに、2日目の一日で北穂/涸沢岳/奥穂
の3000m級を一気に登りサイトに戻る計画。
テントは他のメンバーが担ぐため、K隊の荷物は食事の用意がメイン。
初めてのテント泊、2日目の長&難コース、重いザック。
不安な気持ちのまま、新宿思い出横丁でK隊、前夜祭。
深夜、急行アルプスに乗る。
9月21日(1日目) 上高地→涸沢テントサイト
早朝5時、松本で全員が集合。村さんとK隊二名の3ザックが新品。
NakajのザックにはK隊用のテントが。皆、ザックがはちきれそうだ。
Gabibo氏のザックが一際大きく100リッター。5名用テント、鍋などでパンパン。
感謝感謝である。食事で皆にお返しをすると誓う。
タクシー5人乗りで松本出発。上高地は晴天で穂高が綺麗だ。
6時45分、上高地出発。皆、重たいザックを背に足を進める。3連休であり、
人が多い。明神、徳沢と休憩を挟み順調。
Gabibo氏は明神2263M峰、岩登りの初登頂の記録を持つ。話を聞きながら見上げるが
真直の岩山は凄みあり、人間業とは思えない。見ているだけで手に汗。すごい。
1. 明神岳の絶壁
横尾が遠く感じるザックの重み。休憩時、歩行時とザックを調整するが
ポジションが決まらない。肩と腰が痛い。足にもきだした。
屏風の荒々しい岩肌の眼下で立ち止まり、Gabibo氏のここでの武勇伝を聞く。
混雑する本谷橋で昼食。涸沢までの登りに備え、肩と腰を休める。
正午前、出発。登りの斜度がきつくなり、荷物で足が思う様に上がらない。
30分毎5分の休憩を挟み牛歩。途中、ザックのポジションは決まり、肩・腰は
少し楽になる。が、やはり重い。
2. 重いザック
テントサイトが見えてきて、最後のひと登り。色づき始めたナナカマドが目に
楽しい。結局橋から2時間で到着。さすがGabiboペース。決して遅いタイムでは
ない。上高地出発より合計7時間。
ザックを下ろすと、体が浮く感じがする。さすがに疲れた。
まばらなサイトにテント設営。早速宴会。やっとK隊のパエリアパンの出番。
前菜、網焼き、鉄板焼き、果物。自信の夕食である。この為に来たK隊。
牛肉、シャウエッセン、玉葱、ジャガイモ、エリンギ、トウモロコシ、等等。
様々な食材に舌鼓。酒が進む。皆が喜ぶ。嬉しい。甲斐がある。
3. 盛大に宴会
皆のザックからツマミが。ラッキョウにバナナチップ等など。村さんに感謝。
曇天に時折青空が顔を出す。涸沢が夕焼けに染まる。天気は持ちそうだ。
思ったより寝やすい寝袋とテントに熟睡。Nakajに感謝し、疲れを取る。
9月22日(2日目) サイト→北穂→涸沢岳→奥穂→サイト
α米の朝食をしっかり食べ、サブザックに雨具を詰め出発。足取りは軽い。
曇天なれど景色は良く見える。降雨を心配していた我々には晴天も同様。
気持ちも軽い。
4. 涸沢の朝
まずは北穂。昨年、K隊が上高地から一気に登ったとはいえ涸沢から
3時間半かかった登り。気を入れ歩き出す。
すぐの急登で混雑しているが、八ヶ岳から富士山まで見え始める。
北穂高小屋が見えると、鎖、ガレ。無難にこなし確実に高度を上げる。
2時間でクリア。思ったより早く、気持ちの良い汗。山頂の展望を楽しむ。
眼前の槍。直下の大キレット。晴れ間は無いが、360度の眺望。浅間から白馬。
裏銀座、白山。日本中の山が見えた思い。小屋で軽食。涸沢岳に向けて休憩。
5. 北穂山頂から、大キレットと槍
9時過ぎに出発。早速の難所。梯子、鎖に取り付く。全てが高度のある中での
行動。スリルを越え危険を感じる箇所も幾度かこなす。このコースを下りに
使い、逆を歩いていた山慣れた若者も”こわっ”と小さく叫んでいた。
ひと安心。彼でも怖いのだ。
キレ落ちた稜線歩き、高度感のあるトラバースは特に要注意。
6. 涸沢岳へ
思ったほどすれ違いは無く、このコースの難易度を知る。ほぼ2時間を使い
涸沢岳山頂。万歳!万歳!アルピニストになった思い。全員無事で良かった。
苦労した分景色も一際映える。これから登る奥穂に大勢の人が見える。
壮観と感慨の山頂を後にし正午前、穂高岳山荘で昼食。
山荘のカレーは美味かった。出発直前、見上げる奥穂の最初の梯子付近で
落石が発生。山荘の皆で”ラク!”と叫ぶ。
その梯子も涸沢岳までのことを思えば簡単に感じるほど。30分で奥穂山頂。
相変わらず360度の展望。素晴らしい!3000m級を一日で三山制覇。
素直に嬉しい。
山頂そのものには殆どスペース無く写真の順番待ち。観光地状態で人も多い。
しかし、右手のジャンダルムを眺めると観光気分も吹っ飛ぶ。これは無理。
常人の通れるコースでは無い。唯一L:Gabibo氏が行きたそうな雰囲気。
尊敬。
7. 奥穂からジャンダルムを覗く
霧が出始め周囲の山が見えなくなってきた。下山開始。最後の梯子で大渋滞。
落石しないよう気を付け順番を待つ。
山荘を抜け、ザイテングラートに挑戦。慎重に下る。霧で何も見えない。
テントサイトでも見えれば目標になるのだが、文字通り五里霧中。紅葉した
ナナカマドだけが出迎えてくれた。あと30分もかかるかと思った矢先、涸沢
小屋が見えた。早速ソフトクリームで下界気分を味わい、ビールを購入。
総行程9時間に渡る無事を祝いテントサイトで乾杯!
缶詰が旨い。Nakajに感謝。今日はGabibo氏の大鍋でラーメンライス。
ちょっと味は薄いが気分は最高。
雲間に時折穂高が見える。明日の雨は大丈夫か?
酒が足りず、ワインを買出し。疲れもあり、早めに就寝。夜半、小雨。
9月23日(三日目) 涸沢テントサイト→上高地
幸い雨は無いが雲が重い。早々にテントを片付け朝食。天候の悪化無く
余裕を出し8時前までコーヒーで寛ぎゆっくり出発。
荷物が軽くなった分、疲れでザックが重い。それでも順調に本谷橋で休憩後、
横尾着。ほっとする。心も緩む。あとは平坦路だけだ。
明神池の嘉門次小屋で岩魚に舌鼓。私はおでん。やっぱ熱燗とばかり
とっくりを傾ける。至福の一時。山も酒も最高である。穂高の見えぬ曇天の
上高地でゆっくり過ごす。午後2時、西糸屋山荘別館で本当にザックを下ろす。
明日の焼岳が大丈夫かと思うくらいの満足感と疲労。風呂で垢を落とし、
ビールで英気を養う。食べ切れなかったツマミが山とある。
日本酒、大雪渓20カップを全員で飲み干す。宿のご主人は笑っていた。
旨い夕食を頂き布団で就寝。明日の晴天に期待が大きい。
9月24日(四日目) 上高地→焼岳→中ノ湯
早朝、窓から青空が見える。弁当の握り飯で朝食を済ませ出発、6時。
富士山、乗鞍では初冠雪との冷え込み。霜が降りている。その代り、一点の
曇りも無い快晴。河原へ出て穂高を見るが絶景の一言。焼岳も噴煙とともに
雄大に聳える。正に秋晴れ。6時40分、焼岳登山口。空身で上高地ピストン
も考えたが、予定通りザックを身に付け中ノ湯へ下るコースを選んだ。
最初の樹林帯を抜けるといきなり梯子の連続。最後の梯子は垂直で20mはある。
慎重に登る。その後もジグザグの急登。景色は最高。眼下に上高地、大正池、
帝国ホテル。9時、焼岳小屋。小屋の青年は気持ちの良いクライマー。
ここで二回目の朝食。椅子に氷が張っている。寒い。9時半頃出発。
ここからの登りは最高の景色。この世のものとは思えぬ、噴煙絶えぬ岩肌の
焼岳。これから通る登山道。穂高から裏銀座の大パノラマ。雲ひとつ無い
笠岳が見事だ。途中の展望台で景色に見とれ、思わず一服。
その後は滑りやすいザレの急登。足元が不安定。
8. 焼岳を登る
滑り易い難路を踏みしめゆっくり登る。息が上がってきた11時、やっと
山頂分岐点到着。硫黄臭が強く、一面から煙。ザックをデポし身軽になり
山頂を目指す。はやる心を抑え20分後に山頂。皆で万歳三唱!上高地入山
から4日目。最後の山頂だ。
出迎えてくれた景色が見事の一言。休暇を取って来た甲斐がある。登りでは
見えなかった白山、乗鞍がさらに身近に見える。北アルプス総図で
周囲の山を確認。素晴らしい!笠岳山頂に雲がかかってきた頃、山頂を後に
する。分岐でザックを背負い、本当に最後の下り。
焼岳の中ノ湯側の姿も美しい。ガレの荒々しい上高地側と違い、青々とした
雄大な斜面が広がる。軽快に高度を下げ小一時間後、新旧中ノ湯分岐に至る。
軽食。
ここからは樹林帯で倒木を幾度もくぐる。バイクの音が聞こえ始め
下界の近さを知る。中ノ湯温泉の屋根が見えてからもうひと歩き。心は温泉と
ビールにあり、知らずと歩調が早くなる。午後2時、中ノ湯温泉到着。
9. 中の湯側からの焼岳と紅葉
長くて短い4日間であった。素晴らしい4日間であった。よく歩いた4日間
であった。真新しい旅館の風呂で汗を流し、ビールで乾杯。感無量。
往路でお世話になったタクシーで松本へ向かう。駅前の美味しい蕎麦屋を
教えていただき、電車までの2時間で祝杯。蕎麦焼酎がすすむ。蕎麦が旨い。
車中でも道中の思い出話で話が尽きない。名残惜しい気持ちを残し、
メンバーと別れる。
少し、山が分った気になった山行でした。
教訓:ガスのボンベは5個も要らなかったです。
<相棒の山行記録>
9/21
上高地 06:45- 07:25明神 07:35- 08:20徳沢 08:35- 09:35横尾 09:55-
11:10本谷橋 11:45- 13:45涸沢テントサイト
9/22
サイト 06:15- 涸沢小屋 06:25- 08:30北穂山頂 09:10- 11:20涸沢岳山頂 11:30-
11:45穂高岳山荘 12:20- 12:50奥穂高岳山頂 13:20- 13:50穂高岳山荘
15:30涸沢小屋 - テントサイト
9/23
サイト 07:45- 08:50本谷橋 09:00- 09:45横尾 10:00- 10:50徳沢 11:05-
11:55明神池 - 上高地 - 14:00西糸屋山荘別館
9/24
山荘 06:00- 河原 06:10- 焼岳登山口 06:40- 09:00焼岳小屋 09:25-
11:00焼岳山頂 11:20- 北峰南峰分岐 11:30-
12:20新旧中ノ湯分岐 12:30- 14:00中ノ湯温泉(旅館)